2001年1月発売
捕らわれた岬美由紀を救いだすため、嵯峨敏也と蒲生誠は東京湾唯一の無人島・猿島に向かう。しかしそこには既に、メフィスト・コンサルティングの罠が張り巡らされていた。中国15億人を一斉に操り日本侵攻に向かわせるメフィストの集団マインドコントロールのからくりとは?残された猶予はわずか24時間。そこにはオカルトや超常現象ではない、科学的“催眠暗示”の巧妙なトリックが隠されていた-。岬美由紀と友里佐知子、ふたりの運命の行方は?「催眠」の入絵由香が見たミドリの猿の正体とは?そして日本を襲う未曾有の危機の結末は?圧倒的な迫力と面白さ、リーダビリティとオリジナリティを誇る超娯楽エンターテインメント3部作、遂にここに完結。
拓也の父親は、家業の本屋がいのちである。北国酒田の商店街で地元に愛され営業を続けてきたが、新店舗ができた矢先、大火で二つの店舗が焼け落ちてしまう。人々の思惑と駆け引きが渦巻く中、書店と商店街の復興のため東奔西走する父。そして悪い仲間や深い友情の中で成長する拓也ー。被災者3300人に及んだ「酒田の大火」が炙り出す人情と青春の物語。
謹慎中の二人の不良刑事が、罪のもみ消しと引き換えに、監察から公安刑事の内偵を命じられた。その刑事は、ある企業から脅迫事件の犯人割り出しを依頼されていたのだ。脅迫は、幹部社員に珍奇な格好で繁華街を歩かせろという、前代未聞の内容だった。いったい犯人の真意とは?意表を衝く人物設定とスピード感あふれるストーリー展開が評価された快作。宍戸錠氏の特別エッセイを収録。
不思議な力を秘めた名刀、無銘剣を案内役に壮大に描く「森村通史」の完結編。260年にわたり平和が保たれた江戸期。歴代将軍から遊女まで、多彩な人間模様を活写する歴史長編。
同心大島勇五郎の動静に不審を感じた平蔵が、自ら果敢な行動力で兇盗の跳梁を制する「春の淡雪」、探索方から勘定方に戻されて腐っていた細川峯太郎が非番の日に手柄を立て、ふたたび探索方に立てられるまでを描く「泣き男」など、部下への思いやりをしみじみと写し出して“仏の平蔵”の慈愛溢れる六篇。ファンに贈るこの一冊。
昭和20年7月16日、110余名の乗員と人間魚雷回天を乗せた伊五八潜水艦が呉軍港を出港した。フィリピン東方を通過する敵艦船をグアムーレイテ線上で撃沈せよとの特命を受けた倉本艦長は、宿敵マックベイ大佐と太平洋戦争における艦艇同士の最後の闘いに挑むー。全く新しい戦争サスペンスの誕生。
三十二歳のヒロイン、水越麻也子は、結婚六年目の夫に不満を抱き、昔の恋人野村と不倫の逢瀬を重ねていた。だが歳下の情熱的な音楽評論家、通彦との恋愛で、麻也子は大きな決断を迫られることになる…。「不倫」という男女の愛情の虚実を醒めた視点で描いて一大社会現象を巻き起こし、TV・映画化された、恋愛小説の最高峰。
城北組の女組長・小枝子は、淫蕩な女だ。ある夜、大阪豊能の山中で猪犬訓練所をやっている氷室竜介を訪れ、激しく情交を求めた。二人は互いを貪り合う…。その日、関東鬼神会の若頭が小枝子に、氷室に深く関わるある男の行方について探りに来た。小枝子は若頭を追い返したが、やがて氷室の果てしない戦いが始まる。過去を捨てた男の修羅を鮮烈に描いた剛腕ハードボイルド力篇。
心理学者キャサリンは、昏睡状態にある分裂症の少年に対し、患者の心の中に入っていくという実験的な技術を使って治療を試みていた。一方、若い女性を狙った連続猟奇殺人を追うFBI捜査官ピーターはついに逮捕に至るが、犯人は意識不明の状態に陥っていた。最後の被害者の行方を知るため、わずかな望みをかけてキャサリンは殺人鬼の心の中に入っていく。しかし、そこは美しくも恐ろしい世界だった…。