1998年6月25日発売
マーク・E.ネヴィンが書いた(1)はフェアグラウンド・アトラクションの香りが漂い、古くからのファンを喜ばせそう。清涼感いっぱいの(3)、スローなワルツの(4)、浮遊感に包まれる(7)など、静の部分を活かした曲が多い。(5)はロン・セクスミスの書き下ろし。
どこにも属さぬ美意識、とでも言おうか。70年前後ブレイクした、個性派故人の68年デビュー作。ファルセットとウクレレの組み合わせに、きらびやかなオーケストレイション。まさしく珍妙にして、なんかひっかかる個人音楽。制作はリチャード・ペリー。
ジェリー・ウェクスラーとトム・ダウトのプロデュースによる72年のアルバム。スワンプの聖地マッスル・ショールズでの録音だが、いつもなら爆発するはずのトニー・ジョーの圧倒的なパワーを凝縮して詰め込んだような秀作。表面は穏やかだけれど奥は熱いぜ。
トム・ダウトとトニー・ジョーのプロデュースによるアット・ホームな超自然体の歌。落ち着いて自らを歌うトニー・ジョーを渋いやつらがやんわりと盛り上げる。ナッシュヴィル録音。気負いのなさは自信の現われ。のびやかだがもちろん頑固そのもの。
ちゃ、ちゃっちい!! これが今のイギリスの期待の新人なんて、冗談じゃないよといった感じ。確かにコーラスも入ってそこそこポップ、アナログ・シンセの鳴り方はウィーザーあたりを思わすけれど、正直いって深みはまるでなし。こども向け。
おー、“舞曲のナントカ”ってめちゃんこポップやんけ。最初から最後まで笑いっ放しでんがな。“こぶだらけのナントカ”はちょっとマジメな顔しはって、最後なんかノスタルジックにきてまっせ。それにしてもクロノスはんたち、シャキッと演奏しはること。★
過去の録音音源から選りすぐったベスト・アルバムだが、「私には夢がある」と「シルヴィアのために」は、このアルバムのための書きおろし。いずれもひたむきな歌唱が魅力。心から歌われた歌といった感じに、カレーラスの美声と音楽がぴったり寄り添っている。
ボストン響の音に惚れ込んでいるフランスのデュティユーが、小澤の依頼に応えてこのオケがひたすら魅力的に響く音楽を書いた。これはその初演の記録。アンネ・フランクにまつわる童声による歌が含まれているがこれはお題目。主役は響き。滑らかさの快。
笹路正徳プロデュースのマキシ。ビジュアルからB'z的ばりばりギター・サウンドを想像してたら、いきなりドラムンベースでビックリ。が、(2)からはBOφWYルーツのGLAY路線。男ロマンな歌があればサウンドは何であれよし、ってことでしょうか。
アニメ『金田一少年の事件簿』のエンディングテーマ「White Page」をフィーチャーしたギター・ポップ・バンドのデビュー盤。時にブリット・ポップ、時にノスタルジックなアレンジが切ないメロディを引き立てる。前述曲が決して突出していないのが強み。
ファン待望のCD化。吉野金次と喜多嶋修がビートルズを研究しまくって作り上げたスタジオの秘技アルバム。71年6月発表でこれだからたいへんなものでしょう。全曲(もちろん)英語ですが、なにぶん音と曲のすばらしさにア然とするばかり。
柳田ヒロは、細野晴臣とのエイプリル・フールを初めとして、70年前後の日本のロック界に数々の逸話を残したキーボード奏者で、これは71年の作品。オルガンを軸にサイケデリック・ロックと、プログレッシヴ・ロックとの接点に素晴らしい成果を見せた。