2024年発売
リア、大好きっ!! 義弟(5歳)がかわいいので、領地改革がんばります! 旦那様? 知りません 病床に伏せっている父親の断っての願いとあって、侯爵令嬢のエミリアは、カレン辺境伯の長男マティアスとの政略結婚を不本意ながら受け入れることにした。 それから二人の結婚式が行われることになったが、夫となるマティアスは国境防衛のため結婚式に出ることができず、エミリアはマティアスの代理人と結婚式を挙げ、夫の領地であるヴァンロージアに赴くことに。 望まぬ結婚とはいえ、エミリアは夫の留守を守る女主人、夫に代わって積極的に領地改革を進めたところ、予想外に改革が成功し、充実した日々を過ごしていた。 しかし、そんなある日、顔も知らない夫がとうとう帰還してきた……。 はたして、二人の関係は……?
この一冊には作者の現在がよく表れていて興味が尽きない。一途な恋に燃えた若き日の甘美な回想、七十五歳、初めて体験した入院生活から得た、自分を含めた様々な人間的発見、そして女学校の庭園に住みついた亀の物語。読者は語り手としての亀に驚くが、この亀こそは作者の思想の代弁者、もう一つの自画像に他ならないだろう。(文芸評論家 勝又 浩) 華やぎと哀しみと マイ レスト タイム オレの歳月 ─親愛なる人間たちへ あとがき 初出一覧
契約を切られた崖っぷちデザイナー × 毀誉褒貶激しい天才装丁家 最強パートナー爆誕⁈ ひょんなことから天才装丁家・桐生青の元で働くことになった駆け出しのブックデザイナー・赤池めぐみ。10代の頃からセンスあふれる装丁を手掛け、業界でも注目されていた青のことを、めぐみはずっと憧れていた。青の元で働ける、と張り切って出社しためぐみは、1日目から夢破れる。職場にはパソコンも机もない。与えられた仕事は電話番。編集者からの催促をうまく受け流す事だった。ほんとに自分はここでやっていけるのだろうか、と不安に思うめぐみは、やがて自分が雇われた本当の理由を知るのだが……。育ってきた環境も性格も異なる二人は果たしてうまくいくのか? デザイン事務所の先行きは? 『書店ガール』シリーズ著者が贈る 令和版お仕事バディ小説
春高バレーの予選まであと数日。主人公の宮下景が所属する明鹿高校男子バレー部は、6月のインターハイ予選で初めて県の準決勝まで進んだ。チームを引っ張るのは、同学年の2年生エースの置久遊晴。「いまのチームなら全国も目指せる」と、3年生3人が引退をせずにチームに残り、景、梅太郎、マリオらのレギュラーメンバーで、夏に敗れた全国常連の強豪校・稲村東と戦うことになるはずだった。 けれど……あの時、ネット越しに見えた相手の顔はよく覚えている。まずい、と思ったときにはすでに体勢が崩れ、足首から下が、ぐにゃりと曲がっていた。勝負の稲村東戦へ代わりに出場にすることになったのは、中学時代からのクラスメイト北村。実は大会後、北村が退部届を出すつもりでいたことを、景だけは知っている。だからこそ「勝手にしてくれ」と思ってしまった。そしてあの日から、何か歯車が狂いはじめる。 一方、怪我をする前夜、高校のフェンスを乗り越えようとしていた真島綾。それに驚いて自転車から転んだ景は足首を痛めていた。そのことに責任を感じているらしい真島に、景はバレー部のポスターを依頼し、連絡を取り合うようになる。圧倒的な画力で学園祭のポスターも手掛けた真島には、しょっちゅう高校を休みがちで、実は親友にしか明かしていない秘密があった。 景の側にいつもあったバレーボール、真島の側にいつもあった漫画。それぞれが楽しくて、ずっと続けてきたはずなのに、いつから苦しくなってしまったんだろう!? 自分の居場所が見つけられず、前に進めずにいるふたりの想いは交差しながらも、遂にクリスマス前夜に止まっていた時間が流れ出すーー。 序章 第1章 前夜 第2章 炭酸 第3章 深海 第4章 八秒
