2024年9月19日発売
あの瞳に射抜かれて、私は一億円盗んだ。感動の疾走エンタテインメント! 「ストラーダ、一緒に逃げよう」。共に駆けるだけで、目と目を合わせるだけで、私たちはわかり合える。造船所で働く事務員、瀬戸口優子は一頭の元競走馬と運命の出会いを果たす。情熱も金も、持てるすべてを「彼」に注ぎ込んだ優子が行きついた奈落とは? 言葉があふれる世界で、言葉のない愛を生きる。圧倒的長編小説!
笛が鳴っている。 名前を呼ばれている。 逃げないと、 化物がやって来る……。 公園で〈笛吹き鬼〉をして遊ぶ六人の少女たち。 だが、奇妙な笛の音が鳴った時、一人、また一人と姿を消してしまう。 数年後、事件の当事者で、ホラー作家となった背教聖衣子がこの事件を調べはじめると、眠っていた「笛吹き鬼」も蘇るーー。 禍々しい信仰が残る地で続く、奇っ怪な事件。
幼い頃から、ピンクもリボンも恋愛も好きではなかった。 だから私は、世界から逃げ出したーー。 「やさしい死に方」を教えてくれるという喫茶店に集まった三人。 「女」であることへの違和感を押し殺してきた沙保。 家の関係で、ゲイであることを誰にも言えなかったミナト。 そして、なぜここにいるのかわからないほど、全てから自由に生きる律。 奇妙な共同生活の中で、沙保はこれまでの「当たり前」から解き放たれてーー。
大人だって道に迷うことあるよーー。 離婚を機に実家へ戻ったシングルマザーの詩織は、両親や友人たちとゆるやかに繋がりながら、七歳になる息子・翔との日々を積み上げていく(『可及的に、すみやかに』)。引きこもりの息子・蒼汰を案ずる幸子は、些細なきっかけから万引きに溺れていく。罪を重ねていく幸子を待つものとは(「掌中」)。ままならぬ日々を、それでも進むひとたちへ。純文学界注目の書き手が母と子を描く中編二編。
22歳の初恋、永遠の2か月ー。高校も大学も中退したぼくは、カメラを手に都会の生き物を撮り歩いている。退屈な人と言われ続けた22年の人生は、少し生意気な明夜と出会い変わりはじめた。父親の不倫、姉の自殺未遂、そして「明夜には、もう係わらないでくれ」という男の出現。続発するトラブルに翻弄されながら真実に触れてゆく若者の2か月を鮮やかに描いた、純粋すぎるボーイミーツガール、群青色の秋。『ぼくと、ぼくらの夏』など、数々の傑作青春ミステリーを残し、惜しまれつつ亡くなった著者のリリカルな青春ストーリー、装いを新たに復刊。
豪華絢爛、大唐帝国を魔改造せよーーラッパー李白が、怪獣パンダが、キチン質の李世民が、空海が、三蔵法師が大暴れ! 日本と中国の8作家が織り成す、国境を越えた奇跡のアンソロジー 「本書の目玉はもう一つ。中国と日本のSF作家による競作にチャレンジしたことである。本格的な日中競作のSFアンソロジーが日本で出版されるのは今回が初めてと思われる。日本の作家に唐代SFが書けるのか。そんな心配は無用だ。(中略)この先には激動の歴史と数多の物語、そして現在と未来を燃料に、新しい世界に到達した珠玉の唐代SFが待っている。ぜひページをめくって、編者が自信を持ってお勧めする八作を堪能してほしい。」(「序」より) 【目次】 序 大恵和実 「西域神怪録異聞」灰都とおり 「腐草為蛍」円城塔 「大空の鷹ーー貞観航空隊の栄光」祝佳音(林久之 訳) 「長安ラッパー李白」李夏(大久保洋子 訳) 「破竹」梁清散(大恵和実 訳) 「仮名の児」十三不塔 「楽游原」羽南音(大恵和実 訳) 「シン・魚玄機」立原透耶 編者解説「八岐の園そぞろ歩き」 大恵和実
全米に広がった暴動の末、大統領が辞任を発表、さらに陸軍の英雄マッケンジー大佐の煽動により正規軍が反乱した! アメリカの分断がもたらすのは破局か、それとも。緊迫のシリーズ最終巻!
