2025年4月発売
幕末から昭和にかけて、未知の北海道で生きた5人の男女。初代開拓判官・島義勇を筆頭に、新渡戸稲造らと札幌農学校で学んだ内村鑑三、アイヌ民族の有力者の娘に生まれ、のちにアイヌの同胞を鼓舞する歌集を出版したバチラー八重子、流行作家と農場経営との二足の草鞋の果てに自ら農地を解放した有島武郎、蛇行する暴れ川・石狩川の治水に取り組んだ岡崎文吉。それぞれの熱き開拓の物語に迫る、大型エンターテインメント!
瀬尾関四郎が道場主をつとめる「上野炮烙流瀬尾道場」では、面の上に素焼きの炮烙を結わえつけて試合を行う。道場主と立ち合って炮烙を先に割った方を勝者として勝負するのである。 そんな瀬尾道場に、ある日片平瑞穂という若い女性があらわれる。深い事情を抱え、瀬尾道場に入門した瑞穂。師弟として日々を送るうちに、惹かれ合う二人。しかしある事件を発端に、二人に過酷な試練が襲いかかる。周防凛太郎の時代小説シリーズ第三弾!
異世界での五年の冒険の果てに役割を終えた勇者、老日勇。ついに地球に帰還した勇だったが、帰ってきた日本は三十年も経っていた上に普通に魔術が使われる世界へと変貌を遂げていた。 目立たず生活する方法を模索する勇は異世界帰りの勇者という素性を隠していたが、なぜか周りには次々と勇に興味を持つ者が現れてしまう。 さらにこの世界では、悪魔の復活を願う者もいるようでーーー?
幽霊の対話は異なる時空を行き来しながら、この物語は進んでいく。死者たちの語らいに私たちは何を見るのかーー民族の核心にある文化を直視し植民統治下に命を落としていった霊魂を救済する、台湾原住民文学の秀作。 『タイヤル・バライ 本当の人』では、多くの歴史事件によって、この世界で起こった様々な変化を暗喩しています。作品は、オットフ(幽霊)の眼を通して、タイヤル族が現実世界で味わった怪異現象や荒唐無稽な出来事について語っています。植民統治下で起こったタイヤル族の世代間の認識の変化をたどり、タイヤル族がどのようにして自分たちの心の核心である文化を直視したかを振りかえることで、不公平な扱いの中で命を落としていった霊魂が安らぎを得られ、タイヤル族は真摯に自分に向き合えるのです。台湾原住民族を理解するための一冊として、日本の皆さまにこの『タイヤル・バライ 本当の人』を読んでいただきたいと思います。(トマス・ハヤン「日本の読者の皆さまへ」より) 日本の読者の皆さまへ トマス・ハヤン(李永松) 【台湾原住民文学 一 六族分布図】 【作品舞台地図】 凡例 主な登場人物 一部 猟人ワタン 二部 飛行士ワタン 【作品の理解のために】死者のまなざし 孫大川(パァラバン・ダナパン) 【解説】「百年の孤独」── タイヤル族大嵙崁溪の哀愁 下村作次郎
立原道造の詩「夢みたものは」から名付けられた総合誌の第8号。 「春」の特集号です。 幅広く活躍中の作家24人による詩、短歌、ショートショート、短編小説、写真、書、絵画……90頁。 前半はフリーテーマによる作品、後半に特集「春」の作品が並びます。 作家たちが描くそれぞれの春への思い…あなたの春の風景と重ね、お楽しみいただけたら幸いです。 目次より…「生まれきた生命」「ありがとう」「朝闇」「雑草」「心誓文 -挿頭草の章ー」「君の忘れ物探し」「宴の夜」「ミミとハナとナミ」「隣の石垣りん」「上村下村」「春はからっぽ」「草木萌動」「再会」「春風」「来春」「三月一日」「呼応」「忘れかけた春」「ミルクティー」「春の約束」「新しい一歩」「早花咲月」「はじまる」「明日葉の歌」「桜の似合う君」「草青期」「遠い呼び声」「さくらさくの」「櫻蕾」「幸せの瞬き」「桜」「いとおしい香り」「花手箱」 「ヒアシンスハウスの窓から」第三回は水無川渉氏の『詩集 紅の記憶』を紹介します。 私の「春」の一冊、本の紹介コーナーもお楽しみに。 本誌の夢のかけらが皆様の心に春の光のように降り注ぎ、日々の生活が健やかに、読書や創作の広がりに繋がりますよう願っています。
軍神と崇められる楠木正成を父に持つ正行は、戦なき世を求めて、北朝に降る決意を固める。それは、楠木家こそ挽回の鍵だと頼みにしている南朝を滅亡に向かわせることに他ならないのだが……。朝日新聞の大人気連載、待望の単行本化!
