1998年10月発売
Spread Beaverの予行演習的ニュアンスを持ったユニットによるライヴ盤。ヴォーカリストとしては未だ成長過程にあるKIYOSHIゆえ、全体を聴き通すのはちょっとキツいが、グルーヴ感あふれる攻撃的バンド・サウンドは極上。さすがツワモノ揃い。
世界規模で活動するパーカッショニスト・土取利行が、呉鼓という日本古来の太鼓を主要楽器として、現代を生きるアジア音楽を創造、発信するために結成したニュー・グループによるアルバム。汎アジアなリズムがスピリチュアルに響きわたる。
日本を代表する打楽器奏者・土取の新作は、ドラム、ボンゴに世界の民族楽器を取り入れた多彩なアルバム。地球の鼓動と共鳴しているような土着的な響き、小刻みでスピーディなビート、カラフルかつアーシーな音色で、パーカッションのマジックを体験。
誰しもがサティ熱でうなされた85年。そんな頃にロック側が啓示したひとつの解答がコレ。エレクトロニクスを使用しながら原形を崩さずに流れる調べは聞き慣れたモノより情感的である。しかしフリークス外の人間には意外性がなくつまらないのも事実。
モット・ザ・フープル出身というのが今ではウソみたいにアンビエントな音楽制作を続けるキーボーディストの80年代の2枚組を1CDに。シンプルな“FLOW”編、オーヴァーダブした“OVERFLOW”編、いずれも心休まる限りなくアナログなテクノ。
制作・出演
J.S.バッハ / アクセル・ケーラー / クリストフ・プレガーディエン / ヒレヴィ・マルティンペルト / フランツ=ヨーゼフ・ゼーリヒ / ベルナルダ・フィンク / ベルリンRIAS室内合唱団 / ベルリン古楽アカデミー / マティアス・ゲルネ / ルネ・ヤーコプス(2)はワルター2度目の録音。(2)はウィーンpoとの37年の録音が余りにも有名だが、唯一の(1)と組み合わせたこのCDも最晩年のワルターの代表的な名盤。いずれも遅めのテンポで、堂々たる進行はいかにも巨匠ならではの足どりである。近年の演奏スタイルとは遠いが、一度は聴いておきたい。
ワルター得意のモーツァルトが新しいマスタリングによって美しい音で蘇っている。音楽の表情づけがあたたかで柔らかい。今では滅多に聴くことのできないようなロマンティックでゆったりとしたモーツァルトが、かえって、新鮮に感じられる。
ずううんと重い響きと、ぐぐっとテンポを落として纏綿と歌われる旋律。かと思えば、かあっと熱くなるとごわぁっと走ったりする。いやはや温和な紳士かと思っていたワルターも、今聴くとカリスマの雰囲気すら漂わせ、絶句的濃さである。確かに巨人の一人だな。
ワルター晩年のステレオ録音をデジタル化したシリーズの一枚。伸び縮みするテンポや大きくうねるようなアーティキュレーションなど、いかにも“時代”を感じさせるが、あふれるような音楽への熱は、最近のドライな演奏に足りないものを教えているようだ。
収録曲中バッハとベルクは小山にとって初録音、リストのソナタは再録音となる。彼女らしいはつらつとした明るさが前面に出ているが、流れに漫然としたところがなく、見事に引き締まっている。小山の鋭い集中力が生かされ、主張が明確に表われた好演。
ブリテンの現代イギリス歌曲、とりわけ少年合唱を中心とする英国国教会のレパートリーへの貢献がいかに大きなものであるかを実感させてくれる録音。伝統的に少年のみの構成を貫いてきた教会聖歌隊が、その歌唱法を含め独自の地位を確立していることも納得。★