2024年6月発売
ブルーモーメント、それは日の出前と日の入り後のほんのわずかな間だけ、その街全体が濃い青色に染まる時間のこと。そして、「ブルーモーメントを見られること」は、いつもとなんら変わらない朝を無事に迎えられるということ。ささやかだが何よりも大切なそんな幸せを守るべく、命がけで奔走する“SDM(特別災害対策本部)”の気象研究所の研究官・晴原らSDMチームの活躍を描く。山下智久主演の話題のフジテレビ系ドラマの小説版。
ミステリー界の最前線がわかる!日本推理作家協会公式年鑑。2023年に発表された短編ミステリーの中からプロの目利きが珠玉の6作を厳選。第77回日本推理作家協会賞短編部門受賞作、坂崎かおる「ベルを鳴らして」宮内悠介「ディオニソス計画」も収録!
ビーバーイーツ配達員として日銭を稼ぐ大学生の僕は、注文を受けて向かった怪しげなレストランで、オーナーシェフと出会う。彼は虚空のような暗い瞳で、「お願いがあるんだけど。報酬は1万円」と、嘘みたいな儲け話を提案し、あろうことか僕はそれに乗ってしまった。そして気づいた。どうやらこの店は「ある手法」で探偵業も担っているらしいと。空室に届き続ける置き配、火災現場に突入した謎の人物、なぜか指のない轢死体…。オーナーはどんな難問も華麗に解いてしまう。そして、配達員にこう伝えるのだ。-「もし口外したら、命はない」。
1619年、アルサは魔女裁判にかけられていた。 1942年、ヴァイオレットは、望まぬ妊娠と婚約に人生を奪われていた。 2019年、ケイトは恋人のDVから逃れ、大伯母の遺した屋敷に隠れていた。 身体を、運命を、自由を、取り戻せ。 「魔女」と呼ばれた一族の女たち。暴力と不条理からの解放を求めた彼女たちの戦い。時代の異なる三人の女性の視点で描かれた絆の物語。 英国で25万部超の鮮烈なデビュー長篇。 (原題 Weyward) 【著者略歴】 エミリア・ハート (Emilia Hart) オーストラリア、シドニー生まれ。ニュー・サウス・ウェールズ大学で英文学と法学を学んだのち、シドニーとロンドンで弁護士として働く。2023年に本作『ウェイワードの魔女たち』でデビュー。ニューヨーク・タイムズのベストセラーに入り、同年Goodreads Choice Awardsの最優秀デビュー小説賞と最優秀歴史小説賞をダブル受賞。 【訳者略歴】 府川由美恵 神奈川県出身。主な訳書にR.A.サルバトーレ「アイスウィンド・サーガ」シリーズ、C・ボグラー『作家の旅 ライターズ・ジャーニー 神話の法則で読み解く物語の構造』、C・マッキャリー『上海ファクター』、B・ハーパー『探偵コナン・ドイル』など。
すべてのエンタメファンに送る、ノンストップ・バラエティ系・軽ミステリ! バラエティプロデューサー・幸良涙花は、がけっぷち、である。 筋金入りのお笑いファンかつテレビっ子だが、不運体質(?)のせいか、失敗に失敗を重ね、会社からは「次がダメなら制作を外す」と告知されている。 進退をかけた「次」の番組は、その名も「ゴシップ人狼」。 出演者たちが持ち寄ったリアルゴシップについて語りながら、紛れ込んでいる嘘つきを推理する、というトーク番組で、季節ごとの改変期に放送される人気特番だ。 マンネリ化する番組のテコ入れに、これを「生」で放送しろ、と上司は言うが、コンプラ的にも、事務所対応的にも無茶な企画。奮闘する幸良が、本番前に出会ったのは…… 「大御所俳優・勇崎恭吾の死体」だった! 生放送まであと20分。幸良は特番を乗り切れるのか!? そして、この事件の犯人は? 現代バラエティを分析する目線の鋭さと、軽妙な会話の面白さ、そして”ゴシップ”の本質を衝く深度はピカイチ。一気読みできる超・エンタメ作品です! 1章:この番組には刺激の強い表現が含まれています。 2章:内容を一部変更してお送りします。 3章:個人の感想です。 4章:良い子は決して真似しないでください。 5章:気になる答えはCMのあと! 6章:ここでゲストから素敵なおしらせです! 7章:ご覧の犯人の提供でお送りしました。
放火事件で「わたらいワイナリー」の社長が死亡した。命を取り留めた高校生の息子は記憶を失い、日常生活にも不自由が残る。母親が献身的に寄り添い、恋人も記憶を取り戻すための援助を惜しまなかった。しかし、その恋人が室蘭地球岬で死体となって見つかってしまう。放火事件と殺人事件。舟見警部補は解決の見えない状況に、かつて名推理を披露した青年を思い出すー。
合作隆盛期の再来!昭和20年代の傑作を精選。長篇「桂井助教授探偵日記」初の全話収録。埋もれた名作を発掘、再編集。
学校からの帰り道で川に落ちたことをきっかけに、人間とは異なる見た目の“じゃない者”と、いわゆる人間“ひと”が共存する不思議な世界に迷い込んだ、中学1年生の冥。真っ黒な制服姿で突然現れた冥は「言い伝えにある、この国を滅ぼすカラスだ」と考えられ、この国の王族たちから命を狙われる身になってしまう。一緒に川に流されたはずの双子の弟・涅の行方を探すべく、冥はこの世界で出会った“じゃない者”たちや、奴隷の少年の助けを借りて世界を旅することになるが…。
アメリカ大統領の息子とイギリス王子が恋に落ちたら…。全世界にカミングアウト後、二人が始める静かな生活をヘンリー視点で振り返って描く新章を追加した特別編集版。
作家・瀬戸内寂聴が最晩年まで書き続けた珠玉作6篇。単行本初収録。「見るな」夫の教え子と恋に落ちた私が、椎林の中で遭ったのはー。97歳の胸中に蘇る、波乱の愛の記憶。「ぜんとるまん」「この女となら死ねる」。出版社の営業部員として実直に生きてきた男は、会議に遅刻した朝、不思議な女性と出会う。「燐寸抄」男がさしだした一本の煙草。私の運命がその夜から軌道を外していくことに、二人とも気づいていなかった。
ー出逢って八年。付き合って六年。同棲を始めて二年。もう僕らのあいだに、新鮮な出来事はほとんど残されていない。いつものスペインバルで年上の彼女にプロポーズした青年・雨宮守。長年連れ添った妻に離婚したいと告げられた中年・土方剛。世代も価値観も正反対だったふたりの人生は、社内のある疑惑をきっかけに、変化し始める。夫婦であること、家族であること、働くこと、生活すること、傷つけること、生きること。過去からも未来からも逃れることのできない世の中で、それでも光を求めて彷徨う者たちの物語。