2025年9月発売
「おれたちはみんな自分を とことん安く売るようになったよな」 池袋で何件も強盗事件を起こしているトクリュウ(匿名・流動的犯罪グループ)の「池袋NO NAME」。 Gボーイズのメンバーが闇バイトの罠に嵌り、強盗の実行犯として逮捕された。 強盗の罪は重く、長期の懲役刑を受けることになりそうだ。 タカシは「池袋 NO NAME」の元締めを突き止めて罪を償わせることを決め、マコトを含めた4名を潜入捜査させることに。 しかし誰とも直接の接触を持たない元締めを見つけることは困難を極め……マコトが見つけた糸口とは? (表題作) その他「北口オーバードーズ」「池袋二丁目サウナセンター」「中板橋ルッキズム」の短編3作を収録。 時代の最先端のその先へ。 レジェンド人気シリーズ最新刊。
芥川賞受賞作『ハンチバック』を超える衝撃の第二小説集! 「何でもいいから何かを撃ち殺したい」 難病と生きる身体から放たれる言葉が現代を撃つ。 「おねえちゃまへ。元気ですか」 筋肉の難病を患う主人公ガゼルと、同じ病気を持つ姉との関係を描く表題作に、性差別主義的な哲学者を信奉する女子大学院生が三島由紀夫原作のAVに出ようとする「オフィーリア23号」を併録。
たとえあなたの顔が見えなくても、 あなたを感じることはできるから。 病気で視力を失ったグレースは、暗闇でもがき苦しみながらも、 一歩ずつ自立を目指し、ようやく念願のソムリエになった。 あるとき、アルゼンチン大富豪からワイン鑑定の仕事を頼まれ、 相棒の盲導犬と共に彼女は現地の大農園へ飛んだ。 驚いたことに、グレースを出迎えたのは親友の兄で憧れの人、 ナチョ・アコスタだった! まさかこんな形で再会するなんて。 彼が“目”となって色を伝え、グレースがワインを口に含む。 共同作業はしだいに熱を帯び、祭りの夜、二人はついに結ばれた。 だが、なぜかナチョはその日を境に彼女を遠ざけるようになる。 あれは一夜の夢よ。傷心のグレースは帰国しようとするが……。 ハンディキャップ・ロマンスの旗手、スーザン・スティーヴンスが描く、心揺さぶる感動の逸作をお贈りします。早くに両親を亡くし、5人きょうだいの長男として、弟妹たちをひとりで守ってきたヒーローには、これまで誰にも話せなかったトラウマがあって……。
名も知らず愛を交わした、かけがえのない記憶。 この娘の瞳にいつも、あの日のあなたがいた。 ニューヨークの高層ビルで働くブリーは、仕事に追われながら、 3歳の娘ソフィアを育てている。ある一夜の美しい記憶を胸に。 4年前、傷心を抱えて訪れたイタリアで、美しい漆黒の瞳の ジャクソンと出会い、ブリーはたちまち惹かれた。 情熱と切なさが入り混じる夜は、まるで夢のように過ぎ去ったーー 彼が何者なのかも知らないままに。 今、4年の時を経て、彼は世界を駆け回るホテル王ジャクソンとして、 ブリーの上司の結婚披露宴に現れたのだ! 彼は幼いソフィアの漆黒の瞳を見つめて言った。 「この子は、僕の娘か?」 その問いに、ブリーの世界は揺れはじめます。この3年間、一人で娘を守ってきたのに、彼はすべてを知るや言ったのですーー「結婚しよう。君たちをイタリアに迎えたい」けれど、父の愛を知らずに育った彼女には、温かい家族のイメージなど到底持てなくて……。
最愛の人に出逢う前から、 運命の子を身ごもっていたなんて。 独身のシェリダンは人工授精を受けた。 不妊に苦しむ大好きな姉のため、代理母になるつもりだった。 だが1週間後、とんでもない事実を知らされて凍りつく。 病院で手違いがあり、義兄とは別人の精子が使われたというのだ。 取り乱すシェリダンのもとに、突然見知らぬ男性が訪ねてきた。 態度こそ傲慢だけれど、なんてハンサムで魅力的な人なの。 陶然とする彼女に彼が言った。「きみが生むことになるのは、僕の 後継ぎだ」驚いたことに、彼の正体は異国の王ラシードだった! おなかの子が未来の国王に? すぐにシェリダンの口はキスで ふさがれ、ラシードは彼女を強引に砂の宮殿へと連れ去った。 ヒーローから過去に妻子を同時に亡くしたと聞かされたヒロインは、彼を慰めたくてベッドを共にすることに。ところが妊娠が確実になったとたん、彼の態度が冷たくなって……。2008年度ゴールデン・ハート賞ファイナリストという実力派作家の代表作です!
