著者 : 宮内悠介
わたしたちは、いつまで人間でいられるのか? 新しい暗号通貨、分断のないSNS、超小型人工衛星…… 宮内悠介が迫る、8つのテクノロジーの新時代! ★掲載作品 「暗号の子」 「偽の過去、偽の未来」 「ローパス・フィルター」 「明晰夢」 「すべての記憶を燃やせ」 「最後の共有地」 「行かなかった旅の記録」 「ペイル・ブルー・ドット」 ★宮内悠介・プロフィール 1979年、東京都生まれ。少年時代はニューヨークで過ごす。早稲田大学高等学院、早稲田大学卒。2010年、「盤上の夜」で創元SF短編賞選考委員特別賞(山田正紀賞)を受賞。2012年のデビュー作『盤上の夜』が直木賞候補となり、注目される。2013年、『ヨハネスブルグの天使たち』で日本SF大賞特別賞を受賞。2017年、『彼女がエスパーだったころ』で吉川英治文学新人賞を受賞。同年、『カブールの園』(芥川賞候補作)で三島由紀夫賞を受賞。2018年、『あとは野となれ大和撫子』で星雲賞(日本長編部門)を受賞。2020年、『遠い他国でひょんと死ぬるや』で芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。2024年、「ディオニソス計画」で日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。同年、『ラウリ・クースクを探して』で高校生直木賞を受賞。
最初の1行は全員一緒。 1編6ページ、24種の「最後の仕事」。 早起きした朝、昼の休憩、眠れない夜ーー。 ここではないどこか、今ではないいつかへ、あなたを連れ出す7分半の物語。 著者一覧(掲載順) 小川哲 五十嵐律人 秋吉理香子 呉勝浩 宮内悠介 河村拓哉 桃野雑派 須藤古都離 方丈貴恵 白井智之 潮谷験 多崎礼 真下みこと 献鹿狸太朗 岸田奈美 夕木春央 柿原朋哉 真梨幸子 一穂ミチ 三上幸四郎 高田崇史 金子玲介 麻見和史 米澤穂信 『黒猫を飼い始めた』『嘘をついたのは、初めてだった』に続く、会員制読書倶楽部:Mephisto Readers Club(MRC)で配信(公開)された大人気ショートショート集第三弾。
21世紀前夜にアメリカで大ヒットしたゲーム「ヴィハーラ」。 新作が出るたびに人々を熱狂させ、夢中にさせた国民的ゲームの裏側にいたのは、一人の孤独な男、ジョン・アイヴァネンコ。 友人は少なく、幼い頃からプログラミングと音楽に親しみ、たった五年生のときに「ヴィハーラ1」をつくりあげた。 その彼がアメリカンドリームを掴むまでに一体何があったのか、そしてそれでも拭い去れなかった孤独の影にあったものとは。 やがて「国歌」とまで謳われるほど膨れ上がった「ヴィハーラ」音楽の作曲者。 その生涯を描いた一遍をはじめ、13篇を収録。 宮内悠介のつくりあげる世界は、美しいだけでなく温かい。 笑いと涙、驚きに満ちた短編集。 ジャンク 料理魔事件 PS41 パニック -- 一九六五年のSNS 国歌を作った男 死と割り算 国境の子 南極に咲く花へ 夢・を・殺す 三つの月 囲いを越えろ 最後の役 十九路の地図
1977年、エストニアに生まれたラウリ・クースク。コンピュータ・プログラミングの稀有な才能があった彼は、ソ連のサイバネティクス研究所で活躍することを目指す。だがソ連は崩壊し……。歴史に翻弄された一人の人物を描き出す、かけがえのない物語。
木下杢太郎、北原白秋、石井柏亭、石川啄木ら 若き芸術家たちが謎に挑む 傑作青春ミステリ 明治末期に実在した若き芸術家たちのサロン、 その名も「パンの会」。 隅田川沿いの料理店「第一やまと」に集った 木下杢太郎、北原白秋、石井柏亭、石川啄木等が推理合戦を繰り広げる。 そこに謎めいた女中・あやのも加わってーー。 鬼才・宮内悠介の新境地!
