著者 : 北園えりか
秘密で産んだ赤ん坊を見つめ、 あなたを想わない日はない……。 ジュリアは秘書として、妻として、 世界中を飛びまわる実業家の夫マックスを支え続けてきた。 クリスマスも新年も関係なく、くる日もくる日も仕事に明け暮れて。 こんなの……幸せじゃない。そう訴えても、夫は聞く耳を持たなかった。 とうとう耐えきれずに家を出たあとで、妊娠に気づいた。 でも、子供はいらないと言っていた彼には打ち明けられなかった。 1年後、ジュリアは独りで双子の赤ん坊を育てていたが、 今でも本当はマックスが恋しくて、枕を濡らす夜もあった。 父を知らずに育つ娘たちを思うと、悲しみで胸が潰れそうになる。 そんなジュリアの前に、ある日突然、怒りに満ちたマックスが現れた! ジュリアは幸せな結婚とはどんなものか、マックスと一緒に考えたいと心の底から訴えたのに、秘書でもある彼女がそんなことで仕事を放棄するなら“契約違反”だと冷たく返されてしまい……。シークレットベビー&夫婦の愛の復活を描いた名作をお贈りします!
私は、都合のいい妻。愛されない妻。 おなかの子も望まれていないならいっそ……。 仕事に夢中な大富豪ジェイコブとの結婚に耐えてきたクララは、 都合のいい妻でいるのがつらくなり、身の回り品だけを手に家を出た。 その後、新たな命を授かっていることに気づいたが、 子供は欲しくないと明言していた夫に知らせるつもりはなかった。 愛されないならいっそ別れたいと再三訴えるクララに対し、 彼はつねに弁護士を通じて、離婚には応じないと伝えてきた。 だが5年後、イベント業を営むクララのもとにジェイコブが現れ、 余命わずかな父のために家族パーティを企画してほしいと言われる。 密かに産んだ娘の存在、いまだくすぶる彼への愛は、知られたくない! 悩み苦しむ妻に、夫は言った。「引き受けてくれるなら、離婚に応じる」 夫を愛しているからこそ、いびつな関係に耐えきれずに別れようとするクララ。そんな切ない望みをつっぱね続けるジェイコブの真意がわからず、彼女は悩みます。さらに、物心ついた娘が“パパが欲しい”とサンタクロースにお願いしているのを聞いてしまい……。
小児科医のメリーはイギリスから飛行機でアイスランドに来ていた。今は山道にいて、頭から爪先まで雪まみれでこごえている。彼女には大事な目的があった。一夜をともにしたクリスチャンに、“あなたの子を妊娠した”と言わなくてはならない。段ボールに入れられて教会に捨てられていた私のように、おなかの赤ちゃんを父親のいない子にはしたくないから。でも、つかの間の関係以上を求めなかった彼には何も期待していない。寒さに震えながらクリスチャンが勤める病院に着いたメリーは、雪で道が通行止めになり、町から出ていけなくなったことを知る。さらにクリスチャンは意外にも、「父親になりたい」と言い出して…。
マデリンは夢と希望を胸に大学へ入学したものの、教授からセクハラを受けて男性不信に陥り、中退した。ほそぼそと仕事をして暮らしていたが、ある日突然、その職も追われ、住まいも失ってしまう。路頭に迷った彼女を救ったのは、大企業CEOのフィン。男手一つで生後半年の双子の赤ちゃんを育てている彼は、次のベビーシッターが見つかるまでのあいだ、住み込みで育児の手伝いをしてほしいと言ってきたのだ。ありがたく引き受けたマデリンだったが、初日の夜にいきなり彼の寝室に通され、ひどく取り乱してしまい…。
