小説むすび | 2024年発売

2024年発売

泣いたって変わることは何もないだろうけれど泣いたって変わることは何もないだろうけれど

出版社

クオン

発売日

2024年6月20日 発売

ジャンル

消えゆくものたちの言葉を受け取って 誰もが抱える胸のうちや心象風景を やさしく繊細なことばで描き、 読者の圧倒的共感を得る詩人、パク・ジュン。 旅と生活の中からつむがれた 哀悼と悲しみ、愛情と慰めに満ちた散文と詩。 はじめに 陰 一部 あの年 仁川/あの年 慶州/ふたつの顔/生きつづける言葉/夜明けにかかってきた電話ー詩人 李文宰/待つこと、記憶すること/手紙/あの年 麗水/朝ごはん/季節の変わり目/雨/あの年 挟才/白く、か細いひかり/碧蹄行/涙と息づかい/夢見の部屋/体と病/ふたたび今は/孤独と寂しさ/旅と生活 二部 自分を好きになるとき/あの年 画岩/あの年 墨湖/昼 間の酒/心の廃墟/記憶の野原/海南から届いた手紙/泣くこと/屋上へと上がる階段/小説家 キム先生/あの年 恵化洞/音/関係/返信/愛の時代 三部 春を迎えに/小さなこと 大きなこと/ふたたび去りゆく花/あの年 幸信/ふさわしい季節/日常の空間、旅の時間/広場のひととき/劇薬と劇毒/初恋/傘と雨/寺/趣向の誕生/あの年 三陟 四部 仕事と貧しさ/不親切な労働/大人になるということ/孤児/ 酢醬油/もう泣かないで、父さん/手を振りながら/祝! パク・ジュホン 一歳/中央医院/スンデと革命/死と遺書/僕の心の年齢/時 おわりに あの年 蓮花里 訳者あとがき 訳注

スウープ!スウープ!

ドイツ、ロシア、中国など、九か国の軍隊がイギリスに襲来(スウープ)! 同日同時刻に諸外国から侵攻されて、足の踏み場もなくなった絶体絶命のイギリス。 祖国の命運を賭けて、ボーイスカウトの若き総長・クラレンスが反撃を挑むーー 〈ジーヴス〉シリーズのウッドハウスが戦争と世相を笑い飛ばす、幻の快作。本邦初訳! 【ストーリー】 ドイツ、ロシア、中国など、九か国の軍隊がイギリスに襲来! 偶然にも、同日同時刻に(・・・前段参照!)そうしたなか、ボーイスカウトの若き総長・クラレンスは仲間とともに祖国を救うべく奔走する。 徒党を組んでイギリス包囲網を作る各国の将官を、偽情報を用いたり、劇場で騒ぎを起こさせるなどして、彼らを仲たがいさせ、軍隊を同士討ちさせる。 そうしてまんまと侵略者たちをイギリスから追い出そうとするーー 戦争小説の一種なのに「人が死なない」という点でも本作は異色。 戦争が起きて、爆弾が落ちても街では誰も死なず(なぜならみな、夏のバカンスに出かけていたから!)、侵略軍の将軍に人気が集まる(なぜなら彼らはミュージック・ホールの舞台に立ち、拍手喝采を集める人気芸人になったから!)。 世界観も設定も、いつもの「ウッドハウス・ワールド」。ウッドハウス作品を読み慣れた読者には、安心安全桃源郷として楽しめる、今こそ読みたい戦争コメディ小説。 【目次】 まえがき   第一部 侵略 第一章 イギリス男児の家   第二章 侵入者   第三章 イギリスの危機   第四章 イギリスの考え   第五章 ドイツ軍、ロンドンに到着   第六章 ロンドンへの砲撃   第七章 侵攻軍の会議   第二部 救世主 第一章 ボーイスカウトのキャンプにて   第二章 重要な取り決め   第三章 この状況の全体像   第四章 重要な知らせ   第五章 不和の種   第六章 砲弾   第七章 声   第八章 スコッチ・バーでの会談   第九章 大決戦   第十章 イギリスの勝利   第十一章 クラレンス 最後の局面   付録 次の侵略   アメリカへの軍事侵攻   第一部 驚くべき侵攻    第二部 失敗した侵攻   訳註   訳者あとがき   まえがき   第一部 侵略 第一章 イギリス男児の家   第二章 侵入者   第三章 イギリスの危機   第四章 イギリスの考え   第五章 ドイツ軍、ロンドンに到着   第六章 ロンドンへの砲撃   第七章 侵攻軍の会議   第二部 救世主 第一章 ボーイスカウトのキャンプにて   第二章 重要な取り決め   第三章 この状況の全体像   第四章 重要な知らせ   第五章 不和の種   第六章 砲弾   第七章 声   第八章 スコッチ・バーでの会談   第九章 大決戦   第十章 イギリスの勝利   第十一章 クラレンス 最後の局面   付録 次の侵略   アメリカへの軍事侵攻   第一部 驚くべき侵攻    第二部 失敗した侵攻   訳註   訳者あとがき

