2021年4月発売
絶対に残業しない東山結衣vs.どうしても残業したい部下!? 真の敵はーー。定時帰りをモットーとする結衣の前に現れた、何故か残業したがる若手社員。その理由を知った結衣は、給料アップを目指し、人事評価制度の改革を提案することに。しかし、様々な思惑に翻弄され、社内政治に巻き込まれてしまう。長期出張中の晃太郎との将来にも不安が募り……。新時代の働き方を問う、大人気シリーズ第三弾!
言いたいことを言い、行きたい場所へ行く。日本経済の青春期を駆け抜けた業界紙記者がいた。昭和三十三年、高校中退の杉田亮平は、四十倍の競争率を突破して、十九歳で石油化学新聞に入社した。国策会社民営化、エチレン不況カルテル、企業間の技術譲渡ー数々のスクープで業界を激震させ、水面下で経済の流れを作ったのは、毎号わずか四ページの業界紙の若い記者だった。全ての働く人に贈る自伝的長編経済小説!
高校生の佐藤悠斗は、ある日、カツアゲしてきた不良二人とともに異世界に転移してしまう。彼らを召喚したマディラ王国の王や宰相から転移者は高いステータスや強力な能力を持っていると説明を受けるが…悠斗のステータスはほとんど一般人以下で、スキルも影を動かすだけだと判明する。後日、迷宮に不良達と潜った際、無能だからという理由で囮として捨てられてしまった悠斗。だが彼は、密かに進化させていた自身の能力『影魔法』を駆使してそのピンチを乗り切る。さらには、道中で偶然『召喚』スキルをゲットすると、大天使や神様を仲間にしていくのだったー規格外の仲間と能力で、どんな迷宮も手軽に攻略!?お騒がせ影使いの異世界放浪記、開幕!
第13回アルファポリスファンタジー小説大賞、優秀賞受賞作! グレンリード辺境伯家の三男・エクトは、成人の儀式の際、土魔法のスキルを授かる。しかし土魔法はハズレ属性だと蔑まれており、エクトは勘当されたうえ、僻地のボーダ村の領主に任命されてしまった。五人組の女性冒険者パーティ「進撃の翼」に護衛され、領都を出発したエクト。道中、賊に襲われた商人を助けたお礼にメイドを譲ってもらったり、魔物と戦ったりしつつ、一行は無事にボーダ村に到着する。さっそくエクトが土魔法で自分の家を建てると、誰も真似できない魔法の使い方だと周囲は驚愕! 魔獣を倒し、森を切り拓き、畑を耕し……エクトの土魔法のおかげで、ボーダ村はめざましい発展を遂げていく!?
転生者の能力を決める十連ガチャで当たりを引きまくり、チートな王子様として気ままな異世界ライフを送る俺、アキト。武闘大会で優勝して目立っていたら、異世界一の“強者”とされる竜王に勝負を挑まれちゃった。しかもそいつはリオン爺ちゃんすら勝った事がない強敵らしくて、俺は慌てて猛特訓を始めたんだ。妖精王達に超鬼畜な修業で苛め抜かれたり、爺ちゃん相手に真剣勝負を繰り広げたり、仕上げに神様に紹介された高難度ダンジョンでレベリング三昧。するとそこで出会ったのは、怒りに我を忘れて暴れ回る屈強なオーガだった! 流石の俺でも勝てるか危うくない!? ……というか、従魔にしたいんだけど、ダメ?
学校でいじめられていた高校生レイヤは、クラスメイトと一緒に異世界に召喚される。そこで手に入れたのは「魔物と会話できる」スキルのみ。しかし戦闘で役に立たないため、無能力者として追放されてしまう……! 人化したスライムのティアや狼モンスターの親子と、魔界で暮らし始めたレイヤ。周囲の勢力と友好関係を築こうとしたものの、反目する一派が、かつて世界を滅ぼしかけた初代魔王・ゼラを復活させてしまう。十万年の時を経て蘇ったゼラに対し、世界の終わりだと大混乱に陥る魔界。ところがそんな心配をよそに、ゼラはレイヤたちにしか興味がないようで……!?
