2004年発売
次期大統領を目指す上院議員が路上で射殺され、黒人医学生が容疑者として逮捕される。“ゆきずりの殺人”として処理したい検察に対し、“陰謀”のにおいを嗅ぎ取った被告側弁護人アントネッリ。事件の鍵を握る人物から予想をはるかに越える罠の存在を知らされるが…。サスペンス度満点のリーガル・ミステリ。
FBIの重要証人が殺された。四肢麻痺の科学捜査専門家リンカーン・ライムは、「棺の前で踊る男(コフィン・ダンサー)」と呼ばれる殺し屋の逮捕に協力を要請される。巧みな陽動作戦で警察を翻弄するこの男に、ライムは部下を殺された苦い経験がある。今度こそ…ダンサーとライムの知力をつくした闘いが始まる。
殺し屋「コフィン・ダンサー」は執拗に証人の命を狙う。科学捜査専門家リンカーン・ライムは罠を張って待ち構えるが、ダンサーは思いもよらぬところから現れる。その素顔とは。そして四肢麻痺のライムと、その手足となって働くアメリア・サックス巡査の間には愛情が育っていくが…。サックスにダンサーの魔手が迫る。
十六世紀末、朝鮮の役で薩摩軍により日本へ拉致された数十人の朝鮮の民があった。以来四百年、やみがたい望郷の念を抱きながら異国薩摩の地に生き続けた子孫たちの痛哭の詩「故郷忘じがたく候」。他、明治初年に少数で奥州に遠征した官軍の悲惨な結末を描く「斬殺」、細川ガラシャの薄幸の生涯「胡桃に酒」を収録。
公園にひとりで座っていると、あなたには何が見えますか?スターバックスのコーヒーを片手に、春風に乱れる髪を押さえていたのは、地下鉄でぼくが話しかけてしまった女だった。なんとなく見えていた景色がせつないほどリアルに動きはじめる。日比谷公園を舞台に、男と女の微妙な距離感を描き、芥川賞を受賞した傑作小説。
新宿歌舞伎町の周辺のビルを倒壊させて一大要塞化し、日本から独立すると宣言した竜とその仲間たち。一緒に理想の国を創りませんか、という竜の呼びかけに数十万の人々が呼応し、新宿歌舞伎町に集まってきたとき、事件はまったく別の様相を呈してくる。独立という言葉が重大な意味を持ちはじめ、そしてそこは政府にとって、もっとも危険な場所になったのだ。四百五十人が守る歌舞伎城を壊滅させるべく、五万の警察が猛然と攻撃を始めたとき、政府もまた自衛隊の治安出動を決定する。どうなる、竜とその仲間たち。名も無き男たちの、まさに超弩級の伝説は、最大のクライマックスと、壮絶なラストを迎える。
「ハリー・ポッター」シリーズの人気ぶりはいまだすさまじい。最新刊の発売はその都度世界中でニュースになる。そんな大人気のシリーズ1〜4巻を、本書では登場人物別ストーリーダイジェストにして紹介。全巻を読んだ人、まだすべてを読破していない人、映画しか見ていない人、そしてこれからハリー・ポッターに浸りたい人たちに贈る10倍愉しくなる早わかり決定版。
ニューヨークの名門音楽学校で殺人事件が発生。犯人は人質を取ってリサイタルホールに立てこもる。駆けつけた警官隊が包囲し出入り口を封鎖するなか、ホールの中から銃声が聞こえてきた。ドアを破って踏み込む警官隊。だが、犯人の姿はない。人質もいない。ホールは空っぽだった…。衆人環視のなかで犯人が消えるという怪事件の発生に、科学捜査専門家リンカーン・ライムと鑑識課警官のアメリア・サックスは、犯人はマジックの修業経験があることを察知して、イリュージョニスト見習いの女性に協力を要請する。奇術のタネを見破れば次の殺人を阻止できる。しかし、超一流イリュージョニストの“魔術師”は、早変わり、脱出劇などの手法を駆使して次々と恐ろしい殺人を重ねていくー。
真面目で優秀だが内気な文三と、教育ある美しいお勢は周囲も認める仲。しかし文三の免職によって事態は急変、お勢の心も世知に長けた昇へと傾いてゆく。明治文明社会に生きる人々の心理と生態を言文一致体によって細緻に描写し、近代文学に計りしれない影響を与えた二葉亭四迷(1864-1909)の記念碑的作品。
