2010年4月発売
アコーディオンとコントラバスのインスト・ユニットで、6枚目の本作はフィールド・レコーディングを試みている。鳥の鳴き声などが聴こえる環境の中、二つの楽器が静かにゆっくりと絡んでいく。クラシカルであるが、同時に“音響”でありアンビエント的な要素も併せもった、ディープな傑作。
Disc1 1 : Feed Back 2 : I Ain't Got Nobody (and Nobody Cares For Me) 3 : All of Me 4 : I Can't Believe That You're In Love With Me 5 : Song of the Islands 6 : Viper's Dream 7 : Fine and Dandy 8 : Always 9 : Dark Eyes 10 : At Sundown 11 : Good For Nothing 12 : Blues Skies 13 : Undecided 14 : Stompin' At the Savoy 15 : It Had To Be You 16 : It Must Be True 17 : Honeysuckle Rose 18 : My Blue Heaven 19 : I Got Plenty of Nuthin' 20 : Left and Right 21 : Never Mind 22 : By the Light of the Silvery Moon 23 : I Never Knew 24 : Sleepy Time Gal 25 : You Brought a New Kind of Love 26 : Dream Dust 27 : After You've Gone 28 : Out of Nowhere Powered by HMV
アンジェイ・パヌフニク管弦楽作品集 時代に翻弄された悲劇と栄光の作曲家 近現代音楽ファンにはおなじみの作曲家アンジェイ・パヌフニク。プロムスでもとりあげられ人気を博すほど聴きやすいものも多い彼の作品ですが、表面の格好良さの陰に哀しみが秘められるなど、その味わいは複雑で魅力的。 今回登場するアルバムには、有名な『悲劇的序曲』や『英雄的序曲』『夜想曲』のほか、大量虐殺されたポーランド将校たちへの哀悼の気持ちを込めた『カチンの墓碑銘』が収められるなど聴きごたえある内容となっています。演奏がポーランドのオーケストラと指揮者というのもファンにはたまらないところです。 【パヌフニク・プロフィール】 ポーランド出身の20世紀の作曲家、アンジェイ・パヌフニクは、1914年9月24日、ワルシャワに誕生。父はヴァイオリン製作者、母はヴァイオリニストという環境で早くから音楽を学び、ワルシャワ音楽院では打楽器と作曲・指揮を修めます。 卒業後はウィーンでワインガルトナーに師事し、その後、ロンドンとパリにも滞在して研鑽を積み最初の交響曲も作曲、ロンドンに居合わせた師のワインガルトナーから、国際情勢の悪化を理由に同地に残るよう勧められるものの、パヌフニクは祖国に帰還。 ドイツ軍占領下のワルシャワでは、友人のルトスワフスキと共に、ピアノデュオを結成して秘密裏にコンサートを開催、さらにレジスタンスの歌を書いたり、交響曲第2番や悲劇的序曲を作曲するなど大活躍。しかし、1944年、病気の母を連れてワルシャワを後にすると、ほどなく「ワルシャワ蜂起」が起き、一般市民ら約20万人(!)がドイツ軍によって惨殺され、市街地も放火・砲撃などで徹底的に破壊、パヌフニクの兄弟たちも殺されてしまいます。 パヌフニクは1945年に同地に戻り、破壊を免れた自宅を訪れますが、そこにはすでに別な人間が住んでおり、戦火を生き延びたパヌフニクの作品は彼らによって燃料として焼かれてしまっていました。失意のパヌフニクは、兄弟たちを埋葬すると、クラクフに移り、政府のプロパガンダ・フィルムのための音楽を作曲する仕事に就きます。 やがてクラクフ・フィルの首席指揮者となったパヌフニクは、指揮活動の合間を縫って自作の再構築にも着手。その後、戦火で実体が無くなってしまっていたワルシャワ・フィルの音楽監督に任命され、楽員を集めるなど再建に尽力しますが、政治的な妨害を受けて、退任を余儀なくされてしまいます。 辞任後、作曲活動に精を出し、四分音を導入するなど新生面を開いたパヌフニクは、ポーランド作曲家同盟の幹部に選ばれ、また、ユネスコ国際音楽評議会ではオネゲルとともに副会長を務めることとなりますが、ポーランド文化省から、西側の作曲家を共産主義に勧誘するよう強制され続けたことに嫌気がさしてきます。 さらに、ソ連のフレンニコフが、大会でパヌフニクの『シンフォニア・ルスティカ』を形式主義的として公然と批判し、作品の破棄と演奏禁止を要求すると、パヌフニクの音楽の前衛性に非難が集まりますが、ポーランドでは同作品は国営出版社によって出版されて何度も演奏され、さらにパヌフニクが表彰されるなど、ソ連での批判はあまり影響がなかったようです。 同じ頃、パヌフニクは3度目の夫と新婚旅行中のアイルランド女性、メアリー・エリザベス・オマホニーと知り合い、その美貌と人柄に一目惚れしてしまいます。1951年に彼らは結婚し子供もできたため、パヌフニクは生活のため映画音楽の仕事にも打ち込む一方、ヘルシンキ・オリンピックのプレ・オリンピックのために『英雄的序曲』を音楽コンクールに出品して優勝するなど、忙しい日々を過ごします。そんな中、1953年にはワルシャワ・フィルの室内管弦楽団と共にパヌフニクは中国を訪れ、周恩来首相や毛沢東主席にも会います。