2022年1月26日発売
新進気鋭の人気作家・カツセマサヒコ氏をはじめとする、りょかち氏、Shin5氏が執筆する18篇の短編オムニバス小説。50の駅を巡る、おとなのデートストーリー。付き合う前の食事デートや、一緒に暮らすための雑貨を買いに行くデート、将来を想像しながらのんびり過ごすデートなど、いろんなデートを味わえます。 目次 1.「彼女は僕より本が好きだから」 2.「まだ見てなかったものを探しに」 3.「今日だけは先を歩きたい」 4.「まるであの頃の二人のように」 5.「今のままでも、大人になっても」 6.「あなたはいつも正しいよ」 7.「娘がハタチになりまして。」 8.「ゆっくりと時間が流れる場所を探して」 9.「答えなんて、出なくても。」 10.「『またね』が言えなくなる前に」 11.「『また来ようね』と言える幸せ」 12.「だからこれからもよろしくね」 13.「予想外の雨が教えてくれたこと」 14.「飽きっぽいわたしたち」 15.「東京を、もっと知りたくなった夜」 16.「腹が空くまで歩こうよ」 17.「未来に続く道で、ふたり」 特別書き下ろし小説「昔行ったあの店がなくても」 本書は「東京デートストーリー」のインスタグラムで連載していたものを、加筆修正のうえ、本書オリジナル書き下ろし小説1編を加え、書籍化したものです。 1.「彼女は僕より本が好きだから」 2.「まだ見てなかったものを探しに」 3.「今日だけは先を歩きたい」 4.「まるであの頃の二人のように」 5.「今のままでも、大人になっても」 6.「あなたはいつも正しいよ」 7.「娘がハタチになりまして。」 8.「ゆっくりと時間が流れる場所を探して」 9.「答えなんて、出なくても。」 10.「『またね』が言えなくなる前に」 11.「『また来ようね』と言える幸せ」 12.「だからこれからもよろしくね」 13.「予想外の雨が教えてくれたこと」 14.「飽きっぽいわたしたち」 15.「東京を、もっと知りたくなった夜」 16.「腹が空くまで歩こうよ」 17.「未来に続く道で、ふたり」 特別書き下ろし小説「昔行ったあの店がなくても」
築9年、3LDK、家具家電付きーなのに家賃8万円!?大手電気機器メーカー「シンバル」に勤務する西尾晋作は、海釣りが大好き。コロナ禍で業務がテレワーク化されることを機に、海に近い田舎に移住を考え始めると、宮城県に家具家電付きの神物件を発見する。家賃の安さに惹かれ、「お試し移住」を始め、夢のような山海の幸に大満足。地域民とのいざこざを経験しながら、晋作はこの楽園で、ある新事業を思いつくー。
名も知らない女性の人生を、尊厳を傷つけたー。過去の強姦を告白し、婚約者と家族から断絶された男は、謝罪のために事件を公表し、被害者探しを思い立つ。罪とはなにか。その罪に許しはあるのか。
ずっと遠くに行きたかった。今も行きたいと思っている。自分の中の怒りの爆発を、なぜ止められないのだろう。自転車便のメッセンジャー、サクマは都内を今日もひた走る。第166回芥川賞受賞。
綺麗な着物を着せたる。道楽者の父の言葉に誘われて、十二歳だった私は、気がつけば大阪で舞妓見習いをしていた。それからは苦界を生きて、生きて、生き抜いた。十四の時に切り落として旦那に突きつけた小指は、いつの間にか遠い過去になっていたー。芸妓、社長夫人、映画女優を経て、38歳で出家。明治から昭和を走り抜けた、ある女性の流転の日々。
生まれ育った場所だけが「ふるさと」ですか? 現代人に本当の幸せを問う、著者最高傑作! 上京して四十年、一度も帰ろうとしなかった郷里で私を温かく迎えてくれたのは、名前も知らない〈母〉でしたーー。家庭も故郷も持たない人々の元にカード会社から舞い込んだ〈理想のふるさと〉への招待。半信半疑で向かった先には奇跡の出会いが待っていた。雪のように降り積もる感動、全く新しい家族小説にして永遠の名作誕生!
