2017年12月発売
「われわれが答えを見出さない限り、嘉手納も普天間も全滅する」ハワイで中国の反抗作戦を潰したアメリカ軍だが、ここにきて予想もしていない敵に苦しめられた。それは、雲霞の如き数で押し寄せる数百機の無人攻撃機だ。ロシアが知恵を貸し、中国国内で安価かつ無数に製造できるこのドローンが標的にしたのは、沖縄ー。この攻撃が成功した場合、極東のロジや米軍基地が壊滅し、日米はこの戦争で敗北する。電磁パルス攻撃も効かないこの敵の群れに、日米はどう立ち向かうのか?緊迫のシリーズ第七弾!
連合艦隊はマーシャル諸島を放棄し、トラック環礁へ後退。空母「加賀」「瑞鳳」を失う痛手を負うが、米国との戦力差を埋める時間を稼ぐという作戦目的を達成した。一方、欧州戦線ではソ連の崩壊が間近に迫る。しかし、ソ連領における利害関係をめぐり、四国同盟に不協和音が生じる。ユーラシア大陸が混沌に包まれるなか、米・英の大艦隊が日本の最重要拠点となったトラックに来襲。皇国の命運は、旧式戦艦である「伊勢」「山城」の二隻に託されたー。シリーズはいよいよ佳境へ!
私は1年しか生きられない。毎年、私の記憶は両親の事故死直後に戻ってしまう。空白の3年を抱えた私の前に現れた見知らぬ小説家は、ある賭けを持ちかける。「1ヵ月デートして、僕の正体がわかったら君の勝ち。わからなかったら僕の勝ち」。事故以来、他人に心を閉ざしていたけれど、デートを重ねるうち彼の優しさに惹かれていきー。この恋の秘密に、あなたは必ず涙する。
天才数学少女の真鍋波瑠が手にした神社に眠る絵馬ー江戸時代の数学「和算」を学ぶ者たちが神様に奉納した“算額”に、暗号めいた落書きが魔法のごとく浮かび上がる。波瑠と巫女探偵の千明はこれを和算の定理だと解読するも、次々と新たな数式が消えては現れる。謎の出題者との“算法”をめぐる往復書簡が続くうち、奇妙な算額が幕末に繋がるタイムトンネルだと気付き…。
呪いを招く特殊文化財を専門とする、神祇鑑定人・九鬼隗一郎。就職活動に失敗した夏芽勇作の運命は、彼と出会ったことで、大きく変化してしまった。魔術に傾倒した詩人・イェイツの日本刀、キプロスの死の女神像、豊臣秀吉が愛した月の小面。実在する神祇に触れ、怪奇な謎を解くうち、勇作自身の秘密も引きずり出されてしまう。呪いと骨董と人の想い。相棒が導き出す結末は…!
夢を行き交い「心の傷」を美味しい食事にかえて癒やしてくれる不思議な料理人・平峰花。リストラを宣告されたサラリーマンがうなされる「月」に追いかけられる夢も、家族を失った孤独な女性が毎夜見る吹雪の中で立ち尽くす悪夢も、花の手によって月のチーズやキノコのステーキにみるみるかわっていく。消えない過去は食べて「消化」することで救われる。心温まる連作短編集。
経営難で閉校が決まっていた萌木女学園。とにかく全員卒業させようと、課題のハードルは限界まで下げられていたのに、それすらクリアできなかった私達。もう詰んだ。人生終わったと諦めかけた矢先、温情で半年の猶予を与えられ、敷地の片隅で補習を受けることにー。でも、集まった生徒達は、さすがの強者「ワケあり」揃い。こんな状態で、本当にみんな卒業できるの?
逐電した旗本の行方を追う扇太郎は、借金の形に娘を吉原に沈める旗本が増えていることを知る。一方、現将軍・家慶派と大御所・家斉派の幕閣の対立に乗じて、狂い犬の一太郎が人身売買を禁じる法を逆手に吉原乗っ取りを画策する。激化する江戸の闇の支配をめぐる争いに、扇太郎の太刀が鞘走る。いよいよ佳境、新装版第四弾!