百年の偽善百年の偽善

著者

荒泰人

出版社

現代書館

発売日

2024年6月21日 発売

緻密に作られた作品だからこそ、緻密に読めば読み解ける。 夏目漱石(1867-1916年)の後期三部作のひとつとして名高い『こころ』(1914年刊。あとの二作は『彼岸過迄』『行人』)は、まさにそうした作品であることを解き明かしていく一冊。 通常、『こころ』は、「人間の葛藤とエゴイズム」を描いた名作、あるいは明治天皇の崩御と乃木大将の「殉死」と呼応する作品として文学史に登場するが、著者はその双方に疑問を突きつける。 著者は、漱石自らが著した『文学論』に立脚しつつ、作中で使われた言葉の表現や会話のやりとりに注目する。すると、〈実際に場面として展開していること〉と、それが〈作品全体としてなんのために行われているのか〉に意図的なズレがあることがわかってくる。そしてそれを手がかりに「作品の真」へと迫っていく。 「葛藤している人物/エゴイズムに苦しむ人物」ように見える「先生」は、ほんとうにそのような人物なのか。ある意味「残酷」な読み解きによって、「先生」が何を隠していたのか、先生の死(「殉死」とされる死)とはなんだったのか、これまでにない解釈を提示する。 文学史上不朽の名作とされる『こころ』が、一般の読者にとってもなぜ名作たりえるのか、漱石の小説創作の巧みさとともに明白にしていくスリリングな一冊でもある。 はじめに 序章 「漱石コード」について 第一章 静の特色 婚約は「極まりが悪い」 第二章 「私」の恋と直覚 第三章 先生の嘘 偽善こそ罪 第四章 Kの復讐を証言しないM、反解による誤読 第五章 殉死は無論笑談 第六章 泥棒団と金之助 第七章 文学の大目的と戦争の評価