高校生の天坂風舞輝は、同級生三人とともに、異世界へ召喚された。だが召喚の途中で、彼を邪魔に思う一人に突き飛ばされて、みんなとはぐれてしまう。しかし、フブキは神様からユニークスキルや自分を突き飛ばした同級生の分の加護まで貰っていたので、生きていくのになんの心配もなかったのだーフブキは、魔道具の生産地として有名なシャールの町に立ち寄った。期待に胸を膨らませて魔道具屋に入ると、妙な既視感のある品が並ぶ。まるで日本の家電量販店のような?その疑問はすぐに氷解する。それらの魔道具を作った錬金術師は、なんとフブキと同じくこの世界に召喚された日本人でー異世界モンスターテイムファンタジー、待望の第7弾!
三千冊の本を載せて走る移動図書館「本バスめぐりん」との出会いは、屈託を抱えた利用者たちの心を解きほぐしていく。家族の希望で縁もゆかりもない土地で一人暮らすことになった規子の、本と共に歩んできた半生を描く「本は峠を越えて」や、十八年前になくしたはずの本が見つかったことを引き金に当時の出来事が明るみに出る「昼下がりの見つけもの」など5編を収録。めぐりんが本と人々を繋ぐ移動図書館ミステリ、シリーズ第二弾。
ふいに襲う殺人の幻視。 幻視者は「友」を止められるのか? ーー恐怖と正義、友情の間で揺れる主人公の葛藤。 『記憶屋』の織守きょうやが描く、人間の闇を炙り出した渾身のサスペンス・ミステリ! ある特殊能力のせいで、他人に関わらないように生きてきた久守一は、偶然、その力で美大生の佐伯が巷を騒がせる連続殺人犯だと知ってしまう。 社交的で人当たりもよく、とても殺人犯には見えない佐伯は、捜査線上に浮かんですらいない。 柄でもないと思いながらも、自分や後輩の身を守るため、犯行の証拠を探す久守。 しかし、友達のふりをしているうち、佐伯に対して本当の友情を感じ始めてしまうーー。 ◆ 著者について 織守きょうや(おりがみ きょうや) 1980年ロンドン生まれ。2013年『霊感検定』でデビュー。2015年「記憶屋」で日本ホラー小説大賞読者賞を受賞。 ほかの作品に『朝焼けにファンファーレ』(新潮社)、『花村遠野の恋と故意』(幻冬舎文庫)、『響野怪談』(角川ホラー文庫)、『少女は鳥籠で眠らない』(講談社文庫)、『ただし、無音に限り』(東京創元社)など。
空が近い。雲も近い。 当たり前に自分を満たしていた日常が、何もかも遠い。 ーー登山の最中に受けた、恩人からの無言電話。その後、知らされた恩人の滑落死。 全国の書店員が絶賛! 青春小説の妙手、額賀澪がおくる山岳ミステリ! 高校時代にスポーツクライミング部で名を馳せた主人公・岳。 訳あって大学では競技を続けないと心に決めていたが。 変人と噂される登山部部長の梓川穂高につかまり、幾度か一緒に山を登ったある日、岳のスマホを高校時代のコーチ宝田謙介からの着信があったのだがーー ◆ 著者について 額賀 澪(ぬかが みお) 1990年、茨城県生まれ。日本大学芸術学部卒業。 2015年、「ウインドノーツ」(『屋上のウインドノーツ』に改題)で第22回松本清張賞、同年、『ヒトリコ』で第16回小学館文庫小説賞を受賞。 ほかの作品に『沖晴くんの涙を殺して』(双葉社)、『風に恋う』(文春文庫)、『できない男』(集英社)、『タスキメシ 箱根』(小学館)、『タスキメシ』(小学館文庫)など。
