2024年1月31日発売
感情がほとばしって言い過ぎた言葉、平気をよそおって言えなかった言葉。「もう黙って」「もっと喋って」と思わずにはいられない、もどかしくて愛おしい掌編18本。記憶の片隅にあった感情がじわっとあふれ出す短編恋愛小説集。
あの中絶作を書き継ぎ完結させる!そして物語は更なる仕掛けへ…。江戸川乱歩が昭和8年に鳴り物入りで連載開始した「悪霊」は、傑作となるはずだった。謎めいた犯罪記録の手紙を著者らしき人物が手に入れ、そこで語られるのは、美しき未亡人が異様な血痕をまとった遺体で発見された密室殺人、現場で見つかった不可解な記号、怪しげな人物ばかりの降霊会の集い、そして「又一人美しい人が死ぬ」という予告…。期待満載で幕を開けたこの作品はしかし、乱歩の「作者としての無力を告白」した宣言で途絶した。本書は、乱歩がぶちあげた謎を全て解き明かすと同時に、なぜ「悪霊」が未完になったかに迫る超弩級ミステリである。
「俺の番になってほしい」平民ながら学院で二位の学力を持つセイナのライバルは、その美貌で『人間』を魅了してしまう、人嫌いの獣人公爵子息ルディ・オーソン。最初はセイナにも不愛想だったけど、セイナが「貴方のことは絶対に好きにならない」と宣言したことで二人は良きライバルに。卒業間近、セイナはルディから卒業パーティーのドレスをプレゼントされる。しかし当日彼は現れず、二人はそのまま卒業することに…。そして一年後、ルディが瀕死だという知らせが!?心配したセイナは彼の屋敷を訪れるが、突然ルディに噛みつかれてしまう!それはセイナがルディの番だという証でー!?
男爵令嬢だったシェリア・クラセントは家が没落するやいなや婚約者に婚約破棄され、今は街の仕立て屋で一生懸命働く日々。だがある夜、街の酒場で元婚約者と遭遇!強引に誘ってくる元婚約者を、酔った勢いで思いっきりひっぱたいたシェリアは、異国の獣人騎士ラグノス・ユハートに醜態を晒してしまう。ラグノスはシェリアを丁寧に介抱して、次の日そのことを黙っている代わりにと仕立ての仕事を依頼してくる。やむを得ず引き受けたシェリアは、甘い瞳で送迎をしてくれるようになったラグノスを不思議に思いながらも依頼を進めていく。ある日、小さな生き物を見つけたシェリアは、それに「ルッカ」と名前をつけて可愛がるようになるが、同じころ、ラグノスの国・ヴェルタで聖獣を巡る陰謀がー!?2023eロマンスロイヤル大賞ピーチ賞受賞!
民族の誇り。差別との闘い。ユーカラに賭ける情熱。短い生涯を駆け抜けた一人の女性を描ききった、新たな代表作!絶滅の危機に瀕した口承文芸を詩情あふれる日本語に訳し、今も読み継がれる名著『アイヌ神謡集』。著者は19歳の女性だった。その功績に注目が集まる知里幸恵の鮮烈な人生。著者初の評伝小説。
湿原に浮かぶ檻、と密かに呼ばれていた全寮制の学園。ここでは特殊な事情を抱える生徒が、しばしば行方を晦ます。ヨハンの隠れた素顔、校長の悲しき回想、幼き日の理瀬、黎二と麗子の秘密、月夜に思いを馳せる聖、そして水野理瀬の現在。理瀬と理瀬を取り巻く人物たちによる、幻想的な世界へ誘う六編。
大学受験の朝、駅で射殺事件を目撃しながら通報を怠った麻紀。やがて親友の恋人として再び姿を現した犯人は職業的殺人者だった!一方、事件を追う刑事のことみは文科大臣秘書と交際するうちに大臣の特殊な嗜好と周囲の不審な事件を知り、単独捜査を開始するー。読者を打ちのめす衝撃の展開。赤川ミステリーの新たな名作誕生!
独伊のはざまでダム湖に沈んだ村。ファシズム、失われた母語、環境破壊…。母から娘へ、忘れてはいけない村の歴史。世界35ヵ国以上で翻訳。50万部超のベストセラー。ストレーガ賞最終候補/イーゾラ・デルバ賞/ドロミーティ・ユネスコ賞/ヴィアダーナ賞など受賞。
母もいつかは高齢となり、別れが来るものと幸子は思ってはいた。しかしその日が本当に来ると、心の奥底では思っていなかったことに気がついたのは、その時を迎えてからだった。そろそろ今後のことを考えねばならない。でも頭も身体もついていかない…。孤独と向き合う女性を描く長編小説。
彼女を愛することには、「死」の影が付きまとう。美しい彼女に出会った瞬間、人生は一変した。自分の幸福とは何か、全てを投げうってでも手に入れるべきなのか。それでもただ愛し合い、愛されることだけを求めた男女の奇妙で純粋な愛の物語。
川端康成の長編小説『古都』英文版。The Old Capital is of one of the three works for which Yasunari Kawabata won the Nobel Prize for Literature.Set in Kyoto-the old capital of Japan for a thousand years-this lyric novel traces the life of Chieko,the beloved adopted daughter of a kimono designer and his wife.Believing that she had ben kidnapped by the couple as a baby,Chieko learns one day that she was instead a foundling,left abandoned on a doorstep.Happy with her adopted parents,however,her security and contentment remain undisturbed until an answered prayer at the famous Yasaka Shrine dramatically alters the course of her life.
The story begins in 1701 when the noble Lord Asano attacks an official at court.His punishment is swift and harsh-the Emperor orders Lord Asano to commit ritual suicide(harikiri).His lands are confiscated,his family exiled,and his Samurai warrior brigade is disbanded-becoming Ronin or masterless,wandering renegades.While appearing to follow the Emperor’s instructions,the 47 Ronin plot in secret for many years,biding their time until the moment to strike is right.Like the story of the Knights of the Round Table,the Ronin’s deeds have become legendary examples of courage,cunning and loyalty in a land where the Samurai are true heroes and honor is something worth dying for.John Allyn’s vivid retelling,with a foreword by scholar, Stephen Turnbull,presents this Japanese epic in its full historical context.