著者 : アニー・バロウズ
人嫌い伯爵と無一文の乙女が出会ったとき、 奇跡への扉が開くーー。 まさか……そんな! ヘレンは色を失った。幼くして孤児となり、 親類をたらい回しにされてきた彼女を育ててくれた叔母が、 なんと全財産を失い、一文無しになってしまった! 折も折、一族の長である伯爵セバスチャンから招待状が届いた。 恒例のクリスマス会。年に一度、この日だけは人嫌いの伯爵が姿を現し、 地所の小作人たちをねぎらい、施しをするのだ。 ヘレンは叔母を連れ、伯爵邸へ向かうが、心労から叔母が倒れてしまった。 誰も助けてくれないので、困ったヘレンは厨房へ食事をもらいに行き、 従僕に怒った。だが従僕だと思った彼こそ伯爵セバスチャンだった。 強欲な親類と亡妻の浮気で大の人嫌いになったという伯爵の無表情だった ハンサムな顔に、突如輝きが宿り、鳶色の瞳でヘレンを愉快そうに見た。 秀逸なキャラクター描写で大人気のヒストリカルの名手、アニー・バロウズが綴る、心を閉ざした人嫌いのヒーローと、正直で快活なヒロインの織りなす、とっておきの恋物語。クリスマスの雰囲気をたっぷり楽しめる、心温まるリージェンシー・ロマンスです
孤独で貧しく、不器量で従順ーー 彼女こそ、私の理想の花嫁だ! 両親を失い、天涯孤独となったメアリーは、 遠縁の家で息を潜めて生きていた。 誰にも望まれず、必要とされることのない日々。 そんな彼女に、ある夜、手を差し伸べたのはハヴロック卿。 まばゆい美貌の子爵は、出会ってすぐ結婚を申し込んだ。 なぜ私に? 戸惑うメアリーに、彼は静かに語った。 異母妹を引き取るため、形式的な妻が必要なのだと。 冷静なその言葉の裏に、一抹の誠実さを感じ、彼女は承諾する。 誰かの役に立てることが、少しだけ心を温かくしたから。 “孤独で貧しく、不器量で従順な娘”--まさかそれが、 子爵の望む花嫁だとは知らず……! 内気で冴えないヒロインが、寂しさばかりの人生に別れを告げられるかもしれないと、一縷の望みを託した結婚。でも夢のような結婚式の夜、見つけた紙切れに書かれていたのは、子爵の信じ難い〈花嫁の条件〉。さて、彼女がお返しにしたためた“夫の条件”とは?
“あなたみたいな家の子なんて” 不当に格下扱いされた壁の花の物語。 放蕩伯爵デベン卿、30歳。いよいよ、跡継ぎが必要になってきた。 久々に舞踏会へ足を運んで妻にふさわしい相手を見つけようとしたが、 蜜に群がる蜂のように玉の輿狙いの令嬢ばかりが寄ってくる。 うんざりした彼が大広間からテラスに逃げだしたところ、 妖精のような娘、ヘンリエッタと出逢った。 田舎から出てきたばかりの彼女はロンドン社交界から冷遇され、 テラスの鉢植えの陰で涙に暮れていたようだった。 デベン卿はヘンリエッタを妻にしようと心ひそかに決め、 放蕩者として悪名高い彼を警戒する彼女に問いかけた。 「きみを助けてやる。光り輝く社交界の華になりたくないか?」 リージェンシーの旗手アニー・バロウズの大ヒット作! ヘンリエッタは植木の陰に隠れて泣いていたため、社交界デビューに定められた白いドレスには苔で汚れたしみ、乱れた髪には枯れ葉が。けれど、ほかの令嬢と違って邪気のない彼女に、伯爵は興味を持ち……。
聖なる夜が結ぶ、貴族とシンデレラの恋。 3話を集めた珠玉のクリスマス短編集! 大スター作家アニー・バロウズをはじめ、好感度の高いヒロインを描いて人気の作家陣がお贈りする、冬の季節にもってこいの心温まるリージェンシー・クリスマス短編集。恋にうっとりしたり、恥じらって頬を染めたりするかわいらしいシンデレラたちにご注目を!
