出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
「僕たち、結婚してもいいんじゃないかな」唐突で、思いがけないプロポーズに秘書のアンバーは、ボスの真意がつかめず目をみはった。ボスの包容力に安らぎを覚えながらも、男としてのそぶりを彼はいっさい見せなかったから…。しかもアンバーは、ある出来事のせいで、二度と恋愛には夢中にならないと決めていたのだ。ところがボスは、この結婚に情熱はいらないという。意味深な言葉を囁かれ、アンバーの心は複雑に揺れた。
エヴィの恋人の名はシーク・ラシード・アル・カダー。父の跡を継いで国を統治し、いずれ一族の女性を妻にするという定めを負った、見惚れるほど美しいアラブのプリンスだ。ラシードの立場を慮り、身ごもっていることを打ち明けるのをためらっていたエヴィだったが、いつものように抱きあい、甘美なひとときを過ごしー妊娠したことを告げると、冷たいまなざしでラシードに、「赤ん坊は僕の子か」と突き放されて、エヴィは青ざめた。しかも追い打ちをかけるように、彼の婚約を知らされ…。
婚約間近のステファニーは、海辺の町で静かに暮らしていた。 しかし、その平穏な日常もジェラードが現れたことで一変する。 18歳。大人になりかけていた清純なステファニーは、 洗練された美貌のジェラードと恋に落ちた。 だが悪夢のような出来事によって、地獄に突き落とされーー ジェラードは彼女の愛と純潔を疑って、去ったのだ。永遠に。 5年の月日が流れ、再会した彼の瞳には凶暴な光が眩いていた。 「綺麗で汚れていないと思っていたのに。君はまた人を欺くのか」 君の真実の姿を君の恋人に暴くとでも言いたげに。
財産目当てで、年の離れた大富豪の後妻となったいとこのために、ケンドラはギリシアを訪れていた。アテネ空港で出迎えたのは、ハンサムだが傲慢なデーモン。大富豪の親戚筋にあたる、彼自身も億万長者の会社経営者だ。ケンドラは彼のことが気になるのに、いとこと同類と決めつけて、皮肉っぽい目つきでじろじろと見つめてくる。ある日、大富豪の息子と出かけたケンドラは、車の燃料切れで帰宅が深夜になってしまう。するとデーモンはここぞとばかりに、「君は金持ちなら誰でもいいのか」と辛辣な言葉を放った。
嵐の夜、フランス南西部の学園都市で、全裸で縛られた女性の変死体が見つかった。被害者はエリートばかりが通う名門高校の教師。逮捕された17歳の少年ユーゴは人気者の生徒で、警部セルヴァズがかつて愛した女性の息子だった。ユーゴは殺害を否認するものの、全ての状況は彼の犯行を物語っていた。だが捜査を進めるうち、セルヴァズの周囲に姿なき猟奇殺人鬼の影がちらつきはじめ…。
女性教師殺害の現場で見つかった、逃亡中の連続殺人鬼ハルトマンの痕跡ーさらに逮捕された少年ユーゴ以外にも愛人の若手政治家や同僚教師らが容疑者として浮上、捜査は一気に混迷する。そんななかユーゴと同じ学校に通うセルヴァズの娘マルゴが襲われ、町を震撼させる凄惨な事件が!しだいに明かされる進学校の闇、姿なき悪鬼の真の目的とは?フランス発ベストセラー・シリーズ第2弾。
乙女の窮地を救う騎士のごとく現れた彼。 その姿は偽り、それとも真実……? まもなく結婚式が始まるというのに、花嫁姿のミーナは泣いていた。 花婿は、かっとなるとすぐに暴力を振るう卑劣な男だが、 借金を返すためには、彼と結婚する必要があるのだ。 するとそこへ、見覚えのあるハンサムな男性が訪ねてきた。 ネイト・ブランズウィック──ホテル客室係のミーナが担当する、 スイートルームに泊まる大富豪だった。彼はミーナの話を聞くと、 驚くべき提案をした。「僕と結婚すればいい。決めるのは君だ」 ミーナはネイトを信じて簡素な式を挙げ、彼の屋敷へ逃げ延びた。 数カ月後、妊娠した彼女は夫の本心を知り、深く傷つくことに……。 作家競作8部作〈ディ・シオーネの宝石たち〉第7話は、ディ・シオーネのきょうだいたちとは母親違いのネイトと、貧しいホテル客室係ミーナとの甘く切ないロマンスです。最終話もお楽しみに!