楠木正行は、南朝に与する楠木党の強さを誇示することで北朝の厭戦気分を高めたところで、和議を進める策をとる。正行の指揮のもと、北朝に降ることを前提とした戦に勝ち続け、和議への道が目前に迫る中、事態は思わぬ方向に傾きはじめ……。
高校の漫画研究会のたった二人の部員である葵と由利。デビューを夢見る二人だが、歌舞伎町のビルから女子高生が転落した事件をきっかけに人生の歯車が軋み始める。『殺した夫が帰ってきました』の著者が贈る、騙されること必至の青春ミステリー。
「上級国民」の闇を暴け! 愛車はポルシェ・カイエン、自宅は六本木の高級マンション。 セレブ出身、セレブ担当刑事が追うのは、セレブリティが吐いた嘘。 主人公・二階堂悠真の肩書は、「警視庁特別対策捜査官」。 警視総監直轄の部署……といっても、実際には「部署」ではなく「窓口」で、担当は彼一人だけ。 ある日、二階堂のもとにある女性が相談に訪れる。窃盗事件の被害届を出したいのだが、所轄の態度が気に食わないので何とかして欲しいとのこと。彼女は被害者の後妻で、元ホステスの女だった。 被害者は港区内に住む資産家・梅島。ラーメン屋の親父から、一代で巨大飲食チェーンを育て上げた“成金”で、会ってみると極めて高慢な人物。 しかも、非常に立派なウォッチワインダーがあるのに、時計が置いていない=盗まれた可能性があるのに届けて出ていないなど、怪しい面がある……。 捜査を進める二階堂の元に、今度は渋谷中央署から電話が。 なんと、総務省審議官の息子を強盗の容疑でしょっ引いたというのだ。 複雑に絡み合う二つの事件、秘められた名門一家の過去とは。 待望の新・警察シリーズ始動!
妻と関係修復のためにシチリア島タオルミーナを訪れたメルヴィルは、レンタカーで宿に向かう途中「何か」に衝突する。事実から目を背け、最悪の選択を重ねる男の行く末は。陰気で、不穏で、スリリング……ジョルジュ・シムノンの後継者と名高い著者が放つ怪作
『ナジャ』と並ぶ、 謎めいたファムファタル 1920年代の夜のパリ。謎の女ジョルジェットにいざなわれた語り手は、セーヌ河岸で犯罪を目撃する……。ジュルジェットはパリだ、パリの夜そのもの。幻想・神秘・偶然は、この娼婦のファムファタルの圏内でうごめくーー 『ニック・カーター』を愛読していたスーポーが綴る犯罪小説は、読者を闇の迷宮へと誘う。『ナジャ』と比べて味わいたい、パリとパリの女の驚異を描いたシュルレアリスム小説。初訳短篇『オラス・ピルエルの旅』『ニック・カーターの死』を併録。読み応えある詳細解説111頁添え。 シュルレアリスム叢書[第1回配本] ★ 〈シュルレアリスム叢書〉全5巻【四六判上製・筒函入】 20世紀最大のアヴァンギャルド、 次の100年へーー。 ・A.ブルトン、P.スーポー、P.エリュアール『磁場・処女懐胎』中田健太郎 訳 ・フィリップ・スーポー『パリの最後の夜』谷昌親 訳 ・ロベール・デスノス『ワインが樽から抜かれたら……』谷昌親 訳 ・ルネ・マグリット『目に見える詩ーーマグリット著作集』利根川由奈訳 ・レオノーラ・キャリントン『石の扉ーーキャリントン中・短篇集』野中雅代 訳 オラス・ピルエルの旅 ニック・カーターの死 パリの最後の夜 訳者解説「シュルレアリストであり小説家であるということ」谷 昌親