身寄りなき不遇なお針子がまさか、 子爵の“亡き婚約者”だったとは……。 6年前にロンドンに出てきたメアリーは仕立屋でお針子をしている。 今の生活以前の記憶はまったくなく、天涯孤独の身だ。 ロンドンでも指折りの優秀なお針子にもかかわらず無給だが、 食事と眠る場所の心配がないだけでも感謝していた。 そんなある日の朝、メアリーはお使いの帰りがけに 黒髪に全身黒ずくめの紳士に追いかけられ、怯えながら店に戻った。 あれは誰だったの? なぜだか胸騒ぎが止まらない……。 数日後、メアリーはその謎の紳士、マシソン卿と思わぬ場所で再会し、 激しい怒りに燃えた様子の彼から一方的に問いただされる! 「結婚式の前に、きみがぼくのもとから逃げた理由を教えてくれ!」 身に覚えのないことを言われて戸惑うほかなかったメアリー。その後、不幸にも彼女は雇い主から解雇され、ロンドンの外へ追いやられてしまいます。無一文で放り出され、路頭に迷った彼女の前に現れたのは、またしてもマシソン卿で……。珠玉の記憶喪失ロマンス!
〈奥様が帰宅されました〉 伯爵は手渡された紙を、握り潰したーー ロンドンの路地裏の下宿屋に暮らすパーディタは、 3カ月前に市場町で旅一座に拾われ、経理や衣装管理の仕事をしている。 じつは彼女にはそれ以前の記憶がない。“パーディタ”も仮の名だ。 ある日、仕立屋で用事を済ませ、急ぎ自宅に足を向けたつもりが、 なぜか下宿屋ではなく大きな屋敷に帰り着いてしまった。 「お、奥様」驚き顔の執事に中へ招き入れられ、彼女は混乱した。 奥様って……? 私は何者でもない、名もなき路地裏の住人だけれど。 しかし、どこか見覚えのある部屋に通されてしばらくすると、 怒った男性ーーエピング伯爵が雷のごとく飛び込んできて言い放った! 「君への要求はただ1つ。私たちの子供がどうなったかを話すことだ!」 伯爵の顔を見たとたん、彼が夫だとわかったパーディタこと、エピング伯爵夫人メアリー。“私たちの子供”と聞いて、自分に子供がいたのかと彼女は驚きますが、怒濤のごとく押し寄せた感情に心が乱れ……。リージェンシー・ロマンスの大スター作家による傑作!
親孝行なシンデレラは、 犠牲を強いられ、追いつめられて……。 ベッツィーは丘の上に立つオークの木の下で、人知れず泣いていた。 人生でたった一度の社交シーズンに失敗したあと、 野心家の母に命じられた、恥ずべき玉の輿作戦にも失敗した。 さる貴族にキスを迫ろうとしたところ、相手が既婚だとわかったのだ。 親孝行と思って、望まぬことも頑張ってきたけれど、もう限界……。 地べたに座りこんで涙を流す彼女に、声をかける者があった。 隣の伯爵領を代理で管理しに来たという、たくましくハンサムな執事だ。 そのジェームズに小作農の娘と間違えられ、ベッツィーはむっとするが、 なぜか彼とは気安く話せて、いつしか涙は乾いていた。 本当は、ジェームズは執事などではなく、由緒正しき子爵とも知らずーー HQヒストリカル・スペシャルの刊行300冊目となる記念号! 『伯爵と片恋の婚礼』(PHS-286)の関連作である本作は、前作ヒロイン、デイジーの長兄ジェームズが執事になりすました“お忍び子爵”として大活躍。先の読めない恋物語です!
あの夏、淡い想いを踏みにじった彼と なりゆきで結婚することになるなんて……。 長いあいだ兄弟たちの悪ふざけに悩まされてきたデイジーは、 男性不信のため社交界デビューにも失敗し、両親に失望されていた。 そんな折、デイジーは兄とその友人たちの信じがたい会話を聞いてしまう。 兄が「君たちの誰でもいいから妹と結婚してほしい」と頼み、 友人たちは「氷柱を抱いて寝るほうがよっぽどましだ」と答えたのだ! 何より傷ついたのは、その中に初恋の伯爵ベンがいたことだった。 夜になり、デイジーが湖上の小島でひとときの安息を得ていると、 舟で湖に繰り出した友人たちが悪戯で半裸のベンを小島に置き去りにした。 心優しいデイジーがベンを説得して自分の舟で岸に連れ帰ったとたん、 あらぬ誤解を呼んで家族中に激怒され、ふたりは結婚を強いられて……。 初恋の人ベンとの愛なき新婚生活に夜ごと枕を濡らすデイジー。ベンも嫌われていると思い込み、徹底的に新妻を避けます。やがて気持ちは通じ合いますが、めくるめく幸せも束の間、過酷な運命がふたりを引き裂いて……。A・バロウズのもどかしすぎる純愛物語!
