2001年発売
大地は、恩師の島野先生から失恋したことを聞かされ、愛しさに震えた。同級生の淳子とは陸上部の部室で結ばれる。東京の大学に進学するゆかりとは教室の中で燃え、お母さんとはモーテルでひとつになる。一人旅の女子大生には初めて“男”を教えるー『週刊現代』好評連載中の官能ロマン。
乱歩の未発表小説に隠された驚愕のトリック 乱歩と詩人朔太郎の名コンビが紀州白浜の首吊り自殺の謎に挑む! 乱歩の未発表作品が発見された!?「白骨記」というタイトルで雑誌に掲載されるや大反響を呼ぶーー南紀・白浜で女装の学生が首吊り自殺を遂げる。男は、毎夜月を見て泣いていたという。乱歩と詩人萩原朔太郎が事件の謎に挑む本格推理。実は、この作品には二重三重のカラクリが隠されていた。奇想の歌野ワールド! 自 序 白骨鬼(第一回) 断 崖 奇 譚 月に吠える 第一章 白骨鬼(第一回 承前) 天上縊死 幽 霊 第二章 白骨鬼(第二回) 朔太郎登場 双生児 人でなしの恋 疑 惑 屋根裏の散歩者 石塊の秘密 第三章 白骨鬼(最終回) ぺてん師と空気男 指 鬼 白髪鬼 大暗室 悪人志願 百面相役者 大団円CR+
57年間連れ添った妻を失っても生き抜こうとするサム。そんな彼を心配する子供たち。サムにしか見えなかった白い犬はやがて…。あなたも大切なひとといっしょに白い犬をさがしてみませんか?130万部ベストセラーの愛蔵版。
暗い森に迷い込んだ11歳のハリーと妹は、夜の闇の中で何物とも知れぬ影に追い回される。ようやくたどり着いた河岸で二人が目にしたのは、全裸で、体じゅうを切り裂かれ、イバラの蔓と有刺鉄線で木の幹にくくりつけられた、無残な黒人女性の死体だった。地域の治安を預かる二人の父親は、ただちに犯人捜査を開始する。だが、事件はこの一件だけではなかった。姿なき殺人鬼が、森を、そして小さな町を渉猟しているのか?森に潜むと言われる伝説の怪物が犯人だと確信したハリーは、密かに事件を調べる決心をする-鬼才が恐怖の原風景を描き、最高の評価を得た傑作ミステリ。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。
リンジ・チェン公安委員長による裁判の結果、惑星ターミナスにファウンデーションが設置されるのが確実となった。百科辞典編纂者である全銀河から選抜された10万人の最優秀な人々は、着々と移住の準備をすすめている。これまでセルダン計画を推し進めてきた天才数学者ハリ・セルダンは、その役目をすべておえ、人生の終末期を迎えていた。だが、そんな彼のまえに、ひとりの無名人が現われた。彼は、宇宙気流の分布と混沌世界の分布との一致を発見したと言うのだ。無聊の日々を過ごしていたハリ・セルダンは、それを証明する旅に同行することになる。だが、はじめはほんのささやかな冒険のつもりだったこの旅は、やがてキャルヴィン派とジスカール派のロボット間の抗争、精神感応者のみで構成された惑星ガイア計画。セルダン計画を破壊しかねない混沌世界の誕生など、全銀河の命運をかけた驚くべき冒険の旅へと変貌していった…。
高給をはみながら、国民銀行にたかり食いをする悪しき習慣、御身大切で、わかっていながら必要な金融施策を打ち出せず、保身に汲々とする幹部たち…中央銀行としての信頼感をすっかり失ってしまった日銀。このままでは日銀は本当にダメになる。広報課長の鷲見洋一は、行内改革のため今こそ立ち上がるべきだ、と同志を募った。まず、行内浄化、これが第一目標だ。鷲見たちは行動を開始した…。