シュルレアリスム×メキシコ魔術 エルンストと出会いシュルレアリストになり、メキシコに渡り独自のシュルレアリスムを発展させたキャリントン。「〈石の扉〉よ、私を通して、外に出して」とリフレインする少女ーー占星術・錬金術・魔術が渾然となり、死者の国からハンガリー王を探す魂の遍歴の壮大なメタフィクション「石の扉」ほか、不気味で、残酷で、夢、ブラック・ユーモアの奇妙な世界20篇。 短篇集『七頭目の馬』の戯曲を除く全篇に、「砂の駱駝」「グレゴリー氏の蝿」「ジェミマと狼」を付加し、抄録の「石の扉」を完全版とした日本版オリジナル編集。13篇は本邦初紹介。読み応えある詳細解説65頁、キャリントンの挿絵5葉添え。 【目次】 彼らが丘の斜面を駆けたとき 三人の猟師 鳩よ、飛べ! シリル・ド・ガンドル氏 悲しみにうちひしがれて 姉妹 白兎たち 待ちながら 七頭目の馬 中性の男 私の母は牛です 私のフランネルのニッカーズ 製薬業創始法 エト・イン・ベリクス・ルナルム・メディアリス 幸福な死体の物語 メキシコのお伽噺 グレゴリー氏の蠅 砂の駱駝 ジェミマと狼 石の扉 解説「作家レオノーラ・キャリントン」野中雅代 シュルレアリスム叢書[第2回配本] ★ 〈シュルレアリスム叢書〉全5巻【四六判上製・筒函入】 20世紀最大のアヴァンギャルド、 次の100年へーー。 ・A.ブルトン、P.スーポー、P.エリュアール『磁場・処女懐胎』中田健太郎 訳 ・フィリップ・スーポー『パリの最後の夜』谷昌親 訳 ・ロベール・デスノス『ワインが樽から抜かれたら……』谷昌親 訳 ・ルネ・マグリット『目に見える詩ーーマグリット著作集』利根川由奈訳 ・レオノーラ・キャリントン『石の扉ーーキャリントン中・短篇集』野中雅代 訳 彼らが丘の斜面を駆けたとき 三人の猟師 鳩よ、飛べ! シリル・ド・ガンドル氏 悲しみにうちひしがれて 姉妹 白兎たち 待ちながら 七頭目の馬 中性の男 私の母は牛です 私のフランネルのニッカーズ 製薬業創始法 エト・イン・ベリクス・ルナルム・メディアリス 幸福な死体の物語 メキシコのお伽噺 グレゴリー氏の蠅 砂の駱駝 ジェミマと狼 石の扉 解説「作家レオノーラ・キャリントン」野中雅代
それは、使命を果たすための運命の出会い。 次元上昇を迎える時代に贈る、未来への物語。 「宇宙に愛と真実の種をまく」使命を託された龍の国の王女・アミと、「【星の宝】を探し出す」使命を授かった星の国の王子・アライ。 敵対する2つの国に住む2人の出会いが、銀河の歴史を変えてゆく。 彼らを待ち受ける波乱に満ちた運命とはーー。 宇宙に広がる国々を舞台に、愛と希望を紡ぐSF冒険ファンタジー。 エピソード1 愛と平和の使者 エピソード2 銀河系宇宙を巡る旅
日系アメリカ人作家ヨシコ・ウチダの人生に大きな影響を与えた「強制収容」体験。1941年12月7日、日本のハワイ真珠湾攻撃による日米戦争勃発と共に、アメリカは「敵性外国人」の名の下に、日系アメリカ人を住居から退去させ、強制収容した。この市民権の剥奪と強制収監の経験を、ウチダに限らず多くの作家が、そのマイノリティへの抑圧、人種差別憎悪について作品で描いていっている。民主主義国家の汚点として意識されながらも、現在まで、アメリカ社会にある有色人種への差別や少数派への差別意識は無くなってはいない。かつての日米経済摩擦、9.11事件、そして今トランプ大統領が叫ぶ「アメリカ第1主義」にも通底する排除・差別意識に対し、本書は、児童向け、大人向けでは異なる描き方をしてはいても、それらへの眼差しを向け続けたウチダ文学と、同じく「強制収容」体験を描いた同時代作品との比較再評価を行い、強制収容体験のウチダ文学における意味を追求している。 