ジャンル : クラシック > 声楽曲
往年の名歌手たちのSP盤からの復刻シリーズの第9巻。内藤孝敏によるノイズリダクション方式による復刻だ。シューベルト、J.シュトラウスに加え、シベリウスらも収録している。個性豊かな歌手たちの競演が楽しめる。
制作・出演
アルベルト・グラッツィ / アンドリュー・クラーク / イアン・ボストリッジ / イングリッシュ・コンサート / ソフィ・デインマン / バーナード・ラバディ / マドレーヌ・ショー / マーク・ベネット制作・出演
ウルフ・ヨハンソン / ウーラ・シャムエガート / エリック・エリクソン / エリック・エリクソン合唱団 / エーリク・ルンドクヴィスト / スウェーデン放送交響楽団員 / ストックホルム室内管弦楽団 / バーバラ・ヘンドリックス2004年8月に惜しくも他界したフランス声楽界の至宝、スゼーによるフォーレの歌曲集。エスプリに満ちた珠玉のメロディを、磨き上げられた円熟した歌唱で楽しめる。1976年度のレコード・アカデミー賞受賞作品から21曲を抜粋収録する。
牧師の家に生まれたヘンドリックスの、黒人霊歌を含む宗教歌を集めたアルバムをHQCD化。清澄な声が作品によく合い、いやがうえにも敬虔な雰囲気を創り上げる。合唱指揮者として高名なエリクソンの指揮による合唱が、それを一層盛り上げている。
バロック時代にも“3大テノール”がいた。ビアード、ボロジーニ、そしてファブリはカストラートに対抗しえるスターだった。彼らのそれぞれの持ち味を類推し選曲し歌い分けを行なったのがボストリッジ。特にヘンデルのアリアは古楽オケの妙なる響きと相まって素晴らしく魅了される。★
マーラー初期の「さすらう若人の歌」と、晩年の同時期に書かれた「亡き子をしのぶ歌」と「リュッケルトの詩による5つの歌曲」という管弦楽伴奏付歌曲集3作品を収録したお得なアルバム。バースタインに乗せられてハンプソンが充実した歌唱を聴かせている。
ドイツ中世以降の民謡詩集にマーラーが抜粋して付曲した歌曲集。交響曲とも関連性があり、なかでも第2、3、4番とは密接な関連がある。ポップとシュミットという名歌手を擁し、多彩で情感あふれる演奏が展開されている。
歌とピアノと二つの曲集をカップリングしている。「リーダークライス」は掛け値なしの傑作。「幻想小曲集」もシューマンらしいファンタジックな名作。グルダの読みの深さが実感できる逸品だ。ソプラノは当時のグルダ夫人。
若き日の恋から夫との死別までをうたった「女の愛と生涯」と、人間心理の内奥に迫った傑作「リーダークライス」を収録。深々とした声のノーマンの表現力によって、作品の本質が顕わになっている。
武満徹の混声合唱曲集。シンプルで明快なメロディとハーモニーを持ち、いわゆる難しい“現代音楽”ではない。これは混声合唱のための“うた”なのである。演奏は世界に冠たる晋友会、文句なしのアルバムだ。
制作・出演
アルノルト・シェーンベルク合唱団 / ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 / エルヴィン・オルトナー / ゲーニア・キューマイアー / トーマス・ハンプソン / ニコラウス・アーノンクール / ブラームスアーノンクールのみがなし得ると感じさせる声楽とオケの精緻なコントロール。その技が現出させた、しっとりと音楽的な流れがつらなる「ドイツ・レクイエム」。細部まで分析的に描き出していながら、“神経質”を感ずることもなく、ブラームスの音楽の奔流に酔いしれる快感。いまや貴重な音楽体験だ。★
スフィア・アンサンブルを主宰するヴィオラの川口と、歌の伴奏も得意な菅が2004年に結成したデュオ。オペラ・アリアと歌曲を中心に、器楽作品でもメロディアスなものを選択。ハスキーな高音、艶やかな中低音を巧みに操りながら、まさに歌い羽ばたくヴィオラが聴ける。
制作・出演
エリザベート・シュワルツコップ / カルロ・マリア・ジュリーニ / クリスタ・ルートヴィヒ / ジャネット・ベイカー / ニコライ・ギャウロフ / ニコライ・ゲッダ / フィルハーモニア合唱団 / フィルハーモニア管弦楽団 / ヴェルディ85歳の巨匠が16年がかりの全集に結びの一筆を加えた。“通俗的なるものからの批判的な距離感とノスタルジーへの埋没の二律背反”が見事に音化された“偉業”だ。セルの往年を想起させる完璧なオケ、文字どおり入魂の歌唱で応じるふたりの歌手、TELDEXによる録音、ライヴの制約を超えた秀逸さだ。★★