2015年6月発売
久留米藩の懐はまだまだ火の車。そこで藩主・虎之助は“馬鹿につける薬”という大儲け間違いなしの商いを思いつき、薬作りに自ら奔走する。そんな折、丑蔵一家を束ねる母・辰の行方が知れなくなった。江戸最大のやくざ・万五郎一家の仕業と睨んだ虎之助は、怒り心頭で殴り込んでゆき…。腕っ節と機転が武器の破天荒大名、痛快シリーズ第五弾!
菊太郎の恋人・お信が娘のお清を連れ、神妙な面持ちで「鯉屋」へやってきた。源十郎を筆頭に店の者たちは、すわ別れ話かと気を回すが、お清の進路の相談だった。女だてらに公事師になりたいのだという。その申し出を源十郎は受け入れたが…。大人への階段を上る娘の姿を心温まる筆致で描く表題作ほか全六編。人気シリーズ、待望の第二十一集!
「実兄を見殺しにした男」と周囲から疎まれている武田の家臣・智之介。ある日、幼馴染みが殺害され、その嫌疑が智之介にかけられる。汚名をそそぐ為、そしてある罪の意識から一人調べを進めるうちに、負け知らずの武田家を揺るがす密約に辿りつく。接見することなく、一通の手紙で繋がった一介の武士と信長。誰も知らなかった長篠の戦いが今幕を開ける。
上州の水呑百姓の家に生まれた藤吉は、下男奉公先で米作りや馬の世話、雑用など何でもこなす毎日を送っていた。そんな彼には、いつか農民の身分から脱し、侍になるという大それた夢があった。生まれ持った運と知恵を味方に、藤吉は立派な武士へと出世できるのか!?身分の壁にぶつかりながらも、孤軍奮闘する若者の成長を描いた、痛快時代小説。
剣は一流だが道場には閑古鳥の鳴く弥市。武士の身分を捨て商家に婿入りした喜平次。十六年前に故郷を追われ江戸で暮らす二人の元に初恋の女が逃れてくる。だが、変わらぬ美しさの裏には危うい事情があった。一方、国許では化け物と恐れられた男が返り咲き、藩を二分する政争が起きていた。再会は宿命か策略か?侭ならぬ人生を描く傑作時代小説。
出産直後に殺された若い女の骸が発見される。赤子が消えているにもかかわらず自死と片付ける奉行所に不審を抱く蘭方医・里永克生。玉の輿を狙った娘達が足繋く通う甘酒屋をつきとめるが、女将はすでに殺され、訪れていた町娘達は行方知れずとなっていた。解明に乗り出す克生の前に立ちはだかったのは、名門武家が糸を引く非道な稼業だった。
清楚で可憐な良家の令嬢エリカは、夜になると、秘密クラブのオーナー・田ノ倉好みの小さな下着で男たちの前に立たされ、終業後にはしゃぶりつくされる。これを弟の春樹は許せなかった。ある晩、エリカに目隠しをして縛り上げる。いいぞ姉さん、もっと濡らすんだ。弟は姉の足首を強く掴むと、左右に思い切り広げた。悪魔の嬲り責めが始まるー。
遙か遠い地中海の島キプロスに、一人降り立ったアガサ。結婚は破談となってしまったが、夫になるはずだったジェームズがこの島にいると知り、無我夢中で追いかけてきたのだ。皮肉にもここは、新婚旅行として来るはずだった島…。執念でどうにか彼の居場所を突き止めたものの、案の定、ジェームズは冷たい態度を崩さない。そんなとき、クルージングで知り合った女性観光客が何者かに刺殺され、現場に居合わせたアガサたちも島から出ることを警察に禁じられてしまう。いつもなら二人で事件の捜査をしてヨリを戻そうとするところだったが…。愛に悩むアガサの前に、以前の事件で知り合った準男爵が現れ、恋も事件も波乱の展開に!英国で大人気のロングセラーシリーズ!
