2019年12月発売
光夏は、ある出来事からクラス中で無視されていた。辛さに耐え、息を殺して過ごしていたある日、幼馴染みの千秋、春乃、冬哉と久しぶりに再会する。いじめの事実を隠す光夏だが、思い切って打ち明け、前を向けるようになる。しかし、ある違和感に気づいたとき、事態は急変する…。「光夏は、まだ自分を知らないんだね」全ての真実を知ったとき、奇跡の光が降り注ぐーー。 大ヒット『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』の汐見夏衛、最新書き下ろし!!
体が弱く、空気のいい街に転校してきた中2の花乃。クラスの人気者の男の子・響のおかげで親友もできた。花乃は、ずっと自分を見守ってくれる響に惹かれ、やがてふたりは両想いに。今までにない幸せな日々を過ごすふたりだけど、突然花乃が響に別れを告げる。それでも一途に花乃を想い続ける響が、二十歳のときに、知った真実とは…。
岐阜県郡上市に残る歴史ロマン第3弾! 時は文明開化の明治。だが変わらぬ農村の貧しさゆえ、遊女に身をやつしたヒロインが純愛を貫く物語〈第五話〉 昭和の戦争で海に散った若い兵士の魂が、著者の今に甦る。マリンブルー、ライトグリーンの海と森がつなげる不思議な縁〈第六話〉 郡上市大和町周辺の地図 第五話 ケヤキノ コエガ キコエル〔明治時代〕 プロローグ カナシイ木 ── 明治時代への時の扉 一、シャガ 二、アヤメ 三、ヒガン花 ❖郡上から世界へ の放つ人々8 第六話 森と海と〔昭和時代〕 プロローグ 緑の海底 ── 昭和時代への時の扉 一、藤 二、すずかけの実 三、ムクゲ ❖郡上から世界へ の放つ人々910 エピローグ 一、かごの鳥 二、森の鳥 三、囲炉裏火 ── 未来への時の扉 ❖郡上から世界へ の放つ人々1112 参考文献 後書き
仮想と現実を巡る圧倒的言葉の世界。きれいごとを吹き飛ばす圧倒的描写力によって日常世界がめくれあがる。見慣れたはずの外界が何かおかしい。人間の嘘がべろりと浮かび上がる。人間とは何ものか。一見そうは思えないが、本書は脳と文明の虚妄をあばく恐るべき哲学小説である。『季刊文科』連載作、待望の単行本化!
グレイスの為少年は、真祖に挑む 炎熱城砦の最奥。 火の精霊殿にて封印されていた宝珠を入手したテオドールたちは、魔人を信仰する“デュオベリス教団”の聖地を調査するため、南方へと出立。 砂漠の王国・バハルザード王国を目指すのであった。 デボニス大公領を経由した旅は順調そのものと思われるも、道中テオドールは怪しげな集団を発見することになる。 バハルザード王国と、その統治下にある遊牧民との間に不和の種をまくことがその目的であると見抜いたテオドールは、バハルザード王家の第2王女であるエルハームに助力を申し出、これを退けることに成功。 一件落着かと思われたが、テオドールはまだ知らなかった。 この事件の裏で糸を引いていたのが、他でもないグレイスの両親を死に追いやった仇敵、オーガストであることに……。 転生×魔法ファンタジー第12弾!
農場の地下から掘り起こされたのは天使と温泉!? 異世界から召喚されたキダンが、スキルを超えたギフトと呼ばれる力《至高の担い手》によって開拓した農場。 人間国の元王女であるレタスレートが新たに加わり、ますます発展した農場をキダンはいつも通りに見回っていた。 その最中、不意に発生した地鳴りによってレタスレートの畑が陥没してしまう!? 畑の地中から現れたのは、輝く銀髪と一対の翼を持つ天使ホルコスフォンだった! 神が創りし存在である天使は、美しい外見とは裏腹にたった1体で世界を滅ぼすほどの超強力な戦闘兵器。 しかし、古代兵器である天使ホルコスフォンは、経年劣化の影響で身体の各所に不具合を抱えていた。 そんな彼女に農場の食べ物を与えたところ、万全な状態へと回復しーー 「地層分析完了。ハイマナプラズマカノン発射」 超高性能な兵器で堀った畑から湧き出したのは、まさかの温泉でーー!? 未開の土地を賑やかな隣人達と開拓していく、異世界スローライフ、第5幕!