はじめに 第1部 強制収容体験とウチダ作品の世界 第一章 『ぶんぶく茶釜とその他日本の昔話』── 強制収容との関連で読む 第二章 『タカオと祖父の刀』と『間にはさまれたミヤ』 ──冷戦期の日系人の同化志向との関連で読む 第三章の一 『トパーズへの旅』と『故郷に帰る』 ──多文化主義児童文学のオーセンティシティの観点から読む 第三章の二 『トパーズへの旅』と『故郷へ帰る』──ウチダの執筆の意図を考える 第三章 リンコ三部作『夢は翼をつけて』『リンコの逆転ホームラン』 『最高のハッピーエンド』──リドレス運動との関連で読む 第四章『写真花嫁』──抑圧の観点から強制収容までの日系の歴史を読む 第2部 ウチダの意思を受け継ぐ21 世紀の強制収容物語 第一章ジュリー・オオツカの『天皇が神だったころ』と シンシア・カドハタ『草花とよばれた少女』 ──砂漠表象を「パイオニア」言説から読む 第二章サミラ・アーマドの『強制収容』──イスラム教徒排除への抵抗 第三章カービイ・ラーソンの『ダッシュ』と ロイス・セパバーンの『マンザナの風にのせて』 ──多文化主義児童文学のオーセンティシティの観点から読む あとがき 引用参照文献 索引
お待ちかね、第21回歴史浪漫文学賞優秀賞受賞作家のシリーズ第4弾! 手練れの郵便集配人が遭遇する難事件の数々!! こっくりさん殺人、高利貸し殺人、娼婦殺人、宝石泥棒…… 明治という時代の光と闇を実在の著名人を配して大胆に活写!
国際ブッカー賞受賞! 80歳の母が、家を出た。 行き先は、越えられるはずもない 国境の向こう側。 夫を亡くし沈んでいたはずの母が、ある日突然起き上がる。ヒジュラーの友と時を過ごし、娘と旅する先はインド・パキスタンの国境線。カラスは喋り、路は目撃し、神話や哲学も語り出す。あらゆる境界を越え母は進むーー 不可視化された女性の無限を描く、インド作家初邦訳。 「母が踏み出す旅は、何百万人もの人々が歩んだことのある旅だ」--ガーディアン 第一章 背中 第二章 陽光 第三章 国境の向こう 訳者あとがき
半年ほど前のこと。フランスはブルターニュの海岸に、地元漁師の男が倒れていた。男は「アラバスターの鐘を鳴らさないと……」と呟いて息を引き取るが、彼が不幸を呼ぶといわれる金の指輪を持っていたことから指輪の呪いで死んだのだと噂された。そして現在。ロンドンにある骨董店「アルカ」では、店長代行のユウリ・フォーダムが、ミッチェル・バーロウの仕入れてきた骨董品の仕分けを手伝っていた。コーンウォールのチャリティー・オークションで仕入れたもので、中には銀製の中世の結婚指輪もあった。ユウリはその指輪を手にした時、誰かの絶望を感じ取ったのだった。後日、ユウリが店番をしていると、ミッチェルから連絡が入る。曰く、友人のクルーザーの中で、例の銀の指輪と瓜二つの金の指輪を発見したたというのだ。一方、ブルターニュを訪れたシモン・ド・ベルジュは、そこで金の指輪にまつわる地元の伝説を耳にする。ミッチェルが関わっている件だと判断し、シモンは現地で調査を調査を始めるが……。 アラバスターの鐘とは一体なんなのか。そして、中世から連綿続く呪いの正体とは? 大人気「英国妖異譚」「欧州妖異譚」シリーズに連なる、大人になったユウリたちが 活躍する「古都妖異譚」シリーズ、ファン待望の第4弾!
