2008年9月26日発売
リッチー・バイラークは74年?81年に日本のトリオ・レーベルに10枚の作品を残した。第1弾がこのピアノ・トリオ作だ。デイヴ・リーブマン作「トゥモロウズ・イクスペクティション」以外は、バイラークや共演者のオリジナル。バイラークはピアノとエレピを演奏、自由な発想のジャズを展開している。
70年代半ばから80年代初頭にかけて、10枚の作品を旧トリオ・レコードに残したバイラーク。75年録音の本作は、ベースとのデュオ。緊張感みなぎる急速調のナンバーから、ゆったりとした流れを感じさせるバラードまで、濃密な“対話”をたっぷりと披露。表題曲での透明感が絶品だ。★
バイラークが盟友のリーブマンと膝を突き合わせて吹き込んだデュオ作品。静寂な響きの中にふたりのパッションが交錯する。穏やかな音色を持つリーブマンのプレイとバイラークの持ち味である叙情的なタッチがと、理想的なまでに心地のよい融合を果たす。
78年作品。日本、いや世界に誇る鬼才・故冨樫雅彦とのデュオ・ライヴ。場所は小規模ながら両者の緊密なやり取りにこそふさわしい銀座ヤマハ・ホール。主従対峙の関係はつねに変化し続け、二人の呼応がもろに伝わる。静動遅速高低強弱あらゆる要素放出の瞬間芸術!★
2000年からライプツィヒで音楽大学教授を務める彼が、81年東京で録音したライヴ・ソロ。ビル・エヴァンスという、バイラークにとっての大きなハードルへの挑戦と、自己の世界を表現した珠玉の6曲。ピアノを完全に鳴らし切り、自分の言葉で唄わせる完成された作品。
アメリカのインディ・シーンでつねに破格の評価を受けている、テキサス出身のロックバンドの5作目。多くの評論家がその才能を認めるシンガー・ソングライター、ウィル・シェフによるマテリアルが秀逸だ。説得力あるヴォーカルと渋い演奏がマッチしている。
ニューヨーク帰りの沖縄のシンガー・ソングライター、三線奏者の浦崎芳郎とNY在住の女流ピアニスト、memmy lapinからなるユニットのデビュー作。沖縄ポップスだが、誠実な人柄が見えてくるようなひたむきな詩と、情緒的なメロディがジンと心に沁みる。
大阪出身の4人組によるファースト・フル・アルバム。ヴィブラフォンやギターをフルに活かし、爽快で奔放なインストゥルメンタルを披露する。トータスらとのコラボで知られるロジャー・セイベルが前作に引き続いてマスタリングを担当しているのも話題。