2023年5月発売
辺境に生まれ、最強の冒険者に憧れる少年・ジェイド。12歳になりようやく冒険者に登録できるようになったジェイドは意気揚々とギルドに向かうけれど、そこで受付嬢の少女・ガーネットに一目惚れしてしまい…。「彼女と話すには…クエストをこなしまくるしかない!」少しでもガーネットと仲良くなるため、来る日も来る日も休まずに魔獣を倒し続け、気づけば10年!いつしかジェイドは「十つ花」と言われる世界最強ランクに到達し、国中の人々から英雄として慕われるように。しかしいまだガーネットとの仲はまったく進展しておらず!?「ジェイドさま万歳!無欲の英雄、万歳!」「僕はただガーネットさんに話しかけたいだけなのに…!」奥手すぎる最強の英雄×無口な受付嬢が送る、ほのぼの冒険ファンタジー!
外の世界に憧れつつも引きこもっていた前世。ハーフエルフに転生し、今世でもたくさんの本を読んだシェラスは、今度こそ絵本や小説に出てきたような素敵な世界を旅したい!と集落を出て念願の一人旅に出ることに。これまでに読んだ本の知識や長旅の経験を活かして魔法薬を作ったり、書架遺跡を巡って教会を説得したり、ドワーフとエルフの長年の確執を解消しちゃったり…時には十賢人のひとりとして崇められながらも、大好きな本を追い求めてのんびり楽しく暮らす日々。ある日、山賊に襲われていたエルフ・リーリラを助けたところとっても懐かれてしまったシェラス。リーリラの強烈な押しに負け、ふたりはそのまま一緒に旅をすることに…!?魔導書を探して屋敷に迷い込んだり、ゆっくり温泉に入ってみたり、徐々に仲を深めていくふたり。しかし、リーリラにはとある秘密があるようで…!?おてんばエルフの悠々自適な異世界旅、いざ開幕!
戦闘に向かないスキル“錬金術”しか授かれず、SSSランク魔境に追放されたソラ。最強のラスボスたちを従え魔境を脱出したソラは、極貧村の改革に乗り出すが、錬金術や魔法の力で大発展した村は今や王都をしのぐほどの人気都市に変貌する。そんな中、噂を聞きつけた魔術師の町が使者を送ってきたのをきっかけにソラと仲間たちは視察を兼ねて旅に出ることに。しかし思い付きで作った自動車に乗っていったせいで魔術師たちを大いに驚かせてしまい…。「なんだこの乗り物は!?乗っているのは…人魔を統べる王!?」魔法対決など魔術師の町を楽しんだ一行は、さらにネコ獣人が暮らす秘境に向かうことに。かつて剣神が作ったというその集落が失われかけているのを知り、ソラは彼らを救うためにひと肌脱ぐことを決意するが…。とんでも錬金術師、国づくりの次は異世界旅に!?頼もしい仲間と一緒にあらゆる場所を楽しみ尽くす!
国の英雄にして“S級冒険者”の称号を持つルーク・オットハイド。その絶大な力を危険視された彼は、仲間に寝首をかかれ命を落とした。そして場所は変わり、寂れた田舎村アーゼマ。この村にやって来た「ルーゴ」なる人物は、規格外の剣技と魔法を行使し周囲の魔物をあっさりと一掃。妖精王すら倒したことで、シルフと共生することとなった村は大きく賑わうことに。だがルーゴを欲し、ルークの仲間であった聖女リーシャが村を訪れることになり…?
総冒険者組合長ジャンと共に、王都からマルトへ帰還するレントたち。そのマルトでは、鉄級冒険者リナが一人で護衛依頼を受けていた。旅を無事に終えるため、リナは己の技術に加え、新たに得た“吸血鬼”の力を振るうと決心し…!?
異世界召喚されたものの、未開の地に追放されてしまったキダン。彼が農場として地道に開拓を続けていた土地は、ギフト“至高の担い手”と仲間達によって大きな発展を遂げた。魔王ゼダンの推し進める温泉事業を手伝って、キダンは魔国に温泉旅館をつくることに!農場に温泉を掘った時のようにレタスレートやホルコスフォンの力を借り、さらには旅館建築のためにオークたちを動員!そして、温泉旅館の風物詩である浴衣や卓球、温泉卵も用意!?一方、陰ではヴィールがこっそりと何かを仕掛けていてー?
不義の子として伯爵家に生まれたアメリアは、幼い頃より虐げられて育ってきた。いつしか、その貧相な見た目から社交界でつけられた名が“醜穢令嬢”。そんなアメリアが十七歳になったある日、縁談の話が舞い込む。相手は公爵家の当主であり、暴虐公爵と噂されているローガン・ヘルンベルク。家の汚点が消えるという理由でアメリアは嫁ぐことになり…!?公爵家を訪れたアメリアは、一方的に契約結婚であるということをローガンから告げられる。しかしアメリアはローガンと過ごしていくうちに、不器用ながらも優しい一面があることを知り、少しずつ信頼を寄せていくー。これは家族から愛されなかった少女が、誰よりも幸せになる物語。
理由などない。大好きなんだ。本当のことなのに、秘密だ。-わたしの秘めた思いは、いけないことだろうか。これは物語である。だが、かつてどれほどの若い男女が愛を求めそして秘めたまま…青春の只中に消えていったのだろうか。戦時を生きた筆者の綴る、十代の短い初恋物語。巻末資料「国民抗戦必携」収録!