人違いの誘拐劇ーー その顛末は、傲慢伯爵との結婚? ドロシーは家庭教師として働くため、遠いエジンバラに向かっていた。 両親亡きあと4人の弟妹を養っていくには、それしか方法がないのだ。 道中立ち寄った宿で、彼女は駆け落ち途中の若いカップルに出会う。 体調を崩した女性を介抱してやると、相手の若者は何度も礼を言ったーー ドロシーの手を握りしめて。怒りの形相で男が乱入したのはそのときだ。 「伯爵家を継ぐ、僕の被後見人をたぶらかした女は君だな!」 彼はいきなりドロシーを肩に担ぎ上げたかと思うと、馬車に放り込んだ。 公衆の面前で醜態をさらされ、エジンバラ行きも逃したドロシーに、 翌朝やっと勘違いに気づいた男性は、すべての責任を取ると言った。 「僕はワースレイ伯爵、トビアス・スペンロウだ。君を妻に迎える」 ヒストリカルの人気作家アニー・バロウズが、またも舞台喜劇を彷彿とさせるような傑作を描きました! ハンサムだが頑固で不器用なヒーローと、弟妹の世話に明け暮れ、結婚を諦めていたヒロイン。そんな二人の結婚生活は、もちろん順風満帆にはいかず……?
伯爵の目に飛び込んできたのは、 王女のドレスをまとった、清貧の乙女。 両親亡き後、エレナーは老婦人の付添人としてつましく働いていたが、 ある日突然、婦人の親戚ラヴェナム伯爵からプロポーズされる。 ハンサムでやさしい彼を密かに慕ってはいたけれど、 話が合う君となら、ベッドで飽きてからも穏やかに暮らせるだろうから、 などという理由で結婚なんて。ショックで逃げ出したエレナーは、 ひょんなことから、さる公爵未亡人の町屋敷で世話になることに。 事の顛末を聞いた公爵未亡人は面白がり、伯爵の追跡をかわすため、 エレナーを豪華なドレスと宝石で飾り、架空の国の王女に仕立て上げた。 変装の成果を試したい夫人に、あらゆる夜会や舞踏会に連れ出されるが、 そこには必ず、怒りにたぎるまなざしのラヴェナム伯爵がいるのだった。 ヒストリカルのベテラン人気作家アニー・バロウズが贈る『公爵の秘密の願い』の関連作です。伯爵は、エレナーの変装も、彼を欺くことになり自己嫌悪に陥っている彼女の心もお見通し。公爵未亡人の前では調子を合わせながらも、ある夜ついにしびれを切らしーー
さえない私がいったいどうして、 公爵閣下の花嫁候補に……? 両親を亡くして以来、親戚に虐げられてきたソフィアのもとに ゆうべ花火見物で出会った無礼でたくましい男性が訪ねてきた。 彼はティークストン公爵を名乗り、彼女を馬車で連れ出した。 あまりの驚きに圧倒され、気の利いた会話もできないソフィアを、 公爵は名家の令嬢たちとともに1週間のハウスパーティーに招待した。 花嫁候補を見比べるために大勢まとめて屋敷に滞在させるなんて、 いったいどういう男性なの? 結婚を急ぐ事情でもあるのかしら。 とらえどころのない公爵の魅力に心乱されるソフィアだったが、 ある朝、森の中で彼に生き写しの少女と出会う。 それを知った公爵はソフィアを闇夜の密会に誘い出して……。 生き生きとした人物描写に定評のある大人気作家アニー・バロウズが、繊細かつ軽やかな筆致で公爵と乙女の心のひだを描きます。愛の伝えかたがわからず途方に暮れる傲慢ヒーローと、無欲でたおやかな薄幸ヒロインが織りなす魅惑のシンデレラ・リージェンシー!
