2018年発売
井上克美、戸田吉生。逮捕された両名は犯行を認めた。だが、その供述は捜査員を困惑させる。彼らの言葉が事案の重大性とまるで釣り合わないのだ。闇の求人サイトで知り合った男たちが視線を合わせて数日で起こした、歯科医一家強盗殺害事件。最終決着に向けて突き進む群れに逆らうかのように、合田雄一郎はふたりを理解しようと手を伸ばす──。生と死、罪と罰を問い直す、渾身の長篇小説。
軽井沢にほど近い、別荘と住宅が混在する静かな森の一画。 2 匹の猫と暮らす59歳の幸村鏡子は、夫を亡くして以来、心身の不調に悩んでいた。意を決してクリニックを受診し、独身で年下の精神科医、高橋と出会う。少しずつ距離を縮め合い、幸福な時を紡ごうとしていた矢先、突然、高橋は鏡子の前から姿を消してしまった……。それぞれの孤独を生きる男女の心の揺れを描いた濃密な心理サスペンス。
家庭で居場所を失ったキャリアウーマンが年下の男と出会って……。意外な成り行きに大人の孤独がにじむ表題作の他、未体験の快感と美容効果を保証する、謎の無脊椎動物が巻き起こす騒動を描く「ヒーラー」、借金まみれのカメラマンが山奥で雌犬の“ヒモ”となる「クラウディア」など。濃厚な物語世界に、動物たちの凜々しさや人間の愚かさを凝縮した絶品の五篇。『となりのセレブたち』改題。
高校のスクールカースト上位にいた男女七人は卒業後もそれなりの日々を送っていた。同級生を笑いながらイジメ殺した、そんな過去なんて無かったかのように。だが彼らの元に突然、死者からの同窓会案内状が届く。誰が秘密をばらしたか。疑心暗鬼の中、次々に殺されていく同級生達。そして事件は意外な方向へ…。登場人物全員クズのノンストップ・リベンジ・マーダー・サスペンス!
骸を撫でる少女たちは皆十八で呪の痣に殺される大正二年、帝大講師・南辺田廣章と書生・山内真汐は南洋の孤島に上陸した。この島に伝わる“黄泉がえり”伝承と、奇怪な葬送儀礼を調査するために。亡骸の四肢の骨を抜く過酷な葬礼を担う「御骨子」と呼ばれる少女たちは皆、体に呪いの痣が現れ、十八歳になると忽然と姿を消す。その中でただひとり、痣が無い少女がいた。その名はアザカ。島と少女に秘められた謎を暴く民俗学ミステリ。
アメリカの文学賞、シャーリイ・ジャクスン賞2017 韓国の小説家で初の長編部門受賞作 どこで道を踏み誤ったのか…… 記憶にないあの日の事故 次第に明かされる真実とは 映画「ミザリー」を彷彿とさせる 息もつかせぬストーリーにひきこまれていく。 こんな書き方ができるのかと驚かされた。生臭さを感じるほどリアルに描かれた人間の振る舞いやひとつひとつの言葉が、見事なサスペンスを織り上げる。分岐点はどこだったのか? 事故の原因は何だったのか? 人生に“穴”を掘っていたのは誰だったのか? 「わかりあえなさ」という底なしの穴の前で読者も立ち尽くす。 ーー深緑野分さん (第2回出版社合同韓国文学フェアPOPより)
70年前の「煉獄の日」以降、世界は原因不明の“霧"に覆われた。 その霧に触れた植物は枯れ、動物は怪物に変異し、人間は不治の病に侵された。 しかし、人類は諦めていなかった。 唯一、霧の届かない王都に暮らす人々は“霧"を逆にエネルギーとして利用し、毒の霧を中和し、怪物に対抗し得る武器“ミストギア"を開発。 そして「煉獄の日」以降、初めて王都以外を探索すべく、部隊を結成。 物語は、その人類の希望となる部隊“GEARS"の一員、ウェズから始まるー!!
