2024年6月25日発売
長年敵国同士だった隣国に嫁いで来た王女・アリシア。 黒狼王と呼ばれ、恐れられる敵国の王との人質同然の婚姻に、手酷く扱われることも覚悟していたけれどーー国王のテオドールは超紳士! 噂とは違う彼の様子に戸惑いつつも迎えた初夜だったが……彼のアソコが大きすぎて入らない!! でも、両国の平和のために、なんとしても夜の生活を成功させなくてはならなくて? 初夜を成功させるべく奔走する子猫系天然ヒロインと、強面紳士な国王陛下の純情えっちなロイヤルラブ!
「朝目を覚ますと、自分が虫けらに変わっていた」--これって、もしかして私のこと? 主人公が「虫」になる小説の何がそんなにすごいのか? 2012年のテキスト刊行時は「自分を知るための鏡」として『変身』を紹介した著者だが、ポストコロナの現状を踏まえ、この作品は「個の孤立」だけでなく「家族の孤立」として読むことも可能だと説く。そこで書き下ろしの「ブックス特別章」では、ヤングケアラー、ビジネスケアラーの問題とからめた読み解きを試みる。カフカが遺したノートに「自分にあるのは人間的弱さだけ。だが、それは見方によっては巨大な力となる」という言葉がある。カフカ没後から100年、不安と孤独を抱える人が多い今、個の弱さを知ることで人と人とのつながりの大切さを考える「介護小説」として読み直す。 はじめにーーカフカを読むことは自分を知ること 第1章 しがらみから逃れたい 第2章 前に進む勇気が出ない 第3章 居場所がなくなるとき 第4章 弱さが教えてくれること ブックス特別章 ポスト・コロナの『変身』再読 はじめにーーカフカを読むことは自分を知ること 第1章 しがらみから逃れたい 第2章 前に進む勇気が出ない 第3章 居場所がなくなるとき 第4章 弱さが教えてくれること ブックス特別章 ポスト・コロナの『変身』再読
いつからだろう、海鳴りが聞こえなくなったのは。個人の物語は、生きた時代や社会の変化、地域性とどう関わってくるのか。夫と死別して六人の子持ちの男に嫁いだつね、戦後に生まれたその娘千津、父親の顔を知らずに育った同郷の誠司。高度成長期に至る、社会や地域の変化とそこに生きる人々の物語。
なさそうで、ありそうな「もう一つの世界」。明日への小さな希望を抱いたり、不条理な世の中に絶望したりー。無機質な箱船に暮らすスズキ青年の“平凡”な日常をコミカルに描いた、新感覚・連作短編小説。
百戦錬磨の“王女将軍”と呼ばれる王女・オデットは、その戦果に反し、妾の娘として蔑まれていた。ある日、大国の国王・ジョセフと合同演習をすることになり、なぜかそこで求婚されてしまう。寝耳に水の結婚話に徹底的に反発するも、彼に囚われ軟禁され…。しかし「虜囚」とは名ばかりで、待っていたのは甘い責め苦だった。彼はそれまでの好戦的な笑みを隠し、「そなたが欲しい」と色気を含んだ眼差しで迫ってきてー。第一回シェリーLoveノベルズ恋愛小説大賞「大賞」受賞作。
1997年、日本海の島から湘南へ。2006年、戦時下の生と謎に包まれた八丈島の海へ。2011年、思い出の地で遭遇する“悲劇”の三陸の海。大らかな海が秘めた青く小さい涙の粒…女たちの「悲しみの海」物語。附 青木磨崖梵字群ー実録・新宿ゴールデン街。新宿ゴールデン街で有名だった文壇バー「まえだ」のママ前田孝子さんと作家の中山あい子さん、脚本家の大野靖子さん三人の奇しき関係を描く。
ゴーレム放置で雑魚狩りをして楽々レベリング!? 代々人型ゴーレムの生成スキルを持つ名門貴族、シュタイン家の次男ラビ。 彼が学園入学時に開催されるスキル授与式で手にしたのは、神話の時代に魔王が使役したとされ忌み嫌われる、魔獣型ゴーレムにも似た、まるくてずんぐりした見るからに弱そうなゴーレム生成のハズレスキルだった。 ハズレスキルのせいで学園の貴族科から平民科へと転落したラビは、元貴族ということで平民科でぞんざいな扱いを受けてしまう。 しかし、自分が転生者であることを自覚すると、ハズレゴーレムの能力が現代ITスキルに通じるところがあることに気がつく。 早速ゴーレムを森に放置して一晩モブ狩りをさせると、起きたときにはなんと大幅にレベルアップしていた! ハズレゴーレムが成長し、スマホや3Dプリンターのようなスキルも使えるようになると、ラビは念願の貴族復帰も近いなと思うのだが、幼なじみの貴族ノエルと一緒にいたところ、貴族科と平民科の生徒のトラブルに巻き込まれてしまい──。
