2002年3月発売
シャム猫という名の男女ユニットによる2年半ぶりのサード・マキシ。エキゾティックで気まぐれなYOKOの歌声は椎名林檎を連想させるが、デビューはこちらが先。情感のある乾いたサウンドが現代の空虚な空気とシンクロして何ともいえない余韻が耳に残る。
都内の高校に通う現役の高校1年生、なんと弱冠16歳という若き箏奏者、森川浩恵のデビュー作。まさに“目からウロコ”スゴイ! の一語に尽きる。これまでの箏(琴)に対するイメージを一掃する即興性あふれる華麗にして激しいツメさばきは驚異! まずは聴くべし。★
サンバとともに生きてきた33年生まれ名シンガーの新録盤。アルバム・タイトルにあるように、サンバの流れを追いつつ御大の人生を描こうとした大作だが、とにかく喜びと精気とダンディズム、あり。ブラジル音楽に興味を持つ人は、必聴といいたくなる佳盤。★
53〜62年といえば戦後日本の復興期。“バタ臭さ”がなによりもかっこよかった時代をポピュラー音楽でたどるなら、雪村いずみを聴けばいい、と再確認。太平洋の遙か向こうの文化を素直に礼賛しているようでその実、決して米音楽のストレート・コピーではない。洋楽カヴァー、和製ロカビリーのどちらからも“和魂洋才”が具現化された史上マレな、そして幸福な時代を見ることができる。
1曲目の「それぞれの空」は、映画『翼をください』のイメージ・ソング。悲しい別れの歌だが、そのしっとりした感じは、映像とともに流れてくるのにぴったりかも。2曲目の「影ふみ」もまた、じんわりと心の中に入りこんでくるような作品。
オルケスタ・デル・ソルや熱帯JAZZ楽団のピアニストとして知られる森村献の通算3枚目のソロ・アルバム。4人の女性ヴォーカリストを迎え、バラードやダンソンなど、ゆったりしたサウンドを聴かせる。“今”の息吹が感じられる、ラテン・アルバムだ。
若者ばかりのクァルテット。であればシャープな技巧にスピード感あふれるストレートな音楽。と、こんな先入観を持つのはマチガイ。もちろんそういう点もあるけれど、ファーストの伊藤亮太郎の持ち味にもよるのか、この団体は思いのほか湿度のある音楽を聴かせてユニーク。
ポップスにカヴァーされたクラシックの名曲を集めたコンピレーション・アルバム。オリジナルの形とカヴァー・ヴァージョンの両方が収められていて、聴き比べができる。