ジャンル : 外国の小説
作家デビュー50周年に放つ、物語愛に溢れる大傑作 狙撃を実行したが結局、司直からも依頼人たちからも身を隠す羽目になったビリー。しかもたまたま、潜伏する家に転がり込んできた若い女性アリスを助けることになってしまった。 いったい何が起きているのか。依頼人は何を狙っていたのかーー。ビリーは殺しの仕事の真相に近づくべく、策を練りはじめる。しかし、追い出すに追い出せないままのアリスをどうすればいいのか。執筆途中の小説も気にかかる。物語は急転回から加速して、ビリーの運命は思わぬ方向に動き出す! 事件の真の目的と黒幕とは!? 先読み不能な展開の末に、キング史上最も美しい名場面がーー。殺し屋史上最高にカッコいい男の罪と罰、贖罪と復讐。そして物語を読むことと紡ぐことへの愛。巨匠がついに生み出した最高のクライム・ノヴェルに、震撼せよ。
すべての女性は母の娘である。出産・育児・恋愛・結婚・離婚・父の不在・反発・世代の差・虐待・差別・介護・老い・希望ー時を超え、世代を超えて繰り広げられる「母の娘」と「娘の母」の物語。十九世紀末から二十世紀末、アメリカの女性作家によって書かれた傑作九篇。
私立探偵のマカニスは、とある人物から招待されて、人里離れた会員制狩猟クラブを訪れた。会員たちがクラブの存続問題などで揉めるなか、湖で一つの死体が発見される。さらに、嵐によってクラブは陸の孤島となり…。名探偵、密室、クローズドサークル、連続殺人、古今東西のミステリへの言及ー。すべては本格ミステリの舞台として完璧かと思われた。しかし、夢想だにしない展開の末に読者を待ち受けるものは、困惑か狂喜か。これはミステリなのか、それとも。ポケミス読者よ、信ずるなかれー。
雑誌『ミレニアム』は紙の雑誌としての発行を終え、ポッドキャストに移行することになった。意気消沈したミカエルは、娘ペニラの結婚式に出席するためスウェーデン北部の町ガスカスに向かう。しかし、のどかな田舎町をイメージしていた彼は、列車のなかで奇妙な噂を聞く。ガスカスでは、行方不明になる住民が多いというのだー。到着した町は、風力発電所の建設をめぐり開発側と土地所有者が激しく対立していた。そのころ、リスベットも同じ町にいた。ガスカスに住む姪の母親が失踪し、姪の身元保証人に指定されていた彼女が呼び出されたのだ。リスベットは、初対面の13歳の姪スヴァラの聡明さに感嘆すると同時に、その周囲にスヴァーヴェルシェー・オートバイクラブの影を感じ取って慄然とする。
天然資源に満ちた自然豊かなスウェーデン北部。建設予定の風力発電所の利権を我がものにしようと画策するマルキュス・ブランコは、ガスカス町長ヘンリィ・サロの秘密をつかんで脅迫する。ミカエルもまた、義理の息子となるサロにどこか後ろ暗い面があると感じていた。彼はさりげなく調査を始める。リスベットは、13歳の姪スヴァラと徐々に距離を縮めていく。しかし、スヴァラは何者かに狙われているようだった。失踪した母親が組織犯罪に関係していたことが理由なのだろうか?リスベットは母親を探し出すと決意するが…。そして、ペニラとサロの結婚式の日、町で蠢いていた陰謀が凄惨な暴力となって噴出するー。人気シリーズ再始動!ページを繰る手が止まらないスリルに満ちた展開。あの二人が帰ってきた!
