1998年3月25日発売
これは名演。この人は実にニュアンスが多彩である。テンポや音量の増減や左右の手のバランスなどを自在に変化させているが、過度にロマン的に聴こえないところが凄い。伴奏も非常に新鮮な響きがする。つくづくこの人は過少評価だと思う。
1974年生まれ、ユダヤ系ロシア人、ヴェンゲーロフの新録音。音の切れ味の鋭さや張り詰めた感じは、ベートーヴェンで非常に効果をあげている。一方、ブラームスでは、もう少し音色に潤いがほしいし、もっと歌い込んでほしい。レパートリーの難しさ。
ラスキーヌのハープは、あくまで品位を崩さぬ端正な動きの中にピンと張った濃い色香が匂い立つ。それがキラリと耳を引く。この古典からロマン派初期の時代の作品が集められたCDは、気が遠くなるほど優美な時間から耳をシャンと救い出す、中々の真骨頂。
珍しいハープとホルンのための曲は、これもあまり知られていないデュヴェルノワ、ボクサ、ドープラの作品。ラスキーヌの気品と風格を備えたハープとともに響くと、ホルンの音色までもがとても優雅なものに聴こえてくる。まさに“女王”にふさわしい名演。
往年の名ハーピスト、ラスキーヌのフランス近代室内楽アルバム。73年録音とのクレジットからすると、ラスキーヌが80歳のときの演奏(そういうことは考えずに聴いた方がいいのかもしれないが)。おしゃれで気品のあるラスキーヌのハープが楽しめる。
“モーツァルト自身の”楽器をモデルに1977年に製作されたフォルテピアノを用い、ハッキラが何とも見事な、生彩に満ちた演奏を披露している。ひらめきに満ちた即興的な解釈と、緻密な運びが同居。彫りも深い。食わず嫌いの人にもお勧めしたい名曲選。
夢のオーディション番組、『ASAYAN』から飛び出した女性シンガーのデビュー作。プロデュースはシャ乱Qのはたけ。歌謡曲チックなのは(6)(8)ぐらい、キホンはサワヤカな女の子ポップス。まだまだヴォーカルに硬さが残るが、ここからどう化けるか?