ーー私たちは、なぜ分かりあえなかったんだろう? 2019年、韓国文壇最高峰「李箱文学賞」を受賞したユン・イヒョン、待望の最新作品集。 社会から軽んじられてきた主婦たち、いつのまにか生じた溝にゆれるLGBTカップル、社内での性暴力を告発した女性……。 すこしの誤解やすれ違いから愛する人や大切な仲間を一瞬にして失う痛み……私たちは、なぜ分かりあえなかったんだろう? やり場のない怒りや悲しみにひとすじの温かな眼差しを向け、〈共にあること〉を模索した十一の物語。 私に似た誰かが、あなたに似た誰かといつか出会う想像をする。 異なる、よく知らないという理由で彼らがお互いを憎み、永遠に背を向けることがないようにと願う気持ちから、私が過ごしてきたある時間を束ねた。 この壊れて粉々になった言葉、まだ答えを知らない問いかけが対話のはじまりになってくれたらうれしい。--著者「あとがき」より ■ 小さな心の同好会 ■ スンヘとミオ ■ 四十三 ■ ピクルス ■ 善き隣人 ■ 疑うドラゴンーーハジュラフ1 ■ ドラゴンナイトの資格ーーハジュラフ2 ■ ニンフたち ■ これが私たちの愛なんだってば ■ スア ■ 歴史 ■ あとがき ■ 訳者あとがき
【2022年 本屋大賞ノミネート】 【第165回直木賞候補作】 【第9回静岡書店大賞受賞】 【キノベス!2022 第4位】 最終話に仕掛けられた一話目への伏線。 気付いた瞬間、心を揺さぶる、鳥肌モノの衝撃が襲う!! 読売新聞、日経新聞、本の雑誌……各紙書評で絶賛の声続々! 「驚きの完成度!」--瀧井朝世さん(『スモールワールズ』公式HP書評より) 「BL界の鬼才恐るべし」--北上次郎さん(日本経済新聞 5月6日書評より) 夫婦円満を装う主婦と、家庭に恵まれない少年。「秘密」を抱えて出戻ってきた姉とふたたび暮らす高校生の弟。初孫の誕生に喜ぶ祖母と娘家族。人知れず手紙を交わしつづける男と女。向き合うことができなかった父と子。大切なことを言えないまま別れてしまった先輩と後輩。誰かの悲しみに寄り添いながら、愛おしい喜怒哀楽を描き尽くす連作集。
殺人未遂事件の容疑者にされた青年・隠館厄介。いつも通り忘却探偵・掟上今日子に事件解決を依頼するも、その最中、今日子さんが狙撃されてしまう。一命を取り留めた彼女だったが、最速の推理力を喪失する。犯人を追う厄介の前に現れたのは、忘却探偵の過去を知る人物だったー。忘却探偵の秘密が明かされる、必読のエピソード解禁!
夏休み、お金がなくて暇を持て余している大学生達に風変わりなアルバイトが持ちかけられた。スポンサーは売れっ子心理コンサルタント。彼は「純粋な悪」を研究課題にしており、アルバイトは実験の協力だという。集まった大学生達のスマホには、自分達とはなんの関わりもなく幸せに暮らしている家族を破滅させるスイッチのアプリがインストールされる。スイッチ押しても押さなくても1ヵ月後に100万円が手に入り、押すメリットはない。「誰も押すわけがない」皆がそう思っていた。しかし……。
天正六年(一五七八年)、東播磨。織田信長配下の羽柴筑前守秀吉は、「鷹乃城」と呼ばれる青野城を囲み、軍師竹中半兵衛、黒田官兵衛と策を練っている。一方、江戸・南町奉行所同心・瀬波新九郎は、殺しの下手人を追っているさなかに崖から転落、意識を失う。目覚めたところは、戦国の暗雲たちこめる見知らぬ城下ー。ひょんなことから秀吉勢に囲まれる青野城に密書を届けることとなった新九郎は、城内に留め置かれることに。すると、本丸の一室にいた重臣の一人が殺害されているのが見つかった。下手人捜しを頼まれた新九郎が探索の果てにたどり着いた真相とは…。驚愕のラストが待つ!江戸情緒に戦国の密室ミステリー、そして、淡いロマンスまで盛り込まれた贅沢な一冊!
