1994年発売
いかにも歌っていると思わせるタイプの説得力のある歌手のひとりが和田アキ子だ。かすれてきた歌声をうまく生かした新曲(1)や(2)を含むベスト盤。キャリアを積んできた歌手ならではの歌い込みの一方で、妙に安定して面白味が不足と、聴き手の欲深さが出る。
(9)(11)を除く12曲がカヴァー。選曲の妙というやつをタップリ味わえる。実に楽しくて、それでいて何処か切なくて……どれもが憂歌団の歌になっている。加山雄三作品としては2曲目のカヴァーの(1)もいいが、今回は(4)の渋くてカッコイイところに2重丸。
(11)を聴いてたら松原みきを思い出したぞ。千堂さん自身がセレクトしたベストなので初期の楽曲はオミットされている。松原みきと言うよりも今井美樹的世界が目指すところなのだろう。もうちょっと「艶」が欲しいなぁ…。(12)は本人の作詞による新曲です。
哀しい世界をうたっても、この人の歌声には何処かに救いがある。決してドライなイメージではないが、割り切り方のうまさとでも言えばいいのだろうか。気っぷのよさが歌にも表われているようだ。多方面への広がりを感じさせる歌手としてますます興味深い。
名前からはなんとなくフランス的なヨーロピアンを感じるが、内容は違って、しいていえばLAアメリカン。事実全8曲中6曲はLA録音。メンバー構成はドリカム状態だが、ヴォーカルの声質の違いのせいだろうか、もう少しさらっとした印象を与える。
パウエル弾きと思われるヘイグも、実際はチャーリー・パーカーやディジー・ガレスピーのコンボでの体験から創作されたもののようで、パウエル風というべきか。録音は77年で晩年にかけて好んでパウエルの作品をレパートリーにしていた。未発表2曲追加。
いきなりDATE OF BIRTHの強力打ち込みものではじまる大江慎也のソロ復帰第1作。魂が、どこかへすっ飛んで行ってしまったかのような歌いっぷりは健在。1984などのメンバーによるバンドものの演奏は平担。全部、打ち込みでやればよかったのに。
沖縄出身の6人組ハード・ロック・バンド、1976年のデビュー作。(8)〜(10)は、はじめシングルのみで発売されていたボーナス・トラックとして追加された。(4)がディープ・パープルのカヴァー。名前も“パープル”、詞も全曲英語ということで“本格派”として大いに注目された1枚。
こりゃ面白い。『バンドネオンの豹』に代表されるのちの傑作が、この作品でのリズムの実験ですでにその萌芽、見せているんだもの。早川義夫「サルビアの花」のカバーなんかまるでラテン。異端と見えて実は“歌謡”の本質、ついてる人なのも確認。
1976年発表の名作。こんなにも宝物にしておきたくなるくらい、枕元においておきたくなるくらい、素敵な夢をみせてくれるアルバム、いとおしくてたまらなくさせるアルバムなんて、ほかにどこ探してもない。
日本人ジャズメンのなかで、この人ほど熱烈な信奉者を抱える人はいないのではないかと思わせる森山。怒涛の勢いを誇るクインテットの新作は、自ら最高傑作と断言するエキサイティングな内容となった。メンバー全員が一丸となって演奏に打ちこんでいる。
発売前からえらい評判の高かった久々のリーダー作。全人生をかけた、そんな表現がしっくりくる。森山は「燃え尽きた」と語ったそうだ。退院後に2枚合わせて録音したが、これはバラード編。どんな芸術でもこの境地に達するのは生涯に何度もないと思う。
パウエル派のピアニストとしてウィリアムソンは50年代にいくつかの素晴らしい作品を発表した。しかし91年録音の本作では、そうしたハードなタッチは影を潜め、どちらかと言えばハート・ウォームなサウンドが特色だ。これが実に気持ち良げに響く。