「平凡な人生を送りたい!」 巻き込まれ体質の転生者が歩む異世界ファンタジー! 「申し訳ございません……っ!! 手違いです!!」 異世界召喚に巻き込まれ死んでしまった男は半ば脅される形で、絶世の美少年・ハロルドとして望んでもいない異世界転生をしてしまう。 気持ちを切り替えたハロルドは「身の丈に合った生活を送る」をモットーに田舎の平民としてのんびり生きようとするが、ハロルドを気に入った女神から【女神フォルテの寵愛】【錬金術師】【異空間収納】【魔眼(鑑定)】など特別な力を押し付けられ!? さらに生まれ持った【緑の手】も特別なスキルの様でーー? スキルを持つハロルドは強制的に貴族たちが通う王都の学園に通うことになる。 友人たちと平和な学園生活を送りたいハロルドだったが、特別な力を持つが故に次々と事件に巻き込まれてしまいーー? 数十年ぶりに現れた妖精たちに懐かれたり、王家の積年の悩みを意図せず解決したりと、思いがけず目立ってしまうハロルドは身の丈に合った平凡で平和な生活を手に入れることができるのか!?
禁忌の一族と共に、“古の災い”を討て。 追放された太っちょな貴族の三男であるミトロフは、“食費”のために冒険者となった。 銀騎士との戦いを経てカヌレを正式にパーティーへと迎えたミトロフは、怪我の療養で時間を持て余し、街を散策していた。 その最中、帰郷していたはずのグラシエと不意の再会を果たす。 しかし喜びも束の間、なぜかグラシエに避けられてしまい……? ミトロフはグラシエとの関係に悩みつつ、過保護気味なカヌレに内緒で、怪我のリハビリも兼ねて一人で迷宮の浅層へと潜る。 そこで遭遇したのは、聖書で語られる幻想の存在ーー古の災いと称される“魔族”だった。 共闘するは、迷宮の住人の“長”を務める禁忌の一族の生き残りーーブラン・マンジェ。 秘策を携えたミトロフは、“貴族”の矜持を持って雷撃を操る魔族と相対するーー! 追放された“太っちょ”な貴族による“優雅”な迷宮攻略譚、第3幕!
武器は前世の記憶と未来の夢ーー 「シェリエル・ベリアルド、貴様との婚約は今日をもって破棄する」 シェリエルは婚約破棄され破滅する未来を夢で見る、ちょっと変わった赤ちゃん奴隷。 繰り返し夢を見ていたある時、前世が現代日本で生きたプログラマーだったことを思い出す! 二つの人生を知り年齢に見合わぬ知能を手に入れたシェリエルはその後、夢で見た通り『ベリアルド侯爵家』に引き取られることにーー。 ベリアルド家は類稀な才能をもつ一方、共感力や罪悪感が欠落しており「悪魔」と呼ばれる一族だった。 彼らはシェリエルに対しても興味がない様子だったが、破滅を回避するためには彼らとの関係改善が必要不可欠。 悩んだシェリエルは未来の夢と前世の記憶を駆使して、少しずつ彼らとの距離を縮めていく。 そうして家族になってきた頃、シェリエルは魔法を使うための洗礼をうけることに。 しかし、その洗礼でシェリエルの持つ異質性が明らかになりーー?
ラスボスフラグ再来!? 皇宮に渦巻く企みも婚約者と一緒に暴いてみせます! リアムのラスボスフラグを折ることに成功し、無事に婚約を済ませたグレイス。 彼女は皇族の妻としての教育を受けるため宮廷に通いながら、リアムとの甘い婚約者ライフを満喫していた。 そんなある日、第一皇女に怪しいもやがまとわりついている現場に遭遇する! それはリアムが闇堕ちしかけたときに見たものと酷似していてーー!? 咄嗟にもやから皇女を庇ったグレイスだったが、なぜかグレイスにはもやがきかないことが判明。 魔術の使えない体質が原因だと考え、もやも魔術による誰かの企みの可能性に気付く。 同時に小説内で起きた宮廷パーティーにて皇后と皇女が襲われた事件を思い出し、グレイスはリアムのラスボスフラグの再来を疑うように。 想定外の事態に不安を抱えながらも、リアムとの未来のために調査を始めるグレイス。 その際、リアムを巻き込まないために秘密で行動するのだが、グレイス第一なリアムには全てお見通しのようでーー?
