1998年10月25日発売
ALTとしての活動でも知られるようになった、北アイルランドのシンガー・ソングライターのベスト盤。85年にスティッフからリリースされたデビュー・シングル曲から近年曲まで。未発表曲も。しなやかさと芯の強さを併せ持つ実直表現が目一杯楽しめる。
60年代から活躍しているベテラン・フォーク・シンガー、バート・ヤンシュが70年代後半に結成したバンド、コナンドラム唯一のアルバム。ペンタングルにも通ずるジャズっぽいテイストもある洗練されたサウンドで、非常に心地よい気分にしてくれる。
女性ジャズ・シンガーの最高峰が10年前にドイツのビッグバンドと共演した未発表盤。迫力ある声だが、温かい包容力もあり、近くで歌っているみたいだ。バラードではやさしく、スキャットではやさしく、スキャットでは楽しい音をバンドも演奏している。
情けない中年男の悲しみをシンプルなサウンドにのせて歌うジョナサン。不幸ではないけれど、決して幸せではない、といった世界はアメリカのポスト・モダン小説を読んでいるようだ。ひとり言を呟いているようなヴォーカルが、琴線を優しく刺激する一枚。
カントリーをはじめとするアメリカン・ルーツ・ミュージックを下敷きに良質のロックを聴かせる3rdアルバム。行ったこともないような片田舎の街に思いを馳せてしまうのは温もりを感じるサウンドのせい? 骨太なバンド・アンサンブルも耳に心地よい。
ブラジルから登場し、70〜80年代にさまざまなジャンルに足跡を残したデオダートの本領発揮ともいえる79年のアルバム。ブラジリアン・ミュージック、ジャズ、ロック、ディスコ、はてはクラシック……、数々のエッセンスの見事なまでのクロスオーヴァー。
91年発表のデビュー作からのリミックス集。サスガに今の耳には古く聴こえるが、彼女のストロングかつソウルフルな歌声とベースメント・ボーイズやトニー・ハンフリーズらによるリミックスが、歌ものハウス最良の組合せだったことに変わりはない。
ハウス界の美貌女性シンガー、94年発表の『ワン・ウーマンズ・インサニティ』に入っていた曲のリミックス・ヴァージョンを集めたもの。リミックスはベイスメント・ボーイズ他。パッションの奥にあるクールネスや洗練を生かそうとしたものが多いかな。
カナダ出身のハード・ロック・バンドの最新作。気がついたら来日公演も終わってしまったが、いや、やはり彼らはすごいバンドだ。今作はプライス・ダウンの限定盤。
ウィルコとサン・ヴォルトの母胎となったことで知られるグループが、93年に発表した最期のアルバムがこれ。プロデューサーの影響あってか、R.E.M.後半にいくに従ってアーシーになる演奏が、後に派生するバンドの音を予言している。