2022年6月発売
ーその日、すべてを思い出した。6歳の王女クラウディアは、叔父に塔から突き落とされたその瞬間、自身の前世が伝説の魔女であり、数多くの魔術師を従えていた記憶を取り戻す。今世では冷遇されていたが…。「私はやりたい事しかしないわ。邪魔者は『お掃除』しないとね」かつて世界を揺るがした魔法の力で、悠々自適な生活を送ることを決めたクラウディア。美少年だが不愛想なノアを従僕にして、高度な魔法で何もかも思うがまま!?「お城からのお迎え?追い返しましょう。贅沢なら自分の魔法を使えば十分。むにゃむにゃ…」「おい。どうして毎回わざわざ俺の膝で寝るんだ」魔法を使用すると眠たくなってしまうクラウディアは、不本意そうな従僕に抱っこされながら、今日もくうくうと寝息を立てている。伝説の魔女と黒髪従僕が織りなす悠々自適な快適生活、はじまります!
冷酷無慈悲と噂の魔法士団長・シリルと、『他人の魔力を吸収できる』特異体質がきっかけで共に過ごすことになった平民の少女・ミア。契約結婚から始まった二人。初めは氷のようだったシリルも、ミアの明るさに応えて不器用なりの優しさを見せるなど、その関係も少しずつ変化していた。友人の(平和な)決闘を見届けた二人は、温泉へと赴くことに。王都から離れ、療養のために人々が集う歴史あるアルスター温泉街の宿に、魔獣が現れるというのだ。シリルが温泉宿の調査を開始する一方で、ミアは同じ宿にてシリルの母・クロエと遭遇。ずっと別々に過ごし、不干渉だったシリルとクロエも、ミアのおかげで関係が進展することに。さらに魔獣退治も一件落着し、王都へ帰ってきたミアを待っていたのはーまさかの誘拐!?ちょっと愉快な誘拐犯の目的はミアではなくシリルのようで…?契約から始まる異世界ポジティブラブコメ、波乱の第二巻です!
強大な力と高い知性を持つ節足生物「トリク」が支配する地で、トリクの保護を受けて暮らす人間たち。人間は、トリクの卵を男性の体内に宿し、育て上げるという役割を担っていたー。究極の男性妊娠小説である表題作から集大成まで異星人・伝染病・生殖etc.をめぐり宿命と光を描いた、ジャネル・モネイ、N・K・ジェミシンらが崇拝する伝説的SF作家の代表作。ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、三冠受賞!
高2のあかりは、悩みもなく充実した毎日を送っていた。でもある日、一匹狼の同級生・翔也に「ここは現実じゃない。俺たち、死んだんだよ」と告げられる。徐々にあかりは、今いるのが“自分にとっての理想の世界”で、本当はクラスで孤立していたこと、息苦しさに耐えかねて屋上から飛び降りたことを思い出す。やがて、辛いだけだと思っていた現実にも、失いたくない大切なものがあると気付いてー。「やり直せるよ。何度だって。俺はお前の味方だ」蒼井に背中を押され、現実世界に戻ることを選んだあかり。そしてあかりの行動は、少しずつ変化を生み出していき…。悩んでもがいた先にみえる光に圧倒的感動!大人気作家の描く、新境地の青春小説。
「きれいなおにいちゃん」ではなく、生涯の伴侶となることをネイトにお願いしたユフィ。「ユフィが真面目で一生懸命で可愛いことは、俺が世界で一番よく知っている」ますますパワーアップするネイトの溺愛っぷりに照れつつも結婚の準備を進めていたがー隣国の王女が突然やってくることになり、なぜかユフィは王太子から王城の侍女に指名されてしまう。そして現れた御一行の中には、褐色の美男子が!しかもネイトの兄を自称していて!?
聖女の家系に生まれたエウリーネは社交もできない真性コミュ障。影に同化し姿を隠す能力を使って一生人目に触れず生きるつもりが、突然高潔と名高き第二王子ジリオスに求婚された!てかコミュ障を奥ゆかしいとか好意的解釈すぎでは!?即行王宮に連れてこられ大パニックな彼女に気付き、ジリオスは言う。まずは初めて会った者同士として少しずつ関係を築いていこうと。そんな優しい彼を支えたいー私、このビミョーな能力でお役に立ってみせます!
