2005年8月24日発売
これまでの作品のなかでもっとも“グレイプバインらしさ”が前景化した一枚だろう。前作『イデアの水槽』以来、約2年ぶりのアルバムは、聴く者を圧倒するロック・グルーヴと力強くも繊細なメロディがひとつになった最高傑作。やっとバインが本気になった。
歌唱力に定評のある彼女が今度はリミックスされて登場だ。DJ TAKASUやDJ Watari、Towa Tei&KREVAなど内外の名立たるアレンジャーにこれでもかと手を加えられているのだが、結局のところ誰の色にも染まらず彼女のタレント性が引き立つ結果になっているのは興味深い。
制作・出演
アルノルト・シェーンベルク合唱団 / イルデブランド・ダルカンジェロ / ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 / エルヴィン・オルトナー / エヴァ・メイ / ニコラウス・アーノンクール / ベルナルダ・フィンク / ミヒャエル・シャーデ“宗教曲の衣を纏ったオペラ”といったこの曲のイメージを一新する画期的な演奏である。鋭いアクセントに乗って合唱が明晰に響き、独唱も謹厳として歌い過ぎない。それでいて聴衆を熱い感動で包むのがアーノンクールの凄さだ。ウィーン・フィルの力も大きい。
制作・出演
アイヴォー・ボルトン / アロイス・グラスナー / ザルツブルク・バッハコーア / ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団 / ジョン・マーク・エインズリー / デイヴィッド・ウィルソン=ジョンソン / ハイドン / ミア・パーソン30代半ばのメニューインが1951年に来日した際に日本ビクター・スタジオで録音した演奏を1枚のCDにまとめたもの。ゆったりとした音楽ではたっぷりとヴィブラートをかけた甘い音色が旧き佳き時代を思わせ、テンポの速い曲ではテクニシャンぶりを示す。
今度は“伊”というわけでもないだろうが、ハングルが聴こえてくるかと思うほど、“韓”流的なロマンティック・メロディとサウンド。全世界でのセールスに、海外の一般的音楽嗜好を垣間見る。日本が捨て去りかけている、豊穣な声と濃厚な歌が復権する予兆かも。
東映映画『男たちの大和 YAMATO』主題歌。大和魂の本質を長渕剛らしいラブ・バラードで歌い上げた入魂の作品で、“かけがえのない愛”というテーマが、すべての人々の心に深く突き刺さることだろう。
2004年にはサマーソニックにも出演を果たした新潟在住の3ピース・バンド。前作から10ヵ月ぶりの本作は、アレンジャーに元FENCE OF DEFENSEの西村麻聡を迎え、骨太で荒々しく叙情的なサウンドが、よりピュアに、儚く、鋭利に研ぎすまされた力作。
人気TVシリーズ『サンダーバード』の製作40周年記念コンピレーション。お馴染みのテーマ曲を、ザ・サーフ・コースターズや上野耕路、ジグ・ジグ・スパトニック、みうらじゅんなどバラエティ豊かな面々がカヴァーしている。
ニューヨーク州ロングアイランド出身の5人組。2003年のセカンドから念願のメジャー・デビューを果たした彼ら待望のアルバムが届けられた。メンバー・チェンジの苦難を乗り越え、相変わらずの絶叫ヴォーカル&メロディアスなサウンドを聴かせてくれる。
個性的な二人のことだから、さぞや奇抜なブラームスになるだろうと思いきや、一見、意外とオーソドックス。しかし遅めのテンポでたっぷりと歌いながらもロマン派的な興奮を排除しているため、不思議なスタティックさが支配する。やはり一筋縄ではいかない妙演だ。