2002年10月23日発売
85年に特別編成されたレイとハンクの双頭コンボ東京ライヴ。両者が組めば黙っていても安定した音が聴こえてきそうだが、これは予想以上の出来で、熟成した果実がたわわに実った収穫祭の雰囲気。シルバーの名曲(8)など選曲にも意外性があり、秘蔵の名ワインの香りが漂う。
制作・出演
ギル・ゴールドスタイン / クリス・ハンター / ジョージ・ヤング / セントラルパーク・キッズ / ダニー・ゴットリーブ / チップ・ジャクソン / デヴィッド・マシューズ / ルー・ソロフニューヨークの編曲家/ピアニストのデヴィッド・マシューズが、ジャズ・コンボとストリングスでモーツァルトをとりあげた。モーツァルト没後200年を記念して録音された作品の再発。マシューズらしいアレンジで、軽快なリズムと演奏を聴かせている。
トリオ・シリーズの第4作目。ポピュラー曲をジャズ・アレンジする敏腕ぶりは相変わらずだが、可笑しいことにゲストのバートンがソロになると、新鮮で甘い調べに誘発されたようにバックがやたらと元気がよくなるので、マシューズが苦笑しているように聴けた。
“復活”を遂げつつあったマッコイの91年6月録音のトリオによるライヴ。(1)を聴いただけでこの日の調子が窺いしれるホットな演奏。エイヴリー・シャープをリズム・キープに“置き去りにした”、マッコイとスコットの二人の疾走感は暴力的で、爆発的だ。凄い!
DJ ALEX FROM TOKYOが三部作で取り組んでいる、“WORLD FAMOUS”コンピレーション・シリーズの2002年最終作。新旧を問わず彼が気に入っているダンス・ナンバーを全9曲収録した。踊って良し、BGMとして聴くも良しの“使える”一枚。アナログ盤で欲しい。
サード・アルバム。倉木本人は「19才なりのお伽話」を歌詞に盛り込んでコンセプトを意識しているのに、(2)(5)(7)(10)のシングル曲を含み統一感のないサウンド作りがやや心残り。ただし、5曲を作曲している徳永暁人が、毒のない倉木の歌詞や声に、より印象的な表情を与えていて興味深い。
TNTのシンガーとライオットのギタリストを中心とする4人組ハード・ロック・バンドのサード。さらにメロディアスでドラマティックな楽曲が増え、当初のプロジェクト的形態から正式なバンドとなった決意が窺える。ブラック・サバスのカヴァーは蛇足かも。
スウェーデンのネオ・プログレ・ハード、マジェスティックの変名バンドと言えそうな新バンド(一応)のファースト。かなりコッテリした叙情的メロとスリリングなプレイは、様式美メタルに近い雰囲気。幻想的なキーボードを随所に散りばめたドラマティックな力作だ。
スカ・パンク・ムーヴメントの火付け役のひとつであり、いまもその牽引車であるケムリ初のベスト盤が登場。マスタリングをやり直して音質アップ+新録音もうれしい。思考と音楽が完全に一致した、ポジティヴな姿勢が最初から揺るぎなかったことを再確認。