韓国で30万部突破のベストセラー! 43歳でパーキンソン病に侵された精神科医は、人生に何を見出したのか? 限りある時間とどう向き合うか。あなたの人生を変える43のヒント 本書は、2015年に韓国で出版された『私が今日を生きるのが面白い理由』が販売部数10万部を超えたのを記念して発行された改訂版である。 著者は精神科医のキム・ヘナム氏。43歳でパーキンソン病と診断され、生きる気力を失ったが、自分の病気と向き合いながら、医師として学びを深め、また、1人の人間として思索を深めていく。 本書がユニークなのは、著者が、人の悩みや生き方に寄り添う精神分析専門医であると同時に、自らがパーキンソン病という難病の患者であることだ。 この2つの立場を通じて深めた思考が、決して暗くなることなく、むしろ明るく前向きに表されている点が本書の大きな特色である。 困難を抱えても前向きに生きようと思わせてくれ、読者に勇気と希望を与えてくれる。 第1章 精神科医として30年働いてわかったこと ・どんなに真面目に生きていても、不幸に見舞われることがある ・いくら準備しても、「完璧な時」は決して来ない ・深夜、トイレで気づいた人生の真理 ・ドアがひとつ閉じても、また別のドアが開く ・「他人に振り回される人」と「自分の歴史を刻む人」の違い ・これまでの人生で、一番後悔していること 第2章 患者たちに言えなかった、今だからこそ語ってあげたい話 ・健全な大人の「10の条件」とは? ・患者たちがもっとも口にしたい言葉 ・精神分析の基本ー負の感情とどう戦うか ・「白馬の王子様」が最も人を傷つける ・職場の大嫌いな人との付き合い方 ・心の中の「黒い感情」と向き合う4つの方法 第3章 パーキンソン病の私が、楽しく生きている理由 ・22年かけて、パーキンソン病が私に教えてくれたこと ・心から憎い相手を許した本当の理由 ・私の悲しみを背負ってくれた友人たちのこと ・父との衝突から学んだ「人間の本質」 ・人から振り回されずに自分を守る「4つの視点」 第4章 40歳で知っていたら良かったこと ・友人や肉親の死に対し、私たちができる「たった1つのこと」 ・40代の罠ーー自分の生き方を再点検しよう ・人生には休み時間が必要だ。でもどうやって作る? ・「いい親にならなくちゃ」と頑張りすぎないで ・家族とは、この世で一番親しく、そして憎み合う存在 ・「パーキンソン病は人生の贈り物」と断言できる理由 第5章 もし私が人生をやり直せたら ・もっと多くの間違いを犯し、それを喜ぶだろう ・老いることを恐れず、楽しむだろう ・熱中できることを死に物狂いで探すだろう ・どんな苦しい時でもユーモアを忘れないだろう ・どんな瞬間でも私は私を信じるだろう ・そして静かに死を迎えるだろう
「家族」がきゅうくつなあなたへ。凛々しい娘、美しいおじさん、珍妙なおばさん。軽快な3人が送る、最高にイケてて、時々泣ける“これから”のホームコメディ!2023年韓国読者が選ぶ若い作家第1位。韓国でドラマ化決定の話題作!
作家のキョンハは、虐殺に関する小説を執筆中に、何かを暗示するような悪夢を見るようになる。ドキュメンタリー映画作家だった友人のインソンに相談し、短編映画の制作を約束した。 済州島出身のインソンは10代の頃、毎晩悪夢にうなされる母の姿に憎しみを募らせたが、済州島4・3事件を生き延びた事実を母から聞き、憎しみは消えていった。後にインソンは島を出て働くが、認知症が進む母の介護のため島に戻り、看病の末に看取った。キョンハと映画制作の約束をしたのは葬儀の時だ。それから4年が過ぎても制作は進まず、私生活では家族や職を失い、遺書も書いていたキョンハのもとへ、インソンから「すぐ来て」とメールが届く。病院で激痛に耐えて治療を受けていたインソンはキョンハに、済州島の家に行って鳥を助けてと頼む。大雪の中、辿りついた家に幻のように現れたインソン。キョンハは彼女が4年間ここで何をしていたかを知る。インソンの母が命ある限り追い求めた真実への情熱も…… いま生きる力を取り戻そうとする女性同士が、歴史に埋もれた人々の激烈な記憶と痛みを受け止め、未来へつなぐ再生の物語。フランスのメディシス賞、エミール・ギメ アジア文学賞受賞作。
全米図書賞受賞作!突然死した兄への思い、ゲイだと告白したクラスメイトの失踪、マイノリティへの差別、友情と恋心のはざま、そして家族の愛情…。アイデンティティを探し求める黒人少年の気づきと成長から、弱さと向き合い、自分を偽らずに生きることの大切さを知る物語。