2045年、国際独立市テラ・アマソナスの指導者チェリー・イグナシオが、軍事企業〈グッドフェローズ〉の捕虜を銃殺する。この虐殺をレポートしようとした迫田城兵は事実確認プラットフォームにより配信を拒否されてしまう。果たして人類に何が起こっているのか?
高齢者を口減らしすべく介護施設をつぎつぎ襲撃する若者と、待ち受ける老婦人を描く表題作。4人の夫を看取ってきた女性と、"運命の相手"との再会を描く「岩のマットレス」。復讐譚、ゴシックホラー、社会批評など、バラエティに富んだ9篇を収めた傑作短篇集
1881年イギリス、エセックスのターングラス館で起こった毒殺事件。事件解明の鍵は、館に監禁された女性が持つ一冊の本にあるという。一方、1939年アメリカ、カリフォルニアでは推理作家が奇妙な死を遂げる。彼は、死ぬ間際に58年前の毒殺事件の物語を書いていた。
本を読み、人生を語る。 人が生のままの姿になり言葉が溢れだす。 そんな幸福な時間をぎゅっと閉じ込めたい、という願いが込められた物語です。 * 小樽の古民家カフェ「喫茶シトロン」には今日も老人たちが集まる。 月に一度の読書会〈坂の途中で本を読む会〉は今年で20年目を迎える。 最年長92歳、最年少78歳、平均年齢85歳の超高齢読書サークル。 それぞれに人の話を聞かないから予定は決まらないし、連絡は一度だけで伝わることもない。 持病の一つや二つは当たり前で、毎月集まれていることが奇跡的でもある。 なぜ老人たちは読書会を目指すのか。 読みが語りを生み、語りが人生を照らし出す。 幸福な時間が溢れだす、傑作読書会小説。 第一章 老人たちの読書会 第二章 いつかの手紙 第三章 ご返事ご無用 第四章 恋はいいぞ 第五章 冷麦の赤いの 第六章 一瞬、微かに 第七章 おぅい、おぅい
飛び込み自殺を図り、死亡したひとりの女性。 なぜか、母親を名乗る女性が二人現れて。 二人の母親が、娘の死の真相に迫る衝撃のミステリー! うだるような真夏日、ひとりの女性が駅のホームに飛び込んだ。そこに、なぜか母親を名乗る二人の女性が現れる。 性格も家庭環境も全く異なる二人の共通点はただひとつ。娘のことを何も知らない。 死んだのは自分の娘なのか。なぜ、死んだのか。違うなら自分の娘はどこにいるのか。二人の母親は、娘たちの軌跡を辿り始める。
●山陰中央新報(2024年10月12日付)書評掲載(評者:新藤正春[山陰中央新報報道部]) ●東京新聞・中日新聞(2024年10月20日付)書評掲載(評者:細谷正充[書評家]) ●小説すばる(2024年11月号)書評掲載(評者:大矢博子[書評家]) ●日本経済新聞夕刊(2024年10月24日付)書評掲載(評者:東えりか[書評家]) 全てを奪われても、志を奪うことは誰にもできない。 いつか必ず、次の一里を行く者がある。 「この者は、〈またうど〉の者なりーー」 徳川家重の言葉を生涯大切にし続けた老中・田沼意次。 彼は本当に、賄賂にまみれた悪徳政治家だったのか? 【またうど】愚直なまでに正直なまことの者 全てを奪われても、志を奪うことは誰にもできない。 いつか必ず、次の一里を行く者がある。 財源としての年貢が限界を迎え、江戸税制の改革者として商人にも課税。 身分の低い者も実力さえあれば抜擢し、交易に役立つ俵物のため蝦夷地開発を決定。 前例や格式にとらわれず、卓見と奮迅の働きで日の本を支えた田沼意次は、 なぜ突如老中を罷免され領地を失ったのかーー。