1968年、静岡県千里見町に近づく台風は、五十年に一度とも百年に一度とも言われる豪雨をもたらしていた。。住んでいるところが危険区域に指定された有村一家は、小さい赤ん坊がいることもあり、親戚の家に避難を決めるが……。 それから20年後、千里見町で『清風館』という旅館を営む清田母娘の前に、坂井裕二と名乗る大学生が現れる。坂井は約一年ぶりの客だった。 『清風館』の主だった清田省三は、一年前に交通事故で亡くなり、そのため旅館も開店休業状態だったのだ。娘の千遥は母と二人暮らしをしていたが、それは父が急死したためだった。東京の大学に合格していたが、上京して母を一人にするのがためらわれたのだった. そこに現れたのが坂井裕二で、彼の存在が千遥の大学進学への思いを後押しすることになる。また裕二は過去に何か事情があったらしく、その謎に千遥は惹きつけられていく。 裕二の過去には何があったのか? 千里見町の20年前の豪雨がもたらしたものとは? 濁流に押し流される人間の運命が慟哭を呼ぶ、愛と哀しみの青春ミステリー。
豚飼いマニュエルは金髪碧眼の美丈夫、母の教えに従っておのれの理想の姿を土の人像に映すべく、日々土をこねては人像作りに精を出す。そこへ怪しき老人が「邪悪な魔法使いに拐かされた姫君を救って妻となせ」と、マニュエルに一振りの魔剣を与えた。いざ魔法使いを打ち倒さんと旅立ったマニュエルだが、途中で出会った男装の乙女に恋をして、魔法使い成敗はそっちのけ、肝心の姫君には目もくれず、乙女と手に手を取って意気揚々と帰還する。めでたしめでたしーと思いきや、あらわれた死神が愛しい乙女を冥府へと連れ去って…
木下杢太郎、北原白秋、石井柏亭、石川啄木ら 若き芸術家たちが謎に挑む 傑作青春ミステリ 明治末期に実在した若き芸術家たちのサロン、 その名も「パンの会」。 隅田川沿いの料理店「第一やまと」に集った 木下杢太郎、北原白秋、石井柏亭、石川啄木等が推理合戦を繰り広げる。 そこに謎めいた女中・あやのも加わってーー。 鬼才・宮内悠介の新境地!
「二と二が合わさって四になるんじゃない、時には五にもゼロにもなるんだ」-。福沢諭吉の娘婿となるが、幾つもの挫折を経て電力事業に目覚め、木曾川に東洋一のダムを築いた稀代のイノベーター福沢桃介の機略縦横の活躍を描く。
〈僕は自分の体に残っている傷跡の起源を知らない。〉 「僕には故郷がない。 懐かしい原風景もなければ、見慣れたものにまつわる記憶もなかった。 だから、どこにいても僕にとっては故郷であり母国だ。 誰であろうと僕の旧友であり家族だ。」 その日、僕はこの世界を養子に迎えることにしたーー。 朝鮮戦争の数十年後、ソウルのイスラーム寺院周辺のみすぼらしい街。 孤児院を転々としていた少年は、精肉店を営む老トルコ人に引き取られる。 朝鮮戦争時に国連軍に従軍した老人は、休戦後も故郷に帰らず韓国に残り、敬虔なムスリムなのに豚肉を売って生計を立てている。 家族や故郷を失い、心身に深い傷を負った人たちが集う街で暮らすなかで、少年は固く閉ざしていた心の扉を徐々に開いていく。 「僕はハサンおじさんに訊きたかった。 僕の体にある傷跡は、なにを守ろうとしてできたものなの? 僕にも守るべき魂があったの? もしあったとしたら、僕の魂はなぜいまも貧しいの? なぜ僕は肉体も魂も傷ついたの? 僕の魂は肉体を守ってやれなかったし、肉体は魂を守ってくれなかった。 ということは、僕の魂と肉体はずっとばらばらだったのだろうかーー。」 韓国でロングセラー。英語版とトルコ語版も翻訳出版された話題作