2016年発売
大きくなったユウスケの前に、「はるひ」という名の女の子が現れる。初対面のはずなのに、なぜか妙に親しげだ。その後も「肝試しがしたい」「殺人の相談にのって」と無理難題を押し付ける。だが、ただの気まぐれに思えた彼女の頼み事は、全て「ある人」を守る為のものだった。時を超えて明らかになる温かな真実。ベストセラー「ささら」シリーズ最終巻。
愛していた者の“生前の秘密”を知ってしまった時、人は悲しき闇に放り込まれる。夫が女性と写る写真を見つけ、過去を悔やみ始めた未亡人。死んだ娘の日記を読んで、親の知らない“別の顔”を探し求める父ー。亡き人の声を聴くことはできないが、この街では、涙にくれる人の前にアルパカが現れ、真実の扉を開けてくれる。心温まる癒し系ミステリ。
“伝説の刑事”になることを夢見る、「バネ」こと赤羽健吾の前に、連続殺人鬼が現れた。犯人は警察を嘲笑うかのように、死体をマネキンと並べて堂々と放置。しかも、被害者の胃の中には未消化の御馳走が…。異常犯罪を扱う警視庁行動分析課のメンバーとして、バネは上司の育子、後輩の栞とともに犯人を追うが、犯人の狂気は想像を超えていたー
なぜ、私たちは別れたのだろうー。家事と子育てを卒業し、久し振りに自由で穏やかな日々を過ごしていた由香。たまたま立ち寄ったカフェで、昔の恋人・拓と再会する。未来への不安、親や社会への反発、抑えきれない互いへの想い。共に過ごした高校最後の夏が一瞬にして蘇り…。三十年の歳月を経て、再び出会った男女の切なくも甘い恋愛小説。
視聴率低迷の番組を立て直すため、敏腕プロデューサー藤村は業界ナンバーワンのアイドルアナ仁和まなみを起用。知的なニュースキャスターへと転身をとげたい彼女は、権力欲にまみれ保身に走る男たちや、敵意むき出しの女たちによってやがてスキャンダルの渦に引きずり込まれる。女たちの嫉妬・執着・野心を描く、一気読み必至の極上エンタメ小説。
東南アジアでもっとも成功した金融マネージャー北川が、シンガポールのホテルで転落死した。自殺か他殺か。同時に名門スイス銀行の山之辺が失踪、1000億円が消えた。金融洗浄、ODA、原発輸出、仕手株集団、暗躍する政治家とヤクザ…。名門銀行が絶対に知られたくない秘密、そしてすべてを操る男の存在とは?国際金融情報小説の傑作!
ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は二人の女性を殺した罪で死刑判決を受けていた。だが、動機は不可解。事件の関係者も全員どこか歪んでいる。この異様さは何なのか?それは本当に殺人だったのか?「僕」が真相に辿り着けないのは必然だった。なぜなら、この事件は実はー。話題騒然のベストセラー、遂に文庫化!
京都下鴨。老舗料亭「賀茂の家」の四姉妹には美しく悲しい秘密があった。不倫でしか男を愛せない長女、夫の性欲を憎む次女、姉を軽蔑する三女、父親の違う四女…。騙し合い、嫉み合い、薄氷の上で均衡を保つ四人の女。しかしー「お義兄さんやから、寝たんやで」。その一言が偽りの家族を破壊する。嘘をついているのは妹か、罠を仕掛けたのは姉なのか。
パリの女優殺害に端を発する連続殺人。両手を縛られ現場で拘束されていた重要参考人リオンは「神が殺した」と証言。容疑者も手がかりもないまま、ほどなくミラノで起きたピアニスト絞殺事件。またも現場にはリオンが。手がかりは彼の異常な美しさだけだった。舞台をフランクフルト、東京へと移し国際刑事警察機構の僕は独自に捜査を開始したー。
「“新宿”を平和都市にするだわさ、ぶう」傲慢尊大なでぶ、トップ情報屋外谷良子が“区長”に立候補。直後、“魔界医師”メフィストとともに、無断で推薦人にされた人捜し屋秋せつらを機械戦闘員が襲撃した。告示日に始まった戦いには、権力に固執する梶原現“区長”や、幻術師虹垣竜斎ら奇怪な候補者が乱立。悪辣な妨外や実弾が飛び交う中、“姿なき”人形師真郷長臨が本命に浮上する。やがて、せつらとメフィストは、選挙戦の陰で、“新宿”を呑み込まんとする暗淵に気づくが…。“清くなくても一票を”の、ぶうぶう“区長”選の行方は?