エロイーズは伯爵のもとに押しかけたことを後悔していた。 彼女を見るやウォルトン伯爵が苛立ちもあらわに背を向けたから。 伯爵が恋に落ち求婚したのは、美人の妹であって私ではない。 しかも妹の駆け落ちで、いま彼の自尊心は傷つけられているーー 怯みながらも、しかし、エロイーズは力を振り絞って告げた。 「私と結婚してください。あなたの評判を守るために」 振り返った端整な顔に浮かぶ、虚をつかれたような表情を見て、 いたたまれなくなって目を伏せた。そして心のなかで付け加えた。 嫌な男と結婚させられそうになっている、私のためにも……。
不器量で一文無しで、町じゅうの笑い物。 こんな私が、伯爵様に求婚されるなんて。 愛する家族を亡くし、横暴な祖父にこき使われているリジーは 祖父に付き添って訪れた保養地でハリー・ブレザートンと出会う。 どこか陰のある青い瞳の、優しくて魅惑的な紳士ーー こんなにすてきな男性が、私なんかに話しかけてくれるなんて……。 夢のような出来事に戸惑いながらも彼に惹かれていくリジーだったが、 噂を聞いた祖父に激怒され、田舎町の屋敷に連れ戻される。 ふたたびひっそりと使用人同然の暮らしをしていたある日、 リジーの前にハリー・ブレザートンが現れた。 彼は信じられないことを口にしたーー 僕はインバーセッグ伯爵で、あなたに求婚するつもりだと。 夢うつつの喜びもつかの間、ある事件に巻き込まれたリジーは彼に求婚された理由を悟って深く傷つきます。悲しみだらけの人生の、哀れな乙女の運命は……。超人気作家アニー・バロウズの筆が冴える〈神々の悪戯〉シリーズ第3話、心とろける蠱惑のフィナーレ!
長年の密かな片思いが突然、 愛なき結婚へと突き進み……。 父亡きあと住まいを追われ、老婦人の話し相手の職を得たクレアは、 仕事へ向かう途中、地元の名士ロウクリフ侯爵とでくわした。 幼いころから、会うたび彼にからかわれてきたが、 このときは父のことを言われて腹を立て、思わず手を上げてしまった。 すると、騒ぎを聞きつけて集まってきた人々の前で、 侯爵が突然、彼女は婚約者だと宣言したうえ、唇を重ねてきた。 なんて恥知らずなの! こんな横暴は許されないはず。なのに……。 彼の唇の熱さを知り、長年ひた隠しにしてきた感情がかき立てられる。 いったんはその場を収めたロウクリフはしかし、 公衆の面前で侯爵を殴るような女など誰も雇わないと脅し、 さらなる醜聞を避けるには自分と結婚するしかないと言い放った! 絶大なる人気を誇るリージェンシー作家アニー・バロウズの3連作、米読者絶賛の〈神々の悪戯〉シリーズ第2話がHQヒストリカル・スペシャルの200号記念作を飾ります! 続く最終話は、どこか陰のある脇役“アトラス”と壁の花ヒロインが主人公を務めます。
惨めな娘は途方に暮れたーー 彼の瞳がまぶしすぎて。 ロンドン社交界の息苦しさに耐えかねたハリエットが 早朝の公園で秘密の朝駆けを楽しんでいると、 不意に暴れ馬が現れて乗り手の男性が振り落とされた。 泥酔した様子のその男性は、心配してかがみ込んだハリエットを あろうことか娼婦と誤解し、巧みなキスとともに組み敷いた。 ハリエットは驚いて逃げ去ったが、舞踏会の夜に彼と再会する。 男性の正体は麗しの子爵、ベコンソール卿ジャック・ヘスケスだった。 彼にダンスを申し込まれ、友人たちに紹介されて戸惑いながらも、 生まれて初めて人目に留まったハリエットは喜びを覚えていた。 ジャックが彼女を賭の対象にしているなどとは夢にも思わずに。 超人気作家A・バロウズの3連作、米読者絶賛の〈神々の悪戯〉シリーズ第1話をお届けします! 愛に臆病なふたりが織りなす不器用な恋の行く末は……? 気になる脇役、無慈悲な“ゼウス”の恋物語が描かれる第2話は豪華記念号です。
