小説むすび | 2022年10月発売

2022年10月発売

わたしのペンは鳥の翼わたしのペンは鳥の翼

アフガンの女性作家たちによる23の短篇集 書くことがこんなにも強靭な抵抗になるなんて。 この炎のような短篇集を読み、語り合うことで、彼女たちの命懸けの戦いにくわわろう。--柚木麻子 早急に、世界に届けられなければならない声がある。 そしてその声は、物語の力を借りて、何より強いものとなる。--西加奈子 どんなに過酷な現実が目の前にあっても私たちは描く。 ペンを持っている間だけ心は自由に空を飛べるから。--窪美澄 抑圧・蹂躙され口を塞がれた女性たちがペンを執り、鳥の翼のように自由に紡ぎ出した言葉の数々。女性嫌悪、家父長制、暴力、貧困、テロ、戦争、死。一日一日を生き抜くことに精一杯の彼女たちが、身の危険に晒されても表現したかった自分たちの居る残酷な世界と胸のなかで羽ばたく美しい世界。 アフガニスタンの女性作家18人が紡ぎ出す、心揺さぶる23の短篇集。 【編集担当からのおすすめ情報】 本書は、2022年2月に英国で刊行されたアフガニスタンの女性作家18名による23の短篇集の邦訳版です。紛争地域の作家育成プロジェクト〈UNTOLD〉による企画編集で、3年前からイギリスとアフガニスタンでやりとりをしながら、「小説を描きたい」という女性たちを広く募り、一冊へとまとめ上げました。アフガニスタンでは2021年夏にタリバンが政権を奪還し、女性への抑圧も急激に強くなりました。女生徒たちは教育の機会を奪われたまま、女性は全身を覆うブルカの着用を義務づけられ、単独での遠出を禁じられるという、21世紀とは思えない状況が続いています。そのような中で、本書の著者のうち数名は、身の安全のため国外への避難を余儀なくされています。 ここに集められた短篇は、死や暴力、激しい女性憎悪や差別と隣り合わせの重い日常を描いたものも少なくありません。また日本に暮らす私たちとは価値観も異なり、簡単には理解出来ないこともあります。 それでも、想像を絶する過酷な毎日を強いられる彼女たちが紡ぎ出す言葉には、誰もが激しく胸を揺さぶられるのではないでしょうか。時には本を閉じたくなることもあるかもしれません。それでも、自分たちの日常とかけ離れた世界が描かれているからこそ、一人でも多くに読んでほしい、知ってほしい一冊です。

パラディーソパラディーソ

◆ラテンアメリカ文学不滅の金字塔がついに邦訳! 一家に君臨するホセ・エウヘニオ大佐と喘息持ちで鋭敏な感性を持つ長男ホセ・セミー、熱帯の光に満ち満ちた日々の中で、オラーヤ家とセミー家にもたらされる生のよろこびとふりかかるあまたの苦難、痛苦な愛と非業の死ーー典雅で混成的なクリオーリョ文化が濃密に漂う革命前のキューバ社会を舞台に、五世代にわたる一族の歴史を、豊穣な詩的イメージとことばの遊戯を駆使して陰影深く彩り豊かに描いた、20世紀の奇書にして伝説的巨篇。 【目 次】 パラディーソ  * 『パラディーソ』を読むために 旦敬介 飛散してゆくイメージーーレサマ=リマの『パラディーソ』をめぐって 旦敬介 ホセ・レサマ=リマ主要著作 『パラディーソ』の構成 『パラディーソ』家系図 パラディーソ  * 『パラディーソ』を読むために 旦敬介 飛散してゆくイメージーーレサマ=リマの『パラディーソ』をめぐって 旦敬介 ホセ・レサマ=リマ主要著作 『パラディーソ』の構成 『パラディーソ』家系図

Gストリング殺人事件Gストリング殺人事件

ストリッパーとしてオハイオ州コロンバスのゲイエティ劇場に出演していたジプシー・ローズ・リーは、旧知の興行主H・I・モスに誘われ、親友のジージー・グレアムとともに、彼がオーナーを務めるニューヨークのオールド・オペラ劇場に移籍する。華やかな舞台の裏で繰り返される、踊り子同士のいがみあいや喧嘩、口さがない悪口、踊り子とコメディアンとの恋愛沙汰、警察による手入れ、と移籍先での毎日は騒がしい。そんな中、新しいトイレのお披露目を口実に楽屋で開かれたパーティの席上で、皆から嫌われていた踊り子のロリータ・ラ・ヴェルヌが、Gストリングを首に巻きつけた状態の遺体で発見される。自身にも嫌疑を向けられたリーは、恋人のビフ・ブラニガンとともに調査を始めるが、やがて第二の殺人が! 一癖も二癖もある人間が出入りし、生々しい人間関係が渦を巻く猥雑を極めたバーレスクの世界を舞台に繰り広げられる、アメリカン・バーレスクの伝説的スターによる異色のミステリ、ここに開幕! クレイグ・ライス代作説を徹底究明した前説だけでもミステリ・ファンはMUSTの一冊。 ◆女性読者の皆様、「ストリッパー」という惹句を目にして敬遠するなかれ。本作は、ボーヴォワールが『第二の性』を著す以前の1941年に、アメリカの知的で自立した女性の生きざまというフェミニズム・テーマを、声高でなく面白おかしく描いた文学的価値もあるミステリ良作なのです。(山口雅也) 装訂・シリーズロゴデザイン=坂野公一(welle design) 【炉辺談話】 『Gストリング殺人事件』(山口雅也・酔眼俊一郎) Gストリング殺人事件

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