王族に迫る一つの影! 鍵を握るのは友人の婚約者!? 「完璧すぎて可愛げがない」と隣国へ売られたフィリア。 新婚旅行から帰還し、フィリアが聖女の務めに励む一方、夫のオスヴァルトは隣国アレクトロンの王族を迎える準備に奔走していた。 その一環として騎士団の分隊が王都にやってくる。 同じ国を守る存在として挨拶をしたいと考えたフィリアは演習を見に行くことにするが、その準備をする中で分隊長エルムハルトがリーナの婚約者だと発覚! 驚きを抱えたままフィリアはエルムハルトに挨拶することに。 挨拶自体は問題なく終わるものの、リーナへ視線すら向けないエルムハルトに違和感を覚えるフィリア。 同時にエルムハルトを見送り寂しそうな笑顔を浮かべるリーナの姿から、何か事情があることを察し力になろうと決意する。 まずは情報収集だと考え、元騎士でリーナの同僚でもあるレオナルドに話を聞いてみる。 すると、十数年前のアレクトロン王族訪問で起きた事件が関係が浮かんできてーー?
ヴェスヴィオ山爆発で壊滅した古代ポンペイを舞台に才色兼備のギリシア人美女をめぐって青年貴族とエジプト人魔術師が対決する。魔術、占星術、魔女、媚薬、イシス女神を駆使し、人間の愛憎、キリスト教の黎明、殺人、剣闘士の死闘などを描く。発掘されたポンペイ遺跡の入念な調査に基づき、当時のローマ文化と風俗、ポンペイの退廃的な文化と生活を精緻かつ流麗に再現。優美な「悲劇詩人の家」や豪奢な「ディオメデスの別荘」での饗宴、公衆浴場での入浴、フォルトゥナ神殿や公共広場、円形闘技場の建築や剣闘士の闘技なども克明に描かれる。小説『ぺラム』で一世を風靡したブルワー゠リットンの織りなす波乱万丈の歴史小説。ヴィクトリア時代にゴシック小説を復活させたブルワー゠リットンは、本作でもゴシック手法を駆使して一大恐怖絵巻をくり広げる。ポーに影響を与え、探偵小説・スリラー小説・ファンタジー・SFの父と呼ばれたブルワー゠リットンのスリルとサスペンスにみちた不朽の名作が待望の完訳でここによみがえる。 本作品は数々の映画化により、世界的に有名な小説となった。だが、ヘンリー・ミラーが『ポンペイ最後の日』を「最も大きな影響を受けた一〇〇冊の本」の一冊に選んでいることからもわかるように、本作は単なる娯楽作品にとどまらず、人間の情熱、愛と死、信仰、人生哲学など、深甚な人間の諸問題をあつかう畢生の大作となっている。 上巻は全五部のうち第三部までを収録、
「フオーッ、ホイッ!」、北の大地にいのちの雄叫びが ──列島の古代史を書き換える、愛の物語 民族の誇りと自立のために、英雄的な戦いに立ち上がった、 女戦士カリパとその恋人マサリキンがつむぎだす、東北の大地を 舞台とした、エミシの物語、完結篇。 国家が形を整える以前、人として飼い慣らされる前、生と死の狭間で生きられた、喜びと断念の壮大な振幅の物語を結晶させる。「日本史」として、これまで紡がれてきた歴史の大きな盲点を、人間の匂いの籠もる語りとして……。 小説『ナツェラットの男』(2014年、第24回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞)でイエスの生きざまを語った、著者渾身の「北の古代史秘話」。 巻四 氷雪の檻 巻五 寒椿 巻六 白龍の舞い
「私は元々一人ぽっちだったのだ。」「私は私の姿を孤独、ひどく冷めたい切なさに見た。」「彼の魂は孤独だから、彼の魂は冷酷なのだ。」サチ子はただあるがままに在る、そして人と交わるが馴れあうことはない。魂の孤独を描き切った、坂口安吾の傑作短編を本作のみで「戦争と人間、孤独」集 その壱として書籍化。 初版には小林えみによる別紙「「白痴」より傑作な作品」を付録。 企画「戦争と人間、孤独」集 全3冊 こんにちは世界。 私たちはひとりで生まれてひとりで死ぬ。 ひとりは寂しい。 それでも私は孤独を肯定する。 一、坂口安吾『青鬼の褌を洗う女』 二、三木 清『人生論ノート』 三、小林えみ『孤独について』