マーニーは勤務先の病院で医師のハリーと再会した。数年前、短期間だが別の病院で一緒に働いていたのだ。当時、プレイボーイと名を馳せていた彼は、マーニーのことを覚えてすらいなかった。今の彼も相変わらずハンサムで凛々しいけれど、双子の子育てに追われるシングルファーザーだという。彼は生真面目なマーニーを煙たがり、二人は何かとぶつかるが、同僚の葬儀の夜、慰め合うように一夜を共にしてしまう。亡き妻を今も愛する彼との間に、未来は望めないのに…。そんな矢先、感染症に罹った双子をマーニーが世話することになる。
「僕は昔、君と宮殿で遊んだアレックス。行方不明のヘレニア王子だ」長身で黒髪の男性がー途方もなく美しい男性が静かに告げた。金髪碧眼の変装を解いた彼の姿に、ジャンニーナは呼吸を忘れた。3年前、出会った瞬間に私の心を奪い、突然去っていったフィリップが、アレックスー少女の頃に憧れていた黒い瞳の王子様だったというの?ある命の危険から身を隠さなければならなかった日々が終わった今、アレックスはヘレニア国に新国王として迎え入れられるらしい。彼は積年の嘘と不義理を謝罪し、ジャンニーナに求婚した。私が愛していたのはフィリップだし、平民の私が王妃だなんて…。あまりの出来事に混乱し、ジャンニーナの意識は遠のいた。
最初で最後となったあの一夜に、 愛されぬシンデレラが見た夢は……。 幼い頃に父を、学校を卒業してまもなく母を亡くしたシルヴィ。 今、ヴィラを改装したホテルでウエディングプランナーの仕事を得て、 ようやく安らげる居場所を見つけたような気分を味わっていた。 特に、経営者であるイタリア富豪エンツォのパリ出張に同行し、 彼に純潔を捧げた夜は夢のようだった。密かな想いが実ったのだから。 だが2週間後、シルヴィはエンツォの態度に戸惑っていた。 彼はよそよそしいだけでなく、ホテルを閉める意向を示したのだ! 家も仕事も恋も失う三重苦にさらされたシルヴィに、さらなる試練がーー 落馬事故で病院へ担ぎ込まれ、立ち会ったエンツォとともに、 医師から驚きの一言を告げられた。「赤ちゃんの様子を診てみましょう」 実のところ、エンツォは仕事仲間であり友人でもあるシルヴィとの一夜を後悔していました。そんななか判明したシルヴィの妊娠。彼は子供への責任は果たしても、結婚は考えられず……。本作は『星と花火とガラスの靴と』『愛の迷い子と秘密の日記』の関連作です。
まさか、私の心を奪った彼と 血が繋がっているかもしれないなんて……。 私は、お父さんの子じゃなかった……。ジアは色を失った。 亡き母の日記とDNA鑑定で、自分は母の情事がもとで生まれたとわかり、 ジアは矢も盾もたまらず、日記に書かれていた住所を目指した。 たどり着いた大きな屋敷で、リカルドと名乗るハンサムな男性と出逢う。 たくましい体がいやおうなく目に飛び込んできて、ジアは頬を赤らめた。 屋敷の現在の主らしい彼と、たまたま敷地内に迷い込んだ犬を助けるうち、 ジアはいつしか心を許し、父親を捜しに来たことを打ち明けていた。 実の父がこの屋敷の前の持ち主かもしれないと思って尋ねてみると、 リカルドの顔に緊張が走った。「僕のおじが住んでいた」 つまり、リカルドと私は、いとこ同士なの? 本作は『星と花火とガラスの靴と』(I-2655)のヒロイン、ビアンカの妹ジアが主人公。イタリア人実業家リカルドを男性として意識した矢先、彼と血が繋がっている可能性が浮上して動揺するジア。そんななか、リカルドの家で寝起きをともにすることになり……。
