1991年発売
空前のヒット商品となったディス・コン・ゲーム「ライフキング」。ある日、そのソフトをめぐる奇怪な噂が子供たちのネットワークを駆け抜けた。「『ライフキング』には呪われた第5のバージョンがある」。学校で、塾で、そして電話回線の中で噂は増幅し、変貌し、ついに臨界点がやって来たー。世界を破滅から救うため戦闘を開始した子供たち。今、彼らはゲームを越えた。
若い愛人が電気屋につくった借金を返すため、心ならずも再びジャガーを狩る羽目になった中年インディオは、謎の美女に導かれて異界へと足を踏み入れる…。現代の南米を魔術的リアリズムで描く表題作のほか、全長200メートルの巨大な竜をめぐる途方もないファンタジー「竜のグリオールに絵を描いた男」など、全米SF界を瞠目させた驚嘆すべき珠玉作全8編。世界幻想文学大賞受賞。
KGB大佐ササノフの亡命を成功させ、彼と結婚したダビナ。が、2人の居所を突き止めたKGBによってササノフは爆殺される。傷心のダビナはSISに戻り、報復を決意。折も折、アメリカ政府高官の妻が、ワシントンのイギリス大使館に駆け込み、夫はKGBのスパイだと訴えるという事件が起こる。彼女の学友だったダビナは相棒のロマックスとワシントンへ飛んだ。シリーズ第2作。
いつもと変わりなく月曜日がやって来る。10時間つづけて眠り、ようやくきみは目を覚ます。日曜日のことは誰も知らない…。ニューヨークの一流出版社調査課に勤めながら、毎夜ナイトクラブに通い、コカインに溺れる「きみ」。きらびやかな大都会に生きる若者の姿を静かな声で語って絶大な反響を呼んだ、「心に真っ直ぐ突き刺さってくる小説」。80年代アメリカ青春小説の金字塔。
川添千秋の安穏とした日々は母の遺書によりある日突然終わりを告げる。戦死した青年軍医・川添耿一ではなく隻眼の元巡査・木倉徳松が実の父親であるかもしれないと、しかも戦時中母を凌辱したのだと知ったときの衝撃。妹・悦子とはからずも関係をもってしまったことに対する深い苦悩。徳松の後妻・道代との房総への逃避行の果ての、親と子の運命ともいえる対決。戦後日本の風土を背景として悪のもたらす宿命的悲劇を力強く描きあげる。豊穣な大河ロマン小説の新たなる誕生。
木曽川・長良川・揖斐川の合流する伊勢湾河口地帯に、無数に浮かぶ輪中(わじゅう)=水の砦-。阿弥陀仏を信じ、自由を求めるその土地の民百姓を、天下布武のため根絶やしにしようと押し寄せる信長軍-。門徒勢の若き鉄砲組頭を主人公に、5年にわたって信長を押し返し苦しめた長島一揆の壮絶果敢な戦いを、初めて正面から活写した力作長篇。
パリの夜、学生の私は出会った。美しい肉体のA。古代の伝説は語る。スフィンクスは謎を解けなかった者たちを貪り食らい、謎を解かれた時には断崖の高みから身を投げると。私とAの恋は伝説を繰り返す…。二人の性別を不明のままに、謎めいた激しい愛の物語を描き、フランス中を騒然と沸き立たせた23歳のデビュー作。
クリスマスの季節を迎え、出来の悪い生徒たちに慈悲の精神を教えるには、どうすればいいのかしら?英語教師アマンダは、ホームレスの人たちを招くクリスマス・パーティーを思いついた。ところが、生徒の親で、慈善家として名高い大物実業家クローセンが、その会場として自宅を提供すると宣言したものだから、パーティーはアマンダの意に反し、とても派手なものとなりそうな予感がしてきた。ことの成り行きに不安を感じながらも、アマンダは発案者として準備に奔走する。ところが、パーティー当夜、クローセンの屋敷が火事に見舞われ、焼け跡から主人の黒焦げの撲殺体が発見された。しかも、容疑が教え子でもあるクローセンの娘にかかったとあっては、アマンダとしてもほうってはおけない。恋人の若手刑事が制止するのもなんのその、ふたたび馴れない探偵となって…。美人教師が恋と推理に大活躍する好評シリーズ第二弾。