男は、どん詰まりの場所にいた。大学生だった娘の交通事故死。自殺未遂の隘路から抜け出せない妻。あれを試すしかないのかー。高校時代、失意のうちに目にした一枚の絵。そのあとに訪れた不可思議な出来事。40年ぶりにその絵の前に立った男は、気が付けば娘の交通事故が起こる直前の三軒茶屋の交差点にいた。
50代半ばの男性が、健康を理由にはじめたロードバイクにのめり込む。折しもコロナ禍、会社の業績不振という息苦しい状況が訪れるなか、会社では部下、自転車では師匠となる女性とともに新しい扉を開いてゆく。
2022年6月金城華が夫の一を刺殺。DVに耐えかねた妻が夫を殺した単純な事件として解決するはずだった。しかし、担当検事の冨永真一は不審を感じ、自ら捜査に乗り出す。ほぼ時を同じくして糸満市で自衛隊の戦闘機の墜落事故が発生。民間人が死亡したことで軍事基地が集中する沖縄では、抗議デモが巻き起こる…。かつてない臨場感で沖縄の姿を炙りだす、冨永検事シリーズ第三弾にして最高傑作!
ハイジの世界へようこそ!感動の名作の歴史的背景を探り、物語の名場面が新たな解釈でよみがえる。“特別収録”2019年スイス国立博物館『日本のハイジ展』座談会。
「お前たちを殺すことはできない。俺の分まで生きてくれ」との、夫の別れ際のひと言に、今日まで背中を押されて生きて来た。今でも、去っていく…あの後ろ姿が忘れられない。平成に入り、和子は84歳になった母信子を誘い、オホーツクへ旅に出る。そこで母は、堰を切ったように、満州の記憶を話しはじめる。信子が娘に語った戦争の記憶をもとに綴られる、明治から令和まで5つの時代を生きた、4世代110年にわたる女たちの物語。
ライトノベルが好きな普通の男子高校生・山岸巧は別のクラスの御崎秀一に本を拾って貰い、彼のスマートさに憧れを抱く。文武両道、なんでも出来て優等生の御崎だが、ヤクザの孫だとか、先輩を叩きのめしたなどの不穏な噂もあった。「山岸くんには、探偵助手の才能がある」ひょんなことから御崎の卓越した推理力を知った山岸は、彼の助手として学校や町で起こる事件の解決に挑むことに。「片方の個室だけいたずらされるトイレ」「犯人を見ても名乗り出ない目撃者」「酔って寮から転落死した先輩」「半グレの仲間割れ殺人事件」。小さな違和感を見逃さず、魔王・御崎は真相を導く!
鹿児島市の小学校に、爆破予告が入る。急行した爆発物処理班の駒沢と宇原が目にしたのは黒い箱。処理を無事終えたと安心した刹那、爆発が起き駒沢は大けがを負ってしまう。事態の収拾もつかぬまま、今度は、鹿児島市の繁華街のホテルで酸素カプセルにも爆弾を設置したとの連絡が入った。カプセルの中には睡眠中の官僚がいて、カバーを開ければ即爆発するという。さらにほぼ同時刻、全く同じ爆弾が沖縄の米軍基地にも仕掛けられていることが判明。事件のカギとなるのは量子力学!?「爆発物処理班の遭遇したスピン」。他に、日本推理作家協会賞短編部門の候補となった「くぎ」、「ジェリーウォーカー」「シヴィル・ライツ」「猿人マグラ」「スマイルヘッズ」「ボイルド・オクトパス」「九三式」を収録。
流浪の名探偵コルター・ショウは父の秘密を探っていた。大学教授だった父は、民間諜報企業ブラックブリッジが政界をもとりこんで進めている“都市部活用構想”なるプロジェクトを調査するうちに不可解な事故死を遂げた。父が遺した手がかりを追うコルターは、ブラックブリッジの秘密を追う者が次々に変死していること、そして父が探っていた陰謀の核心が百年前の公文書にあることを知った。陰謀家はそれを“エンドゲーム・サンクション”と呼ぶーいったいどんな文書が、多くの人命を奪うに足るというのか?陰謀の核心に迫るコルターを待つ幾重もの罠。強大な敵に単身たちむかうコルターに手をさしのべた意外な人物。『007白紙委任状』でみせた陰謀スリラーの手腕を発揮して、名手ディーヴァーが緊迫とアクションの果てに用意した「最後の大逆転」とは?コルター・ショウ・シリーズ、白熱の第一期完結編。