太陽系を巻きこんだ大戦争から数百年。宇宙への脱出を夢見て時間膨張爆弾の殻の買い手を探しているジャンク掘りの少年、それ自体がひとつの街のような移動隊商宿で旅をつづける少年、そして砂漠の巨大都市の片隅で古びた見慣れぬロボットと出会った女性。彼らの運命がひとつにより合わさるとき、かつて一夜にしてひとつの都市を滅ぼしたことのある戦闘ロボットが、長い眠りから目覚めて…。世界幻想文学大賞作家が贈る、どこか懐かしい未来の、ふしぎなSF物語。
■今号より『紙魚の手帖』がリニューアル! 人気イラストレーター・飯田研人による新カバー。鮮やかな色で彩られた、唯一無二の不思議な世界を描き下ろし。■錯綜する証言、圧巻の心理劇! 貫井徳郎、待望の新連載『不等辺五角形』。■伊吹亜門、今村昌弘、北山猛邦、白井智之が贈る、最新ミステリ短編。■サマンサ・ミルズ、2023年ヒューゴー賞受賞作「ラビット・テスト」掲載。■創立70周年記念企画、連載エッセイ「わたしと東京創元社」ほか。
緊急出版! 人工知能は罪を裁けるのか 東京地方裁判所の新人裁判官・高遠寺円は、日々の業務に忙殺されていた。公判、証人尋問、証拠や鑑定書の読み込み、判例等の抽出、判決文作成と徹夜が続く。 東京高裁総括判事の寺脇に呼び出された円は、ある任務を命じられる。中国から提供された「AI裁判官」を検証するというものだ。〈法神2〉と名付けられたその筐体に過去の裁判記録を入力する。果たして、〈法神〉が一瞬で作成した判決文は、裁判官が苦労して書き上げたものと遜色なく、判決もまた、全く同じものだった。業務の目覚ましい効率化は、全国の裁判官の福音となった。しかし円は〈法神〉の導入に懐疑的だった。周囲が絶賛すればするほどAI裁判官に対する警戒心が増す。 そんなある日、円は18歳少年が父親を刺殺した事件を担当することになる。年齢、犯行様態から判断の難しい裁判が予想された。裁判長の檜葉は、公判前に〈法神〉にシミュレートさせるという。データを入力し、出力された判決はーー「死刑」。ついに、その審理が始まる。 罪は、数値化できるのか。裁判官の英知と経験はデータ化できるのか。連載、即緊急出版! 目前に迫るあり得る未来に、人間としての倫理と本質を問う法廷ミステリー。 【編集担当からのおすすめ情報】 日々進化し続ける人工知能。AI裁判官が実務を行うようになったらーーという現実の半歩先を行く「IF」をどんでん返しの帝王が描きます。裁判官の倫理と英知、正義とはなにかを考えさせられる、今こそ読んでいただきたい傑作です。
「俺もずっと、会いたくて会いたくて仕方なかったーー。」 引っ越しで離れ離れになった大好きな翔と、再会の約束をしていたかのん。 けれど彼からの手紙はいつしか途切れ、 級友からも「翔はもう忘れてる」と聞かされる。 会いたい人に出会える、奇跡の電車ーー 噂の三号線を思い出し、ホームへと駆け出すかのん。 そこで翔とは二度と会ってはいけない“秘密”を知ってしまうーー。 「好き」と「さよなら」を届ける、号泣必至の連作短編。 一号線 大好きな人の好きな人 ・・・007 二号線 君に好きだと伝えたい ・・・081 三号線 もう一度ここからはじめよう ・・・141 四号線 君との未来を夢見てた ・・・195
国を滅ぼされ、王女であることを隠すためにメイドとなったマリ。しかし特技もなく、冴えない彼女はいつも怒られてばかり。そんなマリにある日、信じられない出来事が起きる。「最後に君のためにお祈りをしてあげよう、君の願いはなんだい?」「万能な人になりたいです」死の淵に立つ囚人を懸命に看病していたマリに訪れた奇跡。それはー完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!夢を通して、夢の中の人物の能力を得ることができるようになっていたのだ!!万能の力を手に入れたメイド、マリの物語がここに始まる!