作家志望の「私」と画家志望の「彼」。現代の東京から印象派のパリへ、時空を超えて描く若き芸術家たちの修業時代ー自らのデビュー前夜をもとにした作家誕生のドラマ!衝撃のデビュー作「四十日と四十夜のメルヘン」を併録。
横浜・伊勢佐木町で風俗店『ピーチドロップス』を営む大学生・早瀬俊。彼は進藤翼という少女と二人で暮らしていた。深い翳を宿す青年・早瀬と、非の打ち所がない少女・翼。店の常連客、翼の担任教師、老いた元警官など周囲の人物たちから、少しずつ早瀬と翼の秘密が明かされていくー。埋めることのできない「喪失」。「生と死」を描いてきた著者が投げかける新たな傑作!この物語の行く末は?驚嘆のミステリー!!
留守番電話のテープに聞き入る三人の男「声の巣」。決められた役割を忠実に演じる私たち「学校ごっこ」。女の姿をした蛇が私の部屋に住みついて「蛇を踏む」(芥川賞)。家族の頚木から解き放たれたはずなのに「家族シネマ」(芥川賞)。あのとき彼はなぜ人を拝んだのか?「不軽」。足先から滴る水と寝室に現れる兵隊たち「水滴」(芥川賞)。静かに老いゆく妻、友と見た景色「椿堂」。僕が深夜の公園で遭遇した、ある出来事「無情の世界」。現代文学四〇年の試みを眺望するシリーズ第五巻。
言葉の町を歩き、言葉のシーツにくるまれ、言葉の包帯を巻いて、あるいは言葉の肉料理を食べ、そして言葉の性交を行うー言葉だけで出来た建物の中で、肉体、時間、空間、世界、あらゆるものを生成する無数の言葉と戯れる陶酔。衝突を繰りかえす豊饒なイメージを道しるべに、著者自らが選んだ短篇集、第二弾。快楽の全18篇。
冬季閉鎖中のリゾートホテルの管理人一家を、ホテルに巣食う悪霊たちが襲う。その恐怖と惨劇をおそるべき筆力で描ききった20世紀史に残るホラーの金字塔『シャイニング』。あれから36年、巨匠キングは「その後の物語」を書く。超能力“かがやき”を持つ少年ダニーは、どんな人生を歩んだのか?そして大人になった彼を、宿命は新たなる惨劇へと導くのだ。迫る邪悪と、彼と似た能力を持つ少女の誕生ー誰も予想しなかった名作の続編が幕を開ける!
忌まわしい地に巣食う、忌まわしい者たち。彼らをとめるのが、わたしたちの使命ー“かがやき”を武器に、わたしたちは立ち上がる。世界一の物語作家によるエンタテインメント巨編。
完全に意識はあるが肉体が動かず、周囲に死んだと思われた男の視点から綴られる「オリヴィエ・ベカイユの死」。新進気鋭の画家とその不器量な妻との奇妙な共犯関係を描いた「スルディス夫人」など、稀代のストーリーテラーとしてのゾラの才能が凝縮された5篇を収録。
池袋の繁華街。雑居ビルの空き室で、全身二十カ所近くを骨折した暴力団組長の死体が見つかった。さらに半グレ集団のOBと不良中国人が同じ手口で殺害される。池袋署の形事・姫川玲子は、裏社会を恐怖で支配する怪物の存在に気づくー。圧倒的な戦闘力で夜の街を震撼させる連続殺人鬼の正体とその目的とは?超弩級のスリルと興奮!大ヒットシリーズ第六弾。
正式に探偵社に入社した井上雅也。だが、地味な仕事続きで不満気味。そんな折、社長の金城から任されたのは、商社マンの美しき妻・志津恵をクリニックへ送迎することだった。渋々引き受けた雅也だったが、一目で彼女に魅了される。着々と仕事を進める中、送迎車の消失や謎の男からの暴行など予期せぬ事態が起こる。探偵社の面々を待つ驚愕の真実とは!?シリーズ待望の第二弾!