“兄”と呼ぶにはまぶしすぎて、 “恋”と呼ぶには近すぎた。 養女のメレディスがようやく見つけた実の母は、 親子の名乗りを上げてほどなく、重い病でこの世を去った。 だが、娘の存在を知らない実の父が健在と知って、 メレディスは自らのルーツをたどるため、素性を伏せたまま 父の住む地に求職広告を出す。やがて、さる屋敷で雇われるが、 そこには心を大きく揺さぶる男性がいた。ガレスーー そう名乗った彼は、血のつながらない兄。義理の兄だった。 ガレスはメレディスの亡き母を嫌い、訃報にほっとしたと言い放つ。 メレディスは人知れず傷つき、そして怒りを覚えた。 けれど同時に、彼のことを憎みきれない自分に、戸惑いも感じていた。 原作刊行はなんと1977年! 〈ハーレクイン・ロマンス・タイムマシン〉で刊行した『捨てられた令嬢』が大反響を呼んだ往年の大作家、エッシー・サマーズ。クラシックな雰囲気漂う、傲慢な義兄と孤独な乙女の恋物語をお楽しみください。
ごみ箱に捨てられた私は、 赤ちゃんを幸せにする。絶対に。 生まれてすぐにごみ箱に捨てられて施設で育ったリアは、 医療の現場で働くことで、家庭への憧れが人一倍強くなった。 子供が欲しいのに自分は妊娠が難しい体質のため、 親友に代理母となってもらい、7カ月後には母になる予定だ。 だから、先日一夜をともにした上司で医師のベンにもそう伝えた。 私はプレイボーイのあなたが興味を持つような女ではない、と。 本当は出逢った瞬間から彼に惹かれ、もっと近づきたいのだけれど……。 一方のベンも、ずっと弟や妹の親代わりをしてきたせいで、 もう二度とあんな責任は負いたくない、子供は欲しくないと話した。 なのに、思わぬ事態がーーリアの身にベンの子が宿っていたのだ! 命の現場を舞台に感動ロマンスを描いて人気急上昇中の英国人作家L・ヒートン。代理出産により母になる予定のヒロインが自らも予期せぬ妊娠をしてしまうという驚きのストーリーが繰り広げられます。父になるつもりのないヒーローはいったいどうするのでしょうか?!
あなたのキスに怒ってみせたのは、 この気持ちを隠したかったから。 天涯孤独のケイトは住みこみで老婦人の話し相手をする仕事を見つけた。 初日、美しい田園の駅にやってきた彼女は列車の車両故障で立ち往生し、 居合わせたニコラスという長身の男性に屋敷まで送ってもらうことに。 「もしかして君、修道院から脱走してきたのか?」 ケイトの質素な服装を見てそう言ったニコラスはいかにも裕福そうだ。 彼女のプライドは傷ついた。彼を密かにすてきだと思っていたのに……。 さらにショックなことに、彼には美しい婚約者がいることを知った。 しかも、偶然にもケイトの雇い主の老婦人はニコラスのおばで、 彼は結婚生活を始めるために、老婦人を屋敷から追い出そうとしていた! そうと知っていたら、ここまで来たりしなかった。彼に恋したりもーー。 偉大な作家シャーロット・ラムの1970年代の秀作を紙書籍限定で再版いたします! ケイトがせっかく見つけた仕事は始まる前に終わったかに思われましたが、ニコラス自らがケイトを雇うと提案しますーー屋敷から出ていくよう老婦人を説得してほしいと言って。
昼は他人のように、 夜は恋人のように。 インテリアデザイナーのレオニーは顧客の会社を訪れ、息をのんだ。 そこで彼女を待っていたのは、新社長のアダム──別居中の夫! レオニーは彼が姉と浮気をしていたと知り、家を飛び出した。 知り合ってすぐに結婚した二人は初めての夜からうまくいかず、 そこから互いの距離が広がっていったのだった。 8カ月ぶりの再会に、レオニーの胸にときめきと切なさが渦巻いた。 アダムは社長室を改装してほしいと仕事を依頼するだけでなく、 完璧なディナーと誘惑で彼女を魅了し、甘い余韻のなか朝を迎えた。 私たちは離婚するはずでしょう。彼はどういうつもりなの……? 断らなくちゃ。アダムの仕事の依頼も、恋人のような誘惑も! 本作の原書は1985年に上梓されるもしばらく未邦訳のままで、2015年にようやく翻訳版が日本に紹介され、大好評を博しました。夫婦の愛の復活物語をご堪能ください。