この小さな赤ちゃんが教えてくれたの? 身勝手な億万長者に絆の大切さを……。 イゾベルは、親友が3年ぶりにかけてきた電話に茫然とした。 なんてこと! 暴力的なパートナーから守るため、生後3カ月の赤ん坊を 億万長者ジェイクの経営する高級ホテルに預けたですって? 6年前、イゾベルはジェイクの不実に傷つき、別れを選んだのだった。 あなたとジェイクとで赤ちゃんの面倒をしばらく見てほしいと頼まれ、 やむなくイゾベルはロンドンのメイフェアにあるホテルに駆けつけた。 赤ん坊のいる最上階のスイートルームに案内してくれたジェイクは、 さらにたくましさを増し、輝くような魅力を放っている。 胸の高鳴りを懸命に抑えるイゾベルに、突然ジェイクが提案した。 「赤ん坊のためにしばらく一緒に暮らさないか?」 “愛は人を弱くする”のを6年前の出来事で痛感しているイゾベル。だから、赤ちゃんのためだけの同居に同意しても、ジェイクとは一定の距離を置こうと決めていました。ところが、彼のはしばみ色の目で熱く見つめられただけで、甘美なざわめきが体に広がり……。
10年前、私は売られたーー 最愛の人の手によって。 海外出張から帰ったアレクサンドラに名指しで次の仕事が舞い込み、 詳細もわからぬまま、彼女は空港から現場に直行した。 迎えの車が行き着いた先に、アレクサンドラは衝撃を受けるーー ブレークレイ城。そこは彼女の生家で、18歳のとき一家が離散した場所。 しかも新しい城主が、今や大富豪となった初恋の相手フィンだなんて! 一家離散のさなかに最も傷ついたのは、彼の裏切りだった。 愛しているふりをして、フィンは私の不名誉な写真を世に流したのだ。 どうやって私を見つけたの? 名前を変えてひっそり生きてきたのに。 クリスマスイブまで住み込みで城の広報を手伝ってほしいというけれど、 彼の下で働くなんて無理。頭ではわかっているのに、心はまだ彼を……。 『秘書はかりそめの花嫁』『貴公子と秘密の花園で』の関連作。邦題はハーレクイン公式Twitterの一般投票にて決定しました! 18歳のクリスマスイブを境に、ヒロインは天涯孤独の身となり、改名して生きてきました。10年後の今、どんなイブを迎えるのでしょうか?
飛行機事故に遭い、シブリーは生死の境をさまよった。一流の医師ロドリゴのおかげで一命はとりとめたものの、目覚めたときには記憶をいっさい失っていた。痛みと戸惑いの中、ぼんやりとわかるのは、ロドリゴを以前から知っていたこと、そして、どうしようもなく彼に惹かれていることだけ。もしかして、わたしたちは恋人同士だったのかしら?甘い期待は打ち砕かれる。彼女は既婚者で、しかも妊娠していた。うそ、わたしは経験がないはず…いったいどうなっているの?ロドリゴの表情が、何かを知っていると告げていた。
本当ならドレス姿で踊る側なのに、 裏方になったシンデレラは……。 エミリアは両親の離婚後、父が再婚した継母や義姉との生活になじめず、 16歳で家を出て独りで生きてきた。ある日、親友と立ちあげた会社に 地中海を望む、さる公国の大舞踏会の仕事が舞い込んだ。 さっそくエミリアは現地へ飛び、宮殿の屋根裏に滞在しながら、 地下室のオフィスで3週間後に迫る舞踏会の準備をすることになった。 あるとき中庭に足を踏み入れ、偶然出会ったランという名の美しい男性と 意気投合した彼女は、久しぶりに胸のときめきを感じて舞い上がった。 だがほどなく、ランの正体が、若き君主ローランだったことがわかる。 ああ、なんてこと! 彼が大公なら、年内に婚約すると言われているーー そのお相手の最有力候補は、エミリアの疎遠の義姉、ベラだった。 ローランが国の繁栄のため富豪令嬢のベラと政略結婚するつもりでいるのは事実でした。大公しか入れない秘密の庭園の扉がたまたま開いていたことで、エミリアはローランと出会い、禁断の恋心を抱いてしまいますが……。『秘書はかりそめの花嫁』の関連作です。