21世紀前夜にアメリカで大ヒットしたゲーム「ヴィハーラ」。 新作が出るたびに人々を熱狂させ、夢中にさせた国民的ゲームの裏側にいたのは、一人の孤独な男、ジョン・アイヴァネンコ。 友人は少なく、幼い頃からプログラミングと音楽に親しみ、たった五年生のときに「ヴィハーラ1」をつくりあげた。 その彼がアメリカンドリームを掴むまでに一体何があったのか、そしてそれでも拭い去れなかった孤独の影にあったものとは。 やがて「国歌」とまで謳われるほど膨れ上がった「ヴィハーラ」音楽の作曲者。 その生涯を描いた一遍をはじめ、13篇を収録。 宮内悠介のつくりあげる世界は、美しいだけでなく温かい。 笑いと涙、驚きに満ちた短編集。 ジャンク 料理魔事件 PS41 パニック -- 一九六五年のSNS 国歌を作った男 死と割り算 国境の子 南極に咲く花へ 夢・を・殺す 三つの月 囲いを越えろ 最後の役 十九路の地図
『レーエンデ国物語』の著者の原点 あなたが、無事に帰ってきますように。 イオディーン山の麓、岩石砂漠にある町・「青い石」。この地では、稀に生まれる白髪碧眼の者を『天使還り』と呼び、忌み嫌う習慣があった。容姿のせいで嫌われ、逃げるように町を出た少年・アンガス。7年の時を経て、病に蝕まれた母を救うため、彼は捨てたはずの故郷へと向かう。それは、呪われた文字を回収するため、そして、病床の母を救うためだった。一方、バニストンでアンガスの帰りを待つ少女・セラは、彼の過去を知りーー。 4巻連続刊行! 天使の災い vs. 歌姫の祈り 大切な人を想うあなたのためのファンタジー
犯人は誰? 探偵こそ誰? 時は明治、那珂川二坊は文学で名をなさんとす。尾崎紅葉に師事すれど執筆がかなうのは小説どころか三文記事ばかり。この日も簡易食堂に足を運び、ネタを探して与太話に耳を傾けた。 どうやら昨晩、かの徳川公爵邸に盗人が入ったらしい。蓋を開ければ徳川公にも家人にもこれと云った被害はなく、盗人は逃走途中に塀から落ちて死んだという不思議な顛末。酔客らは推論を重ねるが、「そりゃ違いますやろ」という声の主、福田房次郎が語り始めたのは、あっと驚く”真相”だった(「長くなだらかな坂」)。 京都・奈良をつなぐ法螺吹峠、ナチス勃興前夜のポツダム、魔都・上海ほか、那珂川の赴く地に事件あり、妖人あり! “歴史・時代ミステリの星”伊吹亜門が放つ全5話の連作短編集ーー 絢爛たる謎解き秘話を通して、 〈あの人〉たちの妖人ぶりにあらためて瞠目した ーー有栖川有栖(作家) 著者の本領発揮作と呼ぶに相応しい完成度 ーー千街晶之(ミステリ評論家) 【編集担当からのおすすめ情報】 伊吹亜門氏といえば、『刀と傘』にて第19回本格ミステリ大賞を受賞した、歴史・時代ミステリのトップランナーです。そんな伊吹氏にしても、本作は、明治、大正、昭和ともっとも広い時代を扱う意欲作です。謎解きにも、革新的な仕掛けを施してますが、それはご覧になってからのお楽しみに! === 本書は、アクセシビリティに配慮した本です。視覚障害・肢体不自由などの理由で必要とされる方に、本書のテキストデータを提供いたします。 本書巻末よりお申し込みください。 === 第一話 長くなだらかな坂 第二話 法螺吹峠の殺人 第三話 攻撃! 幕間 第四話 春帆飯店事件 第五話 列外へ
「源氏物語」に隠された、或る夜の出来事。歴史揺さぶる王朝ミステリ誕生! 藤原道長の栄華を転覆させようと都を暗躍する盗賊たち。道長邸で働く女房・小紅は、盗賊の首魁が死んだはずの兄との噂を知り探索を始める。その過程で権力を巡る暗闘とそれに翻弄される者たちの恨みを知った小紅は、やがて王朝を脅かす秘密へと辿り着きーー紫式部、和泉式部も巻き込んで咲き誇る平安ロマン、艶やかに開幕。
夜は溟くて重く、救いはわずかしかなかった。市井ものの正統にして新潮流。「どいつもこいつも、こけにしやがって」「難儀だね、身内って奴から逃れられないものさ」、追い詰められ女と男は危うい橋を渡ろうとする。「あの場所の生まれでなければ」と呪い、「死んどくれよ」と言葉の礫をぶつけながら、その願いが叶いそうになると惑う。ここに江戸八景の本物がある。「傑作」と呼ぶしかない短篇集。