家なき乙女が助けを求めたのは、 “元親友”の不遜な伯爵ーー 「私を名ばかりの妻にしてもらいたいの」 震える心を抑えこみ、ジョージアナはひと息に言った。 父亡きあと住む家を失った彼女は、男性恐怖症だというのに、 利己的な継母に花婿探しを強いられそうになっていた。 切羽つまった彼女が頼ったのは、大好きだった幼なじみーー 離れていた10年間、手紙ひとつくれなかったエドモンドだった。 近寄りがたい伯爵となった彼は、ジョージアナの願いをすげなく断る。 だが、胸の谷間もあらわなドレスを継母に無理やり着せられ、 絶望的な思いで社交界デビューしたジョージアナの前に、 再びエドモンドが現れたーー冷たいグレーの瞳に怒りをたぎらせて。 エドモンドは冷淡な態度をとったことを詫びると、花婿探しに協力すると申し出ます。行動をともにするうち、10年前に身分違いのふたりの友情が大人たちの手で引き裂かれていたことがわかり……。人気作家が英国摂政期を舞台にみずみずしく描く、可憐な初恋物語。
見えない監獄のような暮らしの果てに、 裸足のまま放り出されたシンデレラ。 母亡き後、父に捨てられ、冷たく無情なおばと暮らすプルーデンス。 良縁を探してくれると言うおば夫婦に連れられ旅をしていたとき、 プルーデンスは一人部屋に泊まることになっていたはずが、 翌朝目覚めると、見知らぬ男性の部屋に横たわっていた。 姪が汚されたと叫ぶおばの声が、宿じゅうに響き渡る。 まるで身に覚えがないし、体も痛んでいないけれど……いったい、何が? 状況もわからず自室へ戻ると、彼女の荷物はおば夫婦と共に消えていた。 文字どおり着の身着のままで放り出されたプルーデンスは、 見かねて手をさしのべてきた例の見知らぬ男性を頼るほかなかったーー まさか彼が、旅人に身をやつした、第7代ハルステッド公爵とも知らず。 高貴な身分ながら訳あって人知れず巷を旅する公爵と、勝手のわからない土地で無一文になってしまった娘。おたがい一つのベッドにいた理由が謎のまま、気まずい思いをしつつも行動を共にして……。大人気作家A・バロウズが贈る、至福のリージェンシー・ロマンス!
リディアは継娘のお目付け役として訪れた舞踏会で、二度と会いたくないと同時に誰よりも会いたかったニコラスと再会した。彼は8年前、社交界デビューをしたばかりの地味なリディアに目をつけ、その気にさせて求婚の言葉をささやいておきながら姿を消した。失意の彼女はやむにやまれぬ事情で父親ほど年上の男性に嫁いだものの、人知れずニコラスへの叶わなかった想いをずっとくすぶらせていた。時が過ぎ、彼女は若き未亡人に、彼は立派な子爵になった今、再会を機に、未遂に終わった恋がふたたび燃えあがるかに見えた。ところが、そんな切ないリディ
幼くして両親を亡くし、心優しい叔母に引き取られたヘレン。ある日、叔母が全財産を預けていた銀行が破綻し、無一文に陥った。明日のパンにも困る暮らしを覚悟したとき、とある招待状が届く。差し出し人は、叔母の一族の長である伯爵、ブリッジミア卿。人嫌いで有名な彼だが、クリスマスだけは親戚を集め、施しをするという。叔母さまはそんな会には参加するまいと毎年招待状を捨てていたけれど、生きるためには、ブリッジミア卿にすがるしかないわ!ところが、いざ伯爵邸に着いたとたん、叔母が旅の疲れで倒れてしまい、慌てたヘレンは近くにいた従僕に助けを求めたーじつはその“従僕”が、この屋敷の主、ブリッジミア卿とも知らずに。
第二次大戦中ナチス・ドイツの圧政下にあったガーンジー島。その住民たちには食糧から生活時間にいたるまであらゆる自由が許されなかった。そんな彼らの心をつなぎ、温かい交流をうんだのは読書会、そして一人の凛々しい女性だった。 戦中の悲惨な生活と住民たちのたくましさが、島民と女性作家の往復書簡で綴られます。 メアリー・アン・シェイファー 1934年、アメリカのウェストバージニア州生まれ。マイアミ大学卒業後、図書館司書、書店員、編集者などの仕事につく。2008年2月、本作の完成(同年8月)を待たずに亡くなる。「ニューヨーク・タイムズ」で34週にわたってベストセラーチャート10入りし絶賛された本作品が、彼女にとって最初で最後の作品となった。 アニー・バロウズ メアリー・アン・シェイファーの実の姪。子ども向けの本や小説などを執筆。