家に戻ると、ジューとアンマが門で、しゃがんでいた。もみがらを置き、ウジクサを加え、その上にオキビ(木の燃えかけ)をのせて、くすぶらせていた。これで、冷たい海の上を、七日間歩いてきた父さんの足を温めるのだ。僕は、ジューとアンマと一緒に、火が消えないように、夜遅くまでオキビを、足し続けた。(第4章父さんと会って/「シバサシのお祭り」より)。
「緑の子どもたち」-植物が覆われたその家には、使う言葉の異なる4人の子どもたちがいる。言葉が通じず、わかりあえず、でも同じ家で生きざるをえない彼らに、ある事件が起きてー。「空へ昇る」-大地に突如として小さな穴が開き、そこから無数の土塊が天へ昇ってゆく“土塊昇天現象”。その現象をめぐる哲学者・物理学者・天文学者たちの戦いの記録と到達。ミステリ、児童文学、幻想ホラー、掌編小説etc.あらゆる世界への扉を開く、珠玉の作品集。
新たに導入された「バディシステム」にも次第に慣れてきたヒーローたち。そんな中、バーナビーが重傷を負い昏睡状態に!さらに世界各地で発生していた“ヒーロー狩り”の魔の手がシュテルンビルトにも迫る。果たして犯人の目的は一体…?
勤め先の倒産で、横浜市中区にある横浜ポートシティ不動産に勤めはじめた浜野マリ。勤め先の社長である横井正はいっぷう変わった人物だが、彼のもとにはさまざまな人々が訪れ、みな笑顔になって帰っていくのを、マリは不思議に思っていた。そんなある日、ポートシティ不動産にひとりの老婦人が訪れる。彼女は2か月前に急逝した地元の大地主、永田金蔵の妻・永田君子で、「資産家だった夫が急逝したことで相続争いが起こっている、どうか助けてほしい」と言う。マリと横井は、個性的な相続人たちに話を聞きながら金蔵の遺志に迫っていくが、しだいに永田家の人々の知られざる一面が明らかになっていくー。横浜の街を舞台に疾走する、新感覚のミステリ・エンターテインメント!
撮影中の事故により三たび映像化が頓挫した小説『夜果つるところ』と、その著者・飯合梓の謎を追う小説家の蕗谷梢は、関係者が一堂に会するクルーズ旅行に夫・雅春とともに参加した。船上では、映画監督の角替、映画プロデューサーの進藤、編集者の島崎、漫画家ユニット・真鍋姉妹など、『夜〜』にひとかたならぬ思いを持つ面々が、梢の取材に応えて語り出す。次々と現れる新事実と新解釈。旅の半ば、『夜〜』を読み返した梢は、ある違和感を覚えてー。
1920年代、ニューヨーク。投資家ベンジャミン・ラスクは、冷徹無慈悲な読みでニューヨーク金融界の頂点に登り詰める。一方、妻のヘレンは社交界で名声をほしいままにするが、やがて精神に支障をきたす。一世を風靡した夫妻の、巨万の富の代償とは一体何だったのかー。こうして1937年に発表され、ベストセラーとなった小説『絆』。しかし、ここに描かれた大富豪夫妻には、別の記録も存在していた。『絆』への反駁として大富豪が刊行しようとした自伝『わが人生』。『わが人生』を代筆した秘書の回想録『追憶の記』。そして、大富豪の妻の死後発見された日記『未来』。夫妻を全く異なる視点から描く四篇を読み進めるうち、浮かび上がる真実とは…。ブッカー賞候補になり、カーカス賞を受賞し、2023年にはピュリッツァー賞を受賞。ニューヨーカー、タイム、エスクァイア他、多くの媒体のベストブックに輝き、オバマ元大統領も絶賛した、現代アメリカ文学の最先端が贈る長篇小説。
人は絶対に死ぬ。生き方は選べても、死に方は選べない…のだろうか?介護に疲れて次々と男を買う女、妹の夫との際どい週末のひととき、両親・祖父母が遺した消えない禍根、忘れ得ぬ男との別離と心に刻まれた深い傷跡。そして、死にゆく男が示した奇妙な交換条件…。いくつもの人生が響き合い、絡み合う。そして物語は、衝撃のラストへ。人生と世界の営みの深淵を追い続ける作家が到達した、新たな極点。
1969年、ハリウッドー俳優リック・ダルトンは人生の岐路に立っていた。キャリアが下り坂の彼に大物エージェントがイタリア製作のウェスタン映画に出ないかという話を持ちかけてきたのだ。悩みを抱えながらTVドラマの撮影に出かけたリックが現場で出会ったのは…リックの長年の相棒、クリフは謎の多い男だった。妻を殺したが罪を逃れ、戦争中には大勢殺したと豪語する男。今日もリックの車でハリウッドを流していたクリフはヒッピー娘を拾い、彼女らがチャーリー・マンソンなる男と暮らす牧場へと向かう…女優シャロン・テートは気鋭の映画監督ポランスキーと結婚し、リックの隣に住みはじめたところだった。折しも自分の出演作『サイレンサー/破壊部隊』が劇場でかかっているのを目にした彼女は、うきうきとチケット売り場の女の子に声をかけ…アカデミー賞2部門受賞、ゴールデングローブ賞3部門受賞の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』をタランティーノ自ら小説化。映画にはない場面、映画にはない物語、映画とは異なる結末ーこれは単なるノベライズではない。同じ種子から生み出された堂々たる長編小説なのである。オフビートな小説を愛し、自身の映像言語としてきた巨匠がみせるグルーヴィな語りの才能に瞠目せよ!