制作・出演 : シューマン
ムーティ2度目のシューマン交響曲全集からの1枚。ムーティならではの推進力のある演奏で、シューマンのロマンティシズムがあふれかえっている。第2番ですら生命力に満ちている。
ロマンティックでピアニスティックな美しさに満ちているピアノ協奏曲と、シューマン自らが最高傑作と言った幻想曲との組み合わせ。シューマンのピアニズムを十分に生かしきったブレンデルの演奏が楽しめる。
制作・出演
アンネッテ・ビク / エディット・クルコン / エレーヌ・グリモー / オレグ・マイセンベルク / ギドン・クレーメル / シューマン / デジュー・ラーンキ / ハーゲン弦楽四重奏団 / ルーカス・ハーゲンクレーメルが主催するロッケンハウス音楽祭のライヴ録音。シューマンとゆかりの作曲家をまとめている。シューマンでのクレーメル、グリモーの共演が話題を呼んだ。ほかでは味わえない組み合わせの演奏が面白い。
ブレンデルの変奏曲シリーズの第2弾として発売されたもの。シューマンでは、遺作の変奏曲が挿入されている。ベートーヴェンも通常聴けない珍しい曲が選ばれていて興味深い。ブレンデル円熟期の名演である。
歌とピアノと二つの曲集をカップリングしている。「リーダークライス」は掛け値なしの傑作。「幻想小曲集」もシューマンらしいファンタジックな名作。グルダの読みの深さが実感できる逸品だ。ソプラノは当時のグルダ夫人。
若き日の恋から夫との死別までをうたった「女の愛と生涯」と、人間心理の内奥に迫った傑作「リーダークライス」を収録。深々とした声のノーマンの表現力によって、作品の本質が顕わになっている。
発売元
日本コロムビア株式会社「ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ短調」は、腰を据えじっくりと弾かれた冒頭から印象的で、作品への共感と確信が伝わってくる。第3楽章後半のピアノのアルペッジョに乗っての歌も瑞々しく、全編隙のない演奏。「ピアノ五重奏曲変ホ長調」はフレージングやテンポ変化での対応など、臨時編成とは思えぬ仕上がり。第2楽章で2度にわたって登場する第1副主題部など実に精妙だ。★
最高の音で楽しむために!
沸たる情動と沈潜する物思い。シューマンの音楽が持つ二つの貌、その移ろいを濃やかに捉え息づかせて、音の運びが片時も直線的にならない。ピアノの響きもあえてクリアに整えず、分厚く多様な色を混然と保持する。その中で高域が艶めいて色香を放つ。濃密だ。
サヴァリッシュ壮年期の名盤のひとつ。引き締まった響きが心地よく、シューマンのロマン的世界を雄渾な筆致で描きだしていく。シュターツカペレの奥行のある音色も印象的だ。
サヴァリッシュ壮年期の名盤のひとつ。引き締まった響きが心地よく、シューマンのロマン的世界を雄渾な筆致で描きだしていく。シュターツカペレの奥行のある音色も印象的だ。
パリ高等音楽院、ルエイユ・マルメゾン音楽院を卒業、弟・直彰(vc)とのデュオ“レ・クロッシュ”でも知られる宇宿真紀子がソロ・デビュー盤をリリース。生誕200年を記念してのシューマン・アルバムで、しっかりとしたタッチによる堅実な演奏を展開している。
いずれも北ドイツ放送響との90年代の録音がある作品を収録しているが、このベルリン・ドイツ響との録音はそうは慣れてはいない時期のものだ。当時の自由ベルリン放送局が収録したマスターからの正規音源で、音質の良さがありがたい。
当セットはシューマン自身のみならず、彼が補筆・編曲で協力したクララやヘンゼルトの作品も収めた好企画。世界初録音もいくつか含む。ヴィノクールは制作に当たり、既出の出版譜の検討から、さらには自ら補筆完成まで携わった。たとえば有名なピアノ協奏曲のもととなった「幻想曲」は、自筆譜から校訂。それゆえ、流通しているEulenburg社のスコアとは異なる箇所が多々ある。演奏はどれもシューマンの語法とムードの双方を大切にしていて好感度大。パターン楽句が多用されつつも、シューマンらしい香気がむせ返るニ短調の協奏曲断章など、ファンにはたまらない。★
発売元
日本コロムビア株式会社シューマン作品の主要ジャンルを、各一枚にまとめた編集盤。フェイドアウトなしの楽章フル収録ながら横断的網羅感もあり、ブックレットも各曲のしっかりした解説付き(歌詞対訳は省かれている)と、良い意味で教科書的クオリティ。特にディスク5は単独でも充実した内容。