2019年8月21日発売
三十以上の言語に翻訳されている、世界的名作。現代カタルーニャ文学の至宝と言われる。スペイン内戦の混乱に翻弄されるひとりの女性の愛のゆくえを、散文詩のような美しい文体で綴る。「『ダイヤモンド広場』は、私の意見では、内戦後にスペインで出版された最も美しい小説である」(G.ガルシア=マルケス)。
警視庁を定年退職後、「誤判対策室」-刑事、検事、弁護士からなる冤罪調査組織ーに再雇用された有馬英治あてに一本の電話が入る。台東区三ノ輪で殺人を犯し、自首してきた紺野真司が証言を一変。容疑を否認し、有馬にしか真実を話さないと主張しているという。勾留中の紺野と対面した有馬は、ひとつのゲームを持ちかけられる。「私の犯罪を証明し、起訴できなければ、あなたの娘を殺害します」動揺を隠せない有馬だったが、悲劇へのカウントダウンはすでに始まっていたー。
滞在していたスリランカの戒厳令発令をうけ、日本に一時帰国していた正義だったが、帰国前にある人物から連絡を受けていた。その人物の要望もあり、正義は日本滞在もそこそこに、ヴィンセントに会うため香港へと飛んだ。かつてリチャードを裏切っていたはずなのに、なぜか正義を助けてくれるヴィンセントの真意とは?そしてリチャードと再会した正義は…?
「梟」が残した羽根に、自らの行く末を重ねる寿雪。先代の戒めに反し夜明宮は孤独から遠ざかるも、寿雪自身は虚しさから逃れることが出来ずにいた。烏妃の元には、今宵も訪問者が絶えない。泊鶴宮での怪異は、やがて烏漣娘娘への信仰を脅かす『八真教』へと通じて?他方、高峻は烏妃を「烏」から解放する一筋の光明を見出し、半信半疑ながらも寿雪と共にあることを決め!?
剛胆かつ敏腕、そしてお金に汚い弁護士・吾妻正義の孫つぐみは、嘘をついている人の顔が歪んで見える特殊な能力を持つ女子高生。正義の許に来る依頼は難物ばかり。“守秘義務違反を犯し、SNSを炎上させたアルバイト事務員”“親子間で起きた交通事故の慰謝料訴訟”“正義の恩師による痴漢冤罪事件”-今回も幼馴染みの草司と共に、正義に振り回されるつぐみだが…?
「お金を返してください」。そう言っては何度もななほし銀行を訪れる南条イネには、認知症の疑いがあって…?監査部調査課個人取引担当ー通称「コトリ班」所属の入行二年目・小林高は日々もちこまれるやっかいなお客様の対応に四苦八苦。俳句愛好会の会計係が通帳を持って失踪?偽造疑惑のある通帳を発見?どれも一筋縄じゃいかない事情があるわけで…?
尚侍として、後宮入りした藤原伊子。十六歳年下の帝は、依然として伊子を妻にしたいと思っているらしい。理由があって帝の想いに応えられない伊子だが、役職どおりの仕事をこなす日々にやりがいを感じていた。妃候補の一人として後宮へやってきた祇子にも、彼女の人柄がどうであれ、尚侍として適切な対応をするつもりだったが…?伊子の“職場”でまたもや事件が!?
