音楽むすび | 1997年2月21日発売

日本のハード・ロック／ヘヴィ・メタル・シーンにおいて伝説的な存在となっているサーベル・タイガーの86年から90年までの音源を、リミックス&リマスターしたアルバム。北欧メタルと呼ばれる、雄大で荘厳な世界が展開されている。

札幌を拠点としていた伝説のハード・ロック・バンド、サーベル・タイガー。本作は彼らが過去に発売してきた楽曲を、同バンドのギタリスト、木下昭仁がリミックスを施し制作したベスト盤の第2弾。よりギター・サウンドを押し出した作りになっているところがポイント。

前作より約3年のインターバルを置いたカーンの97年のアルバム。これまで常に素晴らしいバックに恵まれてきたカーンだが、フレキシビリティの高さという点でディジョネット〜パティトゥッチというラインは的を得た人選。フォロンによるジャケットはいつもながら美しい。★

本作はこれまでのファンク・ロック・タッチのサウンドではなく、ロニー・スミスのオルガンをフィーチャーした、ブルージーでジャジーなサウンドになっている。“オトナのハイラム”といった感じの作品だ。渋いけど、メロウで聴きやすいアルバムだ。

アスペレンの名技が光る。ヘンデルの作品を、こんなにも情熱的に、こんなにもきらびやかに響かせることのできるチェンバロ奏者は滅多にいない。そこには演奏家アスペレンの姿も浮き上がり、鮮烈な音楽に仕上がっている。ぜひとも一聴をすすめたい。★