闇夜に襲撃されるアーミテージ。凶弾に倒れるチェンバーズ。警官殺しも厭わない恐るべき“善人”が研ぎ澄まされた牙を剥く!ダイヤモンド強盗事件を捜査するアーミテージ巡査部長は大胆な潜入捜査を決行。捨て身の捜査によって暴かれた意外な真犯人の正体とは…。
17世紀末のスコットランド、地方領主コルウァンの二人の息子は、両親の不和により別々に育てられた。明朗快活で誰にでも愛される兄ジョージと、厳格な信仰をもつ母親のもとで陰鬱な宗教的狂熱の虜となった弟ロバート。自分が神に義認されあらゆる罪を免れていると信じるロバートは、17歳の誕生日に出会った不思議な力を持つ人物に唆されるまま、恐ろしい行為を重ねていく。変幻自在にその姿を変える“謎の友人”の正体は? そして政治的対立に揺れる議会開催中のエディンバラで、兄弟の宿命的な確執はついに衝撃の結末へ……。奇怪な事件の顚末が異なる視点から語られ、重層するテクストが読者を解釈の迷宮へと誘う。小説の可能性を極限まで追求し、アラスター・グレイらの現代作家にも多大な影響を与える、ゴシック小説隆盛の掉尾を飾る傑作にして早過ぎたポストモダン小説。(『悪の誘惑』改題)
愛らしい我が子には、彼の面影が。 でも彼は、あの夜を後悔している……。 2年前、ガブリエラは億万長者ネイトと一夜を共にした。 強欲な母からネイトへの色仕掛けを命じられて嫌気がさした彼女は、 本当は母の悪だくみをばらすため彼に会いに行ったのだが、 逆に彼の誘惑に屈し、ついに真実も、自分の名も言えぬまま逃げだした。 その後、忘れ物から彼女が誰かを知ったネイトに、 彼を騙そうとした母娘として憎まれ、彼女の恋は砕け散った……。 だが、ガブリエラはネイトから返事がなくても、毎日連絡をし続けた。 あのすばらしかった一夜の結果、彼の子を身ごもったとわかったから。 音信不通のまま、生まれた双子は1歳になった。もう、彼を忘れよう。 そんなとき、再びネイトが現れたーー瞳にいまだ消えぬ怒りをたたえて。 3つの企業を経営する実業家ネイトはこの2年、表向きは異国のリゾートで長期休暇中ということになっていましたが、じつは極秘に闘病を続けていたのでした。そうとは知らないガブリエラは、子供のために、彼のことをきれいさっぱり忘れようと心に決めていて……。
「幻覚かと思ったが、やっぱりきみだ。髪を切ったんだね」アレッサンドラは実家の玄関で、見知らぬ来客に声をかけられた。ギリシア神話の絶世の美青年アドニスを彷彿とさせるその男性リニは、華やかで愛嬌のある双子の姉と彼女を勘違いしているようだ。姉は探し求めていた理想の王子様をとうとう見つけたのかしら?人違いだと言ってアレッサンドラはその場を去ったが、ほどなくして、リニは名門一族の生まれで、才覚、財力、容貌と三拍子そろった独身貴族だと耳にし、彼女は密かに胸を高鳴らせた。しかし、アレッサンドラはその恋心を抑えこむのに必死だった。男性は魅力的な姉のほうを好むから。もう傷つきたくないから…。
18歳の夏、キャリーはさる公国の大公リュクに恋をし、純潔を捧げた。だが翌日、彼は名づけ親を通して別れの意思を伝えることで、彼女を公国から追い出しにかかったのだった。用意された“一夜のお相手代”には目もくれず城を去ったキャリーは、やがてリュクの子を身ごもっていることに気づいたが、子宮外妊娠だったため出産はあきらめざるをえなかった…。そんな辛く悲しい出来事を記憶の奥底に閉じこめ、8年が過ぎた。そして今、思わぬ再会を果たしたリュクから、プロポーズされる!ほとんど脅迫ともいえる強引な求婚に戸惑いながらも、彼への恋心をくすぶらせていたキャリーは受けることにするが…。
地味で目立たぬ灰かぶり娘に、 突然求婚した伯爵の真意は……? 母が突然病死したあと、サラは父に引き取られて田舎にやってきた。 そこで冷ややかに迎えられ、彼女は物語を書いたり、 困っている動物を助けたりして孤独を紛らわすのが習慣になった。 今は父も亡くなり、まるで修道女のようにつましく暮らしていたある日、 人数合わせのために呼ばれた隣家の夕食会で、 黒髪に顔だちの整ったラングフォード伯爵セバスチャンと出逢う。 翌日、狐を助けようと危険を冒して増水した小川を渡っていたところ、 身を挺して救ってくれた彼に、サラは人生初の胸のときめきを覚えた。 すると彼が驚きの言葉を告げた。「君が必要ーーいや、結婚してください」 だがそれは、口のきけない娘の世話をしてほしいという意味で……! 亡妻の愛人に誘拐され、心を閉ざしてしまった娘のために便宜上の結婚相手を探しているヒーロー。次に妻になる女性には愛情を持たないつもりでいる彼に恋してしまった日陰のヒロインの運命は?!それぞれ傷ついた心を抱えた登場人物が織りなす、感涙必至の物語。