4Kテレビ市場の世界トップシェアを奪える次世代技術を、日本企業フロンテが開発ー凋落の続く韓国企業チムサンは、その最新技術の強奪を狙った。だが、盗み出したデータを、警備員吉岡に奪われてしまう。吉岡はそれをチムサンに切り捨てられた元技術者宮下に託そうとしていた。ここにデータを記録したSDカードを巡る、チムサンと宮下、そして産業スパイ活動の絶対阻止を掲げる警視庁公安部と外事課の争奪戦が勃発した。一方、赤羽中央署生活安全課の疋田務たちは、宮下の妻で韓国人のファジョンの妹ソンエを、売春容疑で追っていた。やがてふたつの事件は複雑に絡み合い、思わぬ展開を見せ始めた…。
野亜市役所職員の磯貝健吾は、突然の人事異動で廃園が噂される市立動物園の園長を命じられた。着任早々、飼育員たちから“腰掛けの素人園長”の烙印を押されて挫けそうになった彼を立ち直らせてくれたのは、一人娘が描いたゾウの絵だった。そこに描かれていたのは、健吾が子供の頃に見たゾウそのものだったのだ。それを見た磯貝は、存続に向けて園を立て直す決意を固め、まず動物園のことを知る努力を始める。やがて見えてきたのは動物たちが抱える様々な問題と、くせ者揃いの飼育員たちの熱く、一途な想いだった…。
沢井涼子は一人息子の良平を引き取り、横浜・鶴見に居を構えて八年。離婚した夏、雑居ビルに楽しげに荷物を運び込む青年を見かけ、なぜか話してみたいと思った。それが弁護士・芳川有仁との出会いだった。開設された事務所に採用されて以来、誠実に最善を尽くす芳川のために頑張っている。今日もまた、苦しみを抱えた新たな依頼人が…。
天(才能)と地(身分・生まれ)には愛されないものの、誰よりも人に愛される男レグルス。戦乱のグラート王国を舞台に、かつて命を救われた姫獅子レオンハルトの下に馳せ参じた時から、危ういまでの真っ直ぐさが巻き起こす狂気の英雄譚が幕を開ける!
40億の横領の疑いを掛けられた会計士は、拘置所で自らの運命を呪っていた。身に覚えの無い罪で捕らえられた男の前に、白髪で車椅子に乗った青年が現れ、告げる。「私は、あなたを救うことができます」と。その言葉に縋った男は、青年に新たな名前を与えられ、詐欺、横領、脱税、振り込め詐欺といった犯罪収益が資金洗浄される前に回収することを専門とする政府委託の部署『特殊債権回収室』-通称“トクシュー”に勤めることとなる。だが、そこに集められたのは皆、元犯罪者…罪を『犯した』側の人間だったー。
自分を支える“守護代”の面々と、関東の土地神“守護”としての道を歩みはじめた千鳥。最近の楽しみは新米守護代・帯刀の成長を見守ること!そこへ、京都で幼い子供が消える“神隠し事件”が起きているとの報せが。見た目から「京都立ち入り禁止」を言い渡された千鳥は、柏を代役にして神さま会議も欠席に。衝撃を受けながらも、代わりに「あちらの世界」のカラスが多数出没しているという浅草に出向くがーそこでも“神隠し”が発生して…!?
「彼女の心は男性だったんです」親友の焼身自殺に疑問があると、若い女性が杉並中央署生活安全課「何でも相談室」通称0係を訪れた。自殺した女性は性同一性障害で、男性として生きていたにも拘わらず、遺体に性交渉の痕跡があったという。0係の変人刑事・小早川冬彦は、相棒の高虎と彼女の人間関係を洗い直すが…。常識はずれの捜査が真実を暴く、シリーズ第四弾!
太平洋戦争末期、疎開先から逃げ出した梶原兵吾少年は、一人の老婆が留守を預かる不思議な屋敷で宿を借りることに。その夜、二階の窓には恐ろしい“鬼”の姿が…。やがて、虎の像にくわえられた死体が見つかり、屋敷に逗留していた者は次々に異様な死を遂げたー(「安達ヶ原の鬼密室」)。いくつもの謎と物語が交差する、著者ならではの仕掛け満載、興奮必至の傑作ミステリー!
就職した夏、保育士の向井すぐりは、新米営業マンの高萩草介と偶然出会い、付き合い始める。草介のことをもっと知りたいと望むすぐり。だが、草介は自分の過去の恋愛や家族について触れたがらず、なぜかデートの最中に突然姿を消してしまう。お互いをどこまで知ることが幸せな明日につながるのか…。男女の視点から恋の成長を追いかける、新感覚ラブストーリー。