その猫の名前は長いその猫の名前は長い

「何がしきりにわたしたちを臆病者にさせるのだろう。わたしたちを絶えず孤立させ、ああはなりたくないと人に思わせ、軽蔑されやすい顔に変貌させ、何かを証明しなければと常にみずからを追い立てる。この病の名は何だろう。」(本文より) 子育てと家事の合間を縫って育んだ中年女性の友情に入る亀裂を描く「今日やること」、妻の外見を愛し内面を見ない夫の視点で描く「夏風邪」、女の惨めな学生時代を美化して記憶し同級生の男が映画を撮る「水の中を歩く」、冴えない女性社員が先輩社員に抱く淡い恋心を描く「その猫の名前は長い」など、生活のリアリティが滲み出る繊細な物語9作品。 主婦をしながら英米文学の翻訳家となり、アドリエンヌ・リッチやエリザベス・ビショップらに影響を受け小説を書いた著者の初邦訳。牧野美加の美しい翻訳文、大阿久佳乃による英米文学作品と本書の関わりを解き明かす大充実の解説(20P)付。 海が隔てる隣同士の国に暮らすあなたはわたしじゃない、でも、あなたはわたしでもある。社会の常識や家父長制に押しつぶされる痛み、その中でだれかと視線を交わし手を取りあうことの心強さとありがたさ。確かな細部と繊細な記憶を積み重ね描かれる本書は、正気を保つのが難しい世界に生きるわたしたちのための1冊だと思う。 小山田浩子(小説家) 「わたしたち」は単純ではない。それどころか、差異を抑圧する危険性もはらむ。「わたしたち」にならなくては「あいだの差異」をなくすことはできないが、「内なる差異」を抑圧しないため、「内なる差異」を意識的に見つめることを怠ってはならない。リッチも、ビショップも、イ・ジュヘも私もそれぞれの「位置」をもつ。差異を探るため、そしてその上でなぜ「わたしたち」を「わたしたち」と呼べるのか、呼ばなければならないかを見極めるため、彼女たちを読まなくてはならず、知識以上のものに面と向かわなくてはならない。 大阿久佳乃(解説より) 「今日やること」 「誰もいない家」 「夏風邪」 「わたしたちが坡州に行くといつも天気が悪い」 「その猫の名前は長い」 「水の中を歩く人たち」 「花を描いておくれ」 「春のワルツ」 「その時計は夜のあいだに一度ウインクする」 作家のことば 訳者あとがき 解説「わたしたち」になることに関する覚え書き(大阿久佳乃)

Radio Silence レディオ・サイレンスRadio Silence レディオ・サイレンス

NYタイムズ・ベストセラー作家 アリス・オズマンが描く アイデンティティ、多様性、選択の自由をテーマにした傑作、待望の邦訳! フランシス・ジャンヴィエは、学年トップの成績で生徒会長を務める優等生。ケンブリッジ大学に入学するために人生の大部分を費やしてきた。クラスメイトにはガリ勉で退屈な子だと思われているけれど、自分でもそのとおりだと思っている。フランシスには勉強以外で心から楽しめることがひとつだけある。〈ユニバースシティ〉というポッドキャストのドラマを聴くことと、そのファンアートを描くことだ。 アレッド・ラストは、男子校に通う物静かな秀才でイギリス国内でトップクラスの名門大学への進学が決まっている。彼が〈ユニバースシティ〉のクリエイター、レディオ・サイレンスであることは誰にも気づかれていない。 偶然にもフランシスとアレッドは共に人に知られたくない秘密〈ユニバースシティ〉でつながった。友情を深めていく二人だったが、ある出来事がきっかけでその関係が歪みはじめる。そしてフランシスとアレッドには、それぞれに向き合わなければならないことがあったーー

NHK「100分de名著」ブックス カフカ 変身NHK「100分de名著」ブックス カフカ 変身

著者

川島隆

出版社

NHK出版

発売日

2024年6月25日 発売

ジャンル

「朝目を覚ますと、自分が虫けらに変わっていた」--これって、もしかして私のこと? 主人公が「虫」になる小説の何がそんなにすごいのか? 2012年のテキスト刊行時は「自分を知るための鏡」として『変身』を紹介した著者だが、ポストコロナの現状を踏まえ、この作品は「個の孤立」だけでなく「家族の孤立」として読むことも可能だと説く。そこで書き下ろしの「ブックス特別章」では、ヤングケアラー、ビジネスケアラーの問題とからめた読み解きを試みる。カフカが遺したノートに「自分にあるのは人間的弱さだけ。だが、それは見方によっては巨大な力となる」という言葉がある。カフカ没後から100年、不安と孤独を抱える人が多い今、個の弱さを知ることで人と人とのつながりの大切さを考える「介護小説」として読み直す。 はじめにーーカフカを読むことは自分を知ること 第1章 しがらみから逃れたい 第2章 前に進む勇気が出ない 第3章 居場所がなくなるとき 第4章 弱さが教えてくれること ブックス特別章 ポスト・コロナの『変身』再読 はじめにーーカフカを読むことは自分を知ること 第1章 しがらみから逃れたい 第2章 前に進む勇気が出ない 第3章 居場所がなくなるとき 第4章 弱さが教えてくれること ブックス特別章 ポスト・コロナの『変身』再読

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