出版社 : 講談社
18歳の草壁総次郎は、何の前触れもなく致仕して失踪した父・藤右衛門に代わり、町奉行となる。名判官と謳われた祖父・左太夫は、毎日暇を持て余す隠居後の屈託を抱えつつ、若さにあふれた総次郎を眩しく思って過ごしている。ある日、遊里・柳町で殺人が起こる。総次郎は遺体のそばに、父のものと似た根付が落ちているのを見つけ、また、遺体の傷跡の太刀筋が草壁家が代々通う道場の流派のものではないかと疑いを持つ。さまざまな曲折を経て、総次郎と左太夫はともにこの殺人を追うことになるが、果たして事件の真相と藤右衛門失踪の理由とは。
“お前は自分の仕事を馬鹿にされるのを嫌う。お前自身が、誰よりも馬鹿にしているというのに。”腕利きの溶接工が陥った突然スランプ。日に日に失われる職能と自負。異色の職人小説。第169回芥川賞候補作。
残忍な男によって、目の前で妻と娘の命を奪われたユ・ミョンウ。犯人は捕まらず、未解決のまま15年を迎えた。犯人が古書に異常な執着を持っていることを見抜いたユ・ミョンウは、犯人を誘き出すために古書だけを扱う“記憶書店”を開店した。そこに現れた4人の怪しい客。「この中に犯人がいる」と確信し、調査をはじめるが…。家族を失った怒れる男のかつてない復讐劇が、いま始まる。
ずっと愛していた。そして強く愛されている。そう思っていたのは、私だけだったの?始まりは、小さな裏切りだった。謝ってくれれば許すつもり。ずっと待っていた。でもー。病室に来たあの人は、私の知っている夫ではなかった。「私」にとって一番大事なものは、「私」にだけ見つけられない。ある町を襲った謎のハッカー。「書」を愛する中国の娘。開発中止になった夢の機械ー。恋愛小説で、大救出劇で、予測不可能なラストシーンに、決して忘れることのできない読後感。
レッドローグでの一件の解決後。クラシアに、姉ヴァネッサ・アンネローゼから手紙が届く。その手紙を受けて、海上都市メイヤードに向かうアレクたちだが、ヴァネッサは一月ほど前から姿を消していた。どうやら彼女は、錬金術師たちの到達点ー“賢者の石”をめぐる事件に巻き込まれているらしい。彼女を探すため、メイヤードのダンジョンに向かうアレクたち。そこで彼らが邂逅したのはーひとりの少女と。とある男が見た、たったひとつの願望でー。飼い殺し状態だった元宮廷魔法師の冒険譚、待望の第四弾!コミカライズも大好評連載中!
弱小貴族ローベント家の若き当主・アルス。実は転生者であるアルスは、武力も知識も一般的なレベルだが、「鑑定」という特別なスキルを使い出自や年齢を問わず有能な人材を集め、重用していた。攻め寄せた大軍勢を退けたアルスは、戦後処理を行うとともに、さらなる勢力拡大のための人材発掘を続けていた。敵対していた勢力からも積極的な登用を行うアルスだがそんな中でみるからに裏のありそうな三人組に出会う。彼らの正体は、そして重要度を増すアルスとカナレ郡はー!?小説家になろう発成り上がりファンタジー、アニメ化も決定の第5弾!
初級職“アイテム師”として『三日月の爪』に所属していたガイウスは「S級にあがったパーティでは庇って戦えない」という理由からパーティーを首になってしまう。ガイウスは気づいていた。実際はパーティ内での人間関係上、邪魔になってきたので体よく追い出されただけということを。しかし、パーティメンバーは知らなかった。ガイウスと一緒に行く冒険が、どれだけ気遣いのある快適なものだったかをー!一方、一人となったガイウスの元に初級職“魔法剣士”の少女ミリアが現れパーティを組みたいと主張する。その理由は、ガイウスと一緒にあるダンジョンを攻略したいと言うものでー。小説家になろう発人気ファンタジー、ついに書籍化!
一子相伝の魔術“全自動・英霊召喚”を駆使するアーシア王国筆頭宮廷魔術師、フレイ・リディア。ガーベラ国王と配下の『英霊』により、古の世界を破壊した「魔獣サイフォス」の復活が、二週間後に迫っていた。最大の危機を前に、戦力強化のため『真実の楽園』を訪れ、新たな英霊たちの力を得ようと奮闘するフレイたち。だが彼らからの協力はなかなか得られず…!?期限が迫るなか、開祖アレクシアの元で魔力強化に励むフレイ。しかし、無情にもガーベラ王と「魔獣サイフォス」による侵攻が開始され、そこに漁夫の利を狙う『青の魔王』一派も現れて混乱はなおも深まり…!?新たなる英霊の力と自らの進化した力をフレイは獲得できるのか!?そして再び危機に瀕した世界と仲間たちを救うことができるのか!?
