1997年8月発売
2年ぶりのソロ作は2枚組フュージョン・アルバム。相変わらずスペーシーで官能的なギターを武器に十分ロック的に攻めているのだが、サンタナやスティーヴ・ペリーといった強烈な個性とのぶつかり合いに比べると、どうしても丸くなった印象は否めない。
いまどき珍しく真性ファンク体質なUKシンガーのデビュー盤をリミックス主体にして組み直した日本独自の編集盤。(1)〜(5)(10)(11)はオリジナルと一緒だが、ほかはズラッとリミックスが並ぶ。両方聴き比べて楽しむのも、これだけ楽しむのも、いずれも可。
カナダのHRバンド、ハーレム・スキャーレムのメンバー、ハリス・ヘスがプロデュース、また同じくピート・レスペランスもギターで参加しているステイーヴ・ホリデイのデビュー作、というよりもハーレムのプロジェクト・アルバムといった方が分かりやすい。
歌メロ重視で人気獲得のカナディアン・ハード・バンドの来日記念盤はライヴ。アンプラグド、デモなどのトラックを収録した企画もの。生にこだわった1枚らしく、どれもが素朴かつ自然な温もりを感じさせる。ツボにハマった指圧のごとく五臓六腑にしみわたる。
ジャケットを見ると男の子のようだが、実は女性、本名:キャッシー・ドーン・ラング。このアルバムは、オウエン・ブラドリーのプロデュースで3作目の作品(87年)。歌が非常にうまい、声もなかなか美しい。それでも見た目が男の子ぽくしているのが面白い。
第35回グラミー賞の最優秀女性ポップ・シンガーを受賞したラング。カントリー系シンガーとして有名なのだが、この89年の作品は今回が日本初発売だ。ボーイッシュでアウトドアなカナダ・ガールといった感じで、声量が冴えわたるポップな世界を聴かせる。
まるでおとぎ話を聞いているような暖かくほのぼのとした雰囲気に満ちた“オーヴェルニュの歌”。アップショウの歌は表情豊かでヴィヴィット。明るく軽やかに広がるオケの伴奏を背景に、夢のような音の絵画を描いていく。爽やかな緑の草原が目に浮かぶ。