2003年発売
リオンは使い魔のカナとともにただいま修行中の魔法使い。人間界で大学生の裕信という心優しき契約者を見つけ、彼を幸せにすることでレベルアップを図っているが、まだまだお子様。そんなリオンを追いかけて魔法界からやってきた貴族のファイが契約者に選んだ相手は、偶然にも裕信の恋人、吉孝だった…。裕信のラブモードに同調して、リオンもなんだか桃色気分に…。
京都ー河原町御池交差点。蘿蔔むつみはそびえ立つJDC(日本探偵倶楽部)ビルディングを双眼鏡で一心不乱にみつめる奇妙な探偵志望者・虚野勘繰郎とめぐりあう。-それが過去に66人の名探偵の命を奪った『連続名探偵殺戮事件』の再起動と同調する瞬間だとは思いもよらずに…!?新鋭・西尾維新が御大・清涼院流水の生み出したJDCワールドに挑む。
争いを好まず、あえて負けを選ぶことで真の勝ちを得るー。乱世にあって自らの信念を曲げることなく、詐術とは無縁のままに生き抜いた小国・宋の名宰相、華元。名君・文公を助け、ついには大国晋と楚の和睦を実現させた男の奇蹟の生涯を、さわやかに描く中国古代王朝譚。司馬遼太郎賞を受賞した名作。
戦争は私から何を奪ったのだろう。軍隊に入り、私は屈辱を受けることに鈍感になり、たちまち誇りを失った。下級兵士は無意味な死を覚悟することに馴れ、それではあまりにみじめだから、お国のためだと自分に言いきかせる。兵士は死シテ神トナルなどと本当に考えていたのか?戦争を日常として生きた人間の貴重な文章である。
徳川幕府の崩壊は、薩長の武力のみにあらず、もう一つの大きな要因は通貨の流出にあった。ペリーの来航以来日本は、初めて世界経済の荒波に見舞われた。幕府の経済的な無知につけ込んで、一儲けを企む米外交官ハリス、駐日英国代表オールコックたちの姿を赤裸々に描く新田次郎文学賞受賞の傑作歴史経済小説。
嘉永六(1853)年、ペリーの率いる黒船が浦賀沖に姿を現して以来、攘夷か開国か、勤王か佐幕か、をめぐって、国内には、激しい政治闘争の嵐が吹き荒れる。この時期骨肉の抗争をへて、倒幕への主動力となった長州藩には、その思想的原点に立つ吉田松陰と後継者たる高杉晋作があった。変革期の青春の群像を描く歴史小説全四冊。
海外渡航を試みるという、大禁を犯した吉田松陰は郷里の萩郊外、松本村に蟄居させられる。そして安政ノ大獄で、死罪に処せられるまでの、わずか三年たらずの間、粗末な小屋の塾で、高杉晋作らを相手に、松陰が細々とまき続けた小さな種は、やがて狂気じみた、すさまじいまでの勤王攘夷運動に成長し、時勢を沸騰させてゆく。
すべての土地の「地価」を定め、土地持ちから「税金」を徴収するー。全国の資産家が戦々恐々とした、明治維新の「地租改正」。その騒動の陰で、政府や巨大資本の裏をかいて、のし上がろうとする男がいた。買い占め、地上げ、土地転がし。「明治バブル」に踊ったこの男が、理想と現実の狭間で、最後に夢見たものは何だったのか。日本のビジネスマンに捧げたいロマンと涙の歴史マネー小説。
“鬼の血族”の家系に生まれ、身の内に、火鬼、水鬼、風鬼、隠形鬼の“四天鬼”を抱え、その処し方がわからず、悶々としていた成樹の前に現れたのは二人の鬼ー。遠い平安時代に人を喰らい、不老不死の生命を得、千数百年の時を経て、現代に生きる二人の鬼こそ、成樹に声をかけてきた戸倉聖と志島弓生だった。“鬼”の系譜をひく成樹をめぐって、今、闇の戦いが始まる。
一九二〇年代、パリの区々で、芸術・革命・数学、愛の拒絶と不幸をめぐって遍歴する、クノー初期の自伝的小説。アンドレ・ブルトン率いるシュルレアリスム運動への参加と訣別をえがいた実録的な小説としてもしられる。
四人家族が住み始めた古い家。もう一人いる感じがし、見知らぬお婆さんの影がよぎり、あらぬ方向から物音が聞こえる。昔、この家で殺人があったというが……ホラー短編の名手による謎と恐怖の作品集。
1997年、東京。彼女にふられて2年のデザイナー・守山享。バツイチでベトナムから帰国した北村朋子。女癖の悪い美容師・今野新一。大学時代に親友だった3人は、偶然の再会から奇妙な共同生活を始める。しかし、彼らはそれぞれ「秘密」を抱えていた…。大人になりきれない男女が、迷い悩みながら、本当の恋と友情を見つけていく、珠玉のラブストーリー。
頑なに無為徒食に生きて来た主人公島村は、半年ぶりに雪深い温泉町を訪ね、芸者になった駒子と再会し、「悲しいほど美しい声」の葉子と出会う。人の世の哀しさと美しさを描いて日本近代小説屈指の名作に数えられる、川端康成の代表作。
第五十章 ミスター・ペゴティーの夢が実現する 第五十一章 長き旅路の始まり 第五十二章 爆発に立ち合う 第五十三章 回想、再び 第五十四章 ミスター・ミコーバーの取引 第五十五章 嵐 第五十六章 新しい傷と古傷と 第五十七章 移住者 第五十八章 不在 第五十九章 帰国 第六十章 アグネス 第六十一章 悔悛した二人 第六十二章 光が射す 第六十三章 訪問客 第六十四章 最後の追想 解 説 ディケンズ略年譜 注
舞台は“魔法遣い”という存在が普通に認知されている現代の日本。主人公菊池ユメは正式な“魔法遣い”になるため、研修指導員・小山田先生のもとでひと夏を過ごしました。研修を終えたユメは、小山田先生に手紙を書きます。それはユメの大切な思い出の数々でした。
鬼に出くわしたら、もう逃げられない! 太平洋戦争中、疎開先で家出した梶原兵吾(かじわらへいご)少年は疲れ果て倒れたところをある屋敷に運び込まれる。その夜、少年は窓から忍び入る”鬼”に遭遇してしまう。翌日から、虎の像の口にくわえられた死体をはじめ、屋敷内には7人もの死体が残された。50年の時を経て、「直観」探偵・八神一彦が真相を解明する!
女子高生・麻紀の父が経営する会社が破綻したーー。かつて商社マンだった社会科教師の辛島は、その真相を確かめるべく麻紀とともに動き出した。やがて、2人がたどり着いたのは、「円」以上に力を持った闇のカネによって、人や企業、銀行までもが支配された街だった。 江戸川乱歩賞受賞第1作『M1』を改題 街は暗黒の企業に呑み込まれた! 女子高生・麻紀の父が経営する会社が破綻したーー。かつて商社マンだった社会科教師の辛島は、その真相を確かめるべく麻紀とともに動き出した。やがて、2人がたどり着いたのは、「円」以上に力を持った闇のカネによって、人や企業、銀行までもが支配された街だった。 江戸川乱歩賞受賞第1作『M1』を改題 第一章 霧 第二章 黒い町 第三章 軌道道 第四章 破綻 第五章 期限の利益 第六章 オルゴール