学校で悠々自適に引きこもっている俺は、可愛い妹シャルちゃんを楽しませるべく、魔神さんを巻きこんで遊ぶ日々を送っている。そんな中、新たな試練が降りかかった。四人チームの魔法戦?まあただの学校行事だし大したことないやろ。などと高を括っていたら、謎の!転校生!現る!はいそこー、また?とか言わなーい。なにやら不思議な双子ちゃんがシャルに急接近。焦る俺。舞い踊る魔法少女。巨大魔獣が王都に迫り、合体ロボがひた走る。そしてついに、因縁の母子の戦いに決着が!?そんなこんなで異世界引きこもりファンタジー第六弾、今回もイモータル☆シャルちゃんの活躍に乞うご期待!(俺は裏方がんばるぞ!)
「彼女は実在してる。存在が不確かなだけで、ずっと僕の傍にいるんだ」大学生の菊理現が思い出のダイスに触れた途端、長い黒髪に白いワンピースの美しい女性が見えるようになった。現にしか見えない彼女はしかし、ずば抜けた推理力を持つ名探偵。藍の花を握り締めて死んだ女性、宗教施設で血を流す大きな眼球のオブジェ。二人に降りかかるすべての謎は解けている。あとは、言葉を持たない「不実在探偵の推理」を推理するだけ。水平思考を巡らせて、「ハイ」か「イイエ」の答えで真実にたどり着け。
ミステリー界の最前線がわかる、日本推理作家協会公式年鑑。2022年に発表された短編ミステリーのなかから、プロの目で選び抜かれた珠玉の7作。第76回日本推理作家協会賞短編部門受賞作、西澤保彦「異分子の彼女」も収録!
両親の死の真相を探るため、警察官となった19歳の沖野修也。警察学校在校中、二件の未解決事件を解決に導いたが、推理遊び扱いされ組織からは嫌悪の目を向けられていた。その目は、暗がりの中で身構える猫のように赤く光って見えるー。それが、沖野の持つ「特質」だった。ある日、「内閣府国際平和協力本部事務局分室 国際交流課二係」という聞きなれない部署への出向を命じられた。そこは人知れず、諜報、防諜を行う、スパイ組織であったー。最注目作家がおくるスパイ小説の技術的特異点。
夫と離婚し、強い停滞感を抱く千晶は、母の墓がある霊園で凪という青年と出会う。彼は「うるうの朝顔」という不思議な朝顔の種を取り出した。花を咲かせると「現実とは一秒だけ違う過去を再体験し、心の不調和が直る」種らしい。半信半疑のまま、千晶はメモの通りに花を咲かせるがー。
聖イジョルニ帝国フェデル城。家に縛られてきた貴族の娘・ユリアは、英雄の父と旅に出る。呪われた地・レーエンデで出会ったのは、琥珀の瞳を持つ寡黙な射手・トリスタンだった。空を舞う泡虫、乳白色に天へ伸びる古代樹、湖に建つ孤島城。その数々に魅了されたユリアは、はじめての友達、はじめての仕事、はじめての恋を経て、やがてレーエンデ全土の争乱に巻き込まれていく。
皇帝夫妻の娘として生まれながらも、双子を忌む因習によって捨てられたエルネスタ。市井で育った彼女の元に、ある日皇帝からの使者がやってくる。「出奔した姉姫の代わりに蛮族たる人狼王イヴァンの元に嫁ぐこと」身勝手な勅命を最初は断るものの、育ての母の病気を治すことを条件に引き受けることに。しかし恐々としながら嫁いでみれば、超絶美形の夫は特に恐ろしいことをしてくるでもなく、周囲の人狼たちも良いひとばかりだった。市井で培った明るさと根性が役に立ち、最初は壁のあった彼らとも打ち解けていく。やがて周囲から敬愛される王妃となるのだが、身代わりであるエルネスタはきちんとわきまえていた。これは双子の姉が連れ戻されれば終わる仮初めの立場なのだから、彼らの好意に甘える気なんてない。それなのに、なんだか最近人狼陛下との距離が近いのですが…?
幼なじみの勇者・レティシアと決別し、アリスやアンジュ、サナといった新たな仲間たちと旅をするハル。ある街で起きた事件の解決を手伝ったが、首謀者であるジンは死んでしまう。その死の真相を探るべく向かったのは迷宮都市アズライール。道中の宿場町で殺し屋を名乗る不思議な少女シルファと出会う。一緒にアズライールへと向かうことになるが、そこで新たな問題も発生しー!小説家になろう発心優しき少年の物語、第二弾!