大富豪エリオット・スタークの秘書、ルーシー・アンは、身ごもったことに気づいた日、彼の前から姿を消した。あれは間違いだったのよーエリオットを密かに愛し、支えてきたが、ただ一度だけ体を重ねた翌朝、彼の恋人と鉢合わせてしまった。プレイボーイの彼が、結婚をして父親になりたいと思うはずがない。生まれた赤ん坊は何より愛しい宝物だったが、彼のいない寂しさは募る。だが再会の日は突然やってきた。エリオットは不意に訪ねてきて、男らしさと成功者のオーラを漂わせ、子供のために結婚すると宣言した。「僕は情熱的な夫になるよ」熱く見つめられ、体が疼く。だめよ…もう二度と彼と過ちをおかうわけにはいかないわ。
すれ違いの果てに入り込んだ、 切ない愛の迷宮ーー ローリーは2年前に仕事を辞め、子どもを授かる日を待っているが、 なかなか恵まれないまま、毎月落胆のため息をついていた。 多忙な実業家の夫ロブはほとんど帰宅せず、いつしか情熱も薄れていった。 そんな結婚生活を切なく感じたローリーは、居場所を告げることなく、 考える時間が欲しいとだけ書き置きを残して家を出た。 あの大きな家でぽつんと一人、孤独に苛まれるのはもういや……。 だが、遠くの地にたどり着いて家を借りた翌日、 信じられない光景に、ローリーの心臓が止まりそうになるーー 見覚えのある高級車が私道に停まり、中からロブが降りてきたのだ! わずかな手がかりから妻の居場所を突き止めたロブでしたが、彼が連れ戻しに来たと言っても、ローリーの意志は固いままーー家庭より仕事中心の彼の生活が変わらなければ、何も変わらない、と。けれどもその後、大雪に閉ざされ、二人きりの濃密な時間が訪れ……。
二人で見つけた小さな天使。 でも、心を一つにはできないの……? 病父と3人の弟妹を抱えるイービーは、看護師になる夢をあきらめ、 できたばかりの子供病院で受付事務をしている。 ある日、イービーは開院の祝賀パーティの準備に追われ、 夕方慌ててドレスを車に取りに行ったとき、美男美女が歩いてきた。 女性とぶつかって派手に転び、男性に助け起こされたイービーは、 会場へ向かう華やかな彼らと自分を比べ、意気消沈してしまう。 結局パーティには行かなかった彼女が、帰ろうと再び駐車場へ行くと、 先ほどの美男が待っており、新任の外科医のライアンだと名乗った。 こんなにすてきなドクターが、いったい私に何を……? その疑問が解ける前に、突如どこからか小さな泣き声が聞こえてきた。 見ると、段ボールに入れられた赤ん坊が置き去りにされていた! イービーが転んだときに落とした母の形見のネックレスを、拾っていたライアン。それを渡さないうちに赤ちゃん騒動が起き、小さく弱々しい天使を二人で病院へ運びます。やがてイービーはその子に深い愛情を持ち始めますが、医師のライアンの心は複雑で……。
愛娘が彼に笑いかけるたびに切なくなる。 決して恋してはならない人だから。 1年前に他界した夫が莫大な借金を残したと知り、 生後3カ月の娘を抱えたハーパーは途方に暮れていた。 家を明け渡すまで、路上生活者になるまで、あと1週間。 どうにもできず、恥を忍んでハーパーは亡き夫の親友を訪ねた。 セス・マッカランーーニューヨークきっての億万長者は、 どきっとするほどハンサムな、夫の昔のルームメイトだ。 当時、隣人だったハーパーは、彼のこともよく知っていた。 驚いたことにセスは、しばらくうちで暮らせばいいと言う。 華麗なる独身貴族が、一文なしの母親と乳飲み子と同居する? きっとすぐに追い出されるけれど、ほかに方法もなくて……。 『小さき絆がみちびく恋』の関連作です。自由気ままに生きるプレイボーイ・ヒーローですが、実は学生時代の彼にとって、親友の恋人だったヒロインは、手の届かぬ存在でした。奇妙な同居に始まり、やがては恋人のふりまですることになって……。
