2008年7月23日発売
『虚無僧尺八の世界』シリーズを展開・発表している中村明一(箏と尺八による編成のKokooを率いる)が、京都・明暗寺に伝承されている尺八曲(対山派)を演奏。禅の修行に根ざしていた虚無僧尺八曲が、読経と同じ行為であったのだと気づかされる演奏。
アイヌの聖なる儀式“熊のイヨマンテ”の模様をドキュメンタリー音源などで綴った記録。二風谷アイヌ文化博物館の館長だった故萱野茂氏のわかりやすい解説、ウポポ(座り唄)や祈り詞なども収録、故安東ウメ子の声とおぼしき歌も聴けるなど、民俗学的にも貴重。★
ヴァイブラフォンの名手、増田一郎が70年代に残した代表作の再発。ピアノ・トリオを従えたカルテット編成で、ジャズ系の多彩なスタンダード・ナンバーを中心に取りあげた。タイトルはフランク・シナトラのヒット曲。増田はヴィブラートを駆使しながら、スウィンギーでメロディアスなヴァイヴ演奏を聴かせている。また、増田が同時期に録音したソングブック・シリーズの3枚も復刻。リチャード・ロジャース集、アービング・バーリン集、コール・ポーター集だ。スタンダードの名曲を軽やかなプレイで料理している。
1946年生まれ、佐賀県出身の山口が、ジョージ大塚のプロデュースで完成させたリーダー第3作。トニー・ウィリアムス、ミロスラフ・ヴイトウスと、今や実現不能なリズム隊をバックに幻想的な世界を、ていねいに作り上げていく。ケニー・カークランドの弾くフェンダー・ローズとシンセが新鮮。
相応のキャリアを持つメンバー全員がヴォーカルを務める、2005年結成の4人組。メジャー進出作となる本作は、印象的なアルペジオに始まる「Take The Wave」からソツのなさを見せつける。根底にあるのはハード・ロックで、ポップなセンスをほどよくバランスさせている。