幼さを脱ぎ捨て、 もう一度、初恋の男性に出逢う。 ベスは父の死を機にヨーロッパから帰郷し、 5年ぶりに初恋の相手フィリップと再会した。 彼はかつて、亡き従姉と婚約していた相手。 5年の間に痩せて美しいレディに変身したベスに驚いた様子で、 舞踏会では、ブラックウッド子爵との仲を冷やかしてきたが、 ベスはといえば、別の令嬢が彼に急接近し、気が気ではない。 その矢先、ベスはほかならぬ子爵とともに誘拐されてしまった! 幸い二人とも無事救出されたが、ベスの名誉を守ろうと求婚したのは、 子爵だけではなくーーなんとフィリップ! どうして? あなたとだけは、絶対に結婚できないのに。 忘れえぬ初恋の男性からの思いがけない求婚に、苦悩するベス。なぜなら従姉の身代わりになっても、彼に愛してもらえる日は永遠にこないから……。根強いファンを持つリージェンシーの名手アン・アシュリーが描く、珠玉の初恋&再会ロマンス!
姿さえ見えない彼に、 こんなにも心を乱されるなんて……。 婚約者が車で事故を起こし、助手席にいたシャノンは失明した。 その彼女に婚約者が突きつけたのは、婚約破棄という非情だった。 失意のどん底で薄暗い部屋に閉じこもるシャノンのもとに、 ある日、元婚約者の異母兄ブレイズと名乗る男性が現れた。 シャノンはそれまで存在すら知らなかった彼に警戒心を抱くが、 彼の深みのある声、手探りで知った長身の輪郭に密かに胸を高鳴らせる。 家にこもる彼女をなんとか外へ引っ張りだそうとするブレイズ。 どうしてこの人は、こんなにも私のことを気にかけてくれるの? シャノンはブレイズの強い説得により、目の手術を受ける決意をする。 包帯が取れて初めて見えるのは彼の顔であってほしい。そう願うが……。 不運な事故で目の見えなくなったヒロインに、ヒーローは生きる希望を与えに来たのか、はたまた悩める恋心を芽生えさせに来たのか。ドラマ性に富んだ物語で大人気を博すサンドラ・フィールドが描く、珠玉のハンディキャップ・ロマンス! 紙書籍限定の再版です。
パラレルワールドから来た元恋人と、彼女の世界にないものを探す「自撮り棒のない世界」、一度使った言葉が次々と消えていく「メソポタミア人の地獄」、世界中の人間一人ひとりに自分だけのソウルメイトを生み出す計画の行方は…「ソロ」、若い経営者とその父の朝の出来事をめぐる「オートコレクト」、地球を訪れる宇宙人をガイドして〈命のつぶ〉を受け取る「ガイドツアー」など。ユニークな想像力とユーモアで見えない真実を浮かびあがらせる短篇集。
『侍女の物語』前夜のアトウッド 世界的作家アトウッドの初期短編集が待望の復刊。キャンパスで繰り広げられる奇妙な追跡劇(「火星から来た男」)、記者が陥る漂流の危機(「旅行記事」)、すれ違いから若い夫婦が深める孤独(「ケツァール」)、悩める医者の卵がある少女に向ける感情(「訓練」)、下宿屋で巻き起こる異文化をめぐる騒ぎ(「ダンシング・ガールズ」)など──アトウッドのぞくぞくするような「巧さ」が詰まった七編を収録。あからさまにではなく、ほんの少しだけ垣間見せるというやり方で、日常に潜む違和や世界の綻びが、複雑と混沌のままに示される。 「ことに「キッチン・ドア」で描かれる、形のない、だがはっきりと肌で感じる破滅の予兆は、のちの『侍女の物語』や〈マッドアダム〉三部作のディストピア世界の前日譚と見ることもでき、世界のあちこちで不穏な狼煙の上がる二〇二五年に読むと、これを訳した当時よりずっと生々しい実感をともなって迫ってくる。およそ五十年前に書かれたにもかかわらず、これらの物語は少しも古びていない、どころか読むたびに「今」の物語として更新されつづける。そのことに何よりも驚きを感じる」(「復刊によせて」より)