大阪生まれの御曹司、東京住まいの貧乏書生 二人の男の運命や如何に!? 時は明治三十六年(一九〇三年)。ここに始まるのは、極東の島国で生まれた男たちの物語である。 東北の寒村生まれの柾木謙吉は、生家が零落し、逃げるように故鄉を離れ、出版王の書生になった。一方、銀行頭取の息子で大阪のど真ん中で何不自由なく生まれ育った水町祥太郎は、高等遊民をしていた。生まれも境遇もまったく異なる二人であったが、関東大震災直後の東京で邂逅し、意気投合する。そして不思議な縁で、接点を持つことになるのだが……。 明治末期から大正、昭和、平成という激動の九十年間を描いた、ユーモアとペーソスあふれる長編小説。 【本書に登場する人物】映画製作の道へ進む・水町祥太郎/どん底から這い上がっていく・柾木謙吉/美しき令嬢・笠尾華枝/南地芸者・本堂幾久子/美少女・千明ミチ子/出版王・笠尾喜十郎/三文文士・室松二祐/「チェザレ」と呼ばれる内務官僚・笠尾喜之/大阪の鉄道王・維康悌三/映画監督・中河原紫峰/楽壇のニューリーダー・厨子園庸光/「公平、公正であれ」と説く老教師・ジョンストン/アドルフ・ヒトラー/レニ・リーフェンシュタール/少女歌劇団「ニッポン・スヰング・ドォルズ」/インド人数学者・チャンドラカント/妖しい秘書・ナディア/満映の女優・納蘭夢華/東条英機/甘粕正彦/”あの人物”ほか
雑誌ジャーナリズムの黄金時代だったのか?集英社に、36年間在籍、社内各部署を、10回以上にわたって経巡った。週刊・月刊・年刊誌、看板雑誌、創刊即廃刊誌、編集生活の体験から、次代に送る紙つぶて。
山梨の山村にうまれた小澤開作は歯科医となって満洲へ行く。そこで出会った石原莞爾らとともにその地を「理想の国」とすべく奔走するが、その夢は軍部の暴走によって潰えた。しかし戦後もその理想が失われることはなく、それはロバート・ケネディとの面会という思わぬかたちにつながる。俊夫、征爾を育てながら、夢と理想に生きた男の伝説的な生涯。
「乙志下」(巻一四〜巻二〇の目次は省略) 巻一一:玉華侍郎 永平樓 唐氏蛇 鞏固治生 劉氏葬 米張家 湧金門白鼠 金尼生鬚 陽山龍 遇仙樓 牛道人 白獼猴 天衣山 巻一二:眞州異僧 章惠仲吿虎 大散關老人 肇慶土偶 韓信首級 江東漕屬舍 王晌惡讖 秦昌時 成都鑷工 武夷道人 龍泉張氏子 巻一三:劉子文 九華天仙 法慧燃目 蚌中觀音 盱眙道人 牛觸倡 嚴州乞兒 食牛詩 海島大竹 嵩山三異 黃櫱龍 慶老詩 蔣山蛇 論考:『夷堅志』と『建炎以來繫年要錄』(田渕欣也)
とある事件をきっかけに辺境伯のキリクと友人になったシウ。彼はキリクの治める領地に三日間滞在することになり、そこでは地下迷宮に潜ったり、飛竜に乗ったりと充実した時を過ごす。また、ロワル魔法学院では一週間にも及ぶ盛大な学祭が催され、シウはカフェを出店する「第一クラス」、シミュレーションマップを披露する「戦略科」、新しい魔道具の展示をする「研究科」と足を運ぶべき場所が多く、大忙し! そして、学校の全体演習前に行われる合宿では、シウがリグドール達の指導役として面倒を見ることに!? Webで絶大な人気を誇る異世界スローライフ物語、イベント満載の第3弾!
昭和34年、「降誕祭の手紙」で芥川賞候補になったとき、同期候補には吉村昭氏や金達寿氏、そして山川方夫氏がいた。その山川氏に師事し、三田文学に「地上の草」を連載していた日々……その頃から半世紀以上、戦後の激動期を家庭人として過ごしながらも、ふつふつと漲る文学への思いを絶やさずに生き続けた人生ーー代表作二作を全面的に改稿し、なおかつ近作の短編からよりすぐった4篇と、山川方夫氏の思い出を綴った1篇を収める、著者畢生の自選作品集 【目次】 第一部 降誕祭の手紙 眼鏡 地上の草 第二部 源平小菊 海抜五・五メートル 夏の星 かきつばた 日々の光ーー山川方夫 自筆年譜 あとがき
都立浅川高校吹奏楽部の顧問三田村、通称ミタセン。教師らしくない言動で部をかきまわすが、類まれな音楽センスを発揮し、赴任してすぐに部を東京都大会金賞に導いた。新学期を迎え、さらなる飛躍を目指す浅高吹部だったが、突如マーチングに挑戦することに。青天の霹靂だった部員たちは戸惑い、ミタセンはやりたくないと駄々をこねる。マーチングを積極的にやろうとしているのはどうやら新副顧問、嘉門先生らしい。次第に座奏組VSマーチング組の構図が生まれ……。
