2007年2月発売
日本人として初めてショパン・コンクール入賞などを果たしながら、膠原病のために36歳で引退し、96年に64歳で亡くなった彼女。覇気のある瑞々しい彼女のピアノは、将来の大器を思わせるもの。オーケストラに傷は多いものの、これはまさに幻の名演と言っていいだろう。
膠原病により、不幸にも30代半ばで演奏家としての生命を断たれてしまった田中希代子。しかしそんな感傷は、我々の勝手な思い込みであることを知らされる。ひたむきで激しく、そしてあらゆる音に強烈な意志を込めた音楽。虚弱どころか強靭ですらある。
発売元
キングレコード株式会社没後10年を記念して田中希代子の録音がリリースされている。類い希な才能を持ちながら、その活動時期はあまりに短いものだった。サン=サーンスの第5番は、68年彼女の絶頂期を記録した名演。音色の多彩さ、感覚の冴え……記憶に残したいピアニストだ。
田中はピアノ演奏を断念せざるを得なくなった後も、後進の育成に多大な功績を残したが、それもピアニストとして有能であったからこそ。今聴いても颯爽とした感性と表現力には非凡さを痛感。思わず引き込まれるドビュッシー演奏など現代でも滅多に聴けまい。
ピュアなメロディアス・ロックを紡ぎ出し続ける彼らの3作目。疾走感に満ちたビートの上を張りのあるハイ・トーン・ヴォイスが飛び交う。その美しい旋律と多彩なアレンジこそ彼らの醍醐味。どの曲も往年の80'sロックのようにキャッチーな魅力にあふれている。
作曲家として活躍する杉本眞人が、自身の亡くなった母親を想って制作したシングル。団塊の世代から絶大な支持を受け、ラジオや有線から火がつきヒットを記録。その深い歌詞をしみじみと味わいたい。
シカゴ響との交響曲全集の一枚で、ショルティによる2度目の録音。マーラーが第2番に託したさまざまな思いや哲学はスパッと切り捨て、音符を唯一の足がかりとして純粋音響美を追究した、ショルティならではの名演だ。