2022年7月発売
京都駅に降り立った女性の名は坂本龍子。彼女は高知県の県庁職員でありながら、政治の世界で数々の難問を解決し「交渉人」と呼ばれ、その名を馳せていた。ある日、龍子の元に京都府知事の桂大吾から、低迷した日本経済を救うため、経済の拠点や首都を東京から関西へ移したいという依頼が入った。この法外とも思える構想を実施すべく、京都・大阪・兵庫の三府県が手を組み、西の統一をはかるため、龍子に力を貸してほしいのだという。しかしその裏には京都が国の政治を司る拠点として返り咲き、そして遷都までをも実現するという思惑があったー。
嘉永六年(1853)江戸。好奇心たっぷりの銀次と絵師の歌川芳徳は、妖怪伝説やゴシップネタなどを追う、低俗なかわら版を売りさばいて人気を博していたが、浦賀に来た黒船を見に行き、勢いで乗り込んだことがきっかけで人生が変わる。江戸一番の物知りと評判が高い佐久間象山に師事し、勝麟太郎や坂本龍馬、吉田松陰、西郷吉之助など、様々な幕末の英雄と出会い、大地震や大火災、死の疫病をかわら版で報じるうちに、銀次は報道の使命に目覚め、弱き大衆のために立ち上がる。幕末の動乱の中で、真実(たまに嘘)を追い求めるかわら版屋を描いた、痛快時代小説!!
次の街を目指していた矢先に、巨大ジェムモンスターに襲われたケンたちは間一髪のところで、銀髪の偉丈夫ハスフェルに助けられた。どうやらシャムエル様の友達で戦いの神様らしく、旅に同行してケンを鍛えてくれることに。ありがたいと思いきや、いつのまにか危険地帯の「樹海」に向かうことになっていてーさらにもふもふ仲間も増え、弟子入り希望の小人族まで現れて、やっぱりどうしてこうなった!?ますます大所帯になって、にぎやかな旅の第二巻!
和食屋、モフモフペット、遺跡調査のご依頼も魔石屋アレキサンドライトに何でもおまかせ!!!晴れて自由の身となったルリを招き入れ、魔石屋の隣で和食屋の営業をはじめたアレク。そこに風変りな天才錬金術師テオフラスも転がり込み、便利でかわいい人工精霊“魔石霊”を誕生させる。さらにディアナと一緒に冒険者として訪れた遺跡ではダークエルフと出会うなど大忙し!!そして再び訪れた水晶湖の底で、アレク達は意外な人物と再会し、ついに魔石と魔石師の秘密が明らかになるー!!
「駄菓子屋」の能力を与えられて、異世界に転移した青年ヤハギ。ひとまず日銭を稼ぐために店を開くと、ガム、チョコ、スナックと何やら見覚えのある駄菓子が屋台に並ぶ。安くておいしいだけでなく、いろんな効果のついた駄菓子は冒険者にウケて、一気に常連客が増えていく。売れるとレベルが上がり、レトロなおもちゃやゲーム台まで並び始め、駄菓子屋ブームが起きる中、指名手配中のヤンデレ魔女にも知らないうちに気に入られてしまい…!?
行きつけのカレー屋に向かう途中、田中悠人は勇者召喚に巻き込まれる。同時に召喚されたメンバーが錚々たる「職業」を得る中、ユートは無能な「村人」の烙印を押されるが、転移先はかつてやりこんだMMORPGで、職業無限増殖バグが与えられる世界だった!ダークエルフ美少女と出会い、カレーへの情熱で意気投合する二人。開拓村で生産職を極めていくユートだったがー
舞台は300年前のナーヴ王国。強大な癒しの力を持つ、幼い最強聖女のお話。ナーヴ王国の王女、セラフィーナは生まれつき目が見えず、隠れるように森で暮らしていた。幼い精霊たちとともに、穏やかな日々を送っていた6歳のセラフィーナのもとに、一人の訪問者が現れる。「君がセラフィーナだな。シリウス・ユリシーズ、君の従兄だ」若き騎士団副総長、シリウスは王都への帰還を無理強いすることなく、セラフィーナに寄り添うように森で過ごすが、ある事件をきっかけに、彼女の能力が覚醒しー小さな聖女と最強騎士の、楽しくにぎやかな物語。
地味で小柄なメイドのニナは、ある日「主人が大切にしていた壺を割った」という冤罪により、お屋敷を放逐されてしまう。行き場を失ったニナは、お屋敷の中しか知らなかった生活から心機一転、初めての旅に出ることに。一方ニナが出ていった後のお屋敷では、次々と問題が発生し…。というのも、実はニナは一人でお屋敷のあらゆる仕事を対応していたのである。ニナは師匠による「メイドは目立ってはいけない」という言いつけを完璧に守るあまり、周囲にその仕事ぶりを知られていなかったのだ。初めてお屋敷以外の世界を知ったニナは、旅先で「不運な」少女たちと出会うことになる。異常な魔力量を誇るのに魔法が上手く扱えない、魔導士のエミリ。すばらしく頭がいいのになぜか実験が成功しない、発明家のアストリッド。食事が合わずにお腹を空かせて全然力が出ない、月狼族のティエン。彼女たちは、万能メイド、ニナとの出会いにより本来の才能が開花し…。超スペックの地味メイドさんがおくる、素敵な異世界紀行!