身を挺して少女を救おうとした元警察官の過去、親の認知症に悩むサラリーマンの決意、子を亡くした親と死者を「忘れる」ということ…。いつだって、人は誰かを思いながら、この世からあの世に渡っていく。車の姿になって久しい速人も、現世に妻と娘を残してきている。しかし、その存在を咄嗟に思い出せないことが増えてきていた。そんな自分にとまどいを隠せない速人。一方、「この世」に残された妻・美里のもとへは、なぜか夫の名が「新郎」欄に書かれた結婚式の招待状が届いていたー。面白うてやがて涙ホロリの魂救済ストーリー。
「あなた、ひとですか?」 「ひとのこころ、ありますか?」 ベッド上にひとつの”かたまり”として横たわり続けるきーちゃんと、その思念の涯てなき広がりから、ニッポンに巣くう底知れぬ差別、良識をきどった悪意や”浄化”と排除の衝動を射貫く。 「にんげん」現象の今日的破綻と狂気を正視し、この世に蠢く殺意と愛の相克を活写。実際の障がい者19人殺害事件に想を得た、〈存在と無〉の究極を照らしぬく衝撃の傑作! 1 プロローグ 夢/マスカットグリーンの膜/わたしはなぜここに在るのか/絶滅危惧種でもないのに 2 わたしの〈無慾顔貌〉について/わたしはなにか。なにから生まれたか。なんのために。なにをしに生まれてきたか。なぜここにこうして在るのか 3 〈設問〉 ほんとうは正気のにんげんが狂ったふりをするのと、じっさいには狂ったひとが正気のふりをするのと、どちらがむずかしいか? 4 わたしの痛み/脳内のオーロラとスノーノイズ/痛みを消してくれるなら全人類を敵にまわしてもいいとおもうこと 5 赤い服のおんなと小さなひと/〈まさりおとり〉とはなんだろうか/さとくんのただならぬ視線について 6 さとくんの気分/サルスベリのこと/死刑のこと/カフェ「ティシナ」にて/赤いおんなとの奇妙なやりとり 7 赤いおんなの怒り/目のなかの目/その目の奥の夜と靄/どうしようもないビニール紐やイエユウレイグモについて 8 イメージ/ゲンジツ/顔/ことば/殺人/聖性/戯画……について 9 園はひきつづき未然/木造幽霊船にて/在るじゃなくて在られるじゃないのかな/ヘレナモルフォになりたいな 10 さとくんの学習とちょっとした変化/こころざしについて/「ひととして生きている意味」をかんがえること 11 ある暗所にて/円筒形の巨大水槽をかこむ/みんなで〈カタアシヒゲシビレビト〉などをみること/すべて〈のようなもの〉ではないか 12 さとくんの発心〈世の中をよくするために貢献したい〉〈そのためにどうすればいいか……〉 13 あたしの割れと派生/さらされること/弄ふことなど 14 あかぎあかえの登場/モグラ塚/被曝/あらゆる特徴が特徴たりえなくなった時代の道をあるくこと 15 大津波/遁走/カラスの大量死/身ぶり顔つきは、すでにそうされたことの無意識の再演であること/あかぎあかえが赤いおんなと番うまでの話 16 陰ひなたのないさとくんの〈自己犠牲心〉について/紙芝居でがんばる/「食わず女房」に入れこむこと 17 あかぎあかえのとりとめのない回想/さまざまな焼身自殺のこと/ベトナム・大津波・皇居前/みなれたものが「真実」なのであり、みなれぬものは「奇」なのだ 18 無ー所(nowhere)をゆくきーちゃんの意外にすっきりした心象/ムカシトンボ・ミズカマキリ・アサギマダラなどをみること 19 続・きーちゃんのとめどない心象/正気もヘチマもありゃしない/脱走者/森/深海 …・・・・(つづく)
ゾンビ、座敷わらし、泥田坊、邪鬼ーー。 彼らに出会ったら、何だか少し、変わるかも!? 人生を変えてくれたのは、人間ではない何かでしたーー。 『陽だまりの彼女』の越谷オサム最新作。 元恋人に再会した私。でも、彼はゾンビになっていてーー。(「Surfin’ Of The Dead(邦題:サーフィン・ゾンビ)」 引きこもりの弟が恋したのは、座敷わらしだった!?(「弟のデート」) 怪しい男の声がする。通報を受けて倉庫跡地に行った市職員が出会ったのはーー。(「泥侍」) 興福寺東金堂の四隅を護る四天王立像。彼らに踏まれ続けている邪鬼たちの冒険譚。(「ジャッキーズの夜ふかし」)