2005年11月2日発売
コルトーといえば20世紀を代表するピアニストだが、録音状態の良い演奏が少ないのが残念。ところが予想もしなかった貴重な3枚組が登場した。54〜60年にエコール・ノルマルで行なわれたレッスンのライヴだ。解説と部分演奏だし、ミス・タッチも多い。しかし、バッハのパルティータやモーツァルトの幻想曲が流れると、コルトーって、こういうふうに弾いたんだと再認識。ベートーヴェン最後期のソナタで聴かせる情緒の何という味わい深さ。最晩年のコルトーが伝えたかったメッセージがいっぱいに詰まっている。
ドイツ、南米、スペインと、活躍の場を世界に広げている小松亮太が放つ入魂の1枚。タンゴの巨匠ピアニストであるホセ・コランジェロとの夢の共演をはじめ、彼の新境地を実感できる力作だ。
人気、実力ともに世界のトップ・クラスのヤンソンスの魅力は“現代的スタンダード”ではないかと思う。十分に洗練されているが、メリハリやコントラストが明快につけられ、親しみやすい演奏。ライヴならではの緊張感や求心力もこのシリーズの魅力だろう。
「火の鳥」から意外な響きが聴こえてくる。ふわり音色が受け渡されるはずのパッセージがゴツと滞る。炸裂するトゥッティの背後で金属打楽器の残響が蒼く漂う。シチェドリン作品でもパスティシュのような意匠のなかから突如異形の音の形が現れる。津々のライヴ。
いまや世界最高の指揮者と称えられるヤンソンス。個性の異なるオケを率いても確実にハイ・レベルな響きを引き出すテクニック。ここでもバイエルン放送響の能力をフルに発揮させ、ダイナミックな演奏に仕上げている。彼が多くのオケに信頼される理由がよく分かる。
テーマ別、手頃なコンピレーション・アルバム・シリーズ『イマージュ』に、クラシックが加わった。第1弾は作曲家編。バッハ、モーツァルト、ショパンが選ばれて、気楽に楽しく聴けるアルバムに仕上がっている。
復活アルバム第1弾。2002年ラスベガスで行なわれた一夜限りの特別なステージの模様が収録されているということもあってか、何枚かあるライヴのうちでもどこか特別な熱気があるように感じられる。演奏だけでなく、カヴァーも含め、選曲も興味深い。