「フィリーとミルカは目を覚ましたか?」「見ての通り、眠ったままね。何をしても起きる気配はないわ」真祖との戦いで無事勝利を収めたラックたち。だが、王都での事件から数日後、フィリーとミルカが眠ったまま目覚めなくなってしまう。このままでは衰弱してしまう2人を救うため、ラックたちは眠りを司る神獣「獏」の情報を持つ地竜王太女・グランのもとへと向かう。「私が地竜の王太女、グラン・テレモトゥスでございます」グランたちの情報によれば、「獏」の名は“モルペウス”といい、本来他者を害する存在などではないばかりか、2人を何者かの攻撃から精神世界で守っているのではないかというが…!?果たしてフィリーとミルカを攻撃した者とは?そしてラックたちは無事2人を目覚めさせることができるのかー!!元・勇者パーティーの最強魔導士ラックが、愉快で強い仲間たちと、時にのんびり、時に無双して楽しい毎日を過ごす大人気ストーリー、緊迫の第7弾!!
王立治療院での騒動も終え、再び貧民街での日常に戻ってきたゼノス。治療院の存在によって貧民街の治安は改善されつつあったが、そのために地下ギルドとの均衡が崩れ始めてしまっていた。どこか不穏な気配が漂う中、ある日治療院に行き倒れていた女性が運ばれてくる。「リズ姉、か?」「まさか…あのゼノスちゃん?」その女性、リズとゼノスは同じ孤児院で過ごしていた知り合いだった。予期せぬ再会に二人は旧交を温めるのだがー「必ず支配してあげるわ、貧民街の支配者」リズの目的はゼノスの籠絡だった…!?貧民街に蠢く闇の存在に、裏で勃発する女の争い。治療院を取り巻く因縁はやがて収束し、かつての思い出の場所へと繋がっていきー「小説家になろう」発、大人気闇医者ファンタジー第3弾!
ある日、世界中の塔はダンジョンへと化し、その変貌の瞬間に内部にいた人々は行方不明となった。高校生の星野灯里は、消えた家族を探すため家出して上京。彼女が頼ったのは親友の兄、許斐士郎だった。士郎もまた、塔の迷宮化で妹と家族を失っていた。灯里を助けるため、そして自身の妹を探すため、士郎はダンジョンに挑むことを決意する。
ある日突然異世界に召喚され、不遇職『テイマー』になってしまった元ブラック企業の社畜・佐野ユージ。不遇職にもかかわらず、突然スライムを100匹以上もテイムし、さまざまな魔法を覚えて圧倒的スキルを身につけたユージは、森の精霊ドライアドや魔物の大発生した街を救い、神話級のドラゴンまで倒すことに成功。異世界最強の賢者に成り上がっていく。先回、レイスの求めに応じて『研究所』にスライムを潜入させたユージは、謎の組織が彼を街ごと葬り去ろうとしていることを知る。レイスによる尋問を通して謎の組織に迫ろうとしたユージは、研究員たちから唯一得られた『エトワスの魔法書』という手がかりについて調査すべく、その書が収められた禁書庫がある王都王立学園へ「入学」するがー!?進行諸島×風花風花が贈る超人気シリーズ、波乱必至の第11弾!!
仙楽国の太子・謝憐は、十七歳の若さで飛昇し天界の武神となった。しかし、自らの行動が原因で二度も天界を追放されてしまう。それから八百年後ー。三度目の飛昇を果たし天界に復帰したものの、今や謝憐の信徒は残っておらず、他の神官たちからもはみ出し者扱いされてしまうのだった。地道に信徒を獲得しようと下界で一人奮闘する謝憐は、ある日、三郎と名乗る美しい少年に出会う。行くあてがないと言われ共に過ごすようになり、慕ってくれる彼と仲を深める謝憐。だが、なぜか天界や鬼界に詳しい三郎には秘密があるようでー?
小説『毒花の住む家』の中の悪役令嬢リディアに転生してしまった主人公。しかし、転生したのは物語が始まる2年前。まだ間に合うと、小説の知識をフル活用して、護衛騎士のイクス、長男エリックと次男カイザとの関係を修復し、婚約者のルイード皇子の毒殺を回避。順調に処刑エンドを回避していたかに見えたある日、巫女として招かれたグリモールという街で突然誘拐されてしまう。しかも、誘拐の首謀者は小説本来のヒロインで同じ転生者のサラだった!
剣の里での修行を経て、毒の魔族を倒すほどの実力を手に入れたコハク。ブルムンド王国に戻る前にまったりしていると、かつての母国・ターコライズが自分を連れ戻すために刺客を放っていることを知る。しかもその刺客の一人は実の姉であり、ミスリルプレートのハンターでもあるアイニスだった。コハクをめぐり、ターコライズ王国とブルムンド王国…互いの最強のハンター同士の戦いが始まろうとしていた。
タクシー運転手のヨンデは、車内で中国語のテープを聴いている。数ヶ国語を話せた、死んだ妻ミョンファが吹き込んでくれたものだ。何をしても長続きせず、「家族の恥」と周囲に疎まれ、三十六歳で逃げるように上京した彼は、中国の地方から出稼ぎに来ていた親切なミョンファと出会い、貧しいながらも肩を寄せ合うように暮らしていた。だが、やがて彼女はがんを患って…(「かの地に夜、ここに歌」)。韓国社会の片隅で必死に生きる声なき人々を愛と共感を込めて描く、哀切な9篇。