大人気警察小説シリーズ第2弾! 大森署に怪盗フェイクから挑戦状! 藍本小百合VS変幻自在の怪盗。狙うは署長室に眠るキケンなお宝ーー。 近頃、怪盗フェイクを名乗る変幻自在の窃盗犯が出没し、大森署の管内の宝石店を荒らして、マスコミを騒がしていた。そんななか、戸高が競艇場で二千万円の万舟券をゲット。さらに、前回小型核兵器を守り切った実績から、警察の各方面から公金の保護を名目に大金が持ち込まれ、なんと総額一億円が大森署の署長室に……。 するとそれを見越してか、怪盗フェイクがSNSで犯行予告!「大森署の署長室にあるお宝を頂く」なんと日時指定までしてきたのだった。 はたして藍本たちは、大胆不敵な謎の怪盗から、署長室の金庫に眠る大金と、警察の面子を守り切れるのかーー!?
将棋は、決断のゲームである。無数の選択肢から、一手を選ぶ。 将棋は、明快なゲームである。残酷なまでに白黒がはっきりとつく。 しかし、単純な「結果」にたどり着くまでの間に、無数の思いが凝縮されている。 だからこそ、将棋は物語の宝庫なのだーー。 超豪華執筆陣による「決断」をテーマにした傑作将棋小説アンソロジー。 青山美智子「授かり物」 「俺、東京に行く。漫画家になるんだ」 二十歳の天才棋士と同じ日に生まれた、平凡な我が子。初めて知る息子の夢に戸惑う芳枝だったがーー。 葉真中顕「マルチンゲールの罠」 将棋の強さにだけは自信があった。 思い出話をきいてくれ。 あの日、俺は頼まれたんだ。 「天才」かもしれない少年を、この道場から追い出してほしいとーー。 白井智之「誰も読めない」 名人戦、第五局。一日目の対局が終わり、ひと息ついた挑戦者が、 拉致された。連れ去った人物は、挑戦者に頼んだ。 ある殺人事件の犯人を見つけてほしいーー、と。 橋本長道「なれなかった人」 元・天才棋士の青柳は、アマチュアとしてプロ棋戦を勝ち上がってきた段という男と対局する。彼は、青柳が三十年前に奨励会から蹴落とした相手だった。因縁の再戦を前に、二人がした約束とは。 貴志祐介「王手馬取り」 「両家の父が結婚式に来なかった」 井上家で未だに残る謎を解決するのは、元真剣師を名乗る老人でーー 芦沢央「おまえレベルの話はしてない(大島)」 奨励会員の息子を持つ男性が自己破産申請にやってきた。担当する弁護士の大島は自分も元奨励会員で事情もよく分かり、あと一歩のところまで順調に手続きが進んでいたがーー。 綾崎隼「女の戰い」 「朱莉さんって銀みたいな人ですよね」 数少ない女性奨励会員として奮闘する倉科朱莉の、苦悩と成長の日々。 奥泉光「桂跳ね」 菅原香帆の日録に記された、将棋を通じた友との交歓の日々。 桂跳ねに込められた、友人の悲愴な決意とは。