元寝具店店員の著者が贈る、眠れない夜に寄り添う物語 この宇宙の片すみで今日もひたむきに生きているすべての人びとに、 この本を差し出したいと思った。 生きていくために、人は眠る。 よりよい眠りを得たいと願うことは、そのまま、 よりよく生きたいという私たちの、切実な願いなのだ。 ーー寺地はるな さん絶賛! (「web asta*」2025年9月24日より抜粋) 大学時代から8年半付き合った婚約者・直樹を亡くした依里。 大阪出張に出かけたはずが、直樹はなぜか年上女性と東北の温泉宿に泊まり、 その帰りにバス事故に遭ったのだ。 以来眠れなくなった依里は、 親身になってくれた店長のいるデパートの寝具売り場で働くことに。 そこには、日々眠りについての悩みを抱える人たちが訪れる。 夫に言われるまま、あわない寝具を使い続けてきた老婦人。 愛着のある毛布を手放して以来、寝付けなくなった会社員。 いつも家族を優先し、自分のことは後回しの母親。 そんな折、直樹と一緒に亡くなった女性の夫・高橋が店を訪れてーー。
可愛い顔と虚弱体質のせいで周囲から浮いているハルト。ある日、クラスメイトに巻き込まれ不運にも異世界に召喚されてしまう。ひとり「なんの資質もなし」と烙印を押され放り出されるけれどーー実は女神からお詫びに全項目カンストのチートスキルをもらっていて!? 今度こそ平穏で自由な生活を送るため、ハルトはスキルを隠蔽して魔法学園へ入学することに。 「やっちゃった! 加減を誤った!」 入学試験では規格外の魔法で設備を破壊してしまったり、錬金術を使いこなしてとんでもアイテムを量産したり、禁忌魔法をかけられ苦しむドラゴンを救ったり…隠すはずが特別な力がつい漏れ出てしまうハルトを周りは放っておかず、ついには大事件に巻き込まれてしまい…!? 手違い召喚者による最強で平穏な学園ライフ、開幕!?
魔法使いの名家に生まれるも魔力が少なく、落ちこぼれとして12歳で追放されたスペル。辿り着いた宿屋で働きだしたスペルは雑用係のかたわら、時折気まぐれで子供たちに魔法の基礎を教えるだけのしがない日々を送る。それから数十年ーーあっという間にアラフォーになったスペルは、心配した養い親の勧めで魔法学園の用務員試験を受けることに。初めて王都に足を運んだスペルだが、そこでかつて魔法を教えていた子供たちと再会する。天才宮廷魔術師やSSSランク冒険者など、各界で名を馳せる大物へと大成していた弟子たちは、なんとスペルを世界最強の魔術師だと称賛しはじめて…!? 「わ、わたしはまだ半人前ですので…!」と謙遜しながらも、模擬戦では学園の教師たちを圧倒してしまうスペル。さらに、無詠唱での魔法の発動、全属性魔法の同時使用など、規格外な力を見せつける! 最初はおっさんだと馬鹿にしていた人々も、常識を覆すようなスペルの実力を見て「大賢者」と称え出し…!? 長年燻っていたアラフォー魔術師がついに世界に見つかった!? おっさん無自覚無双ファンタジー開幕!
薬剤師として働くも、気付けば生前プレイしていたゲームに登場する悪役貴族に転生していたメディスン。メディスンは勇者の毒殺に失敗し、処刑という運命を迎える悪役薬師だった。処刑される数年前にも関わらず、いかにもな悪人顔でひとり毒薬の実験を繰り返すせいで、すでに孤立していたメディスン。家族すらも距離を置く様子に、このままだと死亡ルートは確定ーー。 「いや、俺ならメディスンをうまく使えるんじゃないか?」 毒しか作れない出来損ないと言われた悪役薬師。だが今の俺には薬剤師としての知識と経験があるーー! 処刑回避のためスキルの研究を始めると、ハズレだと思っていたスキル【薬師】は実は万能なチートスキルだと判明して…!? 死に至る流行り病の完治、毒薬を使ったモンスターとの戦闘、さらには領地の食糧問題まで解決!? メディスンは次第に家族や領民から慕われる存在になっていく。さらには有名公爵家の専属薬師に請われたりと、領地を超えてその名を轟かすようになりーー! 悪役から英雄へと成り上がっていく薬師(ただし悪人顔は健在)の、大逆転ファンタジー開幕!