長野県警から警視庁へ出向中の御子柴刑事。おおむね平穏な生活を送っていたものの、暮れも押し詰まってから次々と事件が発生。さらには凶刃に襲われて!相棒の竹花刑事は異変を察知し、御子柴のもとに駆けつけるが…。御子柴くんの身に危険と大きな変化がおとずれる、スイーツ&ビターなミステリー第二弾。
ある日、デイケア先で喚きはじめた母は、気付かぬうちに認知症を発症していた。息子は、介護のために毎日、実家へ通い、一語一語逃さぬよう、母の「妄想」を聞き取り始めた…。生きることのおかしみやユーモアが全編に溢れる、新しい“介護小説”。母との別れを描く最終章を書き下ろしで収録。
見た目も腕も抜群の料理人・橘仁から、訪問先で料理を提供する「出張料亭」の助手に誘われた山田澄香。仕事も結婚もこれで安泰と働き始めたが、仁との距離は縮まらぬまま。そこへある日、可憐な娘が現れ仁の胸に飛びこんだー!?ライバルの出現、そして澄香の知らない仁の過去。早くも波乱のおいしいラブコメ第二弾!
高価な調度品が割れ、蔵の壁が従業員の上に崩れ落ちー老舗旅館を襲う怪事。その原因は座敷わらしがいなくなったこと!?「視えちゃう」高校生・秋都尊と「聴こえちゃう」変人所長・由良蒼一郎のコンビが、小さなお悩みから殺人事件まで、心霊関係のご相談に応じます!ますます好評のほんわかホラーミステリー第4弾。
文久三年(一八六三)、帝の行幸の先ぶれを命じられた公家・中山忠光は、勤王志志らと大和で挙兵した。五条の代官所を襲撃し新政府樹立を宣言するが、親幕派の公家や薩摩藩などにより一転、朝敵とされ討伐軍を差し向けられる。満身創痍で深き山々を駆ける志士たちの運命は!?名手が描く、天誅組の志の輝きと四十日間の光跡。
大帝の甥として生まれるも、勢力拡大を狙うキリスト教一派の陰謀に父を殺害され、幽閉生活を送るユリアヌス。哲学者の塾で学ぶことを許され、友を得、生きる喜びを見出す彼に、運命は容赦なく立ちはだかる。毎日芸術賞受賞の壮大な歴史ロマン開幕!全四巻。
ベテラン刑事・野村は少女誘拐事案の捜査を任された。その手口から、当初は営利目的の稚拙な犯行と思われたが、犯人の意外な手口に捜査は難航。それでも、逮捕寸前まで追いつめたのだが、そこで犯人の足跡が忽然と消失。野村の脳裏に、ある事件との因縁が駆け巡るー。愚かな犯罪は、更なる巨悪の序章に過ぎないのか?最後に笑うヤツはいったい…!?
20世紀最大の魔術師にしてカリスマ的アーティスト、クロウリー自らが執筆し商業出版したことで大きな話題を集めた小説。出版当時、毀誉褒貶相半ばし、「ユリシーズ」と共に「「汚物と猥褻物」以外何も見あたらぬ」とも批判され、クロウリーがイタリアから国外追放となる原因ともなったが、悪名に反して理智的かつ道義的であり、自身をモデルにした登場人物からその実像が浮かび上がる点でも注目される、クロウリーの代表的著作である。
強大な軍事力を持つエアーラス帝国と同盟を結ぶため、政略結婚することになった姫、リリスことアマリリス。「目指せ、押しかけ女房!」の精神で嫁いだけれど、夫・皇太子ジェスアルドは、人々から呪われた“紅の死神”と恐れられ、リリスのことも冷たくあしらう。しかし!そんなことでめげるリリスじゃない!このままお飾りの妃として、キスも知らないで生きていくのは絶対にいや!!だけど実はリリスも、国家機密級の秘密を抱えていてー無愛想皇太子ジェスアルドと、不思議な力を持つ眠り姫リリスの押せ押せ王宮スイートラブロマンス!
殺意はなくても人は殺せる。連続する同級生の死は、事故なのか自殺なのか!?親友の不登校、そして突然始まった「ぼく」へのいじめ。一体この中学校でなにが起こっているのか…。小説推理新人賞作家が、みずみずしい筆致で描く青春ミステリー。