小説家とアーティストが出会い、新たな「物語」が生まれるーー 小説家の「歌詞」から生まれた5つの小説と楽曲。 収録作品 <小説> 「みちくさ」彩瀬まる 「南極に咲く花へ」宮内悠介 「透明稼業」最果タヒ 「星野先生の宿題」重松清 「Lunar rainbow」皆川博子 <楽曲> 「光る野原」彩瀬まる×伊藤沙莉×横山裕章 「南極に咲く花へ」宮内悠介×坂本真綾×江口亮 「透明稼業」最果タヒ×崎山蒼志×長谷川白紙 「ステラ2021」重松清×柄本祐×トオミヨウ 「哀歌」皆川博子×吉澤嘉代子×世武裕子 作曲・Project Produce 水野良樹
さぁ、出かけよう! 「物語」という旅へ。 様変わりした生活、奪われる自由ーー。 でも大丈夫、私たちには「小説」がある。 国境、日常、現実を飛び越え、行き先は無限大! 宮内悠介、藤井太洋、小川哲、深緑野分、森晶麿、石川宗生ーー。 最旬の作家たちが想像の翼を広げて誘う、魅惑のノベル・ジャーニー! 宮内悠介 「国境の子」 対馬から韓国まではわずか一時間。でも「ぼく」にはそれが遠かった。 藤井太洋 「月の高さ」 旅公演スタッフとして遠征中、あの日見た月が胸に去来する。 小川 哲 「ちょっとした奇跡」 自転が止まった地球。カティサーク号は、昼を追いかけ移動を続ける。 深緑野分 「水星号は移動する」 移動式の宿・水星。今日はどんなお客様と出会うのだろう? 森 晶麿 「グレーテルの帰還」 あの夏、最後の家族旅行での惨劇が、私の運命を大きく変えたーー。 石川宗生 「シャカシャカ」 地表が突然シャッフルをはじめた!? 姉弟の生き残りをかけた旅が始まる。 宮内悠介 「国境の子」 藤井太洋 「月の高さ」 小川 哲 「ちょっとした奇跡」 深緑野分 「水星号は移動する」 森 晶麿 「グレーテルの帰還」 石川宗生 「シャカシャカ」
東アフリカの大国エチオピアとの国境付近。ルイこと龍一は、そこで知り合ったイタリア人の男・ピアッサとE国へ潜入した。バベルの塔を思わせる巨大な螺旋状の塔内に存在する無数のカジノが、その国の観光資源だった。そこは、砂漠のなかに屹立するギャンブラーたちの魔窟。上階へ行くほど賭け金は上がり、最上階では国王自らがディーラーとなり、国家予算規模の賭け金で勝てば、E国は自分のものになるという……。奪われたものを取り戻すために、そして、この国を乗っ取るために、巨大なカジノ・タワーの最上階を目指せ! 注目の作家が放つ、最新ギャンブラーズ小説。 【著者略歴】 宮内悠介(みやうち・ゆうすけ) 1979年、東京都生まれ。92年までニューヨークに在住。早稲田大学第一文学部英文学科卒業。2010年、「盤上の夜」で第1回創元SF短編賞(山田正紀賞)でデビュー。主な著作に『盤上の夜』(第147回直木賞候補、第33回日本SF大賞受賞)『ヨハネスブルグの天使たち』(第34回日本SF大賞特別賞受賞)『エクソダス症候群』『アメリカ最後の実験』(第29回山本周五郎賞候補)『彼女がエスパーだったころ』(第38回吉川英治文学新人賞受賞)『スペース金融道』『月と太陽の盤 碁盤師・吉井利仙の事件簿』『カブールの園』(第156回芥川賞候補、第30回三島賞受賞)『あとは野となれ大和撫子』(第157回直木賞候補、第49回星雲賞(日本長編部門)受賞)『ディレイ・エフェクト』(第158回芥川賞候補)『超動く家にて 宮内悠介短編集』『偶然の聖地』『遠い他国でひょんと死ぬるや』など。
米国に住む日系三世、38歳の女性プログラマー・玲。小学校で「豚」と苛められた凄絶な記憶、二世の母との関係に苦しみ、PTSD治療を受けている。祖父母のいたマンザナー強制収容所の跡を訪れた玲は問うー「わたしたちの世代の最良の精神」はどこにある?三島由紀夫賞受賞の鮮烈な感動作。「半地下」併録。
ちょっぴり怖い、だからおもしろい。 これぞエンタメ!! 前代未聞の「ミステリー短編バトンつなぎ」 「宮辻薬東宮」(みやつじやくとうぐう) 宮部みゆきさんお書き下ろし短編を辻村深月さんが読み、短編を書き下ろす。その辻村さんの短編を薬丸岳さんが読み、書き下ろし……今をときめく超人気作家たちが“つないだ”ミステリーアンソロジー。 「人・で・なし」宮部みゆき 「ママ・はは」辻村深月 「わたし・わたし」薬丸岳 「スマホが・ほ・し・い」東山彰良 「夢・を・殺す」宮内悠介
第三の“竹内ノート”を求めて、男はルソン島へーー 戦没詩人、山下財宝、山岳民族、イスラム独立闘争… 空っぽな日本人はそこで何を見たのか 注目の才能ミヤウチの、これが決定版。またしても展開予測不能の冒険小説! 戦死した若き詩人が見晴るかし、残したものとはー ぼくは、ぼくの手で、戰爭を、ぼくの戰爭がかきたいーーそう書き残し、激戦地ルソン島で戦死した詩人・竹内浩三。彼は何を見、何を描いたのか? テレビディレクターの職を捨て単身フィリピンに渡った須藤は、その足跡を辿りはじめた。だがその矢先、謎の西洋人男女に襲われ、山岳民族イフガオの娘ナイマに救われる。かつて蹂躙された記憶を引き継ぎ日本人への反感を隠さないナイマだが、昔の恋人ハサンの実家を訪ねる道行きに、付添いとして須藤を伴うことに。ミンダナオ島独立のために闘ったイスラム一族の家で一時の休息を得た須藤だったが、ハサンの家は秘密を抱えていた……。
放浪の碁盤師・吉井利仙が、かつて棋士だったころの打ち回しに魅せられ、彼を先生と呼んで追いかけている若手囲碁棋士の愼。姉弟子の衣川蛍衣も巻き込みながら、囲碁を巡る数々の事件に遭遇し、棋士としても成長していく。コンゲームあり、サスペンスあり、異なる味わいを持つ物語を重ね、囲碁という宇宙に魅入られた人間を描ききった傑作ミステリ登場!