いつまで経っても基礎的な魔法しか使えないという理由でパーティの仲間に裏切られ、崖から突き落とされた少年ソータ。辛くも一命を取り留めた彼は、崖下で一匹の子犬と出会う。ところがこの子犬、人の言葉を話し、自らを「地獄の門番・ケルベロス」だと名乗る。半信半疑のソータだが、子犬に促されるままに契約完了。小さな相棒を「ケル」と名付ける。さてこのケル、可愛い見た目に反して超強い。しかもケルによると、ソータが使っているのは失われた『古代魔法』だという。自らの力を自覚し、それを操る術を得たソータは、自分を陥れたパーティメンバーとダンジョン攻略勝負をすることになり……
ハイスペックな完璧家族の末姫に転生した魔力なしの落ちこぼれ、アナスタシア。使用人にも出来損ないと馬鹿にされる日々の中、家族ともっと仲良くしたいと考えた彼女は、誕生日プレゼントを贈ったり、勇気を出して話しかけたりと努力を重ね続ける。そんなある日、アナスタシアを転生させた女神から「世界を救う、誰にも内緒の使命」の話をされる。アナスタシアは女神の頼みを引き受けるも、実は密かに末姫を溺愛している家族は、彼女が危険な目に遭うのを全力で防ごうとしてきてー!?超過保護なハイスペ家族の目をかいくぐり世界を救う、秘密だらけの愛されファンタジー開幕!
銀髪に青翡翠の瞳、人形のような愛らしい幼女の体で、ユリウス帝は目覚めた。数え切れぬほどの屍を積み上げ、冷酷皇帝として畏れられながら大陸の覇者となったユリウス。だが気が付けば、病弱な貴族令嬢に転生していたのだ。ユーリと名を変え外の世界に飛び出すと、なんとそこは自身が統治していた時代から数百年後の帝国であった。争いのない平和な日常がある一方、貧困や疫病、それらを利用する悪党共は絶えない。「臭いぞ。ゴミの臭いがプンプンする」皇帝の力と威厳をその身に宿す幼女が、帝国を汚す悪を打ち払うー!
ついにコミカライズ連載開始! 大人気異世界爆速成長系ファンタジー、待望の第4弾! 異世界に飛ばされたカズマ・ナカミチは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするチート能力を持っていた。おかげで、見知らぬ地での生活も苦労することなく楽しめている。カズマは、仲間のレノアとその部下たちとともに、クランベル州へ向かった。目的は二つ。王女アリアスの命を狙ったゼークル伯爵の捕縛と、レアなモンスターをテイムすることだった。ゼークル伯爵の捕縛は、カズマのチートもあり、さくっと終わる。その後のモンスターテイムも楽勝かと思いきや、なかなかレアなモンスターは見つからない上に、なりゆきで透明な敵集団と戦うことになりーー
【TVアニメ10月放送開始!】 最強最古の神竜の魂を持つ青年ドラン。彼はベルン男爵クリスティーナの補佐官として故郷の村の発展に邁進していた。ベルン村では、北方の暗黒の荒野を統一した一大勢力『ムンドゥス・カーヌス』--通称『魔王軍』への対策が進められていた。そんな中、ついに魔王軍からの使節団がベルンを訪れる。当然のごとく、戦ありきの魔王軍とアークレスト王国との交渉は決裂。ついに戦争の火蓋が切られる。数で劣るベルン領は、ドランが主導して配備したゴーレムなどを駆使し、大軍勢の魔王軍を迎え撃つーー!
ダンジョンでサービス残業をしていたら、世界中でバズってしまった青年、渡陽向。「影狼」という中二病全開の二つ名が定着してしまった彼は、開き直って探索系配信者として生きていくことを決意した。記念すべき最初の配信は、美少女達との探索デート!? 強すぎる陽向の存在を前にモンスター達が姿を隠し、危険な探索が平和なお散歩へと様変わりしたその時……幻のモンスター、フェンリルが姿を現す! どうやら、誘拐された子供達を探しているようでーー子フェンリルを助けるため、陽向は闇の密猟団に立ち向かう! 最強の探索者としてリスタートした青年の人生は、ますます波乱万丈!!