サイズには、皮肉としか思えなかった。テキサス・ギャングのボス、ペコス・ジミーには、幼なじみのよしみで、これまで右腕としてさんざん尽くしてきた。その自分が、ジミーから刺客を差し向けられることになろうとは…。きっかけは、ジミーが犯してきたかずかずの不法行為を暴こうとするFBIの調査だった。サイズは重要な証人として大陪審に召喚され、その結果、自分に不利な証言をされることを恐れたジミーから命を狙われる羽目になったのだ。俺が幼なじみの親友を裏切るとでも思ったのか?自分の身代りに友人まで殺されたサイズは、復讐の念を胸に、ペコス・ジミーが大きな麻薬取引きをする予定になっているヴェガスへと飛んだ。はたして、ギャンブルの街ヴェガスでサイズがジミーに仕掛けた罠とは?暗黒街の掟に翻弄される男の愛と野望、友情と裏切りをリアルなタッチで描き切ったクライム・ノヴェル。
機略縦横、神出鬼没、絶世の美女に甘い恋をささやきながら狙った宝は断じて逃さない。それが、異星人コーサリイの支配下にある銀河貴族社会で、ひときわ人気の高い《公認盗賊》ドレイク・マイジストラルだ。だがこの快盗でさえ、今回の獲物には手こずっていたー。銀河帝国の命運を左右する究極の“秘宝”を盗みだすというのだから。全宇宙が注視する中で、虚々実々の駆引きの幕は切って落とされた…。シリーズ開幕篇。
地球上空に忽然と出現した小惑星〈ストーン〉-。未来の地球人がつくったこの巨大な恒星船の内部には、ハイテク都市ばかりか、さらに地球人の想像を絶する秘密がひそんでいた。無限へと通じる超空間通廊〈道〉が発見されたのである。この〈道〉が異星人ジャルトの侵略をはばむために閉鎖されてから40年の歳月が流れた。荒廃した地球と〈ストーン〉、そして〈道〉で、いままた新たなる壮大無比の物語がその幕をあける。
復興をめざす地球と〈ストーン〉の対立が深刻化するなか、かつて〈道〉の彼方に消えたロシア人将校が地球に現れた。その目的は?異星人ジャルトの真意はどこに?〈道〉の神秘を解明すべく、おのれの身を捧げた天才科学者パトリシアの運命は?そして無限の時空をつらぬく〈道〉の再結合は宇宙と人類にどんな運命をもたらすのか?人気作家ベアが前作『永劫』を遥かに上まわるスケールではなつ、ファン待望の続篇登場。
〈闇の子〉ザンドラマスにあと1歩というところまで追いついたガリオン一行。その彼らに再びマロリー皇帝ザカーズの魔手がせまっていた。だが、ガリオンたちにとって幸運だったのは、旧知の仲間たちがザカーズに対抗すべく策を弄してくれていることだった。しかも、一度はザンドラマスによって破棄された『アシャバの神託』だったが、実はその写しがひとつだけあることが判明。そして、その所有者までつきとめたが…。
傘だけのキノコのような形をして黄金色の柔毛に覆われたスロウリイには、目も鼻も耳もない。だがひと月にわずか1センチかそこら南のほうに這い進むスロウリイにこの星の子供たちは願い事をかなえる力があると信じていた。そのスロウリイの一匹が高速道路のために撤去されようとしている。撤去されたスロウリイは一匹たりとも生存していないのだ…。異星の生物を救おうとする少女とその祖母を描く表題作他、6篇を収録。
悪の源・宇宙海賊を一掃しようという太陽圏連合の次期首長候補アーマデュークが、火星の無法都市サベイジを訪れた。海賊王・〓@5FE5冥と対決しようというのだ。その護衛と案内をおおせつかったのが宇宙海賊課刑事のアプロとラテル。だが、護るべきアーマデュークは偽者だった。本物はいったいどこに?はたしてこれは海賊のしわざなのか?-黒ネコ型宇宙人アプロと、相棒のラテルが騒やかに繰りひろげるシリーズ第3弾。
パリに現われたロシア人の少年は医師たちを驚かせた。少年は驚異的な筋力と知力を備え、しかも急速に老化する遺伝病に冒されていて、わずか八歳なのに老人の顔をしていたからだ。どうしてこんな少年が生まれ、なぜ死をもたらす奇病に冒されたのか?謎に挑む生化学者マリガンと遺伝学者セヤンは、いつしか産軍複合体の非情な策謀に巻き込まれていくー。最先端の科学情報を駆使し、遺伝子工学の陥穽を描く医学スリラー。
ソ連のイスラム系共和国の各地で反体制民族運動が激化しつつあった。このまま闘争が広がれば、ソ連は崩壊する。危機感をつのらせた保守派のKGB議長フョードロフは、独断で反体制の波を鎮める策略をめぐらし始める。そんな折、CIAが進める超能力研究の関係者が何者かに殺害されるという事件が起きた。研究の責任者ベニントンは即座に事件の調査を開始する。-やがて、世界を揺るがす陰謀に巻き込まれるとも知らずに…。