〈モービィ・ディック〉との遭遇をまえにして、さまざまな国籍の多岐にわたる人種をのせた、アメリカを象徴するような捕鯨船〈ピークオッド号〉の航海はつづく。ほかの船との〈出あい〉を織りまぜながら、鯨と捕鯨に関する〈百科全書的〉な博識が、倦むことなく、衒学的なまでに次から次へと開陳されていく。新訳。(全3冊) 第四二章 鯨の白さ 第四三章 聞 け! 第四四章 海 図 第四五章 宣誓供述書 第四六章 憶 測 第四七章 マットづくり 第四八章 最初のボートおろし 第四九章 ハイエナ 第五〇章 エイハブのボートとその乗組み──フェダラー 第五一章 潮吹きの霊 第五二章 アルバトロス号 第五三章 出あい 第五四章 タウン・ホー号の物語 第五五章 怪異なる鯨の絵について 第五六章 より誤謬すくなき鯨の絵、および真正なる捕鯨図について 第五七章 油絵に、歯に、木板に、鉄板に、石に、山に、星座にえがかれた鯨について 第五八章 オキアミ 第五九章 ダイオウイカ 第六〇章 綱 第六一章 スタッブ、鯨をあげる 第六二章 銛を打つ 第六三章 クロッチ 第六四章 スタッブの夜食 第六五章 美食としての鯨肉 第六六章 サメの虐殺 第六七章 脂身切り 第六八章 毛 布 第六九章 葬 式 第七〇章 スフィンクス 第七一章 ジェロボーム号の物語 第七二章 モンキー・ロープ 第七三章 スタッブとフラスクがセミ鯨をしとめ、つづいて、それについて語る 第七四章 マッコウ鯨の頭──比較対照的考察 第七五章 セミ鯨の頭──比較対照的考察 第七六章 破城槌 第七七章 ハイデルベルクの大酒樽 第七八章 水槽とバケツ 第七九章 大草原 第八〇章 あたま 第八一章 ピークオッド号、処女号にあう 第八二章 捕鯨の名誉と栄光 第八三章 ヨナにまつわる歴史的考察 第八四章 槍の遠投げ 第八五章 泉 第八六章 尾 第八七章 無敵艦隊 第八八章 学校と学校の教師たち 第八九章 「しとめ鯨」と「はなれ鯨」 訳 注
料理屋の女将が襲われ、奉公人が殺された。同じ頃、材木問屋の主が川で謎の転落死を遂げる。事件を追う宗二郎ら始末人だが、魔手は始末屋の元締・文蔵にまで伸びる!陰に見え隠れする謎の老武士は何者か?宗二郎の秘剣“鱗返し”を突き崩す“風来の剣”とは?始末人に最大の危機が迫る。
『羊をめぐる冒険』から4年、激しく雪の降りしきる札幌の街から「僕」の新しい冒険が始まる。奇妙で複雑なダンス・ステップを踏みながら「僕」はその暗く危険な運命の迷路をすり抜けていく。70年代の魂の遍歴を辿った著者が80年代を舞台に、新たな価値を求めて闇と光の交錯を鮮やかに描きあげた話題作。
失われた心の震えを回復するために、「僕」は様々な喪失と絶望の世界を通り抜けていく。渋谷の雑踏からホノルルのダウンタウンまでーー。そこではあらゆることが起こりうる。羊男、美少女、娼婦、片腕の詩人、映画スター、そして幾つかの殺人がーー。デビュー10年、新しい成熟に向かうムラカミ・ワールド。
「それはメリー・ゴーラウンドによく似ている。それは定まった 場所を定まった速度で巡回しているだけのことなのだ。どこにも行かないし、降りることも乗りかえることもできない。誰をも抜かないし、誰にも抜かれない」人生という回転木馬の上で、人は仮想の敵に向けて熾烈なデッド・ヒートをくりひろげる。事実と小説とのあわいを絶妙にすくいとった、村上春樹の8つのスケッチ。 都会の奇妙な空間 人生というメリー・ゴーラウンド そこでデッド・ヒートを繰りひろげるあなたに似た人ーー 現代の奇妙な空間ーー都会。そこで暮らす人々の人生をたとえるなら、それはメリー・ゴーラウンド。人はメリー・ゴーラウンドに乗って、日々デッド・ヒートを繰りひろげる。人生に疲れた人、何かに立ち向かっている人……、さまざまな人間群像を描いたスケッチ・ブックの中に、あなたに似た人はいませんか。 はじめに・回転木馬のデッド・ヒート レーダーホーゼン タクシーに乗った男 プールサイド 今は亡き王女のための 嘔吐1979 雨やどり 野球場 ハンティング・ナイフ
1887年英国。ブラックフィールド村に、『デイリー・テレグラフ』の記者と名乗る男が十年振りに帰郷する。昔、この村で起こった密室殺人事件を、正体を隠して調べ直そうというのだ。十年前、娘の誕生日に手品を披露する予定だった父親が、カーテンで仕切られた密室状態の部屋で、何故か背中を刺されて死んでいた。当時の関係者の協力を得て事件を再調査するうちに新たな殺人事件が起こり…。奇怪極まる密室殺人と犯罪史上最も悪名高い連続殺人を融合させ、“フランスのディクスン・カー”と評される著者が偏愛して止まない冒険小説大賞受賞作。
星船から転移されたグインは、ノスフェラスにいた。記憶を失い、セム族の村にいた。この情報は、グラチウスによって、パロに伝えられ、居合わせたハゾスから、ケイロニアへと知らせられる。ケイロニアは総力をあげてグインの捜索に乗りだす。いっぽうグインは、そんな中原の動きを知るはずもなかったが、記憶のないまま、なにかに突き動かされるかのように、ドードーの制止を振り切り、ひたすら中原を目指して歩んでいた。