恐怖が、再定義される── 『ゲット・アウト』の監督・ジョーダン・ピールが送る 黒人作家たちによる恐怖の最前線 【ローカス賞、ブラム・ストーカー賞、英国幻想文学大賞受賞/世界幻想文学大賞最終候補作】 『ゲット・アウト』『アス』『NOPE/ノープ』で世界に衝撃を与えた映画監督・脚本家ジョーダン・ピールが編集を手がける、全編書き下ろしによるブラック・ホラー短篇集。 本アンソロジーに収録された19の作品では、奴隷制度の記憶、公民権運動のトラウマ、移民としての分断されたアイデンティティ、そして現代社会の見えざる暴力など、超自然の恐怖だけでなく、アメリカ社会に深く根を下ろした不正義や歴史的暴力といった“現実”の〈悪夢〉が描かれる。 作家陣には、N・K・ジェミシン、ンネディ・オコラフォー、レベッカ・ローンホース、タナナリーヴ・ドゥーら国際的に高く評価される作家たちが名を連ね、新進気鋭の書き手も多数参加。また、ジョーダン・ピール自身による序文も収録されている。 ローカス賞、ブラム・ストーカー賞、英国幻想文学大賞を受賞したほか、Esquire、CrimeReads、シカゴ公共図書館の「年間ベストブック」にも選出された。 また、英・ガーディアン紙は「今年最高のアンソロジーであるだけでなく、時代を超えて語り継がれる一冊」と絶賛している。 ブラック・ホラーの最前線を記録する、必読のアンソロジー。 あなたがまだ見ぬ恐怖が、ここにある── 序文 ジョーダン・ピール 01「不躾なまなざし」N・K・ジェミシン(押野素子訳) 02「〈目〉と〈歯〉」レベッカ・ローンホース(ハーン小路恭子訳) 03「彷徨う悪魔」キャドウェル・ターンブル(ハーン小路恭子訳) 04「ベイビー・スナッチャーの侵略」レズリー・ンネカ・アリマー(柴田元幸訳) 05「片割れ」ヴァイオレット・アレン(ハーン小路恭子訳) 06「人魚(ラシレン)」エリン・E・アダムズ(ハーン小路恭子訳) 07「乗ってきた男」タナナリーヴ・ドゥー(柴田元幸訳) 08「芸術愛好家」ジャスティン・C・キー(ハーン小路恭子訳) 09「圧」エズラ・クレイタン・ダニエルズ(今井亮一訳) 10「暗い家」ンネディ・オコラフォー(福間 恵訳) 11「ちらつき」L・D・ルイス(坪野圭介訳) 12「世界一最強の女魔術師(オビア・ウーマン)」ナロ・ホプキンソン(今井亮一訳) 13「ノルウッドの動乱」モーリス・ブローダス(今井亮一訳) 14「死者の嘆き」リオン・アミルカー・スコット(押野素子訳) 15「しるしを刻む木のそばで、一羽の鳥がさえずる」ニコール・D・スコニアーズ(福間 恵訳) 16「あるアメリカの寓話」チェシャ・バーク(坪野圭介訳) 17「あなたの幸せな場所」テレンス・テイラー(福間 恵訳) 18「かくれんぼ」P・ジェリ・クラーク(今井亮一訳) 19「オリジン・ストーリー」トチ・オニェブチ(柴田元幸訳) 訳者解説 『どこかで叫びが』におけるブラック・ホラーの意匠 ハーン小路恭子 著者・編者略歴 訳者略歴
海に憧れながら元の生活から離れぬエレーダを描く『海の夫人』。他人との関係を疎むヘッダの退屈な生を描く『ヘッダ・ガーブレル』。「自己亡命」の終焉間際に書かれた、祖国への愛憎と望郷の狭間のイプセンの葛藤が〈居場所探し〉として結晶化した、リアリズム期の傑作戯曲2篇。