「トップナイフ」とは医師の中でも超一流の技術を持つ者にのみ与えられる最高の称号。東都総合病院脳神経外科に集う凄腕医師たちのまとめ役・深山瑶子、「世界のクロイワ」黒岩健吾、「若き天才」西郡琢磨、頭でっかちの新人・小机幸子。不可思議な病を抱える患者と出会い、彼らの人生も変化していくー。脳外科医たちの苦悩と希望を描く、感動のヒューマンストーリー。ドラマ原作。
移民の町に響く女たちの声 「わたしたちはこの世界を立て直しながら生きていくんだ。人生はこんなふうに生きるものだって感じで、(…)怒りと欲望と、喜びと悲しみと、そしてたぶん、愛も、それで傷つくまで。でも、チクショウ、みんな(ガール)。生きてこうぜ。」(本書より) メキシコからやってきた花嫁、誘拐犯の子を身ごもった少女、自称詩人のメキシコ男に熱をあげるチカーナ、メキシコ革命の英雄サパタを愛した女ーー。希望と挫折が交差するメキシコとの国境の町で、自分自身を生きようとしはじめた女たちの圧倒的な声の集積。ことばが躍り、魂が輝く22の掌篇。 女たちが前向きに生きようとする声は、現代を生きる日本の読者の心にぐっと迫ってくる。読者はいつのまにか、大いに励まされていることに気づくだろう。解説=金原瑞人。
巨竜、起動 数千年の眠りからグリオールが目醒めるとき、世界は一変する 数千年前に魔法使いとの戦いに敗れた巨竜グリオール。 彼は全長1マイルにおよぶ巨体は、草木と土におおわれ川が流れ、その上には村までもができている。 周囲に住むひとびとは、時が経ち観光地化した彼の恩恵を受けているが、 その一方で巨竜の邪悪な霊気に操られているとも言われているーー。 グリオールの鱗(うろこ)を触っていた男と娼婦がタイムスリップする表題作、 死した巨竜の頭蓋骨がひとびとを翻弄し運命を狂わせてゆく傑作奇想譚「スカル」の初邦訳2篇を収録。 その昔、グリオールという動けぬ巨竜がいた。 彼は空を飛ぶことを夢見ていたのかもしれないーー。 解説:池澤春菜 【収録作品一覧】 「タボリンの鱗」(“The Taborin Scale”/2010) ※二〇一一年度ローカス賞最優秀ノヴェラ部門候補作 ●初訳 「スカル」(“The Skull”/2012) ※二〇一三年度世界幻想文学大賞最優秀ノヴェラ部門候補作 ●初訳
======== クトゥルー神話をベースに カルトに支配された社会の恐怖を描いた 朝松健の代表作が、完全版として登場! ======== 一分の隙きもない緻密な物語ーー林 譲治 作者にしか書き得ない技法で綴られた〈クトゥルー神話〉--井上 雅彦 差別や暴力を肯定する“闇”が、“光”に見えている人間が増えている時代に、 “闇”の恐怖を暴いた朝松健の代表作ーー末國 善己 ======== クトゥルフ神話をベースにしながら、 ナチズムの勃興から没落までの歴史的事実を描きながらも、 一分の隙きもない緻密な物語が組み上げられている。 どこをとっても善良な人たちが、民族絶滅の歯車となり、 規律正しく動いてゆく。 この『邪神帝国』で描かれる怖さとは、 まさにそうしたカルトに支配された社会の自律性にある。 ーー林 譲治(解説より抜粋) ここに一冊の綺書が誕生した。 まぎれもなく、作者にしか書き得ない技法で綴られた 〈クトゥルー神話〉である。 魔書と呼ぶべきかもしれない。 しかし、なにより重要なことは、 これが、ホラー小説であるということなのだ。 ーー井上 雅彦(解説より抜粋) ======== カバー使用オブジェ/制作:マンタム “伍長”の自画像 ヨス=トラゴンの仮面 狂気大陸 1889年4月20日 夜の子の宴 ギガントマキア1945 怒りの日 魔術的註釈 参考文献 初出一覧 邪神帝国 関係年表 邪神帝国 構想メモ 解説/林譲治 解説──遊び。彼には命懸けの。/井上雅彦 解説/末國善己
貴族となるための足掛かりとしてドラゴンの討伐に成功した帝国航宙軍兵士アラン。 彼はドラゴンの素材をオークションにかけ大金を手にし、目論見通り叙勲を受けることに成功する。 ついに貴族となり、樹海の広大な土地を手に入れたアランは建国を見据え、本格的な開拓に着手することに。 しかし、ドラゴンスレイヤーの称号を持つ彼を狙う者たちの影が迫るのだった……!! 書籍だけの書き下ろし短編、グローリアの生態に迫る『一族の掟』を収録!