1 パロマー氏の休暇 1・1 浜辺のパロマー氏 1・1・1 波のレクチュール 1・1・2 あらわな胸 1・1・3 太陽の剣 1・2 庭のパロマー氏 1・2・1 亀の恋 1・2・2 クロウタドリの口笛 1・2・3 はてしない草原 1・3 パロマー氏空を見る 1・3・1 昼下がりの月 1・3・2 惑星と眼 1・3・3 星たちの瞑想 2 街のパロマー氏 2・1 テラスのパロマー氏 2・1・1 テラスにて 2・1・2 ヤモリの腹 2・1・3 ホシムクドリの襲来 2・2 パロマー氏買物をする 2・2・1 鵞鳥の脂肪一キロ半 2・2・2 チーズの博物館 2・2・3 大理石と血 2・3 動物園のパロマー氏 2・3・1 キリンの駆け足 2・3・2 シラコのゴリラ 2・3・3 鱗の秩序 3 パロマー氏の沈黙 3・1 パロマー氏の旅 3・1・1 砂の花壇 3・1・2 蛇と頭蓋骨 3・1・3 不揃いなサンダル 3・2 パロマー氏と社会 3・2・1 言葉をかみしめることについて 3・2・2 若者に腹を立てることについて 3・2・3 きわめつけのモデル 3・3 パロマー氏の瞑想 3・3・1 世界が世界をみつめている 3・3・2 鏡の宇宙 3・3・3 うまい死に方 解説
恋人の裏切りに心を引き裂かれ、大学生活を捨て信州・菅平にやって来た僕。もう人を愛せない。心も、そして体も-。終わりのない痛みに閉ざされた僕が出会ったのは、信州の空のような明るさの奥にさまざまな傷を隠し持った人たちだった。愛し合い、傷つけ合い、やがて赦し合う人々が静かに、せつなく奏でる交響楽。待望の長編小説。
身上惜しまぬ希代の宴会名人、〓愁使者抱樽。アルコールの概念がなかった時代のきき酒師、宇田川小三郎。上方から江戸への新酒一番入荷を競う番船競争、正覚坊の亀。大酒合戦で一斗九升五合を呑み干した男、小山の佐兵衛。役人尻目に密造酒造りに励む白馬佐助-。江戸と美酒の香りあふれる、桁外れの大江戸酒豪列伝。
恋人の家の豪華なクリスマス・パーティ。セイジに突然告げられた彼との別れ。そこへ「きみを連れにきた」と見知らぬ男が現れて…。テキサスの石油掘削会社の末っ子セイジの興奮とときめきの物語。
あこがれ、淡い恋、繊細な女性心理のひだを、こまやかに描いた、やさしい12の小品。10年前に飛行機事故に遭った夫の遺品の中から見知らぬ女性の手紙を見つけ、その足跡をヴェネツィアに訪ねる表題作のほか、「アムステルダムの花市場」「メルヘン街道の少年」「ふたりの紫陽花」「ロダンの庭」「心の中の青い湖」など。
四十五歳の若さで逝った女性翻訳家が、娘のために遺した四巻のテープ。そこに語られる無惨な恋、許されぬ過去、そして「ひとつの死」。誰もが何かを探していたあの時代が、鮮やかによみがえる。追憶の光と影、切なさと歓びに涙がとまらない、感動の告白小説。
五人のT大生の間に生じた確執は、やがて恐しい決闘へと発展していった…。古き良き時代の学生生活と雄大な自然とを背景として、ある完全犯罪の顛末を描く名品「噴火口上の殺人」、ドンデン返しの連続で若き日の佐野洋を唸らせた「四月馬鹿の悲劇」、欺瞞を許しておけない性格の男の悲劇「真実追求家」など、戦後本格派の雄の全短篇から選りすぐった傑作、全10篇。
白装束に髭面で好色そうな大男の山伏が、羽黒山からやってきた。村の神社別当に任ぜられて来たのだが、神社には村人の信望を集める偽山伏が住み着いていた。山伏と村人の交流を、郷愁を込めて綴る時代長編。
「賭け事をする男とだけは一緒になるな。それが母の遺言でした」いけない、とわかっていても、幸せになれない、とわかっていても、どうしても好きになってしまう相手がいる。自分の気持ちもわからぬまま、寄り添っていくこともある。いつかせつない思いを抱えることになると予感していても…。港のある地方都市を舞台に、夜の街で働く秋子の、やるせなくも静かな日々を描いた、いとおしい恋愛小説。