ゾーイは短期の仕事で訪れたギリシアで、不慮の事故にあい、偶然居合わせたホテル王のアンドレアスに助けられた。ギリシア神話の神を彷彿させる美しい彼にたちまち惹かれたものの、聞けば、彼は別居中の妻に対し、離婚を申請したばかりだという。十代の頃、ゾーイは魅力的な男性に心を奪われ、つらい仕打ちを受けた。きっと、アンドレアスに恋しても、報われることはないんだわ。それでも、実の親を知らず、人から大切にされたことのない身には、彼のしてくれる親切が、無上の喜びに感じられてしまう。帰国までのタイムリミットも迫るなか、ゾーイは恋心を懸命に封じるが、彼から熱っぽい瞳で、1歳の息子に会ってほしいとアテネへ誘われ…。
18歳の誕生日に家を失ってから、 愛に満ちた家を探し求めて……。 母を早くに亡くしたセージは、父に愛されて育った。 だがそれも、父が魔性の美女と再婚するまでの話だった。 父の死後、継母は父の会社を奪い、セージを使用人並みにこき使って、 あげくの果てに家から追い出した。以来、彼女は必死に生き、 今は自分を拾ってくれた恩人の会社で身を粉にして働く日々だ。 それでも、半年以内に結果を出さなければ仕事を失ってしまう。 多忙をきわめるセージは秘書を募集し、トレイという男性を採用した。 立派な経歴に、みごとな容姿、どこか謎めいた彼の正体を、 そのときのセージはまだ知らなかったーーじつのところトレイは、 恩人の疎遠の息子、次期CEOで、彼女の成功を阻もうとしているとは! 継母にいびられたうえ、大切なものを皆奪われたつらい経験を持つセージ。そして、けなげに生きる彼女に忍び寄る、秘書の皮をかぶった悪魔的な魅力をまとう大富豪トレイ。相反する利害関係にある二人が障壁を乗り越え、愛に目覚めていく過程をお楽しみください。
1年の契約結婚が終われば消える、 まぼろしのシンデレラーー ソリティアは病母と学生の妹を抱え、亡き父の店を切り盛りしている。 ある日、家賃が引き上げられると知り、彼女は愕然とする。 店の2階に住んでいるため、家賃を払えなくなるということは、 家族もろとも路頭に迷うことを意味していた。 ソリティアはロンドンの一等地に立つ不動産会社へ向かうと、 世界を股にかけて活躍する大富豪実業家のゼイビアを前に、 どうか値上げをもう少し待ってくださいと必死に訴えたーー お宅の掃除でも、オフィスのお茶くみでも、なんでもしますから、と。 だが非情にも、ゼイビアはすべて間に合っていると一蹴したあと、 なおも懇願する彼女に言い放った。「今僕が必要としているのは、妻だ」 父の思い出がつまった店を守るためなら、何も厭わないと心に誓う苦労人のソリティア。一方、世界の美女と浮き名を流すゼイビアは、大伯母の遺言により、一族の館を相続するための条件として即席の妻を探しており、その期限が残り6週間と迫っていたのでした……。
あなたを想って流す涙は、 天使たちには見せられない。 ジュリアは秘書として、妻として、 仕事で世界中を飛びまわる夫マックスを支え続けてきた。 祝い事もせず、くる日もくる日も仕事に明け暮れて……。 こんなの幸せじゃないと訴えても、夫は聞く耳を持たなかった。 とうとう耐えきれずに家を出たあとで、身ごもっていることに気づいた。 でも、子供はいらないと明言していた彼には打ち明けられない。 1年後、ジュリアは独りで双子の赤ん坊を育てていたが、 今でも本当はマックスが恋しくて、枕を濡らす夜があった。 父を知らずに育つ娘たちの顔を見るたびに、悲しみで胸がつぶれる。 そんな彼女の前に、ある日突然、怒りに満ちたマックスが現れた! 主人公たちの心情や煩悶を丁寧にこまやかに描いた愛の復活ストーリーをお届けします。魅力的な登場人物に引き込まれ、ラストでは思わず涙ぐんでしまう、静かな感動を呼ぶ物語をお楽しみください。