利用されても、さげすまれても会いたい。 初めて知った愛が、こんなに苦しいなんて。 リリーはスペイン人富豪のレイフを見た瞬間から、 15歳近くも上の、大人の男性の危険な魅力に心を奪われた。 最近、有名な豪邸に越してきた彼は大変なお金持ちらしいが、 よくない噂の絶えない人物でもあった。 そうとわかっていても、リリーはレイフの誘いを拒めなかった。 そして彼に身をまかせ、人生最高の幸せと愛を知った。 でも、いったいなぜレイフは私に興味を持ったの? ベッドでひとり目を覚ましたとき、リリーは残酷な答えを知る。 彼女のことは遊びとばかりに、彼は前妻に会いに行っていたのだ! 周囲からの警告も気にせず、自分を信じて年上のレイフに身を捧げたリリー。けれど、レイフはそんな純粋な気持ちをあざわらうように、彼女をベッドに残して姿を消します。愛人にされたと知り、まじめなリリーは傷つきますが、彼を嫌いになるには遅すぎて……。
サラはこの2年、ギリシア富豪アレコスの秘書を務めている。たくましい長身、豊かな黒髪、官能的で美しい唇ーそして、指を鳴らせば女性が寄ってくると信じて疑わない傲慢さ。うぶで真面目なサラでさえ、彼には密かに胸を焦がしていた。ありとき一大決心をしたサラは、長期休暇の間に体重を落とし、地味な服と眼鏡を捨てて、洗練された装いで職場に復帰した。数日後、彼に激しくキスをされ、サラは夢にまで見た唇に溺れた。アレコスの望みはいつもと同じ、つかの間の愛人だけ…。そうささやく心の声には気がつかないふりをして。
母国の女性を娶るのが彼の定めーー 愛を夢見た私は、愚かなシンデレラ。 介護施設にいる母を見舞う生活を6年続けている看護師のアデル。 有能な医師であり砂漠の国の皇太子でもあるザヒールに片思い中だが、 彼は次々と浮き名を流しているのに、彼女には目もくれない。 しかし、病に倒れたザヒールの母を看護しに砂漠の国を訪れたとき、 彼がやがて父王の選ぶ同国出身の花嫁を娶ることを知る。 それが故にザヒールがこれまであえて自分を避けていたと気づき、 アデルはほとばしる愛をどうすることもできず、彼に純潔を捧げた。 しかし、二人が深い仲になった事実を知って激怒した父王によって、 彼女はあえなくロンドンに帰されてしまうーー 愛してはいけないザヒールの子を、その身に宿しているとも知らず。 主人公たちの心の機微を、こまやかに切なく描く表現者キャロル・マリネッリによるシンデレラストーリーをお贈りします。結ばれる望みのない恋と砂漠の魔法にからめとられ、無垢なアデルの運命は激しく翻弄され……。ドラマティックな展開に一気読み間違いなし!
わたしは都合のいい妻、愛されない妻。 そのうえ望まれぬ子を身ごもったら……。 仕事に夢中な大富豪ジェイコブとの結婚に嫌気がさしたクララは、 都合のいい妻でいるのがつらくて、身の回り品だけを手に家を出た。 その後、新たな命を授かっていることに気づいたが、 子供は欲しくないと明言していた彼に知らせるつもりはなかった。 愛されないならいっそ別れたいと再三訴えるクララに対し、 彼はつねに弁護士を通じて、離婚には応じないと伝えてきた。 だが5年後、イベント業を営むクララのもとにジェイコブが現れ、 余命わずかな父のために家族パーティを企画してほしいと頼んでくる。 密かに産んだ娘の存在、いまだくすぶる彼への愛は、知られたくない! 悩み苦しむ妻に、夫は言った。「引き受けてくれるなら、離婚に応じる」 夫を愛しているからこそ、いびつな関係に耐えきれず別れを選ぼうとするクララ。そんな切ない望みを、なぜかつっぱね続けるジェイコブの真意がわからずに悩みます。さらには、物心ついた娘が町のサンタに“パパが欲しい”とお願いしているのを聞いてしまい……。
自宅の玄関ベルが鳴ってドアを開けたとき、イザベルの心臓は止まった。ウェスー二度と会うはずのない人!5年前、彼の経営する会社に入ったイザベルは一緒に働くうち、想いを抑えきれなくなり、誘われるままベッドをともにした。だが甘美なときは終わりを告げ、彼にそっけなく言われてしまう。“ぼくたちの関係は一時的なもので、先はない”深く傷ついたイザベルは会社をやめて故郷に戻ると、ウェスとの間に授かった子を密かに産み、ひとりで育ててきたのだった。そんな彼女に対し、やっと真実を突きとめた彼は烈火のごとく怒り、尊大に宣言する。「ぼくは自分の要求を通すまでここを動かない」
有名実業家の愛人の娘として生まれたバーナデッドは、後ろ指をさされて育ちながらも長年の夢を叶え、医師となった。その年の誕生日、彼女のもとに贈り主の名前のない花束が届いた。誰から?疑問を抱いたまま出掛け、一人の男と鉢合わせした。ダントンー6年前、思わせぶりな言葉で惑わせておきながら、私が懸命に語る理想を嘲り、翌日にはほかの女と去っていった男。彼は変わらぬ不敵な笑みを浮かべ、仮面舞踏会へと誘ってきた。“君が僕を見つける前に、君を見つけてみせる”と言って。私が本当は彼を忘れられずにいたと、見透かれているの?二度とあの人に振り回されたくないのに。彼女は不安に脅えた。
「僕の祖父の80歳の誕生日に、最高の美女をプレゼントしたい」社長のジェイクからそう切りだされ、秘書のメルリーナは頭を抱えた。彼はいつも彼女に無理難題をふっかけては楽しんでいるのだ。じつはメルリーナは密かにジェイクに想いを寄せていたが、プレイボーイの彼と堅実な自分では釣り合わないと諦めていた。でも、もしかしたらこれはチャンスなのかもしれない…。誕生日当日、メルリーナは今までとはまったく違う、華やかな衣装とメイクで着飾り、ジェイクと祖父の前に立った。感激した祖父が、あろうことかメルリーナと婚約すると宣言すると、ジェイクはそんなことは許さないと怒りだし、彼女の唇を奪った!