小説という、旅に出る。 国、ジェンダー、SNS--ボーダーなき時代に、鬼才・宮内悠介が届ける世界地図。本文に300を超える「註」がついた、最新長編小説。 秋のあとに訪れる短い春、旅春。それは、時空がかかる病であるーー。人間ではなく世界の不具合を治す“世界医”。密室で発見されたミイラ化遺体。カトマンズの日本食店のカツ丼の味。宇宙エレベーターを奏でる巨人。世界一つまらない街はどこか・・・・・・。オーディオ・コメンタリーのように親密な325個の注釈にガイドされながら楽しく巡る、宮内版“すばらしい世界旅行”。“偶然の旅行者”たちはイシュクト山を目指す。合い言葉は、「迷ったら右」!--大森望(書評家) この小説を体感していると、混沌と秩序って、向こう岸にあるのではなく、隣にあるのではないかと思えてくる。生きる上で生じたバグに体を浸し、誰かと誰かのハブになる。バグとハブもまた、隣にあるのではないか。1ページごとに困惑がやってくる。困惑がやがて快楽に変わる。困惑と快楽、これもまた隣にある。一体どういうことだろう。--武田砂鉄(ライター)
音楽家の父を探すため、アメリカの難関音楽学校を受験した脩。癖のある受験生や型破りな試験に対峙する中、会場で「アメリカ最初の実験」と謎のメッセージが残された殺人事件が発生。やがて第二、第三と全米へ連鎖していくその事件に巻き込まれた脩は、かつて父と仲間が音楽によって果たそうとした夢こそが事件に深く関わっていたと知る。気鋭の作家が描く全く新しい音楽小説、ここに誕生!
進化を、科学を、未来をーー人間を疑え!百匹目の猿、エスパー、オーギトミー、代替医療……人類の叡智=科学では捉えきれない「超常現象」を通して、人間は「再発見」されたーー。デビューから二作連続で直木賞候補に挙がった新進気鋭作家の、SFの枠を超えたエンターテイメント短編集。 吉川英治文学新人賞受賞作。 進化を、科学を、未来をーー人間を疑え! 百匹目の猿、エスパー、オーギトミー、代替医療……人類の叡智=科学では捉えきれない「超常現象」を通して、人間は「再発見」されたーー。 デビューから二作連続で直木賞候補に挙がった新進気鋭作家の、SFの枠を超えたエンターテイメント短編集。 百匹目の火神 彼女がエスパーだったころ ムイシュキンの脳髄 水神計画 薄ければ薄いほど 佛点
「深刻に、ぼくはくだらない話を書く必要に迫られていた」--雑誌『トランジスタ技術』を“圧縮”する謎競技をめぐる「トランジスタ技術の圧縮」、〈ヴァン・ダインの二十則〉が支配する世界で殺人を企てる男の話「法則」など著者自ら選んだ16編を収録。吉川英治文学新人賞・三島由紀夫賞受賞、直木・芥川両賞候補など活躍めざましい俊英の正体を目撃せよ。
いまの東京に重なって、あの戦争が見えてしまうーー。 茶の間と重なりあったリビングの、ソファと重なりあった半透明のちゃぶ台に、曾祖父がいた。その家には、まだ少女だった祖母もいる。 あの戦争のときの暮らしが、2020年の日常と重なっているのだ。大混乱に陥った東京で、静かに暮らしている主人公に、昭和20年3月10日の下町空襲が迫っている。少女のおかあさんである曾祖母は、もうすぐ焼け死んでしまうのだ。 わたしたちは幻の吹雪に包まれたオフィスで仕事をしながら、落ち着かない心持ちで、そのときを待っている……。 表題作「ディレイ・エフェクト」の他、「空蝉」と「阿呆神社」を収録した驚愕の短篇集。 いま最も注目されている宮内悠介が、時の流れをこえて、この世界の真実に迫る! 芥川賞候補作品
その病院は、火星の丘の斜面に、カバラの“生命の樹”を模した配置で建てられていた。亡くなった父親がかつて勤務した、火星で唯一の精神病院。地球の大学を追われ、生まれ故郷へ帰ってきた青年医師カズキは、この過酷な開拓地の、薬もベッドもスタッフも不足した病院へ着任する。そして彼の帰郷と同時に、隠されていた不穏な歯車が動きはじめた。25年前に、この場所で何があったのかーー。気鋭の初長編が待望の文庫化。