異世界トリップに巻き込まれて厄介者扱いされた私を拾ってくれたのは、超強い上にイケメンな第二騎士団のレオン団長!ぶっきらぼうだけど優しくて、団に女性が少ないからって自室のお風呂を貸してくれるんだよなぁ。でもいつも、髪を拭いている時、じっと見られてる気配がするんだけどなんでだろ?え?癒しの魔法でこの瓶底メガネがいらなくなる?やったー!!ってあれ、どうしてそんなに焦ってるんですかレオンさんー!?不幸性のこじらせ女子が、独占欲の塊の騎士団長に全力で愛される!ハイテンションラブファンタジー!!大ボリューム書き下ろしラブラブエピソード収録。
貧乏領主の次男・デニスはある日、自分が異世界の中年男性・雅也と意識を共有している事に気付く。戸惑いながらも、雅也の知識が領地の経済回復に役立つと考えたデニスは、家族や領民を救うべく奮闘する。時を同じくして、日本に住む雅也はひょんな事から仕事をクビになり、後輩の冬彦を頼って探偵となった。異世界の事は夢だと思っていた雅也だったが、同じ境遇の者が大勢いる事を知った時から、運命が変わってゆくのであった。
婚約者を奪った傲慢な妹、家業を押しつける横暴な母、そして弱気な父ーー家族の犠牲になり続ける生活に嫌気がさし、このままでは自分の人生さえ危ういと考えた八重香は、同じように人生に絶望した人々に向けた救済用VRMMOの中に逃げ込んだ!! アバター「シア」となった彼女は、この世界でこそ自分の思うままに生きようと決意する。子狐(?)「あんこ」と子犬(?)の「だいふく」を相棒に、シアは夢への第一歩を踏み出した!!
不実の尽日、怠惰の苦悩努力を太宰は訴える。 その底には旧弊な「家」や欺瞞に満ちた社会への嫌悪と、 それでも縋らずにはいられない自分へのアイロニカルなざしがある。 そんな太宰治の、ユーモラスな作品セレクション。 「燈籠」 「玩具」 「魚服記」 「猿ヶ島」 「カチカチ山」 「駈込み訴え」 「黄金風景」 「八十八夜」 「I can speak」 「懶惰の歌留多」 「容貌」 「一つの約束」 「デカダン抗議」 「新郎」 「待つ」 「散華」 「東京だより」 「海」 「トカトントン」 「苦悩の年鑑」 「女神」 「美男子と煙草」 「メリイクリスマス」
不幸な出自ゆえに、皇子でありながら愛玩奴隷のように扱われてきたヒスイは、ある時突然、遙か西にある小国ディーゼリアの王の許へ皇女として嫁ぐことに。しかし、過酷な旅路の果てに辿り付いた先は、想像を遙かに超える科学力と数多の海外領土を有する世界最大の強国だった。自由闊達な若き国王ヴィクターは、ヒスイの性別も過去も全て受け入れ、共に新たな人生を歩もうとしてくれて…。
さて、最初の値をつけるのはどなたかな? 「ハイウェイ」ことグスタボ・サンチェス・サンチェスは、自称「世界一の競売人」。爪や髪など取るに足りないものを集めるのが好きな目立たない子どもとして育つ。メキシコ市近郊の町エカテペックにあるフメックス社のジュース工場で警備員の仕事に就き、思わぬ事件に巻き込まれるが、事なきを得る。昇進を告げられたハイウェイは、危機管理のためのさまざまなセミナーを受け始めるが、ある講座で出会った妻の意向で、警備員の仕事を辞めてしまい、ひょんなことから競売人(オークショニア)への道を目指すことになる。 アメリカに渡り、オクラホマ師匠のもとで競売術の修業を積んだあと、ハイウェイはメキシコに戻る。だがオークションの仕事にはなかなか恵まれない。そんなとき、聖アポロニア教会の神父から慈善オークションの開催を打診され、自らの秘蔵コレクションからとっておきの品々を競売にかけることを決意する……。 現実のフメックス社の工場労働者との共同制作でもある本書は、現実とフィクション、現代アートと文学を融合させ、読者を煙に巻き、思わぬ結末へと導く仕掛けに満ちている。世界15か国で刊行、メキシコ出身の新鋭による斬新なコラボレーション小説。