2004年1月21日発売
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キングレコード株式会社BCJのカンタータ全曲シリーズも佳境に入ってきた。豪壮なコルノ・ダ・カッチャが降誕節の祝祭的気分を醸し出す第65番。冒頭の落ち着いたテンポ設定に鈴木の誠実な人柄がにじむ。逸失した楽譜を補って再現された第190番に聴ける燻し銀の響きにも心を奪われる。★
「スラヴ作品集」というか、「チェコとポーランド作品集」。音楽を明快に弾き分ける知性と卓抜なテクニック(ピアニッシモのロング・トーンなどでの安定感も素晴らしい)で作品に真っ正面から取り組んでいる。明晰さと詩的さを併せ持つクピェツのピアノが貢献度大。
クーベリックが、20年近くシェフを務めたバイエルン放送響から去った年(とその前年)のライヴ。交響曲ではアゴーギグも効果的で、むせ返るような熱い共感を聴かせている。協奏曲での塩川はときにヴィブラートが気になるものの、感興にあふれた歌が好ましい。
名匠クーベリックのキャリアのなかでは、後期にあたる時期のライヴ録音。交響曲第8番はよく弾み、よく歌う、じつに気持ちのいい演奏だ。定評の高い66年録音のベルリン・フィル盤に対し、手兵との一体感が前面に押し出され、ライヴ特有の感興にも満ちている。
マドンナ&ミッシー・エリオットの共演で話題となったGAPのCMソングが、ついにフル・ヴァージョンでCD化。アルバム『アメリカン・ライフ』収録曲のリミックスを含むファン待望のEP盤。
2003年発売のウィーン・フィルを振っての「わが祖国」に通ずるチェコ音楽へのコミットメントの出発点であり、ボヘミアの血筋を引くというアーノンクールの心象風景の具現化でもある名盤。チェコ・フィルをしのぐ“アク”の強さを自然にオケから引き出した。
以前はかなり力任せだったり過度に意識的な音楽作りが目についたバレンボイムだが、やはりこういうスーパー・オケを振るようになると、むしろオケとの共同作業という面が強くなってくる。だから演奏にはとくに気負ったところがないが、いささか安全運転かも。
やっぱりこれだけ規模も大きく、複雑な作品だけあって、今まで出た演奏はどれも素晴らしい。本作も、ライヴとは思えない精度の高いアンサンブルと、ライヴならではの、ダイナミックで、熱気があふれたものになっている。まあそれにしても、BPOはさすがだなあ。★
2度目の録音。テンポの緩急、広いダイナミズム、密なアンサンブルと、前回と大きな変わりはないけれど、よりしなやかに、滑らかになっている。2番のハーツェルツェトのフルートがイマイチだけれど、オーケストラはまことに生き生きと、溌剌とした演奏だ。