平安朝、大江家の娘式部は、宮中で太后に仕え、美貌と歌の才を高く評価される。和泉守と結ばれ幸せな日々に、太后危篤の報が届く。急ぎ京へ戻った式部を親王が待っていた。高貴な腕に抱きすくめられ、運命は式部を翻弄していく。愛する人たちを失いながらも、歌に想いを綴っていくが…。浮かれ女と噂を立てられながらも、生涯の愛を探し続けた式部。冥き道をゆく謎多き女性を大胆に描く親鸞賞受賞作。
大手製薬会社社員の藤井賢一は、不祥事の責任を取らされ、山形の系列会社に飛ばされる。鬱屈した日々を送る中、東京で娘と母と暮らす妻の倫子から届いたのは、一通の不可解なメール。“家の中でトラブルがありました”数時間後、倫子を傷害致死容疑で逮捕したと警察から知らせが入る。殺した相手は、本社の常務だったー。単身赴任中に一体何が?絶望の果ての真相が胸に迫る、渾身の長編ミステリ。
新聞社の永岡は、妻の櫛がヒマラヤの国パスキムの破壊された仏像の一部と気づく。5年前入国した首都カターで見た美麗な仏像彫刻だった。美術品持ち出し禁止の国で政変のため寺院が崩壊したと聞いて、密入国を試みる。僧侶達は虐殺され都市は壊滅していた。彼も革命軍に捕らえられ…。旧習を打破し、完全平等の理想郷を求める人間達のもたらす惨劇。恐怖と戦慄の世界を臨場感豊かに描く畢生の大作。
作家を志して十年超。いまだ一作も書き上げられないままコンビニでアルバイトを続ける「余」。文豪になりきって自虐的なツイートをする「鴎外パイセン」のキャラが面白いと人気を集め、書籍化の話が舞い込むが…。無個性さに悩みつつ夢小説を書く女子大生、二作目が書けない作家、文豪志望のフリーター。谷根千を舞台に、何者にもなれない人々の悩みともがきを描く、滑稽でどこか切ない物語。
時は幕末。越前野山土屋家中はお家騒動の気配をはらんでいた。小身の家臣の三男坊・岡和三郎は、無駄飯食いの立場だが、剣の腕には覚えがあった。ある日、藩重役から江戸での剣術修行を命じられる。しかも脱藩して密行せよ、と。大枚の路銀をせしめ、刺客に襲われるも旅立つのだった。修行人宿に泊まりつつ江戸を目指す東海道中、若き剣客を待ち受ける運命やいかに…。傑作時代小説シリーズ幕開き。
房総沖にて演習中の呂号第四四潜水艦が、空母「ホーネット」率いる米国の艦隊を発見!日本本土の奇襲を狙う「ドゥリットル空襲」の迎撃に成功し、敵艦隊に大打撃を与えた。意気上がる日本軍は、ポート・モレスビー攻略を主眼とするMO作戦の完遂を目指し、空母「瑞鶴」「翔鶴」、戦艦「陸奥」「伊勢」らを中核とする艦隊を派遣。珊瑚海にて、雪辱に燃える米軍と激突するー。鉄壁の護りで米国を迎え撃つ、横山信義の新シリーズ、開幕!
FBI特別捜査官のシャーロックは、ニューヨークの空港で手榴弾を投げようとしていた男を取り押さえるが、その直後、市内の教会で時限爆弾が見つかった。ふたつのテロ未遂事件の関連を探ろうと、FBIは空港で捉えた男を調べるが、男は単なるジャーナリストで、テロリストから妻子の命と引き換えに犯行を強要されたと判明する。その頃、シャーロックの夫サビッチはある殺人事件の捜査に取りかかっていたが、奇妙なことに犯人には犯行時の記憶がなかった。凄惨な事件の背景には複雑に絡み合った事実が…。
ナッシュヴィル生まれのジンジャーは、ある日あばずれの母親の大金の入ったバッグを盗み、妹を連れてシカゴにやってきた。が、引っ越し当日、向かいの住人であるシカゴ市警警部補のデレクに怒鳴られ、最悪の出会いをする。だがデレクのほうは、セクシーで勝気なジンジャーにひと目で惹かれ、一気に彼女に迫る。彼を通じて母親から姉妹の捜索願が出されているのを知ってジンジャーは持ち逃げした金がトラブルを生んでいるのではないかと考え、ナッシュヴィルに向かうがー
パーティーから追放され、山で一人のんびりと暮らしていたタクミ。彼のもとに、かつて保護したアリスの弟子・レイアがやってきた。彼女は、人類最強であるアリスの師匠で宇宙最強と噂されているタクミの弟子になりに来たのだ。それからというもの、タクミのもとにはドラゴンや勇者が訪れ、ついには魔王ではないかと疑われる羽目に。これは、人類最弱のタクミが人外の強者たちに巻き込まれながら宇宙最強だと勘違いされる喜劇の物語である。