しかしその間、留守宅ではメアリーが娘との入浴中に癲癇の発作を起こし、娘が浴槽で溺死するという不幸な事故がおきていました。 失意のパヌフニクに対し、政府は相変わらず西側作曲家への共産主義勧誘をおこなうような依頼をおこなったため、パヌフニクは英国への亡命を決意、先に妻のメアリーが英国に渡り、その地で亡命ポーランド人たちの協力を得て、スイスにパヌフニクを招く形で国外に脱出、その後、ロンドンに飛ぶという計画を立てました。 パヌフニクはスイスに無事に入りましたが、現地のポーランド公使がパヌフニクの亡命計画に気づき、彼をポーランド大使館に呼び戻そうとします。しかしパヌフニクは同行していた秘密警察を振り切ってタクシーで飛行場に行き、なんとかロンドンに着くと政治的保護を認められました。このことは新聞でも大きく報じられ、ポーランド政府はパヌフニク Powered by HMV
アイヒナー:交響曲集 エールハルト&ラルテ・デル・モンド 【収録情報】 アイヒナー: ・交響曲ニ短調 Op.7-4 ・交響曲ヘ長調 Op.11-4 ・交響曲ト短調 Op.6-2 ・交響曲ハ長調 Op.5-1 ラルテ・デル・モンド ヴェルナー・エールハルト(指揮) 録音時期:2008年11月27-29日 録音方式:デジタル(セッション) Disc1 1 : I. Allegro 2 : II. Andante 3 : III. Allegro assai 4 : I. Allegro 5 : II. Andante gratioso 6 : III. Allegro ma non troppo 7 : I. Allegro 8 : II. Andante scherzando poco allegro 9 : III. Presto 10 : I. Allegro 11 : II. Andante un poco allegro 12 : III. Presto Powered by HMV
ヘンデル:エジプトのイスラエル人(2CD) ダイクストラ&バイエルン放送合唱団、コンチェルト・ケルン 2009年、没後250年を迎えたこともあってか、このところオペラやオラトリオの人気が急速に高まってきた感のあるヘンデルです。この『エジプトのイスラエル人』も2007年にバッハ・コレギウム・ジャパンで日本上演されたり、2009年NAXOSからリリースされたりと耳にする機会も増えてきている作品です。ヘンデル54歳の時に書かれた大作で、聖書の「出エジプト記」から主に題材が取られている壮大な作品です。自筆譜は第2部から始まっていますが、ヘンデル自身が第1部の『ヨゼフの死』に『キャロライン王妃の葬送アンセムHWV264』を流用したという記録があり、この演奏もそれを踏襲しています。 この演奏、とにかく合唱が見事です。例えば第3部のモーゼと子どもたちがイスラエルの地に降り立った場面、神への感謝を歌うフーガの部分での一糸乱れぬハーモニーは「さすがダイクストラ」と言うほかありません。ヘンデルのオラトリオの中でも「一番合唱に比重が置かれている作品」と言われているこの曲。万全の響きでお楽しみください。(ナクソス・ジャパン) 【収録情報】 ・ヘンデル:オラトリオ『エジプトのイスラエル人』HWV54 第1部『ヨゼフの死を悼むイスラエル人の嘆き』 第2部『出エジプト』 第3部『モーゼの歌』 ローズマリー・ヨシュア(ソプラノ) 鈴木敦子(ソプラノ) ゲルヒルト・ロンバーガー(アルト) コビー・ヴァン・レンスブルク(テノール) サイモン・ポーリー(バリトン) トーマス・ハンバーガー(バス・バリトン) ハラルド・ヘーレン(チェンバロ) クリストフ・レーマン(オルガン) マックス・ハンフト(オルガン) バイエルン放送合唱団 コンチェルト・ケルン ペーター・ダイクストラ(指揮) 録音時期:2008年11月28-29日 録音場所:ミュンヘン、プリンツレーゲンテン劇場 録音方式:デジタル Powered by HMV
兵庫県で98年に結成されたロック・バンドの、6年ぶり9枚目のアルバム。吐き出されるような凶暴なヴォーカル、重々しいハードコア・サウンドがなんといっても特徴的だが、さらに本作はベースレスからベーシストを迎えて4人組になって第1弾という話題が。ぐんとパワー・アップした演奏が楽しめる。
発売元
日本伝統文化振興財団沢井一恵の重要なアルバム3点が同時に発売された。『現代邦楽の世界』は初CD化で、新たに細川と武満を加えている。『目と目』は、高橋鮎生プロデュースで、太田裕美やP.ハミルがヴォーカルで参加するなど、鮎生らしいジャンルを超えた作りになっている。『3つのダンス』は、4面のプリペアド箏を使った、アッと驚く画期的なアルバムとなっている。前衛作品が主だが、いずれも沢井の明確で鋭敏なリズム感や豊かな感受性が一音一音に込められ、熱気あふれる演奏で、十七絃箏の世界の深さと広さ、そして面白さが実感できる。★
発売元
日本伝統文化振興財団沢井一恵が、高橋鮎生のプロデュースで、ヴォーカルに太田裕美やピーター・ハミルを迎え、八橋検校から高橋鮎生まで、ジャンルを超えて箏の可能性に果敢に挑んだ意欲作。今回待望の復刻となった名盤である。
発売元
日本伝統文化振興財団2台のプリペアド・ピアノのための「3つのダンス」を、なんと4面の“プリペアド箏”で演奏した、画期的なアルバム。さまざまな工夫を凝らし箏の可能性を追求した現代邦楽界の第一人者、沢井の真骨頂と呼べる一枚だ。
4人組バンド、ハルシオンの1stミニ・アルバム。自身のエゴイズムの追求を経て、そこに生まれた衝動とメッセージを込めた作品。メロディアスな泣きのギターを中心としたサウンドも聴きものだ。