2007年8月22日発売
デビュー30周年を迎える2007年発表の、日本独自企画のべスト・アルバム。レーベルの枠を超えて選曲された数々の名曲が楽しめ、爽やかな旋律の魅力を再認識させてくれる。
これらの60年代の演奏は、ラフマニノフを得意とするプレヴィンにとって、それぞれの曲の1回目の録音にあたる。交響曲第2番では当時慣用的に使われていたカット版が使用されている。交響曲の演奏は、起伏に富み、表情が豊かで、ロマンティック。それでいて、音楽に若々しい推進力がある。ピアノ協奏曲では、アメリカ出身のピアニスト、ペナリオがソロを務めている。ラフマニノフにふさわしい華麗な演奏で作品の魅力を伝える。有名な第2、3番ではなく、第1、4番というところにこだわりが感じられる。
時代の歯車の噛み合わせの妙を感じる指揮者とオケ。プレヴィンのストーリー・テラーとしての才覚がいかんなく発揮されて、指揮者の表現要求の微細な綾までしなやかに音化するオーケストラの妙技とともに、作品の本来的な姿が見事なまでに整然と眼前に展開。
制作・出演
アンドレ・プレヴィン / ウォルト・ホイットマン / ジョン・シャーリー=カーク / プレヴィン / ヘザー・ハーパー / レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ / ロンドン・シンフォニー・コーラス / ロンドン交響楽団 / ロンドン響60年代後半から70年代初頭にかけてのプレヴィンはきわめて意欲的で、溌剌としていた。彼の音楽人生の中でも特別な数年間だった。イギリスでは、彼らが愛してやまないウォルトンやヴォーン・ウィリアムズを振って、すばらしい演奏を聴かせるアメリカ出身の若い音楽家に最大級の評価で応えたが、日本ではまだイギリス音楽への理解が十分ではなかった。これを機にぜひ聴き直してほしい。まず録音が良い。最初に収録された「南極交響曲」は映画のための音楽がベースになっているが、プレヴィンの指揮に安易な演出は一切ない。あくまで正攻法で作品に向き合い、揺るぎない構成感と洗練された響きでドラマチックな世界を描き出している。二人のソリストがすばらしい歌唱を聴かせる「海の交響曲」、第5番3楽章の弦と木管の穏やかで奥の深い表情……。これぞイギリス音楽の魅力!
制作・出演
アンソニー・キャムデン / アンドレ・プレヴィン / ウィリアム・ベネット / ジェルヴェーズ・ド・ペイエ / プレヴィン / ヘザー・ハーパー / レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ / ロジャー・ロード / ロンドン響交響曲第5番は、同時進行していたオペラ『天路歴程』からテーマを引用して、同じく平和への思いを込めた作品となっている。バス・テューバ協奏曲は82歳のときの晩年の作品で、フレッチャーの見事なソロが聴ける。
第6番は第二次世界大戦末期から構想され、1947年に完成された、戦争の不安や原爆への恐れなどが反映されたといわれる作品。第9番は1958年に初演された最後の交響曲で、プレヴィンのコントロールのもと、緊張感あふれる演奏が楽しめる。
制作・出演
アンドレ・プレヴィン / サー・ラルフ・リチャードソン / ジ・アンブロージアン・シンガーズ / プレヴィン / ヘザー・ハーパー / レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ / ロンドン交響楽団 / ロンドン響南極交響曲は、映画『南極のスコット』の映画音楽から改編されたもので、語り手や声楽各種打楽器を取り入れた大作だ。交響曲第8番は、全9曲中もっともシンプルで軽快な佳作。いずれもプレヴィンの上手さが光っている。
名盤復活と言っても過言ではない。ウォルトンの交響曲第1番は英国のみならず交響曲史上でも注目すべき傑作だし、ヴィオラ協奏曲は知る人ぞ知る“三大ヴィオラ協奏曲”の一曲。特に前者は録音は古いがあまりにも激しい演奏で圧巻。必携の買い得盤である。★
制作・出演
アニ・カヴァフィアン / アンドレ・プレヴィン / エリザベス・マン / スティーヴ・テイラー / デイヴィッド・シフリン / デニス・ゴッドバーン / トビー・ホフマン / フランシス・プーランク / リチャード・トッド強烈な“個”はないが、作品の持つ快の勘所をさらり捕まえ、抜群のタイム感覚でキメてみせるピアニスト・プレヴィンのセンスが冴える佳演。三曲三様に多要素混在する面白さを巧みにさばいて違和感がない。ハマリはミヨー。ジャズの気配が見事に腑に落ちる。
若手テクニカル・ギタリストの中では人気・実力ともにNo.1とも言えるSyu率いるバンドの4枚目のアルバム。欧州的なメロディック・スピード・メタルをベースにしながら、これまでにないようなタイプの曲を収録するなど、進化を感じさせる作品となっている。