ダニーはロンドン郊外の大きな屋敷で庭師として働いている。 屋敷の主は家のまわりに高い石塀を巡らし、つねにボディガードに 囲まれて暮らしており、いまだ姿を見たことはない。 きっと人間不信の哀れなおじいさんに違いないわ。 ある夜、庭の芝を刈っていたダニーは背後からの声に驚いた。 振り向くと、若くハンサムな男性が睨みつけている。 彼こそがこの屋敷の主、ピアス・サザランドだった。 謎めいたピアスの魅力に惹かれ、ダニーは身も心も捧げるが、 彼の言葉は、あまりにも冷たいものだった。 「僕が君を愛することは決してない。期待するな」 1987年に刊行された、人気作家キャロル・モーティマーの意欲作です。謎めいた過去を持つ人間不信の大富豪を愛してしまった、貧しく無垢なヒロイン。彼の心は固く閉ざされたままで……。
伯爵の禁じられた恋の相手は、亡き兄が遺した幼な妻……。 『真夜中の壁の花』につづく、大人気作家のシリーズ最新作! 旅行中に命を落とした双子の兄の遺言が、エドワード・オールコットの運命を 一変させた。グレイリング伯爵の地位を継ぐばかりか、帰国後は兄になりすま して、幼な妻ジュリアとの結婚生活を続けなければならなくなったのだ。兄と は正反対に放蕩の限りを尽くしてきたエドワードは、数年前のある“過ち”の せいで、彼女から毛嫌いされている。数カ月ぶりに夫と再会したジュリアは、 幸いにも瓜二つのエドワードを夫と信じて疑わなかったが、彼を愛情深く見つ める“妻”の隣で眠ることに、エドワードは次第に耐えきれなくなっていた。
男性の目を引くセクシーな容姿が、セリーナには悩みの種。 軽い女に見られるが本当は奥手で、目立たないように生きてきた。 ある日、彼女が働くレストランに、ビジネスマン風の客が訪れた。 ハイスクール時代の憧れの先輩、アーロン・キングズリー! 17歳の頃、酔った少年たちに絡まれ、助けてもらったことがある。 あれからずいぶん経つけれど、私をまだ覚えているかしら? 昔どおりの魅力の上に、成功した者特有の雰囲気をまとった彼は、 セリーナに気づくと興味深そうに彼女の全身を眺めまわした。 彼も他の人と同じねーーセリーナは失望を隠して接客するが……。
初めての目眩く一夜は 朝の光とともに悪夢と化した。 ゴールディは仕事の面接を受けた帰り道、路地で強盗に襲われた。 バッグを盗られ、ショックで呆然としていると、男性が通りかかった。 彼はゴールディの怪我を応急処置してくれたばかりか、 ガエル・アギラルと名乗り、仕事まで紹介してくれるという。 スペイン人の大富豪が、なぜ私なんかに優しくしてくれるの? ガエルのリムジンに乗り込んだときには、彼女はすでに彼に夢中で、 まるで魔法にかけられたかのように、純潔を差しだしてしまった。 だが翌朝、ガエルの姿は消えていた。枕元の1万ドルと引き替えに。 私は娼婦じゃないわ! 憤るゴールディは後日妊娠に気づき……。 R-3259『愛なき億万長者の嫉妬』関連作をお贈りします。前作ヒーローの異母弟ガエルもまた、愛を知らずに育ちました。ゴールディの妊娠を知って、ビジネスライクな提案をしますが……。
ポリーは実の父をさがして、ダーリアを訪れていた。しかし突然、空港で身柄を拘束され、王宮へ連行される。そこに現れた、民から英雄とあがめられる国王ラシャドは、おごそかな声でポリーに妻になるよう命じた。その言葉を受け入れたのはラシャドの鷹のような目と威厳に、恐怖とは違う胸の高鳴りを覚えたからだ…愛の芽生えを。ポリーは気づいてもいなかった。非情なラシャドは国に平和をもたらすため、彼女を利用するつもりでいたのだ。亡き王妃の代わりに、子供を産んでもらうことで。