ある出来事により、刑事課から交番勤務へ異動となった巡査部長の貴衣子。栗谷交番でペアを組むのは、警察官になったばかりの里志だ。里志は自分の歓迎会を欠席したり、「上司の口が臭い」と配置換えを願い出たりと、つかみどころがない。ある日ふたりは、別荘地の保養所で、東南アジア系男性の他殺体を見つける。被害者は近所の通称アジアンアパートに住む技能実習生で、犯人も動機も不明。そんな中、里志が不穏な動きを見せる。貴衣子は里志が事件に関わっているのではと疑念を抱き…。
北海道で独り暮らしをするおもちさん、83歳。夫は施設に入り、娘は東京から日に二度電話をくれる。実は持病が悪化して、家族がおもちさんの生活のすべてを決めていくことに。不安と苛立ちと寂しさと、懐かしさと後悔とほんのちょっとの幸せと、揺れては消える老境の心情が、静かに切々と迫ってくる。ベストセラー『平場の月』の著者が、ひとりの老女の内面に寄り添う、新たな代表作。
日本を訪れたドイツ軍人とある“侍”が熾烈な戦いを繰りひろげる「一九三九年の帝国ホテル」。北の大地で使命を負った女性たちの矜持と運命を活写する「レディ・フォックス」。芸に打ちこむあまり加速度的に心身を崩壊させる漫才師を描いた「終末芸人」など、洋の東西を問わず、昭和、平成、令和の百年をつらぬいて生き抜くひとびと=「われら」の人生模様を、『宝島』で直木賞を受賞した真藤順丈が凄まじい熱量で描きだす作品集。
〈ボウエン・コレクション2〉全3巻 第1回配本! 20世紀英国文壇を代表する作家エリザベス・ボウエン。 1920-30年代という戦間期の不安と焦燥を背景に、 ボウエンならではの気配と示唆に浮かぶ男女の機微ーー。 本邦初訳の初期小説三冊を集成した待望のコレクション。 イタリア・リヴィエラ海岸のホテルはホリデー客でにぎわっている。医者になりたいシドニー・ウォレンは受験の疲れを癒しに、束の間ここにきている。彼女は倦怠感を漂わせる未亡人ミセス・カーに心惹かれる。ミセス・カーには20歳の息子ロナルドがいて、ドイツからここにやってくるという。ミルトン牧師、ロレンス三姉妹、第一次大戦の後遺症に悩む青年アメリングをまじえ恋がもちあがり……。イギリスの風習喜劇の雰囲気と1920年代戦間期の不安な心理を、地中海の陽光まぶしいひと夏に鮮やかに浮かび上がらせたボウエンの手腕、長篇デビュー作。 豊崎由美氏推薦! 「ボウエンは会話だけでなく、描写によってそこで何が起きているのかを示す。登場人物の行動、いる場所、そばにある物、聞こえている音、すべての描写を総動員させて、ボウエンは登場人物の発する言葉の背後にある気持ちや意味、それが発せられた理由となる過去を匂わせる。 だから、一行たりとも読み飛ばせない。丁寧に文章を追っていく読者だけが、ボウエンがそこここに仕掛けている小説の技巧に舌を巻き、物語全体の絵柄が浮かび上がってきた時の喜びを得ることができるのだ」(パンフレットより抜粋) 太田良子(訳者) 「エリザベス・ボウエンは1899年にアイルランドのダブリンで生まれ、1973年にイングランドのロンドンで死去した。文字どおり20世紀と共に生きたボウエンは、二つの祖国を持ち、300年間イングランドの植民地だったアイルランドの宿命的な独立戦争、世界を荒廃させた二度の世界大戦に関わって創作活動の根底に置き、長篇小説10篇と短篇小説約100篇を書いた。今回の〈ボウエン・コレクション2〉に入った『ホテル』は彼女の初めての長編小説で、先行の〈ボウエン・コレクション〉の『エヴァ・トラウト』はボウエンが完成させた最後の小説であり、ボウエンの小説全10冊が国内ですべて刊行されることになった。ボウエンの作品は21世紀の今、文学や歴史や世界観の新しい潮流を検証する意味であらためて評価が進む一方、ボウエンは緑の国アイルランドのホスピタリティと、美しい庭園を持つ荘園屋敷を受け継ぐイングランドの文化を愛して作品に籠め、移り替わる自然を、春夏秋冬、忘れられない美しいシーンにして数多く描き出している。白いモスリンのドレスの少女、断髪にして短いスカートでロンドンを闊歩する女は、それぞれに時代を表わし、ヒロインが運転するダイムラーやジャガーは、時代の先端を行く高級車である。小説や短篇のヒロインを通してフィクションが見せる広い世界の可能性を切り開いた点から見ても、エリザベス・ボウエンは他の追随を許さぬ作家である」(パンフレットより)